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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 発生の多い一般犯罪とその対策
(1)一般的傾向
近年、首都ビエンチャン等の都市部を中心に、ひったくり、強盗、置き引き、侵入盗等の一般犯罪が多発しています。また、日本人が被害者となる空き巣、昏睡強盗、夜道でのひったくり事案も発生しています。また、2022年5月に、新型コロナウイルス防止対策によるラオスの入国制限が大幅に緩和されてから、日本人旅行者が被害者となるひったくりや睡眠薬強盗も発生していますので、注意が必要です。
ラオスでの犯罪発生状況については、以下の在ラオス日本国大使館作成の「安全の手引き」の「第2の2.ラオスの犯罪発生状況をご確認ください。
https://www.la.emb-japan.go.jp/files/100762744.pdf
(2)ひったくり
単独行動の女性が標的になることが多く、2021年および2022年にはビエンチャンの中心地で日本人女性が被害に遭う事件も発生しています。主な手口は、バイクに乗った犯人が追い抜きざまに、歩行中または自転車に乗っている被害者からバッグ等をひったくるというものですが、物を奪うために手段を選ばないのが特徴です。例えば、被害者ごとバックを強引に引きずったり、被害者が乗っている自転車をわざと倒すなどして、被害者が大けがを負うことがあります。また、バイクから降りてきて暴力を振るい強引に物を奪うこともあります。犯人は、拳銃やナイフ等で武装している可能性も高く、過去には、外国人の被害者が犯人に抵抗したところ、拳銃で撃たれた事案も発生しました。
外出する際は、次の点に注意してください。
○夜間は徒歩・自転車での外出を控える。
日中でも徒歩等で外出する場合は、必要最低限の現金のみを携行し、腹巻型のセキュリティポーチ等も利用し、貴重品は小分けにして身に付けるようにする。
○歩行中は鞄などを車道側には持たない。また、自転車の前カゴには鞄などを入れない。
○歩行中はスマートフォンの操作や通話、音楽を聴くことを控える。
○万が一被害に遭った場合は、絶対に抵抗はしない。
(3)強盗
路上強盗に加え、銃器等を使用した銀行・商店等に対する強盗も発生しています。一般的にラオスでは、外国人は金品を持っていると見られており、財産犯罪の標的にされやすい傾向にあります。犯罪が増える夜間には、徒歩等での外出を避けるとともに、派手な服装や高価な装飾品を身に付ける等の人目に付きやすい行動は避けてください。
(4)置き引き
置き引き被害は、カフェ、レストランや公共施設等の不特定・多数の人の集まる場所で発生しています。また、長距離バス内でも被害が発生しています。いずれの被害も持主が荷物から目を離した僅かな隙に発生しています。短時間であっても決して油断せず、特に貴重品は常に身につけておくことが重要です。
(5)スリ
スリ被害は、飲食店で飲酒して泥酔状態の被害者のポケット等から貴重品を抜き取ったり、多数の人が集まるイベント会場で群衆の混雑に乗じて貴重品を抜き取るなどの手口が報告されています。特に近年、オーストラリア在住の銀行員と称する者からの窃盗被害が複数報告されています。酩酊するほどお酒を飲まないことはもちろんのこと、外出時には貴重品をできるだけ持たないようにし、持つ場合は衣類のポケットに入れず、ジッパー付きのポシェットや腹巻型セキュリティポーチ等を用いて分散した上で自分の身につける、人込みでは手荷物を体の前に抱えるように持つよう心掛けてください。
(6)侵入盗
侵入盗被害は、都市部では一般民家、事業所を問わず発生しています。犯人の中には、高い壁をよじ登って侵入するような者もいます。長期滞在者が住居を選定する際は、警備が行き届いた物件を選ぶとともに、就寝時や外出時には出入口はもちろんのこと、二階建て住居の場合には、二階の窓などを含め、住居内のすべてのドアや窓を確実に施錠するなどの基本的な防犯対策をしっかりと行ってください。
また、ホテル、ゲストハウスおよびサービスアパートメントでは、ルームキーパー等の従業員の内部犯行による居室内での盗難被害も発生しています。居室内であっても、貴重品を放置しないなどの注意が必要です。また、備え付け金庫も従業員がマスターキーを所持しているので、完全に安全とは言い切れません。
(7)乗り物盗および車上狙い
オートバイや自動車の窃盗や車上狙い事件も多発しています。オートバイや自動車を駐車する際は、短時間であっても、エンジンを切るとともに、鍵を抜き忘れない、車外から見える場所にカバンや財布などの貴重品を置いたままにしないなど、十分注意してください。
