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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 スリランカ警察の発表によれば,2017年(暦年)の犯罪認知件数は約3万6千件であり,対前年度では約10%減となっています。ただし,殺人事件がスリランカ全土で約450件(未遂を除く。)発生しており,人口当たりの発生率は日本の3倍以上となっています。また,コロンボや主要観光都市を中心にスリ,置き引きなど 一般犯罪が発生しているほか,外国人が強盗や性犯罪など凶悪事件に巻き込まれる事例もあります。違法薬物犯罪も増加傾向にあります。スリランカへの渡航・滞在にあたっては,日本とは異なる治安情況にあることを認識し,トラブルに巻き込まれないように十分な注意が必要です。

2 日本人の被害例
 日本人の被害は,日本語での声かけが元となるケースが目立ちます。旅行者が,鉄道や長距離バスなどの公共交通機関や三輪タクシー(Three-wheeler,いわゆるトゥクトゥク)の利用中,または観光地の散策中などに,親切心を装って言葉巧みに近づき,金品をだまし取る,盗む,価値のない宝石などを高額で買わせる,性的暴行をする,といった事案が報告されています。見知らぬ人物から日本語で話しかけられた際は警戒してください。
 他にも過去にスリランカ在住の日本人宅に強盗が押し入り,居合わせた日本人女性が性的暴行を受けた上,現金を奪われるといった事件もありました。スリランカに長期滞在する場合は,セキュリティ対策の整ったアパート等に入居し,戸締まりを徹底してください。
 また,スリランカ人パートナー等との金銭トラブルや詐欺事案も発生しています。土地やアパートの購入,会社への出資等の話があった際には,第三者(弁護士など)を交えて対応するなど慎重に行ってください。

 以下,日本人旅行者等が実際に被害に遭った犯罪事例です。

(1)窃盗(スリ,ひったくり,置き引き)
ア 長距離バス内で知らぬ間にバッグの中から財布が盗まれていた。
イ コロンボ・フォート駅で背負っていたリュックが開けられ,旅券や現金が盗まれた。
ウ コロンボ市内で声を掛けてきた三輪タクシーに乗車し,不当な料金を要求されたため支払いを拒否したところ,ハンドバッグをひったくられ軽傷を負った。
エ キャンディ市内で乗り合いバスを降りたところで旅券等の入ったカバンを強奪された。
オ コロンボ近郊のゲストハウスで,客室に置いていた貴重品の入ったバッグを盗まれた。
カ トリンコマリーのレストランで,声を掛けてきたスリランカ人男性と一緒に酒を飲んでいたところ,意識が朦朧となり,現金等の入った鞄を盗まれた。
キ 機内で就寝中,頭上の荷物入れに収納していたバッグから現金などの貴重品が盗まれた。

(2)暴行,恐喝,性犯罪
ア ダンブッラで三輪タクシー運転手に目的地と異なる郊外の見知らぬホテルへ連れ込まれ性的暴行を受けた。
イ コロンボ市内で,深夜,女性観光客2名が三輪タクシーを利用したところ,途中で運転手から乱暴されそうになった。
ウ 観光地ゴール近郊のホテルで,部屋に侵入した従業員から性的暴行を受けた。
エ 出張中のビジネスマンが地方都市に宿泊したところ,夜10時頃に部屋のドアがノックされ,同僚かと思いドアを開けた瞬間,見知らぬ人物に棒状のもので頭部を殴打された。
オ コロンボ郊外の田舎町に一人暮らしをしていた女性宅に強盗が押し入り,金品を奪われた上,性的暴行を受けた。
カ バンダラナイケ国際空港においてスリランカ人とみられる男2人にトイレに連れ込まれ,「金を出せ」と脅され,財布及びカメラを奪われた。

