=-=-=-=-=-=-=-=

=-=-=-=-=-=-=-=
● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 ベトナム国内における2024年中の犯罪件数は以下のとおりです(ベトナム公安省発表)。
【犯罪件数】
○犯罪発生件数: 44,463件
被逮捕者数: 89,327人
○経済犯罪発生件数: 4,557件
○薬物犯罪発生件数: 29,928件
薬物犯罪被逮捕者数: 51,938人
薬物押収量:ヘロイン680キロ、アヘン60キロ、マリファナ約2.3トン、合成麻薬3.3トンと330万錠等

 ベトナム国内における治安状況は総じて安定していると言えますが、昨年6月にはホーチミン市内にて邦人男性が刺殺される事件も発生し、住宅への忍び込み、繁華街周辺でのひったくり、スリや置き引き等が発生しています。日本人旅行者も、観光地、市場、路上等で旅券、現金などの貴重品を盗難に遭うケースが頻繁に報告されています。

2 銃器及び火薬類の密輸に伴う犯罪・事故
 国境からの銃器等密輸ルートが検挙されたとの報道や戦争当時の軍用銃器が発見されたなどの報道はなされており、最近ではSNSを通じて違法改造拳銃などを入手した者による犯罪の例も報道されています。

3 テロ、反政府活動をめぐる動向
 ベトナム治安当局は、かつてはベトナム国内にテロ組織や反政府組織は存在しないとしていましたが、国外においては2016年に在外反政府組織「ベトタン」を、2018年に「臨時ベトナム国家政府」を、2021年には「大越朝」を、2024年に「山岳民族支援団:Montagnard Support Group, Inc,(MSGI)」及び正義主張山岳民族:Montagnard Stand for Justice(MDFJ)」をテロ組織として扱うとの報道がなされました。ベトナム当局は、ベトナム人海外移住者(以下「越僑」)を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒を強めています。
 また、ベトナム政府の土地収用をめぐり、争議が頻発しており、2020年1月にはハノイ市内近郊において警察官3名が死亡する大規模な騒擾事件が発生しています。

4 日本人が巻き込まれやすい犯罪やトラブル等
 街中を散策中、後方から近付いてきたバイクに乗った犯人に携帯電話等をひったくられる事案や繁華街、空港、レストラン、長距離バス・列車の車内、バスターミナル、大規模商業施設等において、スリや置き引き被害に遭う事案が散見されます。以下は在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館、または在ダナン日本国総領事館が報告を受ける、若しくは解決のための支援を行った事例です。

(1)ひったくり
 日本人街(ハノイ市:キンマー地区、リンラン地区、ホーチミン市:レタントン地区、タイバンルン地区)を中心に、携帯電話、セカンドバッグ、アタッシュケース、ポーチ等を持って歩いている人を狙い、後方からバイクに乗った犯人が近づき、追い越しざまに携帯電話等をひったくる事例が確認されています。
特にこれらの地域において、夜間時間帯に屋外で携帯電話を使用する際等は、十分注意が必要です。

(2)スリ
 特に、観光客等が訪れる混雑した市場や路上、大規模ショッピングモール、または長距離バスや列車等の公共交通機関の車内において、気付かないうちに携行しているバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる事案が報告されています。
 バッグを前掛けするなど常に目の届くかたちで携帯するよう心がけるとともに、貴重品や現金は分けて持ち歩くなどの対策が必要です。
また、財布内に入っているカードを不正に使用される二次的な被害も発生しており、同種犯罪は当地では犯罪として認定されないケースもあります。速やかにカード会社へ盗難にあった旨を連絡するなどの措置が必要です。

(3)置き引き
 ホテルや空港のロビー、レストラン、大規模ショッピングモールなど多数の人が出入りする場所で置き引き被害が発生しています。ホテルでのチェックイン手続時やロビーで人に話しかけられたときなど、荷物から目を離した一瞬の隙に被害に遭っています。持ち物からは絶対に目を離さないことが肝要です。

