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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 概況
(1)ミャンマーの犯罪情勢は,ここ数年悪化傾向にあると見られます。ミャンマー警察の公開資料によれば,2010年から2014年のミャンマー国内における犯罪認知件数は上昇傾向にあります。2010年と2014年を比較すると,殺人事件は約1.7倍,強盗は約1.8倍,強姦は約2倍と凶悪犯罪が急増しているほか,窃盗や傷害といった一般犯罪も増加しています。
2015年以降の犯罪統計は現時点で公開されていませんが,各種報道によれば,窃盗,傷害,強姦といった犯罪が引き続き増加傾向にあり,特定の地域では警察官の不足が指摘されています。

(2)日本国警察庁のホームページによれば,2016年の日本国内における主な犯罪の認知件数は,殺人895件,強姦989件となっています。日本とミャンマーでは,統計のとり方などに違いがあるため単純には比較できませんが,対人口比で犯罪認知率を比較してみると,殺人は約3.58倍,強姦は約1.83倍ミャンマーで多く認知されています。
これ以外の主な犯罪では,ミャンマーの方が日本より認知率が低いこととなりますが,ミャンマー治安当局が認知した犯罪は氷山の一角にすぎないと言われており,表沙汰になっていない犯罪が多数あり,危険な出来事が身近に起き得ることを認識する必要があります。また,近年では詐欺,横領等の知能犯も増加傾向にあると言われています。

(3)ミャンマー警察当局は,2016年6月からラインタヤー地区,カマユ地区,ミナミダゴン地区及びタンリン地区の4地区を重点取り締まり地区に指定し,パイロット・プロジェクトとして犯罪取り締まり強化対策を実施しました。更に8月からは,上記4地区に加え,タケタ地区,北ダゴン地区,マヤンゴン地区,サンチャウン地区,ダラー地区,トゥワンテイ地区,インセイン地区,ミンガラドン地区の8地区を追加で重点取り締まり地区に指定しており,治安悪化の実態を裏付けるものとなっています。
なお,カマユ地区等のヤンゴン中心部商業エリアにおいては,店舗等に対する侵入窃盗事件が多発傾向にある模様です。

(4)ヤンゴン地域では,最近タクシードライバーによる殺人や強盗事件が増加している旨報道されています。警察当局も警戒を強化していますが,夜間のタクシー利用には細心の注意が必要です。1人でタクシーを利用した女性や外国人の主な被害例は以下のとおりです。
(ア)アウンミンガラー・バスターミナルからユザナ・ガーデン・エステートに向かうためにタクシーを利用した女性が,サウスダゴンのミョティ(ヤンゴン市北東部)において,タクシー運転手から現金と貴金属類を強奪された。
(イ)バハン地区にあるレストランからホテルに向かおうとタクシーを利用した米国人女性が,タクシー内で酔って寝ていたところ,人気の少ない場所まで連れていかれ暴行されそうになった。
(ウ)夜間,バハン地区のコンドミニアムからライン地区の自宅に帰宅するためにタクシーに乗ったシンガポール人女性が,移動途中,パラミ通り沿いにあるヤンゴン大学ライン地区キャンパスに連れ込まれ,暗がりで暴行されそうになった。

(5)ミャンマーでは,外国人は金持ちとのイメージがあり,特に日本人にはそういった印象が強く定着しています。邦人旅行者の被害例としては,インレー湖,バガン等からヤンゴンへの夜間長距離バスやヤンゴン市内の路面バス,ヤンゴン市内のレストラン,人気のない路上等でカバンなどから現金等を盗み取られる事案が複数報告されているほか,アパートへの侵入・窃盗事件なども報告されています。
また,外国人が所有できない不動産に絡んだ投資詐欺や共同経営の話を持ちかけられ出資だけさせられるといった詐欺被害も報告されています。東南アジア地域で多発している睡眠薬強盗やいかさま賭博等の犯罪被害は,今のところ在ミャンマー日本国大使館には報告されていません。

(6)ミャンマーにおいては,2011年9月にバガン近郊で単独で旅行中の邦人女性がバイクタクシー運転手の男性に殺害される事件が発生しています。このほか,近年,以下のような邦人が巻き込まれる事件が報告されています。
(ア)2016年9月,夜間にタクシーを利用した在留邦人が,目的地でタクシーを降りようとしたところ,車内にバッグが残っているにも拘わらず,タクシー運転手がドアを開けたまま強引に車を発進させバッグを強奪した。
(イ)2016年9月,昼間に在留邦人の女性が外出中,自宅アパート(ヤンゴン市レーダン付近)に何者かが侵入し,タンス内で保管していた現金,DVDプレーヤー等を窃取された。犯人は自宅玄関ドア及び同ドア手前に設置されている鉄柵の南京錠を切断して侵入した。アパートに警備員は配置されておらず,監視カメラも設置されていなかった。
(ウ)2016年10月,昼間に在留邦人の女性がヤンゴン市ダゴン付近でバイクに乗った2人組にバックをひったくられ,旅券等を盗まれた。
(エ)2017年5月,ヤンゴン市内において,在留邦人男性が会社事務所に保管していた現金数百万チャットを現地スタッフに盗難された。
(オ)2017年5月,ヤンゴン市バハン地区において,在留邦人男性の留守中,会社アパートの鍵を壊され,空き巣被害にあい,ノートPCや外付けHDD,キーボード,携帯電話を盗まれた。監視カメラの映像から,同アパートの警備員が逮捕された。
(カ)2017年9月,邦人旅行者がスーレーパゴダにて声をかけてきた青年にダラ地区の案内を依頼したところ,当初のガイド料の倍の金額を請求された。手持ちがないと断っても執拗にホテルまで付いてきて,最終的には持っているお金を支払わされた。
(キ)2017年9月,在留邦人の女性がヤンゴン市内にある自宅の水回りの修理のため業者を呼んだところ,同業者に寝室に連れ込まれ,暴行されそうになった。
(ク)2017年10月,在留邦人の男性がシャン州タウンジー市内のアパートにおいて南京錠を破壊され,PC等の空き巣被害にあった。警察によると被害者の行動パターンを入念にチェックしたうえでの犯行であった。

