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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)発生件数
 フィリピン国家警察(Philippine National Police/PNP)が発表した全国犯罪統計によれば、2024年のフィリピン全土の犯罪発生件数総計は約20万件であり、日本と比較して強盗は日本の約3倍、殺人は約4倍、不同意性交は約2倍にのぼります。
 犯罪に遭遇する危険性を抑えるためには、日本との違いや主な犯罪手口を理解し、適切な予防策を講じることが重要です。

(2)犯罪の特徴
 フィリピンでは、一般市民でも、警察への登録・許可制度に基づく合法的な銃の所持・携行が認められているほか、未登録の銃器や密造銃なども広く出回っているため、銃器による犯罪が発生しやすい環境にあります。
 罪種別の特徴は以下のとおりです。

ア 強盗
(ア)路上強盗
 強盗に遭遇した際に、抵抗したことで負傷するケースもたびたび起きています。日本人の被害例は以下のとおりです。
○夜間にマニラ首都圏内の路上を歩行中、突然現れた犯人に手荷物を渡すよう銃を突きつけられ、抵抗した際に発砲を受け負傷した。
○詳細は次のスポット情報を参照ください。
 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2025C019.html

(イ)睡眠薬強盗
 睡眠薬強盗事件の被害報告は、ほぼ毎月、時には毎週のように大使館に寄せられています。金銭的な被害にとどまらず、睡眠薬や精神安定剤等は、摂取量や体調によっては身体に重大な影響を及ぼすおそれがあります。旅行者に限らず、長期滞在者も十分に注意してください。
詳細は次の安全の手引き(マニラ)をご参照ください。
https://www.ph.emb-japan.go.jp/files/100336435.pdf#page=6

イ 窃盗
 フィリピン国内の各所において、スリや置き引き、ひったくり等による邦人被害が多発しております。次の安全の手引きを参考に、ご注意願います。
マニラ:https://www.ph.emb-japan.go.jp/files/100336435.pdf#page=7
セブ:https://www.cebu.ph.emb-japan.go.jp/files/100693920.pdf#page=7

ウ 美人局(つつもたせ)を含む詐欺・恐喝被害
 邦人男性が、マッチング・アプリ等を通じて知り合った女性と次のようなトラブルが複数発生しております。十分留意いただくとともに、遵法意識を強く持ち、初対面など信頼性の低い人物からの誘いには軽々に乗らないよう注意してください。
 また、いくら親しくなっても、金銭が絡む話は詐欺の可能性を疑ってください。投資などの勧誘をうけた場合には、相手の言うことを鵜呑みにせず、状況をしっかり把握したうえで、慎重に対応を判断するようにしてください。

(ア)マッチング・アプリにて知り合った女性と待ち合わせし、一緒に食事などして意気投合し、続けてカラオケに行った。カラオケ内で親密になったところ、突然女性が暴力を振るわれたと騒ぎだし、同時に現れた男性から、治療費を払うよう恐喝された。

(イ)複数回フィリピンを訪問しているうちに、フィリピン人女性と親しくなった。その女性から投資話を持ちかけられ、100万円以上を投資したが、全てが虚偽であったことが事後判明し、かつその女性と連絡が取れなくなった。

エ 特殊詐欺への加担
 闇バイトに応募し、犯罪組織等に「かけ子」や「受け子」として海外で特殊詐欺に加担させられ、その結果、現地警察に拘束又は保護される事案が発生しています。最近は未成年者が海外で特殊詐欺に加担させられるケースも発生しており、犯罪組織内部で暴行を受けるケースもあります。
 成人、未成年にかかわらず、この種の求人に安易に応募しないよう、また、意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動してください。
 詳細は次の広域情報をご参照ください。
 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2025C003.html

オ 殺人
 フィリピンでは、毎年、日本人が殺人被害に遭っています(2024年:1件、2023年:1件、2022年:2件、2021年:1件)。
 殺人事件の多くは、フィリピン人との商売上のトラブルや、怨恨等に起因するものが多いと推察されます。また、外国人が、夜間に強盗に遭い、抵抗したり、突然逃げ出したりして射殺されるケースも発生しています。

カ 性犯罪
 フィリピン全土で年間約8,600件(日本の約2倍)の不同意性交(レイプ)事件が発生しています。外出時には単独や複数であっても女性のみでの行動は避けるなどの注意が必要です。また自宅でも(高層階を含む)カーテンを開けたままにするなどしないよう注意してください。

2 基本的な安全・防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報の収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
 犯罪の手口は日々変化していますが、犯罪の特徴を正しく理解し、その手口は常に一つではないことを理解し相応の心構えを持つことで、未然に犯罪被害を防ぐことができます。犯罪に対する基本的な心構えや安全・防犯対策についての詳細は、次の安全の手引きをご参照ください。
マニラ:https://www.ph.emb-japan.go.jp/files/100336435.pdf#page=8
セブ:https://www.cebu.ph.emb-japan.go.jp/files/100693920.pdf#page=8

3 その他の安全・防犯対策
(1)脅迫対策
 フィリピンでは多く発生している犯罪のひとつですが、用意周到に計画されたものから、いたずら電話に近いものまで、脅威の程度は様々です。自ら安易に真偽(信憑性)のほどを判断せず、また相手の要求をそのまま受け入れることもせず、まずは大使館および警察等関係当局に相談してください。

(2)ぼったくり
 フィリピンでは、相手が外国人と分かると法外な料金を請求するような業者は、商店や飲食店に限らず、弁護士や葬儀社等、多岐にわたりますので、十分な注意が必要です。
 ただし、近年フィリピンの物価・人件費等は上昇傾向にあり、高額だからと言って「ぼったくり」とは限りません。事前によく確認するとともに、見積書や請求書、領収書等で内訳を確認し、感情的にならず、不明な点があれば細かく店員に尋ねるなど、冷静な判断、対応に努めることも必要です。

4 テロ・誘拐情勢
 テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_013.html )をご確認ください。

5 安全の手引き
 次のpdfファイルをご参照ください。
マニラ:https://www.ph.emb-japan.go.jp/files/100336435.pdf
セブ:https://www.cebu.ph.emb-japan.go.jp/files/100693920.pdf


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