(4)昏睡強盗
 自宅やホテルに女性を連れ込んで飲食をしたところ意識を失い、目覚めてから気がつくと所持金がすべてなくなっていたなどというケースの報告がなされています。
 見知らぬ人物からの誘いには軽々しく応じないようにすることはもちろんのこと、初対面の人物には常に警戒心を持ち、安易に飲食などを共にすることはないよう注意してください。

(5)賭博
 ベトナムでは賭博は原則として犯罪行為となります。日本人街などで時に日本人を誘引するパチンコ店や麻雀店を見かけることがありますが、このような場所で賭博行為を行えばベトナム当局の捜査対象となることがあります。誘いには決してのらないようにしてください。

(6)その他 (イカサマ賭博、お金見せて詐欺、航空機内での窃盗被害)
 路上で声を掛けられ、必ず勝てると言い、賭博(ポーカー等)に誘われ、結果として勝つことができずに掛金を全て失うというケースの報告が多くなされています。
 同様に路上で、日本のお金を見せて欲しいと声を掛けてきて、紙幣を提示するとその紙幣が盗まれるというケースの報告なされています。
見ず知らずの人からの誘いやお願いに応じることなく、被害の防止に努めて下さい。
 また、当地発着の航空機内の収納棚より現金やクレジットカードが窃取される盗難被害の報告が増加しています。貴重品は身近なところで保管するようにしてください。また、お手洗いなどの使用で席を離れる際も貴重品は身につけておくことをおすすめします。
5 特殊詐欺・闇バイト 
 「海外で短期間に高収入」、「簡単な翻訳作業」といった、いわゆる闇バイトの謳い文句に誘われ、海外において特殊詐欺事件のいわゆる「かけ子」や「受け子」として犯罪に加担させられた結果、組織内のトラブルにより暴行を受けるなどの被害や、加害者として現地警察に拘束される事案が多く発生しています。
 このような求人に安易に応募することがないよう、また、意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動してください。
 詳しくは外務省海外安全ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2025C003.html )をご参照ください。

6 犯罪被害危険地域
 都市部にはベトナム人でも近づかないような危険地域はほとんどありませんが、以下の地域・場所でトラブルに巻き込まれる旅行者等が多いので留意してください。なお、特に夜間は大通りから入り組んだ小路(路地裏)を歩くのは避けてください。(下記は、これまでの犯罪被害報告を基に抽出しているもの)

(1)ハノイ市
ア スリ、ひったくり等盗難被害多発地域等
ホアンキエム湖周辺、旧市街、ドンスアン市場、ハンガイ通り、統一公園周辺、キムマー通り、リンラン通り、ダオタン通り、大規模ショッピングモール、バスターミナル等
イ 置き引き被害多発地域等
ホアンキエム湖周辺、旧市街、ホテルロビーやレストラン、大規模ショッピングモール、空港、列車、バス内等

(2)ホーチミン市
ア ひったくり被害多発地域
グエン・フエ通り、パスター通り、ドン・コイ通り、ハイ・バー・チュン通り、 トン・ドック・タン通り、チャン・フン・ダオ通り、レ・ライ通り、 レ・タィン・トン通り、ベン・タイン市場周辺等
イ スリ被害多発地域
グエン・フエ通り、ベン・タイン市場等の市場、ドン・コイ通り、 ハイ・バー・チュン通り、レ・タィン・トン通り、大規模ショッピングモール等
ウ 置き引き被害多発地域等
市内の公園、ホテルロビーやレストラン、大規模ショッピングモール、空港、列車、バス内等

7 テロ・誘拐
テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_015.html )をご確認ください。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館及び在ダナン日本国総領事館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
 ○在ベトナム日本国大使館: https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/000570908.pdf
 ○在ホーチミン日本国総領事館: https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/files/100139805.pdf
 ○在ダナン日本国総領事館: https://www.danang.vn.emb-japan.go.jp/ryoji/anzennotebiki.pdf 


−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−