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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況等
 タイ警察がまとめた2024年の犯罪統計によれば、殺人事件(未遂含む)は4,692件、強制性交等事件は1,895件、盗難事件等は35,382件発生しています。また、銃器・爆発物関連事案では24,457人、薬物犯罪事案では254,629人が検挙されており、薬物や銃器の氾濫が殺人事件(未遂を含む)などの凶悪事件多発の要因とも言われています。タイにおける凶悪事件の発生率は、日本と比べ非常に高い水準で推移しています。
 
2 基本的な注意事項
 タイは「微笑みの国」、バンコクは「天使の都」といわれ、諸外国と比較して安全なイメージがありますが、外国にいるとの意識が希薄で、日本と同じ感覚のままでいると、何らかのトラブルに巻き込まれた際に適切に対応することができず、事態を悪化させてしまう可能性があります。法制度、文化的背景、風俗習慣等が日本とは異なることを常に意識しておくことが重要です。
 トラブルに遭遇する機会を避けることが、最も基本的な安全対策ですが、万が一トラブルに巻き込まれた際には家族や会社の関係者にすぐに連絡が取れるよう、ご自身の旅行や出張の予定を共有し、お互いの連絡手段・方法を確認・把握するよう心掛けてください。

3 日本人の被害例
 タイ国内、特にバンコクでは、日本人の犯罪被害が後を絶ちません。
 日本人が巻き込まれる被害の多数は窃盗、詐欺等であり、2024年には、一般的なスリ被害のほか、外国人男性(または男女)から「お金を見せてほしい」などと声を掛けられ、やりとりをしている間に現金、クレジットカードを抜き取られる窃盗被害が報告されています。
 また、タクシーや三輪タクシー(トゥクトゥク)等の運転手を含め、見知らぬ者から声を掛けられ、安易に話に乗ることによる詐欺等の被害が多発しています。見知らぬ者から声を掛けられた際には十分警戒し、軽々しく話に乗らないことが肝要です。
 この他、「交際していたタイ人に宝石をプレゼントしたが、その後、連絡が取れない」、「結婚を前提に交際していたタイ人に家や土地、車購入の資金を渡したが、逃げられた」等の男女間のトラブル事例も発生しています。

 これまでに報告された主な事案等の詳細は、在タイ日本国大使館および在チェンマイ日本国総領事館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」の該当部分「2(2)」をご参照ください。
 https://www.th.emb-japan.go.jp/files/000207735.pdf

4 繁華街での犯罪被害
 バンコクでは、特に旅行者が集まる観光スポットや繁華街、デパート等大型商業施設周辺、若い単独旅行者が利用するゲストハウス(安宿)周辺において、犯罪が多発しています。また、チェンマイ市内でも、旧市街を中心に旅行者を狙った犯罪が発生しています。カラオケ店でのぼったくり被害も発生しており、特に夜の繁華街では十分な注意が必要です。なお、不用意に狭い路地へ入り込むことは危険です。

5 防犯対策(犯罪防止のための3ない行動「近づかない、慌てない、楽観視しない」)
(1)「近づかない」
 犯罪が発生する可能性のある場所に「近づかない」ことが重要です。バンコクなど、タイにおいては、歓楽街、繁華街、スラム街が混在しますが、これらの場所に近づかなければ、犯罪被害に遭う確率は格段に下がります。特に夜間は十分な注意が必要です。

(2)「慌てない」
 不幸にも犯罪被害に遭った場合には「慌てない」よう心掛けてください。例えば、タクシー強盗などに金銭を強要された場合、慌てず冷静に対処し、生命・身体の安全を第一に考え、抵抗しないようにしてください。

(3)「楽観視しない」
 一般的に他の外国と比較して、「タイは安全、治安が良い」と言われていますが、2019年には、バンコクで連続爆発・放火事件が発生しています。タイの治安情勢を楽観視しないようにしてください。

6 特殊詐欺・闇バイト及び国境地域における治安
 「海外で短期間に高収入」、「簡単な翻訳作業」といった、いわゆる闇バイトの謳い文句に誘われ、海外において特殊詐欺事件のいわゆる「かけ子」や「受け子」として犯罪に加担させられた結果、組織内のトラブルにより暴行を受けるなどの被害や、加害者として現地警察に拘束される事案が多く発生しています。
 このような求人に安易に応募することがないよう、また、意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動してください。

 近年では、そのようなバイトに応募した日本人を含む外国人が、タイに渡航した後、タイと国境を接するミャンマー側のシャン州タチレク市やカレン州ミャワディ市等に連れて行かれ、違法に労働を強要されるという被害に遭う事案が発生しています。
 2021年2月に発生したクーデター以降、ミャンマー側のこれら国境周辺地域は、少数民族武装組織が実質的に支配していたり、治安の悪化等によりミャンマー現「政権」の統治が及ばない地域となっています。また周辺では戦闘が激化しているため、犯罪行為の他にも危険に巻き込まれる可能性があります。そのため、これらの地域で犯罪に遭われた場合、治安当局による救出や解決は容易ではなく、日本国大使館による迅速かつ十分な支援ができない可能性があります。
 つきましては、SNS等を通じて高額報酬を謳う求人情報を得た場合は、上記状況を理解いただき、騙されることのないよう十分注意してください。 
 詳しくは外務省海外安全ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2025C003.html )をご参照ください。

7 テロ対策
 タイのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢をご確認ください。https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_007.html


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