2 防犯対策
以下は,窃盗等の被害を最小限に食い止めるための一般的な注意事項です。万一強盗等に遭遇した場合には,本人及び家族の生命の安全と身体の保護を最優先に対応することが重要です。
【窃盗(ひったくり,スリ等)】
・混雑する場所(バス車内を含む)では,ショルダーバッグ等から現金が抜き取られたり,荷物から目を離した隙に置き引きにあったりする可能性があります。バッグ等の所持品は常に身につけるか手元から離さないようにしてください。また,買い物等で車を離れる場合には,荷物は車内に放置せず,必ず持って出てください。
・万一被害に遭った場合,犯人は凶器を所持していることもあるため,抵抗することは危険です。冷静に行動し,十分に安全を確認した後に,周囲の人に助けを求める方が賢明です。
・一般的に,被害に遭った現金・貴重品が本人の手元に戻ることは極めて稀ですので,不必要に大金等を持ち歩かないようにしてください。

【遺失】
・タクシー,バス等の車内にバックや財布を置き忘れるなど,不注意からパスポート,財布等を紛失するケースが多く発生しています。荷物から目を離さず,行動の節目には必ず所持品を点検するよう心がけてください。
・パスポートを紛失した場合,新たにパスポートを申請するためには,申請書,写真の他に,警察署発行の紛失届出立証書類,戸籍謄(抄)本,身元確認書類(運転免許証等)が必要となります。紛失等した場合は,速やかに在ミャンマー日本国大使館に御相談ください。

【その他】
・報道によれば,子供が性犯罪の被害に遭うケースが増加しています。子供に対しては,知らない人からの誘いには絶対にのらないよう注意しておく必要があります。
・夜間や早朝等人通りの少ない時間帯には,単独での行動は控え,特に女性一人でのタクシー利用や一人歩きは極力避けてください。
・不審者や不審物がないかなど,絶えず自分の周囲に注意を払ってください。
・飲酒時等,不用意な発言でミャンマー人と口論にならないよう気をつけてください。特に宗教・民族に関する発言には注意が必要です。
・考え方や生活習慣の違いでトラブルに発展するケースがしばしばありますが,ミャンマー人が不快に思うような言動は慎む必要があります。興奮して大声で怒鳴ったために警察沙汰になったり,日本語を話さない相手を日本語で誹謗中傷したところ,周囲にいた日本語を解するミャンマー人に取り囲まれた事例があります。団体旅行で他のツアー客や日本語を話す現地ガイドと行動を共にすると,海外にいる認識が薄れがちですが,あくまでも文化や考え方,生活習慣が異なる外国であることを強く意識してください。
・ミャンマーのタクシーは料金交渉制です。料金トラブルを避けるためには,配車アプリを利用することをお勧めします。配車アプリではタクシーを呼ぶ際に事前に料金が表示され,車両番号や運転手氏名や連絡先の情報も表示されるので,流しのタクシーを利用するよりも安心です。
タクシー運転手の中には,車内に刃物などの凶器を隠し持っている者がいるとの報道があります。これは護身用とも言われていますが,念のため,降車時に料金等でトラブルになっても大きな声を出したり,相手を誹謗中傷したりするような行為は避けてください。
万一の場合に備え,乗車する前に赤色のナンバープレートを確認し,運転席,助手席ドアに貼られているシティ・タクシーの登録番号を記録しておいてください。
タクシー乗車時の主な留意事項は次のとおりです。
 ●夜間の単独乗車や酩酊状態での乗車は避け,極力,友人らと相乗りする。
 ●ドライバーの真後ろに乗車する。
 ●他の客や運転手の「友達・家族」と称する者が乗っているタクシーには乗車せず,途中で他の客を乗車させない。バンタイプのタクシーは,荷台に人がいないかも確認する。
 ●未登録のタクシーには乗車しない。
 ●ドライバーの風体が怪しいなど,直感的に危険を感じたら乗車を避ける。
 ●近くにホテルがあれば,ホテルから利用する。また会社や自宅から利用する場合は,警備員に依頼する(第三者を介する)。

3 テロ対策
これまでに,ミャンマーにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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