また、駐車場所の選定は、犯罪を未然に防ぐ上で重要です。特に人通りのない暗い路上ではなく、明るい場所や警備員が常駐している場所に駐車してください。
(8)求人詐欺
ミャンマーおよびタイと国境を接しているボケオ県の経済特別区において、高額な報酬等の好条件を提示してラオスに渡航させた後、実際には自由を拘束し違法活動に従事させるという、外国人を被害者とする求人詐欺が多発しています。こうした状況に陥った場合、治安当局による救出や解決が容易ではない事情があります。特にSNSや知人等からもたらされることが多く、こうした経路により求人情報を得た場合は、同県経済特別区の情勢を十分理解し、騙されないように十分注意してください。
(9) その他、特殊詐欺・闇バイト
上記(8)以外にも「海外で短期間に高収入」「簡単な翻訳作業」といった、いわゆる闇バイトの謳い文句に誘われ、海外において特殊詐欺事件のいわゆる「かけ子」や「受け子」として犯罪に加担させられた結果、組織内のトラブルにより暴行を受けるなどの被害や、加害者として現地警察に拘束される事案が多く発生しています。
このような求人に安易に応募することがないよう、また、意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動してください。
詳しくは以下の外務省海外安全ホームページをご参照ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2023C035.html
2 日本人を狙った犯罪とその対策
主に単独で行動している日本人旅行者を狙って、いかさま賭博強要詐欺、睡眠薬強盗、昏睡強盗の発生が報告されています。犯人は、用意周到かつ組織的に犯行を行っていることがうかがえ、巧みな言葉にそそのかされて犯人について行ってしまうと、逃げることが難しくなります。次の点に注意してください。
○見知らぬ人物の言葉を安易に信用しない。
特に、日本や日本人に関心があるとして接触を試みてくる者やオーストラリア(またはその他外国)在住の銀行員と称する者には要注意。賭け事や儲け話には絶対に乗らない。
○偶然出会った見知らぬ人物から飲食等に誘われても、絶対について行かない。
○街を散策する際に、クレジットカードや多額の現金を持ち歩かない。
仮に持ち歩く場合には、腹巻型セキュリティポーチ等を利用したり、現金や貴重品を分散させたりした上で、ポシェットやバッグは必ず身につける。
○現地で知り合った人物に、自分の所持金やクレジットカード、キャッシュカードの情報を明かさない。
○たとえ飲み物を交換することが文化や慣習であると言われたとしても未開栓であることが確認できない飲み物は口にしない。
これまで発生した被害の主な手口は次のとおりです。
(1)いかさま賭博強要詐欺事件
○自称オーストラリア(またはその他外国)国籍で短期旅行者の男とその妹を称する女が、単独で観光している日本人(男女問わず)に英語または片言の日本語で、「妹は日本語を話せるので、日本への留学を予定している。食事をしながら日本のことを聞かせてほしい。」と話しかけてきたり、東南アジア系の高齢の女が「娘がボランティアで日本に行く予定であり、日本のことをもっと知りたいので、食事をしながら教えてほしい。」等と話しかけてきたりして、言葉巧みにアジトへ誘い出す(誘い文句はその都度変わる。)。
○共犯と思われる者にトゥクトゥク(三輪タクシー)でアジト(一戸建て住宅)へ連れて行かれる。アジトでは、性別や国籍を問わず複数の者が現れ、最初は、談笑しながら食事の提供を受けるが、次第にトランプゲームの賭け話を持ちかけられる。そして奥の寝室に案内され、ブラックジャックで八百長ができ、勝負に勝てる方法を教示された後、所持金を全て賭けるようにそそのかされ、拒否しても半ば強要される。
○賭博客として富豪らしき者(自称シンガポール人、タイ人、マレーシア人、ブルネイ人等そのときの状況により国籍が変わる。)が現れると多額の現金の札束を見せられ、犯人グループから「これよりも掛け金が少ないと自動的に負けになるため、これまで出した現金は全て没収対象となる。」と脅される。
○市内のATMおよび質屋に連れて行かれ、クレジットカードの限度額まで現金をキャッシングさせられるとともに、更に質屋でクレジットカードの限度額まで金(貴金属)を購入するように半ば強要される。
○犯人は、ラオス国内では賭博が禁止されているため、賭博の続きは他国で行わなければならず、掛け金等はそれまでの間、犯人側で預かると説明し、次回再会する日時場所等を指定してくる。また、犯人側から今後の連絡手段として携帯電話を渡される、または被害者の携帯電話番号(連絡先)を教えるよう言われるが、その後犯人から連絡があるとは限らず、結果、犯人が預かった現金等は戻ってこない。
(2)睡眠薬強盗事件
○事例1(グループ犯)
