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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 治安概況
(1)ミャンマーは比較的治安の良い国であると認識されてきましたが、2021年の軍事クーデター以降、政治・治安情勢が大きく変化したため、十分な注意が必要です。
首都、ヤンゴン市内において、クーデター直後に見られたような抗議デモは、その後の国軍の厳しい取締りによって、ほとんど見られなくなっています。一方で、ヤンゴン市内であっても、民主派勢力による、国軍や警察等を狙った攻撃や爆発事案が散発しています。
日本人を含む外国人は、こうした攻撃の標的になってはいませんが、不測の事態に巻き込まれないよう、軍施設や警察署のほか、政府関連施設へは近づかない等、身の回りの安全確保に留意が必要です。
(2)ミャンマーは独立以来、国内紛争を抱えている国でもあります。かつては国境地帯の地方部での少数民族武装組織と国軍との戦闘に限定されていましたが、クーデター後は、民主派武装勢力も加わった形で、反体制の戦闘が全国的に拡大しています。
特に、2023年10月末以降は反体制側の攻勢が増しており、これに対して国軍は2024年4月に徴兵制を導入しましたが、2024年12月以降、比較的治安が安定していたとされるエーヤーワディー地域西部沿岸においても戦闘が拡大するなど、治安情勢は極めて流動的です。したがって、地方への不要不急の旅行は控えるとともに、戒厳令の対象地区(ヤンゴンを除く)への渡航は、どのような目的であれ中止してください。
(3)近年、SNS 等で高額な報酬等の好条件を外国人に対して提示してタイへ渡航させた後、タイと国境を接するシャン州タチレク市やカレン州ミャワディ市に所在する中国人犯罪組織が運営する詐欺拠点において、違法に労働を強要させ、被害に遭う事案が発生しています。クーデター以降、これら国境周辺地域は、少数民族武装組織が実質的に支配していたり、治安の悪化等によりミャンマー現「政権」の統治が及ばない地域となっています。また周辺では戦闘が激化しているため、犯罪行為の他にも危険に巻き込まれる可能性がありますので、SNS等を通じて高額報酬をほのめかす求人情報を得た場合は、騙されないよう十分注意してください。
(4)こうした国内の治安情勢を踏まえ、外務省はミャンマー全土に対して危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」または「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」を発出しています。ミャンマーへの渡航の是非を慎重に検討するとともに、渡航する場合には十分な安全対策を講じてください。
○海外安全ホームページ(危険情報:ミャンマー)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2024T026.html#ad-image-0
2 日本人の被害例
近年、以下のような日本人が巻き込まれる事件が報告されています。
(1)2019年10月の夜間帯、ヤンゴン市において、在留邦人の男性がヤンゴン市内ダウンタウン地区を観光中に自動車に乗った男に突然殴られ、現金や貴重品の入ったバッグをひったくられた。
(2)2020年11月、夕方、在留邦人がマンダレー市内を自転車で移動中、バイクに乗車した若者にバッグを強奪された。
(3)2021年4月の昼間帯、ヤンゴン市において、在留邦人の男性がダウンタウン地区ダゴン付近を徒歩で買い物中に、後をつけてきた複数の男性から「あなたから受け取ったお金が破れていたので、交換して欲しい。」と言われ、財布を取り出したところ、財布を奪われた(他にも、同様の手口2件発生)。
(4)2021年6月の昼間帯、ヤンゴン市において、在留邦人の男性がバハン地区を徒歩で買い物中に、後をつけてきた複数の男に囲まれ、現金を奪取された。
(5)2023年1月、午後9時頃、ヤンゴン市内ダウンタウン地区において、日本人男性2人が飲食店で飲酒後に徒歩で移動中、男4人に刃物で襲われ、携帯電話等を強奪された。
3 防犯対策
一般的な防犯対策は以下のとおりです。また、常に最新の治安状況の情報収集に努めるとともに、十分な安全対策を行い、不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
(1)一般防犯対策
ア 移動はできる限り車両を使用し、やむを得ず徒歩移動をする場合は、二人以上で行動するよう心掛ける。特に、夜間や早朝の単独行動、女性一人でのタクシー利用や一人歩きは避ける。
イ ミャンマーのタクシーは料金交渉制。料金トラブルを避けるため、流しのタクシーの利用は極力避け、なるべく配車アプリを利用(配車アプリではタクシーを呼ぶ際に事前に料金が表示され、車両番号や運転手氏名や連絡先の情報も表示されるので、流しのタクシーを利用するよりも安心)。
ウ 長距離を移動する際には、陸路は避け、可能な限り空路を利用する。
エ ポケットからはみ出る長財布等の貴重品はかばんの奥に入れる。バッグやリュックは正面に抱えるなど手前側にして使う。
オ 所持品から目を離さない。
カ 見知らぬ人に話しかけられても、むやみに信用しない。
キ 外出の際は必要以上の金銭を持ち歩かない。
ク 爆発事案等の発生現場になりやすいため、国軍、警察、行政施設には決して近寄らず、また、これらの施設の写真撮影はしない。
ケ 抗議デモなどに遭遇した際には、拘束に巻き込まれる可能性があるため、その場から速やかに立ち去る。絶対に撮影をしない。
コ 飲酒時等、不用意な発言でミャンマー人と口論にならないよう気をつける。特に政治、宗教および民族に関する発言には注意が必要する。
(2)被害に遭った場合
ア 万一被害に遭った場合、犯人は凶器を所持していることもあるため、抵抗しない。
イ 仮に付近で爆発事案が発生した場合、同じエリア内で複数の爆発物が時間差で爆発する可能性があることから、現場には絶対に近づかず、ホテルなど速やかに安全な場所に移動する。
テロ・誘拐対策
テロ・誘拐については、以下の「テロ・誘拐情勢」のサイトをご確認ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_018.html
※ 在留邦人向け安全の手引き
在ミャンマー日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」のサイトもご参照ください。
https://www.mm.emb-japan.go.jp/itpr_ja/SafetyGuide.html
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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