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● 犯罪発生状況、防犯対策

1.犯罪発生状況
 ベトナム国内における2017年中の犯罪件数は次のとおりです(ベトナム公安省発表)。
【犯罪件数】
○犯罪発生件数:5万2,000件
○犯罪検挙件数:4万497件
○被逮捕者数:5万8,983人

○経済犯罪検挙件数:1万7,159件
○薬物犯罪検挙件数:2万1,471件
○薬物犯罪被逮捕者数:3万2,950人
○薬物押収量:ヘロイン907キロ,コカイン2.4キロ,生成アヘン167キロ,マリファナ613キロ,合成薬物657キロ(約100万錠)
 近年の経済発展による貧富の格差拡大や地方貧困層の都市部流入等に伴い治安状況は悪化傾向にあります。現在のところ,殺人等の凶悪犯罪の発生は少ないものの,路上強盗,外国人住宅への忍び込みが発生しており,繁華街周辺でのひったくり,スリや置き引き等が多発しています。日本人旅行者も,空港,市場,路上,ホテル,レストラン等で旅券,現金などの貴重品を盗難に遭うケースが頻繁に報告されています。

2.銃器及び火薬類の密輸に伴う犯罪・事故
 国境からの銃器等密輸組織が検挙されたとする報道や,戦争当時の軍用銃器が発見されたなどの報道がなされていることから,ベトナム国内に銃器が不法に出回っていることが推測されます。
 近年特に都市部においてギャングまがいのグループ間抗争や,交通事故のトラブルに起因したけん銃発砲事件なども発生しています。

3.テロ,反政府活動をめぐる動向
 ベトナム治安当局は,これまで国内にテロ組織や反政府組織は存在しないとしていましたが,2016年に在外反政府組織「ベトタン」,2018年に「臨時ベトナム国家政府」をテロ組織として扱うとの報道がなされました。ベトナム当局は,ベトナム人海外移住者(以下「越僑」)を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒を強めています。
 これまでに,ベトナムにおいてテロによる日本人の被害が確認されておりませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐ事が益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得る事を十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

