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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 概況
 香港の犯罪発生率は高くはなく、比較的安全な都市であると言えますが、2024年の犯罪発生件数は94,747件で、2023年と比較して4,471件(5.0%)増加しました。しかし、殺人、強盗、傷害、窃盗など、詐欺以外の犯罪の多くが減少しており、2023年の増加率(2022年比28.9%増)と比べて増加率は低いと言えます。
増加している主な犯罪は詐欺事件(44,480件)であり、前年と比較して4,656件(11.7%)増加しています。このうち約62%がインターネット関連の詐欺事件であり、被害総額は約1,800億円に上ります。

2 詐欺事案
(1)一般詐欺事案
  様々な種類の詐欺が発生しており、中でも2024年初めから「カスタマーサービスの職員になりすます」という新しい手口が発生し、2024年中、この手口による詐欺事件が5,575件発生しています。
  香港警察(ADCC(Anti-Deception Coordination Centre))のホームページでは、最新の詐欺手口等が紹介されていますので、詐欺被害を未然に防止するためにご活用ください。また、香港警察では、不審な電話や電子メールなどを識別するための検索エンジン「Scameter」やモバイルアプリケーション「Scameter+」を一般公開していますので、こちらも併せてご活用ください。
ア 詐欺被害防止対策
 ○ 少しでもおかしいと思ったら、すぐに周りの人(家族、知人、同僚、在香港日本国総領事館、香港警察の詐欺相談ホットラインなど)に相談する。
 ○ インターネット上でクレジットカード番号などの個人情報を取り扱う際は、ブックマークや正規のアプリケーションを活用する。電子メール中のリンクはクリックしない、本来のウェブサイトであるかどうかを確認するなどして、細心の注意を払う。
 ○ 最新の詐欺手口を香港警察のウェブサイトなどで確認し、防犯意識を高める。
 イ 参考情報
 ● 香港警察の詐欺相談ホットライン(ADCC(Anti-Deception Coordination Centre))
  電話番号:18222(緊急の場合:999)
  24時間対応(英語、広東語、普通語対応)
  https://www.adcc.gov.hk/en-hk/alerts.html
 ● Scameter
  https://cyberdefender.hk/en-us/
(2)日系企業を狙った詐欺電話事案
  2021年4月頃から香港の日系企業を狙った電話での詐欺事件が発生しています。詐欺事件の手口と被害防止に向けた取り組み等については、以下のとおりです。
ア 電話詐欺のよくある手口
 ○ 日本本社の社長を名乗る人物より電話あり。
 ○ 日本本社の電話番号が着信番号として表示されていることがある。
 ○ 日本語が流暢であるため、電話している人物は日本人と思われる。
 ○ 駐在事務所の経理財務責任者が狙われている。
 ○ 電話の内容は「M&A交渉のため指定の弁護士と連絡をとって、必要額を指定口座に振り込んで欲しい」というもの。
 ○ 極秘事案のため、本社への確認のための電話・メールは一切止めて欲しいという釘刺し有り。
イ 被害防止に向けた取り組み
 ○ 電話で口座振込の指示を受けたら、先ず第三者(社内の担当者、在香港日本国総領事館、香港警察の詐欺相談ホットラインなど)に相談する。
 ○ 自らが把握している連絡先を基にして、電話をかけてきた人物本人又は担当部署に連絡し、事実を確認する(知らない着信番号には架電しない)。
 ○ 社員(現地職員を含む)に対して上記電話詐欺の手口等を周知させ、防犯意識を高める。
ウ 電話詐欺の事案例
(ア)事案1
 ○ 日本本社の社長を名乗る人物からお客様相談窓口への電話。
 ○ 現地職員が英語で対応したところ、日本の駐在員へ転送するように言われる。
 ○ 現地職員が用件を確認したところで電話が切れる。
 ○ 電話をかけてきた人物は英語を話していたが日本人と思われる。
(イ)事案2
 ○ 日本本社の社長を名乗る人物から電話。
 ○ 声は本物の社長の声とそっくりであった。
 ○ 現地職員が対応したところ、経理関係の責任者に転送するよう言われる。
 ○ 着信番号として、日本本社の代表電話番号が表示されている。
 ○ 企業買収のために至急資金を送金する必要がある旨説明がなされる。
 ○ 極秘の案件であるため、他言厳禁と言われる。
 ○ 送金のための情報をメールで送信するので、早急に確認するよう言われる。
 ○ 送金先として指定されていた企業名は、実在の法人であった。

