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パキスタン
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● 滞在時の留意事項
1 滞在時の各種届出
日本人については、外国人登録は免除されています。しかし、日本人を含め、パキスタンに滞在している外国人は、パスポート、在留許可証等の身分を証明できるものを所持する必要があります。少なくとも、パスポートおよび査証のページの写しは常時所持してください。
2 旅行制限
旧FATA(旧連邦直轄部族地域)および国境より10マイル(約16キロメートル)以内の地域(カラコルム・ハイウェイを除くギルギット・バルティスタン地域およびKP州チトラル郡では国境より30マイル(約40キロメートル)以内)、アザード・カシミール地域、クエッタと幹線道路を除くバロチスタン州全域等は、パキスタン政府により旅行制限地域と定められています。これらの地域へ立ち入るためには、パキスタン内務省の許可が必要です。また、トレッキングのルートについても立入り制限地域(シアチェン氷河地域等)があり、かつ、これらの制限地域はたびたび変更されますので、事前に駐日パキスタン大使館、または、パキスタン観光局(Pakistan Tourism Development Corporation)に確認してください。これら地域への旅行を計画する際には、別途掲載しているテロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_011.html )の他、随時更新している海外安全情報(危険情報、スポット情報 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_011.html#ad-image-0 )もご参照ください。
3 写真撮影の制限
港湾、橋、鉄道、空港、軍事施設等の写真撮影は、治安上の理由で禁止されています。過去には、ラワルピンディにおいて日本人旅行者が軍事施設付近で写真撮影していたところ、現地の警察に身柄を拘束される事案が発生しています。
また、基本的に女性を撮影することも控えてください。カイバル・パクトゥンクワ州はパキスタンで宗教的に最も厳しいとされる地域で、バスを撮影したつもりでも、同時に女性が撮影されたとして、村人に囲まれカメラ等を奪取されたケースもあります。過去には、日本人ジャーナリストが女性を撮影しようとして、村人に石等で襲撃され大怪我を負った上に、車両、カメラ、旅券等すべてを奪われる事件が発生していますので十分注意してください。
また、スマートフォンの普及に伴い、多くのパキスタン人はスマートフォンを保有しており、地方から大都市に観光に来たパキスタン人が「セルフィー」といいながら外国人に対して写真撮影を求めて話しかけてくることが度々あります。これに応じて問題が発生したとの報告は未だありませんが、写真が撮影者のSNS等に無断で掲載される可能性に留意する必要があります。また、一度写真撮影に応じると他の者も写真撮影を求めて次々に集まってきて収拾がつかない状況に陥る場合があるため、貴重品に注意の上、周囲の状況をよく確認してください。
4 各種取締法規
(1)麻薬等違法薬物
パキスタン政府の麻薬取締りは厳しく、麻薬売買に関与した者に対しては、罰金を含む5年以上の拘禁刑から終身刑までの刑罰が科せられます。外国人もこの法律の適用を受けます。
近年、航空機を利用した麻薬の密輸事件が相次いで摘発されていますが、中には他人から預かった荷物の中に薬物が隠匿されており、知らぬ間に運び屋に仕立てられているケースもありますので、不用意に他人の荷物を預かることのないよう注意してください。
また、麻薬等の購入をもちかけられるようなことがあっても、そのような誘いには絶対に関わらないようにしてください。
(2)外国人の政治活動
外国人がパキスタン政府や政府高官に対する反抗行為、治安の妨害、扇動を行った場合には、厳しい刑罰が科せられます。
(3)銃器
銃器類(国内の一部の地域では、路上の商人が土産物として売っている一見玩具のように見えるペン型ピストルを含む。)の不法所持の場合、7年以下の拘禁もしくは罰金、またはその両方が科されることがあります。過去、ギルギット・バルティスタン地域において日本人旅行者が拳銃を不法に所持していたため、現地の警察官に現行犯逮捕されたことがあります。本物の弾丸はもちろん、模造品であっても危険物として見なされ、所持者は航空機への搭乗を拒否されたり、場合によっては逮捕・拘禁される可能性がありますので、十分注意が必要です。
(4)売買春
性犯罪および売買春は最長25年の禁固および罰金が科せられます。治安当局による取締りも頻繁に行われており、偶然その場に居合わせた場合であっても逮捕される可能性もありますので、売春の疑いのある店や施設には絶対に近づかないでください。
5 交通事情
(1)交通法規
交通警察により交通法規違反とみなされた場合は罰金が科せられますが、法規を遵守する車両や歩行者は少なく、接触事故などの交通事故が頻繁に発生しています。自動車に乗車する際のシートベルト着用は、運転席および助手席のみに義務づけられていますが、後部座席に乗る場合も必ずシートベルトを着用してください。車を運転する際には周囲の車両等の動きに注意を払うとともに、十分な車間距離を取ることが大切です。
(2)道路状況
大都市などの主要な道路は比較的整備されていますが、郊外までは整備が行き届いていないのが現状です。また、一部の地域では、多種多様の車両等が同じ車線を同時に通行することによる慢性的な交通渋滞が起きていたり、電力インフラの未整備により、交通信号が機能しない状況も多く見られます。さらに、道路が舗装されていない場所も多く、道路の中央に大きな穴が空いていることもあり、運転にあたっては細心の注意が必要です。日中はもちろん、夜間は道路状況を確認しづらく、人やバイクが飛び出してきたり、警察の検問のためのブロックが置かれていたりすることもあるため、徐行による慎重な運転を心掛けてください。
(3)留意事項
頻繁に交通事故が発生しており、加害者となる可能性もありますので、可能な限り運転手を雇用し、自身での運転は必要最低限とすることをおすすめします。
6 登山にあたっての留意点
近年、パキスタン国内ギルギット・バルティスタン地域の山では、登山中の死亡、滑落、負傷事故が発生しています。2023年8月、日本人2名がギルギット・バルティスタン地域ガンチェにおいて、日本人1名が滑落事故に遭い死亡しました。2024年6月、ギルギット・バルティスタン地域スパンティーク峰において日本人2名が、滑落事故に遭い死亡しています。同年7月にも同じ峰において日本人1名が滑落事故に遭い死亡しました。
登山に際して、地元ガイドのアドバイスに従い、最新情報を入手するなど万全な準備を行って安全に留意するよう心掛けてください。また、万が一に備え、現地キャンプ等における連絡体制の構築はもとより、ご家族へ定期的に連絡するとともに、以下8 たびレジの登録をお願いいたします。
7 在留届
パキスタンに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在パキスタン日本国大使館または在カラチ日本国総領事館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
8 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、パキスタンで事件や事故、自然災害等が発生し、在パキスタン日本国大使館または在カラチ日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
9 ハーグ条約
パキスタンは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
パキスタンは、日本との関係では、条約が未発効のため、パキスタン・日本間の子の連れ去りにはハーグ条約は適用されません。パキスタンと他の条約国との間のハーグ条約事案については、パキスタン政府当局におたずねください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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