・外国人の男(自称トルコ人またはイラン人(状況によって変わる)、40歳代)が夕食の時間帯に市内を単独で行動している日本人に対して、親しげに声を掛ける。
・意気投合したところで、付近のレストランで飲食を持ちかけられる。日本人が断ってもしつこくつきまとい誘い続ける。
・犯人は、周囲および店内にひと気のないレストランへ日本人を誘い出し、飲食を共にする。犯人から会話の中で、何気なく貴重品はどのように持ち歩いているのかと聞かれる。その後、日本人がトイレ等で席を離れた隙に、ビール等の飲み物内に睡眠薬を混入する(犯人は、睡眠薬の混入を疑われないよう、日本人を追うよう何気なくトイレへ向かう。)。
・日本人が席に戻り飲食をしていると、急に意識を失い、目覚めたときには犯人の姿はなく、自身の貴重品(主に現金)が窃取されている。
○事例2(グループ犯)
・外国人の男(自称トルコ人またはイラン人(状況によって変わる)、40歳代)が夕食の時間帯に市内を単独で行動している日本人に対して、親しげに声を掛ける。
・意気投合したところで、付近のレストランで飲食を持ちかけられる。日本人が断ってもしつこくつきまとい誘い続ける。
・犯人から、クレジットカードやATMカードを所持しているか聞かれる。
・言葉巧みにATMに連れて行かれ、キャッシングの方法(ATMの使用方法)をしつこく聞かれる(被害者がATMの操作方法(やり方)を見せる際、犯人にカードの暗証番号を盗み見されている。)。
・犯人から、二軒目のレストランで再度飲食しようと誘われ、飲食しているうちに睡眠薬を混入され、急に意識を失う。意識が戻ったときには、トゥクトゥクにて自身のゲストハウスに到着している。付近に犯人の姿はなく、自身の貴重品(現金、クレジットカード等)が窃取されており、クレジットカードでキャッシングされている。
○事例3(単独犯)
・首都ビエンチャンのメコン川沿いのナイトマーケット近くの路上において、オーストラリア在住の銀行員と称する黒人男性から英語で声をかけられ、一緒にビールを飲む。
・他の場所に移動しようと誘われ、二人で缶ビールを飲みながら歩いていたところ、「お互いのビールを交換して飲むのがラオスの文化だ。」と言われる。
・交換してビールを飲むと、しばらくすると意識が定かでなくなり、気がつくと鞄の中に入れていた現金を盗まれていた。
3 銃器等を用いた凶悪犯罪とその対策
銃器等を使用した凶悪犯罪も多く、外国人も被害に遭っています。ラオスでは、銃器が規制されているものの、近隣諸国からの密輸入によって、相当数の銃器が水面下で流通していることがうかがえます。近年では、ビエンチャンの中心地において、帰宅時間帯の路上でバイクに乗車中の外国人が背中から撃たれたり、外出時に待ち伏せしていた者に銃撃され死亡する事件も発生しています。これら事件は、主に不正薬物や金銭関係のトラブルによるものと言われています。
もし、発砲音を耳にしたら、物陰に隠れる、床に伏せる等して安全を確保してください。何が起こったか確かめに行くようなことは絶対にしないでください。
また、その国の悪口や批判はしない、外でお酒を飲み過ぎないなど、良識ある行動をとり、無用なトラブルや恨みを買うような言動をしないことが大切です。
4 違法薬物犯罪
ラオスでは全国的に安価で入手が簡単な違法薬物が大量に流通しており、多くの国民および外国人旅行者等が乱用していると言われています。ラオス当局も取締りを強化しており、日本人の逮捕者もでています。刑罰の重さは、違法薬物の種類、所持量等によって異なりますが、最高で死刑の適用もあります。過去には、外国人女性がワッタイ国際空港で麻薬を密輸しようとしたところ、逮捕されて死刑判決を受けました。
海外旅行先では、つい羽目を外したり、気分が大きくなったり判断力が鈍って安易な気持ちになりがちです。
ラオスでは違法薬物が安く比較的容易に手に入りますが、違法薬物犯罪は重罪ということを理解し、違法薬物に手を染めることは絶対にやめてください。
また、安易に人から荷物を預からないでください(違法薬物が入っている可能性あり。特に報酬がある場合は要注意)。
日本の国内法上,海外での違法薬物所持であっても国外犯規定が適用され処罰の対象となります。
5 テロ・誘拐情勢については、以下のサイトをご確認ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_020.html
※ 在留邦人向け安全の手引き
在ラオス日本国大使館が在留邦人向けに作成した以下の「安全の手引き」もご参照ください。
https://www.la.emb-japan.go.jp/files/100762744.pdf
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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