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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
ベトナム国内における2022年中の犯罪件数は以下のとおりです(ベトナム公安省発表)。
【犯罪件数】
○犯罪発生件数: 44,353件
被逮捕者数: 76,658人
○経済犯罪検挙件数: 5,772件
○薬物犯罪検挙件数: 25,937件
薬物犯罪被逮捕者数: 36,126人
薬物押収量:ヘロイン741キロ、合成麻薬4.7トンと20,000錠、マリファナ268キロ等
近年の経済発展による貧富の差の拡大や地方貧困層の都市部流入等に伴い治安状況は悪化傾向にあります。現在のところ、殺人、強盗等の凶悪犯罪の発生は少ないものの、外国人住宅への忍び込み、繁華街周辺でのひったくり、スリや置き引き等が発生しています。日本人旅行者も、観光地、市場、路上等で旅券、現金などの貴重品を盗難に遭うケースが頻繁に報告されています。
2 銃器および火薬類の密輸に伴う犯罪・事故
これまで国境からの銃器等密輸ルートが検挙されたとの報道や戦争当時の軍用銃器が発見されたといった報道がありましたが、最近ではSNSを通じて違法改造拳銃などを入手した者による犯罪の例も見られます。
3 テロ、反政府活動をめぐる動向
ベトナム治安当局は、これまでベトナム国内にテロ組織や反政府組織は存在しないとしていましたが、国外においては2016年に在外反政府組織「ベトタン」を、2018年に「臨時ベトナム国家政府」を、2021年には「大越朝」をテロ組織として扱うとの報道がなされました。ベトナム当局は、ベトナム人海外移住者(以下「越僑」)を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒を強めています。
また、ベトナム政府の土地収用をめぐり、国内の至る所で争議が頻発しており、2020年1月にはハノイ市内近郊において警察官3名が死亡する大規模な騒擾事件が発生するなど、政府に対する抗議行動が散見されています。
4 日本人が巻き込まれやすい犯罪やトラブル等
街中を散策中、後方から近付いてきたバイクに乗った犯人に携帯電話等をひったくられる例があるほか、繁華街、空港、レストラン、長距離バス・列車の車内、バスターミナル、大規模商業施設等において、スリや置き引き被害に遭う例が散見されます。ほかにも種々の犯罪被害事例が存在しますが、以下は在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館、または在ダナン日本国総領事館が報告を受けたり、解決のための支援を行ったりした実際の事例です。
(1)ひったくり
日本人街と呼ばれるハノイ市キンマー地区、リンラン地区を中心に、携帯電話、セカンドバッグ、アタッシュケース、ポーチ等を持って歩いている人を狙い、後方からバイクに乗った犯人が近づき、追い越しざまに携帯電話等をひったくる事例が多く発生しています。
特にこれらの地域において、夜間時間帯に屋外で携帯電話を使用する際には十分な注意が必要です。
(2)スリ
混雑した市場や路上、大規模ショッピングモール、または長距離バスや列車等の公共交通機関の車内において、気付かないうちに携行しているバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる例が散見されます。
バッグを前掛けするなど常に目の届くかたちで携帯するよう心掛けるとともに、貴重品や現金は分けて持ち歩くなどの配意が必要です。
また、財布内に入っているカードを不正に使用される二次的な被害も起こっており、このような犯罪についてはベトナムでは犯罪認定されないケースもありますので、カード補償の観点から、速やかにカード会社へ盗難にあった旨を連絡するなどの措置が必要です。
(3)置き引き
ホテルや空港のロビー、レストラン、大規模ショッピングモールといった多数の人が出入りする場所で置き引き被害が発生しています。ホテルでのチェックイン手続時やロビーで人に話しかけられたときなど、荷物から目を離した一瞬の隙に被害に遭っています。持ち物からは絶対に目を離さないことが肝要です。
(4)昏睡強盗
ほとんどは、観光スポット等において、日本人男性がベトナム人女性から声をかけられることに端を発しますが、自宅やホテルに女性を連れ込んで飲食をしたところ意識を失い、目覚めてから気がつくと所持金がすべてなくなっていたなどというケースが跡を絶ちません。
見知らぬ人物からの誘いには軽々しく応じないようにすることはもちろんのこと、初対面の人物には常に警戒心を持ち、安易に飲食などを共にすることはないよう注意してください。
(5)賭博
ベトナムにおいては、法令に基づきベトナム政府発行の正式なライセンスを受けたカジノを除き、私的賭博行為は禁止されており、違法賭博には非常に厳しい処罰が科せられます。
日本人街などで時に日本人を誘引するパチンコ店や麻雀店を見かけることがありますが、店側が合法であると主張していても、過去に摘発が行われた事例もありますので、十分注意してください。
5 特殊詐欺・闇バイト
「海外で短期間に高収入」「簡単な翻訳作業」といった、いわゆる闇バイトの謳い文句に誘われ、海外において特殊詐欺事件のいわゆる「かけ子」や「受け子」として犯罪に加担させられた結果、組織内のトラブルにより暴行を受けるなどの被害や、加害者として現地警察に拘束される事案が多く発生しています。
このような求人に安易に応募することがないよう、また、意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動してください。
詳しくは外務省海外安全ホームページ( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2023C035.html )をご参照ください。
6 犯罪被害危険地域
都市部にはベトナム人でも近づかないような危険地域はほとんどありませんが、以下の地域・場所でトラブルに巻き込まれる旅行者等が多いので留意してください。なお、特に夜間は大通りから入り組んだ小路(路地裏)を歩くのは避けてください。
(1)ハノイ市
ア スリ、ひったくり等盗難被害多発地域等
ホアンキエム湖周辺、旧市街、ドンスアン市場、ハンガイ通り、統一公園周辺、キムマー通り、リンラン通り、ダオタン通り、大規模ショッピングモール、バスターミナル等
イ 置き引き被害多発地域等
ホアンキエム湖周辺、旧市街、ホテルロビーやレストラン、大規模ショッピングモール、空港、列車、バス内等
(2)ホーチミン市
ア ひったくり被害多発地域
グエン・フエ通り、パスター通り、ドン・コイ通り、ハイ・バー・チュン通り、 トン・ドック・タン通り、チャン・フン・ダオ通り、レ・ライ通り、 レ・タィン・トン通り、ベン・タイン市場周辺等
イ スリ被害多発地域
グエン・フエ通り、ベン・タイン市場等の市場、ドン・コイ通り、 ハイ・バー・チュン通り、レ・タィン・トン通り、大規模ショッピングモール等
ウ 置き引き被害多発地域等
市内の公園、ホテルロビーやレストラン、大規模ショッピングモール、空港、列車、バス内等
エ 恐喝・睡眠薬強盗被害地域
バック・ダン公園、サイゴン大教会、統一会堂前の公園、2区〜7区(フーミー橋)、10区、タンビン区、フーニャン区、ビンタン区、ゴーバップ区、トゥードゥック
7 テロ・誘拐
テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_015.html )をご確認ください。
※ 在留邦人向け安全の手引き
在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館および在ダナン日本国総領事館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
○在ベトナム日本国大使館: https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/000570908.pdf
○在ホーチミン日本国総領事館: https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/files/100139805.pdf
○在ダナン日本国総領事館: https://www.danang.vn.emb-japan.go.jp/ryoji/anzennotebiki.pdf
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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