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レバノン
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年01月25日

1 概況
(1)2023年10月のガザ情勢を受けて、レバノン南部国境地帯で攻撃の応酬が続いており、情勢が極めて流動的かつ不安定です。
(2)レバノンでは、2023年中にテロ事件の発生はありませんでしたが、国軍や治安機関によるテロリストの検挙は多数発表されています。2023年8月には、シリア・ダマスカスで2023年7月に発生した爆弾テロ(「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が犯行声明発出)に関与した疑いのあるISIL関係者がベイルート南部郊外に潜伏していたところを発見されています。
(3)過去数年と同様、2023年も、パレスチナ難民キャンプにおける武力衝突が複数確認されており、キャンプ外にも被害が及んでいます。
(4)レバノン人、シリア人富裕層をターゲットとした営利誘拐事件が各地で日常的に発生しています。近年、外国人が被害に遭う誘拐事案も発生しています。
(5)軍・治安機関は、依然治安維持活動に重要な役割を果たしていますが、経済・財政危機のあおりを受け、予算や兵士の給料が激減するなど苦境に見舞われ、国軍や警察組織に多くの離隊者を出しています。また、レバノンの長引く経済危機や大統領や政府の不在が治安面に及ぼす悪影響が懸念されます。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)2023年10月以降、レバノン南部国境地帯において、攻撃の応酬が続いており、2024年1月9日のレバノン保健省発表によれば、死者135人、負傷者612人が発生し、南部国境地帯から82,012人の避難民が発生しています。
(2)レバノン全域において、平素から、国軍や治安機関がテロリストの検挙が発表されており、警戒が必要です。
(3)パレスチナ難民キャンプでは、パレスチナ治安部隊がレバノン国軍等と連携して治安維持の任にあたっていますが、2023年7月から9月にかけて、南部アイン・ヘルワ・パレスチナ難民キャンプにおいて武力衝突が発生し、数十名規模の死傷者が生じ、衝突に起因するロケットや銃弾がキャンプ外にも及び、死傷者や物損被害が生じています。

3 誘拐事件の発生状況
 レバノン国内で過去に日本人が誘拐された事例はありませんが、2022年、2023年共に、外国人が身代金目的誘拐の被害に遭う事案が各地で発生しています。また、夜間、銃器を持った犯人が、脅迫した上、車両で連れ去る事件が確認されています。
 また、ベカー県、バールベック・ヘルメル県、北レバノン県トリポリ、アッカール県等において、レバノン人及びシリア人が身代金目的で誘拐される事件が発生しており、警戒が必要です(警察の介入によりいずれも人質は無事解放)。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、レバノン国内において、日本人及び日本権益を標的とした脅威情報は確認されておりませんが、テロに巻き込まれる可能性は排除されません。2022年2月にはベイルート南部郊外でテロ未遂事案が発生しており、もし攻撃が成功していれば多数の死傷者を伴う惨事になっていた可能性があったとされています。
 また、2023年10月以降、情勢が極めて流動化かつ不安定化しています。国連での投票行動をめぐって日本に危害を加える旨のソーシャルメディア上の投稿がなされるなど、情勢によっては日本への反感が高まり攻撃の標的とされる可能性もあります。ニュースや当館からの案内を常に確認し、警戒を怠らないようにしてください。
 近年、世界的な傾向として、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発しており、このようなテロを事前に取締ることは困難です。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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