海外邦人事件簿|Vol.50 なぜ!? 思わぬことから大騒ぎ(その1)

世界には、いろいろな考え方や習慣があり、法律も異なっています。日本では問題にならないような習慣でも重大なトラブルに発展することもあるのです。次のケースは、私たち日本人にとっては、「えっ、どうして・・・」と思うことかもしれませんが、事実は小説より奇なりです。

『とある先進国に在住の邦人一家。現地校に通っている娘さんが、作文に「お父さんとお風呂にはいるのが楽しみです。」と書いたところ、学校から警察に通報され、父親が性的虐待の疑いで逮捕されてしまった。』

『家族で撮った写真のフィルムを現像に出したところ、子供が入浴している写真があるということで、警察に通報され事情聴取を受けた。』

子供の入浴写真で、警察に事情聴取を受けた。

『幼い子供を連れて買い物へ出かけたが、子供が気持ちよさそうに眠ってしまったので、起こすのも可哀想と思い自動車の中に子供を残したまま店に入った。買い物を済ませて車に戻ると自分の車の周りに人が集まっており、警察官に事情聴取を受けた。』

ヨーロッパやアメリカでは、風呂場はプライバシーが強く保たれるべき場所だと考えられており、たとえ親子であっても一緒に入浴することは非常識な行為で、特に父親と娘の場合は、性的虐待が強く疑われることになります。また、児童ポルノに関する規制・処罰が厳しく、入浴中の写真を撮る等子供をポルノの対象にしている可能性があると疑われれば、警察に通報されることもあります。

自動車に子供を残したため、警察官に事情聴取を受けた。

また、最近は日本でも同様の事故が多発し、注目を集めていますが、子供を車内に放置して車から離れれば、誘拐される危険性があるほか、暑さ・寒さによる死亡のおそれもあるとして、年少児監護義務違反を問われかねません。ショッピングモールなどの駐車場はよくパトロールされていますし、周囲の人もこのような状況を見つけると警察へ通報します。

日本では何でもないと思われることでも、国によっては大きな騒ぎとなり、場合によっては処罰の対象となることもあるのです。

(2006年8月14日掲載)

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