3 スリ及びひったくり事案
 2024年の窃盗件数は22,433件で、2023年と比較して3.0%減少しています。スリ事案は前年比29.3%減少、ひったくり事案も前年比21.0%減少していますが、これらの犯罪は誰もが被害に遭う可能性があり、また、2024年は香港行きの航空機内で手荷物として持ち込んだ金品が盗まれる事案が多数発生したとの報道もありますので、こうした事案について、決して他人事と思わず、被害に遭わないようご注意ください。万が一、被害に遭われた際には、香港及びマカオの緊急ホットライン(999)等へご相談ください。
 被害防止対策は以下のとおりです。
 ○ 常に荷物から目を離さず、所持品を体から離さない(特に空港やMTR等の交通機関、繁華街、観光地、商業施設等、人通りが多い場所)。
 ○ 周囲の状況を確認し、警戒を緩めない。
 ○ 旅券や財布等の貴重品は、一つにまとめずに分散して管理をするよう心掛ける。
 ○ バッグ等は開口部を閉じ、道路とは反対側に持ち、ショルダーバッグはたすき掛けにする。特にリックサックは、人混みでは前に抱えるなど、常に自分の視界に入るよう気をつける。
 ○ 周囲の状況が分かりにくくなるため、「スマートフォンを使用しながら」、「音楽を聴きながら」などの「ながら」歩きは行わない。
 ○ 航空機内においては、貴重品は自分の目の届く範囲で管理する(頭上の荷物棚に収納する荷物に財布、腕時計、貴金属などを入れない)。

4 クレジットカード情報の詐取
 報道によると、ダーク・ウェブ上で不正に売買されているクレジットカード情報のうち、香港で発行されたものは約40万件に上るとされています。これは、被害件数としては米国及び豪州に次ぎ世界で三番目に多いとされるほか、人口との比率で見ると最も高いこととなるため、特に注意が必要です。
(1)手口
 ○ フィッシング詐欺
  虚偽のインターネットサイトを設けた上、e-mailやSMSを送信し、様々な口実(例:アカウント情報の更新や未払いの支払いがあるなど)を用いてクレジットカード情報を入力させるようにする。
 ○ 店頭端末(POS端末)システムへのハッキング
  店頭端末システムをハッキングし、顧客のクレジットカード情報を詐取する。
(2)予防方法
 ○ 信頼性の高いオンラインショップを利用する。
 ○ “https”により暗号化されウェブサイトにおいてのみオンライン決済をする。
 ○ 共用パソコンやフリーWi-Fiから、オンラインバンキングにログインしたり、クレジットカード情報を入力したりしない。
 ○ POS端末にウイルス対策ソフトを導入し、内部ネットワークにのみ接続する。
 ○ フィッシング詐欺サイトやe-mailに注意し、怪しいe-mailの添付ファイルやリンクをクリックしない。
 ○ クレジットカードの請求書をいつも確認するとともに、怪しい請求についてはカード会社に報告する。
 ○ クレジットカード情報を含む個人情報の取扱い、管理に注意する。
 ○ クレジットカード情報を含む個人情報の開示を求められた際は、注意し、慎重に対応する。
 ○ オンライン決済をする際に必要となるワン・タイム・パスワードを第三者に教えない。
 ○ 見たことのないアプリやウェブサイトにおいて、クレジットカード情報やセキュリティ・コードを入力しない。

5 テロ・誘拐対策
 テロ・誘拐対策については、こちらをご参照ください
 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_016.html

6 安全の手引き
 香港の在留邦人向けに安全の手引きを作成していますので、併せてご参照ください。
 ● 一般編 https://www.hk.emb-japan.go.jp/files/100189268.pdf
 ● 緊急事態編 https://www.hk.emb-japan.go.jp/files/000529744.pdf


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