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チュニジア
テロ・誘拐情勢

更新日 2023年08月22日

1 概況
(1)チュニジア治安当局は、2015年から2016年初頭にかけての一連の大規模なテロ事件の発生を受け、治安対策を大幅に強化しました。また、G7各国をはじめとする諸外国は、治安分野に関する会合を定期的に開催し、チュニジアの治安当局等に対して情報共有や多くの物的・人的支援を行っており、その結果、チュニジア治安当局のテロ対処能力は大幅に向上しています。
(2)隣国リビアの不安定な政情に伴うテロリストや武器の移動のリスクに対応するため、治安当局及びG7各国等は、リビア国境の警戒強化のためのプログラムを重点的に実施しています。
(3)チュニジアでは、現在、カスリン県シャアンビ山周辺を主要拠点として、「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」に忠誠を誓う「ウクバ・イブン・ナーフィア」及び「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」に忠誠を誓う「ジュンド・アル・ヒラーファ」が潜伏・活動しているとみられています。都市部においても、2018年10月にチュニス中心部のブルギバ通りで爆弾テロが、2019年6月にチュニス中心部において治安当局を狙った連続爆弾テロが、2020年3月に米国大使館前で爆弾テロがそれぞれ発生したほか、同年9月にはスース県の観光地付近で3人のテロリストが車両と刃物で警察官2人を襲撃する事案が発生しました。昨今の治安当局によるテロ掃討作戦の強化により、国内のテロ組織は弱体化傾向にあるとみられますが、依然注意が必要です。
(4)また、チュニジア当局によれば、ISILに参加するためにシリアやイラク等の紛争地域に渡航したとみられる約3,000人のチュニジア人のうち約1,000人がチュニジアに帰還しており、内務省の監視下に置かれています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 カスリン県のシャアンビ山を中心に、「ウクバ・イブン・ナーフィア」及び「ジュンド・アル・ヒラーファ」の2つのテロ組織が潜伏しているとみられており、2022年中には主に以下の事件が発生しています。また、同地域を中心に治安部隊による掃討作戦も進められました。
(1)6月24日、首都チュニスのシナゴーグ前で警察官に対する襲撃事件が発生。
(2)8月12日、カスリン県サルーム山において、チュニジア軍とテロリストが衝突、軍人2名が負傷。
(3)9月2日、カスリン県サルーム山において、治安部隊が、ジュンド・アル・ヒラーファに属するテロリスト3名を殺害。
(4)9月4日、カスリン県において、国家警備隊は、テロ組織に所属しているとして指名手配されていた容疑者1名を逮捕。

3 誘拐事件の発生状況
 2008年2月にチュニジア南部砂漠地帯でオーストリア人2人がAQIMによって誘拐(同年10月解放)された事件が発生していますが、それ以降、外国人の誘拐事件は発生していません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 2015年から2016年初頭にかけての一連のテロ事件では、日本人を含む多数の外国人が死傷しました。チュニジアの治安状況は改善傾向にありますが、2020年にも首都チュニスで自爆テロ事件が発生するなど、テロの脅威がなくなったわけではありません。チュニジアに帰還した元ISIL戦闘員等の動向にも引き続き注意が必要です。
 また、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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