(3)詐欺,金銭トラブル
ア 大手旅行代理店手配のツアーに参加していたところ,ガイド兼運転手のスリランカ人男性に不動産購入を勧められ,大金を支払ったものの,その後音信不通となった。
イ コロンボ市内ゴール通りを歩いていたところ,言葉巧みに近づいてきたスリランカ人から宝石の購入を勧められ,一旦は断ったが三輪タクシーに乗せられて宝石店へ連れて行かれ,宝石を売りつけられた。
ウ 婚姻を約束したスリランカ人男性にお金を貸したところ,その後婚姻は破談となり,返金を求めたら暴力を振るわれた。
エ 世界遺産シーギリヤ・ロックを訪問した際,スリランカ人男性ガイドに日本語で言い寄られ,その後交際に発展したが,次第に金品を要求されるようになり,莫大な金額をだまし取られた。
オ 知り合って間もなくスリランカ人と結婚したが,ビザ申請後,ビザ目的の結婚詐欺であることが分かった。
カ スリランカ人とビジネスを立ち上げたが,多額の出資金等を持ち逃げされた。
キ スリランカ人の友人に土地の購入を勧められ,大金を支払ったが,土地は自分名義になっていない上,出資金も返金されず,その後音信不通となった。

(4)違法薬物
 コロンボ市内で親しくなったスリランカ人からタバコと称して大麻を受け取り,大麻と気づかず一緒に喫煙していたところ,スリランカ人とともに警察に現行犯逮捕された。

(5)クレジットカード犯罪
 コロンボ市内フォート地区のレストランにおいてクレジットカードを使用したところ,スキミング被害にあった。(注:カード情報を読み取り,複製した別のカードで多額のショッピングやキャッシングをする詐欺。カード盗難ではないため,利用停止処置をする事が無く,利用明細が届くまで気付かないことがしばしばある。)

(6)交通事故
 全般的に交通事情が悪く,三輪タクシーの運転が乱暴ですので,徒歩で移動する際には交通事故に遭わないよう,常に周囲に注意を払ってください。

3 防犯対策
(1)犯罪被害に遭わないためには,「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち,最新の治安情報収集に努め,危険な場所には近づかない,多額の現金・貴重品は持ち歩かない,見知らぬ人を安易に信用せず警戒するなど,常に防犯を意識した行動をとることが大切です。

(2)スリランカへ渡航・滞在される方は,セキュリティ対策の整ったホテルやアパートに宿泊・入居することをお勧めします。戸建てに居住する場合には防犯機材の設置,警備員の雇用や番犬の配置など防犯対策をとってください。また,外出する場合はもとより,宿泊・在宅中も常に戸締まりの確認をしてください。

(3)万が一犯罪に遭遇した場合は,抵抗はせず,生命・身体の安全を第一に考えて行動するように心掛けてください。スリランカにおいて銃器所持は許可制(極めて限定的)ですが,過去に安易に許可していた時期があったことから,犯罪者が銃器を所持している可能性もあります。また,一見単独に見えても近くに仲間がいることがあり,複数で犯行に及ぶ恐れもあります。

(4)具体的な対策のポイントは,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」です。犯人側は予めターゲットを絞った上で犯行に及んでいることを意識し,以下の点に留意し,犯罪被害に遭わないよう注意してください。
ア 目立たない
・人目を引くような華美な服装・装飾品を身につけず,なるべく周囲の環境に溶け込む。
・乱暴な言動をとらない。

イ 行動を予知されない
・毎朝のジョギング等,外出時に日課を繰り返すなど,習慣的な行動は避ける(行動をパターン化しない。)。
・通勤や通学等での移動時間帯やルートを変える。
・個人情報(名前,所属,住所,電話番号,行動予定等)を不用意にSNS等で流布せず,不特定多数に知られないようにする。

ウ 用心を怠らない
・単独での外出や,夜間の外出,人通りの少ない道はなるべく避ける。
・周囲に不審な者や車両がいないか常に気を配り,尾行や監視をされていないか警戒する(下を向いて歩かず,前後左右の人の動きに注意を払う。)。
・見知らぬ人から話しかけられても,むやみに信用しない。特に日本語などで親しげに話しかけられた場合は警戒する。一方的に相手の言い分を信じたり,言いなりにならない。場合によっては第三者に相談するなど慎重に行動する。
・ストライキやデモに遭遇した場合は,速やかにその場を立ち去る。
・公共交通機関内や人混みの中などでは,所持品は身体の前で抱えるなど,目を離さない。
・自動車での移動中は常にドアをロックする。
・公共料金等の請求書や領収書など個人情報が記載されている書類は,細断または焼却してから捨てる。