4.日本人が巻き込まれやすい犯罪やトラブル等
 歩行中,後方から近付いてきたバイクに乗った犯人にバッグ等をひったくられるケースが多発している他,繁華街,空港,レストラン,長距離バス・列車の車内,バスターミナル,大規模商業施設等において,スリや置き引き被害に遭う例が散見されます。その他にも種々の犯罪被害事例がありますが,以下は大使館や総領事館等が報告を受けたり,解決のための支援を行ったりした邦人被害の実例です。
(1)ひったくり
 セカンドバッグ,アタッシュケース,ポーチ等を持って歩いている人を狙い,後方からバイクに乗った2人組が近づき,追い越しざまにバッグ等をひったくり,逃走するといった手口が,旧市街地等の繁華街を中心に発生しています。また,たすきがけにしているバッグを強引に奪おうとする手口も散発し,被害者が倒されたり引きずられたりして,歯を折ったり,腕を骨折したりする被害も発生していますので十分な注意が必要です。
 さらに,タクシーの乗降車時に,バイクに乗った犯人に手荷物をひったくられる事件も発生しています。(下記「滞在時の留意事項」の5.交通事情を併せ御参照ください。)
(2)スリ 
 (ア)混雑した市場や路上,大規模ショッピングモール,あるいは長距離バスや列車等の車内において,バッグや財布,スマートフォンなどを奪われる被害が発生しています。気付かないうちにバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる事例もあります。
 (イ)集団スリの被害に遭う被害も発生しています。旅行者をそれとなく取り囲み,その中の1人が旅行者の注意を引いている間に,その仲間がバッグや財布を窃取するというもので,親しげに近づく女性(売春婦を装う)には特に注意が必要です。また,目の前で自転車を倒したりしてわざと旅行者の注意を引きつけ,隙をみてポケットやバッグから財布をすり取る等の巧妙な手口もあるようです。特にハノイやホーチミンなどの混雑する場所で同様の被害例が報告されています。また,スリ集団の中には日本語を解する者がおり,日本語を話をしている団体を見つけては,スリを敢行しているとの情報もありますので,団体で行動していても安心せず,周囲の状況に警戒してください。
(3)置き引き
 ホテルや空港のロビー,レストラン,大規模ショッピングモールといった多数の人が出入りする場所で置き引き被害が発生しています。チェックインの手続をしているときや,ロビーで人に話しかけられたとき,レストランでトイレに立ったとき,民族舞踊を観賞しているとき,公園のベンチで一息ついているとき,空港で出入国手続きを行っているとき等にバッグ等の手荷物をカウンター,テーブル,椅子の上や床等に置いて目を離した一瞬の隙に被害に遭われています。自分の持ち物から絶対に目を離さないことが肝要です。また,ホテルの室内でも小物類が盗まれることがあるので,外出する際には貴重品が入っていなくても,スーツケースは必ず施錠し,貴重品については室内のセーフティボックスを利用するなど,荷物の管理を心がけてください。
(4)いかさま賭博詐欺
 近年発生は減少傾向にありますが,過去に発生した典型的な手口は次のとおりです。
 (ア)日本人旅行者が観光地を散策しているとシンガポール,フィリピン又はマレーシア等出身と称する人物から片言の英語や日本語で話しかけられ,親しくなったところで,自宅に招待すると言われ,知らない場所へ案内される。
 (イ)食事などをしていると,外国のカジノでディーラーをしている叔父(又は兄)等と称する男が現れ,カード・ゲーム(ブラックジャック賭博)のやり方や、いかさまの方法等を教えられ,いかさま賭博に協力するよう依頼される。
 (ウ)その後,金持ち(友人)と称する別の男が現れ,実際にゲームが始まり,最初は勝負(ゲーム)に勝ち続けるが,賭け金が大きくなるにつれ負けが込み,最終的には,旅行者の手持ちの現金が足りなくなるためホテルに現金を取りに帰らせたり,クレジットカードで貴金属を買わされたり,ATMで現金を引き出させられたりする。
 このような手口で金品を巻き上げられています。都市部周辺における発生が多く,特にホーチミンにおける被害報告の多さは顕著です。見知らぬ人からの自宅への招待や食事の誘いかけには応じないことが大切です。
(5)睡眠薬強盗
 観光スポット等において,親しげに声をかけられ飲食(酒)をともにした際,飲み物(睡眠薬入り)を勧められ,意識が薄れたところで,現金やクレジットカード等を奪われる被害が発生しています。意識が戻った時には24時間以上経過していたり,病院のベッド上であったり,身体が傷だらけであったりすることもあり,盗まれたクレジットカードを不正使用され,後刻同カード会社より多額の請求を受けたという例もあります。また,少量の睡眠薬を飲まされ,意識がもうろうとしたところで,ATM機まで連れて行かれ,現金の引き出しを強制される例も報告されています。
 声をかけられるきっかけは様々で,深夜ホテルで自室にマッサージを頼み,このマッサージ嬢と一緒にビールを飲んだところ,意識を失い,気がつくと所持金がすべてなくなっていたなどという例もあります。前述の「いかさま賭博詐欺」同様,見知らぬ人物からの誘いには軽々しく応じないようにするのはもちろんのこと,初対面の人物には常に警戒心を持ち,安易に飲食などをともにしないよう注意することも肝要です。
(6)強盗
 国内各所で発生しており,その形態・手口も様々です。いきなり路上で殴られたり,あるいはナイフなどの凶器を突きつけられて金品を強奪される手口が発生しています。特に都市部では,タクシー乗車中に運転手から恐喝を受ける「タクシー強盗」の被害も発生しており,注意が必要です。
(7)その他の凶悪犯罪
 当地の新聞などで,人身売買取引に関する記事が散見されるとともに,幼児の連れ去り事案も発生しています。近年,邦人が被害に遭ったという報告はなされていませんが,いつこのような事件に日本人が巻き込まれるかもしれないので,行動をパターン化しない,幼児から目を離さないなど日頃から注意を払うようにしてください。

5.犯罪被害危険地域
 都市部には,危険地域はほとんどありませんが,以下の地域でトラブルに巻き込まれる旅行者等が多いので留意してください。なお,特に夜間は入り組んだ小路(路地裏)を歩くのは避けてください。
(1)ハノイ
 ●スリ,ひったくり等盗難被害多発地域等
 ホアンキエム湖周辺,旧市街,ドンスアン市場,ハンガイ通り,統一公園周辺,キムマー通り,リンラン通り,ダオタン通り,大規模ショッピングモール,バスターミナル等
●置き引き被害多発地域等
 ホアンキエム湖周辺,旧市街,ホテルロビーやレストラン,大規模ショッピングモール,空港,列車,バス内等
(2)ホーチミン
 ●ひったくり被害多発地域
 ベンタイン市場周辺,グエン・フエ通り,パスター通り,ドン・コイ通り,ハイ・バー・チュン通り, トン・ドック・タン通り,チャン・フン・ダオ通り,レー・ライ通り, レー・タイン・トン通り
 ●スリ被害多発地域
 グエン・フエ通り,ベン・タイン市場等の市場,ドン・コイ通り, ハイ・バー・チュン通り,レ・タイン・トン通り,大規模ショッピングモール等
 ●置き引き被害多発地域等
 市内の公園,ホテルロビーやレストラン,大規模ショッピングモール,空港,列車,バス内等
 ●恐喝・睡眠薬強盗被害地域
 バック・ダン公園,サイゴン大教会,統一会堂前の公園,2区〜7区(フーミー橋),10区,タンビン区,フーニュアン区,ビンタン区,ゴーバップ区,トゥードゥック

