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カナダ
テロ・誘拐情勢

更新日 2023年03月29日

1 概況
(1)カナダでは、2014年10月、ケベック州において兵士が車でひかれ殺害されるテロ事件、オタワ市中心部において兵士がライフル銃で射殺されるテロ事件が連続して発生しました。これら2つの事件の直前には、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)が米国、カナダ等の「連合」による攻撃を批判し、世界のイスラム教徒に対して、対ISIL連合諸国の国民を攻撃するよう扇動する声明を発出し、カナダ治安当局はテロ警戒レベルを「低程度」から「中程度」に引き上げていました。この警戒レベルについては現在まで「中程度」となっています。
(2)2017年10月17日、シリア民主軍がISILの本拠地ラッカの解放宣言を行いましたが、イラク及びシリアにおけるISILの敗退に伴い、外国人戦闘員の母国への帰還や拡散にどのように対処するかが、カナダを含む西側諸国の課題となっています。
カナダと関係(国籍、永住権、有効なビザ)がある者で、テロ関連活動に参加する目的で海外(トルコ、シリア、イラク、アフガニスタン、パキスタン、北アフリカ・東アフリカの一部)へ渡航した者が、帰国後にテロを引き起こすことが懸念されており、カナダ治安当局は彼らの帰国後の動向を警戒しています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)2014年10月22日、男がオタワ市の戦没者慰霊碑前で警備中のカナダ軍兵士1名をライフルで射殺後、連邦議事堂内に侵入し、議事堂警備員等に射殺されました。
(2)2017 年1月29日、フランス系カナダ人の男が、ケベック市内所在のイスラム文化センターに侵入し、礼拝中の人々に向かって銃を乱射する事件が発生し、男性6名が死亡しました。
(3)2017 年9月30日、ISILに同調するソマリア系難民の男が、エドモントン市内所在のスタジアムで、試合警戒中の警察官を車両ではねた後、刃物で刺して負傷させる事件が発生しました。犯人は現場からの逃走中、さらに付近道路を通行中の歩行者4名をはねた後、逮捕されました。
(4)近年では、テロ活動参加の目的で海外渡航した者がテロ関連の罪で逮捕されています。

3 誘拐事件の発生状況
 カナダ政府の統計によると、カナダでは、2021年中、約4,000件の誘拐事件(監禁を伴う事件も含む。)が発生していますが、身代金目的等の事件はまれで、主として離婚した夫婦間の子を巡る問題等に関連した連れ去り事案が多く、テロリストや犯罪組織による誘拐事件或いは政治的背景のある誘拐事件及び日本人または外国人の被害を伴う誘拐事件は確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れ
を強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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