エ その他
(ア)カードスキミングトラブル防止
・クレジット,デビットカードは信頼のおけるホテルや店舗以外では使用しない。

(イ)空港でのトラブル防止
・空港の両替所で一度に多額の両替・換金をしない。
・顔を知らない現地人運転手の出迎えがある場合は,あらかじめ当該運転手の氏名,携帯電話番号などを確認する(近づいてくる出迎え者を安易に信用しない。)。また,運転手が持つプラカードには会社名や肩書きなどは記載させない(不特定多数に自らの身分を明らかにしないため。)。

(ウ)タクシー,三輪タクシーでのトラブル防止
・流しのタクシーではなく,信頼の置けるタクシー会社に電話するか,ホテルやレストランに配車を依頼する(コロンボ首都圏では「PickMe」,「Uber」などの配車アプリや大手タクシー会社「Kangaroo Cabs」(アプリあり)の利用が便利です。)。
・三輪タクシーに関し,1人での利用,女性だけでの利用,夜間の利用はなるべく避ける。
・乗車前に目的地までの所要時間と料金を聞くとともに,タクシーの場合は必ずメーター制で運転させる(何らかの要求や難癖をつけてくる場合には利用しない。)。
・走行中に第三者が乗り込んできた場合はすぐに降車する。

(5)万一に備え,旅行前に海外旅行傷害保険に加入してください。スリランカの私立病院では,保険や実費で治療費を負担できないことがわかると診療を断られることがあります。なお,病気や事故に遭った際の治療費や緊急移送費は高額となるため(100%負担),緊急移送費もカバーできる十分な補償額の保険をお勧めします。

(6)スリランカにおいて,観光ガイドは登録制となっています。観光ガイドから何らかの被害を被った場合やトラブルに巻き込まれた場合には,以下の団体に連絡してください。

○Sri Lanka Association of Inbound Tour Operators
住所:Chief Operating Officer
Sri Lanka Association of Inbound Tour Operators
c/o The Ceylon Chamber of Commerce
No. 50, Nawam Mawatha, Colombo 2 Sri Lanka
電話(代表):+94-11-558-8800
FAX:+94-11-244-9352
電子メール:slaito@chamber.lk
ウェブサイト:http://www.slaito.net
○National Tourist Guide Lecturers’ Association of Sri Lanka
住所:The President
National Tourist Guide Lecturers’ Association of Sri Lanka
No 37/35, Temple Road, Colombo 10, Sri Lanka
電話:+94-11-268-1241,+94-11-267-8174または +94- 778-063-390
電子メール:slintgl@sltnet.lk

4 テロに対する注意
(1)スリランカでは,2009年5月まで30年近くにわたって続いた「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」と政府軍との武力紛争の終結以降,テロ事件は発生していません。しかしながら,依然として民族や宗教・宗派間の対立が一部に見られ,2018年3月にはシンハラ人とムスリムとの間の緊張に端を発し緊急事態宣言も発出されました。

(2)スリランカ治安当局は,国内においてイスラム過激派は浸透しておらず,具体的なテロの脅威はないとしています。しかし,インターネットなどを通じて個人的にイスラム過激思想に感化した者や,国内の民族・宗教間と思われる対立の影響を受けて過激化した者といった,いわゆる「ホームグロウン」型のテロが発生する可能性は排除できませんので,治安・社会情勢については引き続き注視していく必要があります。

(3)これまでに,スリランカにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり,未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
ア 特にテロの標的となりやすい場所(※)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払う。また,デモや集会等の行事には,不用意に近づかない。

(※)モスク等宗教関連施設,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設,公共交通機関,観光施設,ショッピングモールや市場等,不特定多数の人々が集まる場所

イ 自身の近くで爆弾の爆発や銃撃等不測の事態が発生した場合の対応策を想定し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がけ,可能であれば大使館に状況等を連絡してください(詳細は,ホームページ https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_03.html を参照してください。)。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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