6.その他の日本人の犯罪被害例
(1)バイクタクシーの運転手に誘われ,1軒のカフェに入りビールを4本飲んだだけで数百米ドルを請求された。法外な値段のため警察へ行こうとしたところ,店員2人に殴られ,所持金を取り上げられて店を追い出された。
(2)バイクタクシーの運転手にメコン河クルーズに行かないかと誘われ,1日10米ドルという約束で承諾した。川船に乗ってクルーズをした後,船頭から「この船は、100人乗りで1日1,000米ドルの料金だ。今日は2人で貸し切っているのだから500米ドルずつ支払え。」と言われ,拒否すると「支払わないと岸には返さない。」と支払いを強要され,法外な料金を支払わされた。
(3)中国人街に土産物を買いに行き,中心部にある市場近くの裏通りを歩いていたところ,突然現地の男に英語で声をかけられ,一瞬足を止めた隙に後ろから男2人に両腕を押さえられてポケット等を探られ,腹に巻いていたベルト式の財布から所持金をすべて奪われた。
(4)市内の中央郵便局で現地の男から英語で話しかけられ,バイクで食堂や寺院を案内された後,自宅に誘われ飲食をともにしたが,売春宿への同行を勧められたので拒否すると飲食代,バイクでの送り代として数百米ドルを請求された。
(5)市街地を散策している日本旅行者に対して「ガイドをしてあげる」などと言って近づき,旅行者は付近の飲食店や土産物屋に連れて行かれ,相場よりかなり高い料金を請求されたので,ガイドに相談しようとすると,既にガイドは何処かに行っていなくなっており,法外な料金を支払わされた。

7.防犯対策
(1)見知らぬ人を安易に信用しない。
 日本のことを教えてほしいなどと英語や日本語で話しかけてきた人物が,旅行者を信用させて,起業名目や親の病気治療などの名目で金を借りたまま逃げるという事案が散見されます。見知らぬ人が親しく話しかけてきても安易に誘いには乗らず,しつこく懇願されてもはっきり「ノー!」と言って断ることが重要です。また,宿泊ホテル名や旅行日程,日本の住所・電話番号,クレジットカードの有無等個人情報を教えることは避けてください。
(2)貴重品はできるだけ持ち歩かない(持ち歩く場合は分散して身に着ける)。
 外出する際に,現金,旅券,航空券等の貴重品をすべて一緒にバッグに入れて持ち歩くのは大変危険です。貴重品はできるだけ持ち歩かず,やむを得ず持ち歩く場合は,分散して所持し,特に旅券を携行する場合は貴重品用の袋に入れて外から見えないように首から吊す等細心の注意を払うことが重要です。
 また,現金は現地通貨で必要最小限の額だけを所持するように努めてください。さらに,買い物の支払いのときなどに,人前で現金の入った財布を開けたため,他人(スリなどの犯罪者)に所持金を見られ,その後つけ狙われることがあります。人前では財布の中身が見えないよう工夫することが必要です。
(3)手荷物は身体の前に抱えるように持つ。
 バイクに乗った2人組によるひったくりが多発しています。犯人は常にターゲットの隙を狙っているので,市内ではなるべく車道側を避けて歩き,道路を横断する場合にも十分に警戒することが大切です。
(4)売り子の子供達等見知らぬ集団を近寄らせない。
 ストリート・チルドレンによる集団スリの被害も発生しています。ガムやキャンディー,つまようじ等を売りつけるために寄ってきた子供達に気を取られている隙に狙われる場合もあります。土産物店が並び外国人観光客が集中する地域や通りでは,特に注意が必要です。
(5)白タクやバイクタクシーなどメーターのない車両は利用しない。
 市内を移動する際は,白タクやバイクタクシーなど料金メーターのない移動手段をなるべく使わず,メーターのあるタクシーなどを利用しましょう。また,乗車する際は,地図等で目的地をよく確かめ,場所を書いて運転手に見せるとともに,目的地と違う場所へ向かっていると感じたら,できるだけ早くひと気が多い場所で降車することが重要です。(下記「滞在時の留意事項」の5.交通事情を併せ御参照ください。)
(6)自分でバイク等車両を運転することはできるだけ控える。
 走行中のバイクを狙う盗難事件が発生しており,一歩間違えば死亡事故に繋がります。また,交通法規に無頓着な現地事情から,旅行者がいきなり車両やバイクを運転した場合,交通事故を起こす可能性が非常に高くなりますので旅行中にレンタルバイクなどを利用することは避けてください。やむを得ず利用する場合でも,免許証を当地のものに書き換え,自動車保険に加入した上で,出来るだけ荷物を持たず,交通事故に十分注意してください。また,ヘルメットも粗悪なものが多く出回っているため,安全基準を満たしている正規のヘルメットを着用して下さい。なお,日本で発行される国際運転免許証では,運転することはできません。(下記「滞在時の留意事項」の5.交通事情を併せ御参照ください。)
(7)賭け事は絶対にしない。
 私的賭博は当地において違法行為です。たとえ誘われても絶対に断りましょう。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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