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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)全般
 ア ネパール国内では、窃盗事件、薬物事件が多く発生しており、外国人を狙った強盗事件なども発生しています。
 イ ネパールとインドの国境では「オープン・ボーダー」(ネパール人およびインド人は旅券がなくても通行が可能)というシステムをとっているため、両国国民は入国管理事務所での出入国手続きを行う必要がなく、IDのみで自由に行き来できます。その結果、インドからネパールへ拳銃等の武器や爆薬等が流れ込み、銃器を使用した犯罪や爆発物事件が発生しています。
 ウ 政府に対する国内過激派の抗議活動として、「バンダ」(いわゆるゼネラル・ストライキ)等が行われます。バンダ中は、一般車両・バイクはもとよりバスやタクシーなどの公共交通機関の通行にも支障が出るため、移動は徒歩やリキシャ(人力三輪車)等に制限されるなど影響が広く及ぶ可能性があります。
 エ 政治や生活に対する不満などから、政府関係機関、公共施設、公共交通機関等に対する抗議デモ等が頻繁に発生しており、過激なデモに発展するおそれがあります。特に首都よりも地方都市で発生する傾向が強くなっています。

(2)主要都市・地域別の状況等
 ア 首都カトマンズ
  住居侵入による強盗・窃盗事件、身代金目的誘拐事件、置引き事件等が多く発生しています。
 イ ポカラ
  西部にあるトレッキングで有名な観光都市です。外国人観光客の増加を受けて、旅行者同士のもめ事や暴行事件が多発しています。特に夜間の外出はお気をつけください。
(後述「滞在時の留意事項」6(7)航空機事故も参照のこと)
 ウ チトワンおよびルンビニ
  国立公園があるチトワンやブッダ生誕の地として知られるルンビニでは、薬物、詐欺、スリ事件が多発しています。親切を装って近づいてくる者や手荷物の取り扱いに、十分ご注意ください。
 エ その他
  バス車内等で他人から勧められた飲食物(クッキーやジュース)を安易に口にしたところ、睡眠薬が仕込まれていたことから意識を失い、荷物を奪われるという事件も過去に発生しています。

2 日本人の被害例
 過去に、日本人が被害にあった主な事例は、次のとおりです。
<被害例>
○ 深夜タメル地区を歩いていたところ、ネパール人から暴行を受け、金品を強奪された。
○ ネパール入国時、トリブバン空港アライバルビザ代金支払窓口(金融機関)において、ビザ代金を支払おうとした際、「日本人は、日本円でしか受け付けていない。」と窓口職員に言われ、正規の代金より多く請求された。
○ ホテルにおいて、外出中や就寝中に室内の貴重品を盗まれた。
○ ホテルで従業員を装った人物や観光地でガイドを装った人物に話しかけられ、対応中に当該人物の仲間に貴重品を盗まれた。
○ レストランで食事中、座席(の上または下)に置いていたバッグ等を盗まれた。
○ バス車内や乗り場、路上で、バッグ等に入れていた貴重品をすり取られた。
○ 観光地でひと気のない場所に連れて行かれ、パスポートや現金等を強奪された。
○ 夜間、オートバイに乗った2人組に荷物を強奪されたり、身体を触られたりした。
○ 歩きながら携帯電話を操作していたところ、携帯電話を強奪された。
○ サドゥー(ヒンドゥー教の修行僧)が額につける赤い印(ティカ)をつけてやると話を持ちかけてきた人物に応対している間に、その人物の仲間に財布等を盗まれた。
○ 女性がマッサージ店や宿泊先ホテルで、男性店員に体を触られるなどの行為を受けた。
○ インドから陸路で入国しようとした旅行者が、入国審査を受けるためと付近の建物に連れて行かれ、査証(ビザ)申請料として多額の支払いを要求された。
○ 深夜のクラブやバーで、飲酒を原因としてトラブルとなり、殴られた。
○ 深夜自宅に強盗に侵入され、ククリナイフ(ネパールで用いられる、鉈に近い形状の大型ナイフ)で殴られ現金等を強奪された。
○ 業務上のパートナーとして信頼していた人物に騙され、現金を奪われた。

3 防犯対策
(1)基本的な対策
 ネパールでは、日本人は「お金を持った警戒心のない人」というイメージを持たれているので、狙われている可能性があることに常に留意し、自分の身は自分で守る意識が重要です。主な対策は次のとおりですが、詳しくは、在ネパール日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き(https://www.np.emb-japan.go.jp/files/100305536.pdf )」をご参照ください。また、残念ながら被害に遭った場合、警察等への連絡とともに、再発防止の観点から、日本国大使館にもご連絡ください。
○ 多額の現金を持ち歩くことは可能な限り避け、現金を持ち歩く必要がある場合は、分散して携行する。なお、ホテルのセーフティボックスも盗難の可能性があることから、安易に信頼して貴重品や現金を収納しない。
○ 貴重品を持ち歩くときは目立たないように行動する。長距離バスで移動するときは、貴重品(パスポート、現金、航空券等)は常に身につけておく。
○ ズボンの後ろポケットに財布を入れない。また、財布を開ける際は、中身が他人に見えないようにする。
○ 人混みはできるだけ避ける。人混みに入ってしまった場合は、カバン等は身体の前にしっかり持つ。
○ 見ず知らずの人物が勧める飲食物(クッキーやジュース等)を安易に口にしない。
○ 夜間の外出や単独行動は控える。やむを得ず外出するときは、街灯、電灯の無い場所を避け、場合によっては懐中電灯を携行する。
○ 強盗と遭遇したときは、身の安全を第一に考え、抵抗しない。
○ 後述の日本国大使館、警察、病院等の緊急連絡先をメモして携行する。

(2)悪質な旅行業者への対策
 法外な料金でトレッキング等の契約を結ばせ、旅行者が、料金が高すぎるとして解約あるいは返金を要求すると、高額なキャンセル料を要求する業者がいます。このようなトラブルを防ぐために、次の点に注意してください。
○ トレッキング等の手配は、ネパール渡航前に信頼できる旅行会社を通じて行う。
○ 現地でトレッキング手配を申し込む場合は、複数の旅行会社から料金やサービス内容を聞き、慎重に比較検討する。その際、料金やキャンセル料を十分に確認する。
○ 契約時に旅行会社の説明を記録し、その説明と契約書の内容が同じであることを確認する。契約書がネパール語で書かれている場合は、必ず英文等理解可能なものを要求する。
○ 契約を巡って旅行会社とトラブルになった場合は、ツーリストポリス(観光警察)に被害届等を提出する(ツーリストポリスでは、旅行者の苦情が正当なものであると判断した場合には、旅行会社との仲裁を行います。)。

4 テロ・誘拐対策等
 ネパールにおけるテロ・誘拐対策等は、「テロ・誘拐情勢」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_010.html )をご確認ください。


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