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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 モンゴル警察当局によると、2023年中の犯罪認知件数は3万5,547件であり、前年から微増しました。これは、統計が確認できる1990年以降で2番目に多い犯罪認知件数です。犯罪の発生は都市部に集中しており、モンゴルの全人口(約340万人)の約半分が居住する首都ウランバートルで全犯罪の約70%が発生しています。
 犯罪種別でみると、詐欺罪が前年比1,146件増加の12,985件であり、犯罪認知件数の3割以上を占めています。また、殺人や強盗、強制性交等の重大犯罪の発生件数も依然として多く、治安情勢は厳しい状況が続いています。

2 被害例と防犯対策
(1)スリ、置き引き等
 市場(ザハ)やデパート、レストラン、バス車内等の不特定多数が集まる場所をはじめ、路上を含む市内のあらゆる場所で、スリ、置き引きが発生しており、気がつかない間にカバンのチャックが開けられて中から財布や貴重品を盗まれる、上着やズボンのポケットから財布やスマートフォンを盗まれる被害が多発しています。また、ツーリストキャンプのゲル(遊牧民の移動式住居)内で就寝中に何者かが室内に侵入して現金や貴重品が盗まれる被害も発生しています。基本的な対策として、次の事項に留意してください。
○常に狙われているとの警戒心を持ち、所持品から目を離さないようにする。
○バス車内では、ポケットに入れていたスマートフォンが盗まれる被害のほか、気がつかない間にバッグを開けられたり、ナイフでカバンを切り裂いて財布や貴重品を抜き取ったりする被害が多発しているため、バス乗車時は特に注意する。
○ゲルに宿泊する場合、扉に鍵が掛からない場所が多いため、極力、貴重品を持ち込まないようにするほか、やむを得ない場合には肌身離さず持っておく。
○財布やスマートフォンは、上着やズボンのポケットなど、外部から触れることが可能な場所ではなく、内ポケットなどに入れる。
(2)強盗、傷害、暴行等
 ウランバートル市内において、路上で複数の男から暴行を受けて所持品を全て奪われる被害が発生しているほか、飲酒に起因する傷害・暴行事件に巻き込まれる被害が多発しています。
 また、正規のタクシーではないいわゆる「白タク(認可外タクシー)」を利用した際に、運転手にナイフで脅され、現金を奪い取られる被害が発生しています。
このほか、ゲルに宿泊した外国人旅行者に対する強制わいせつ被害も報告されています。基本的な対策として、次の事項に留意してください。
○徒歩による夜間の単独外出は控える。やむを得ない場合、照明があり人通りの多い経路を選ぶ。
○郊外では、日中でも単独行動を避け、信頼できるガイド等の案内を受ける。
○万一、刃物を突き付けられ逃げられないと感じたら、身の安全を優先して、抵抗しない。
○酔っ払いには近付かない。万一、絡まれても相手にせず、人がいる場所を目指して逃げる。
○タクシーを利用する際は、いわゆる「白タク」を避け、正規のタクシー会社を利用する。
○単独でゲルに宿泊する際には、他の宿泊者の有無を確認するなどして、単身でのゲル宿泊を避ける。
(3)詐欺等
 携帯電話のメール等を用いて口座番号や暗証番号を聞き出し、現金が引き出される被害や、クレジットカードのスキミング(あらかじめ用意しておいた装置でカードの磁気情報を盗み、偽造カードをつくる手口)被害が発生しています。
また、日本企業や投資家が横領被害に遭ったほか、旅先で親しくなった個人間における金銭貸借トラブル、投資・不動産賃貸に関するトラブル事案も発生しています。基本的な対策として次の事項に留意してください。
○クレジットカード等を使用する場合は、店員のカード操作から目を離さないようにし、暗証番号を入力する際は、番号を盗み見られないよう注意する。
○銀行の口座番号や暗証番号を尋ねられても応じない。特に、暗証番号は絶対に他人に教えない。
○政府・公共機関の職員を称する者からの依頼であっても個人情報を安易に教えない。
○高利益・高配当の話には警戒心を持ち、慎重に判断する。特に被害回復が困難な場合が多いため、常に詐欺の可能性を疑うようにする。

3 交通機関
(1)公共交通機関
 公共交通機関には、トロリーバス、路線バスがあります。市内トロリーバスは故障が多く、市内路線バスではスリ被害が多発していますので注意が必要です。
 また、ウランバートル市内では、レンタル電動キックボードが急速に広がっています。ウランバートル市内は、交通量が多いことに加え、路面状態が悪い場所が多いため、電動キックボードによる移動は、転倒による負傷や自動車・歩行者との接触のリスクが極めて高いことに留意してください。
(2)自動車の運転など
 モンゴルでは、自動車の増加に伴い渋滞や交通事故が多発しており、日本人が当事者となる事故も発生しています。モンゴル国内での自動車の運転に際しては、次の事項を参考に事故防止に努めてください。
○モンゴルで自動車等を運転するには、モンゴルの運転免許証の発給を受ける必要があります。国際運転免許証や日本の運転免許証では、運転できません。
○モンゴルでは、車は右側通行です。大通りでも信号機のない交差点や通行区分表示のない区間が多い上、道幅も随所で変わるため、注意が必要です。また、路面が陥没している場所や速度抑制のバンプ(路面の凸部)が設置されている場所があるため、道路状況を熟知していないと運転は困難です。
○万一、交通事故の当事者となった場合は、車両を動かさずに直ちに警察に通報してください。警察官の指示を受けずに事故車両を動かすと処罰される場合があります。
○また、歩行者の方は、信号無視、急な飛び出し、無理な割り込みをする車両が多いことに注意するほか、道路を横断する際には、歩行者用信号が青色であっても車両が来ていないこと、車両が停車していることを確認してから横断してください。

4 テロ対策
「テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_019.html )」を参照ください。


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