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ヨルダン
テロ・誘拐情勢

更新日 2023年07月28日

1 概況
(1)2016年12月中旬、カラク県において警察署やカラク城等が銃撃されるテロ事件が発生、外国人観光客1人を含む10人が死亡し、外国人を含む30人以上が負傷しました。本件に関しては、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」から犯行声明が出されています。
(2)2018年8月、アンマンの北西に隣接するバルカ県フヘイスにおいて、音楽祭警備のため駐車中の治安機関車両を狙った爆破テロが発生し、治安機関員2人が死亡、5人が負傷しました。さらに、その翌日、同県サルトにおいて、同テロ事件の犯人グループのアジトを治安機関が摘発した際、犯人グループが応戦して建物を爆破するなどした結果、治安機関員4人が死亡、多数が負傷したほか、犯人3人が死亡し、4人が逮捕されています。
(3)2019年11月、首都アンマンの北方に位置するジェラシュのローマ遺跡において、刃物を使用した襲撃事件が発生し、外国人観光客4人を含む8人が負傷しました。犯人は、インターネット上でISILの思想に触れて過激化したローンウルフであり、ISIL指導者バクダーディ殺害の報復を意図したとされています。
(4)2022年12月、マアン県において、燃料の高騰を背景としたデモに対応していた警察官1名が、過激主義者とされる者に襲撃・殺害される事件が発生しました。さらに後日、同県所在の容疑者の自宅捜査に赴いた治安機関員が、自動小銃による応射を受け銃撃戦となり、治安機関員3名が殉職し、複数名が負傷しました(犯人グループのうち1名が射殺され、9名が逮捕)。
(5)ヨルダンは、地政学上周辺諸国の情勢の影響を受けやすい位置にあり、特に、隣国のイラクやシリアの情勢が不安定であることや、国境管理の困難さなどから、テロリストや武器・爆発物の流入を治安当局は完全に防止することが難しい状況にあります。このような状況の中、ヨルダン政府はテロ防止のため、法令整備、体制強化等に取り組んでいるほか、治安当局の指導の下、主要なホテルやショッピング・モール等における入場者のチェックを強化するなど、各種対策を実施していますが、今後もテロ事件等が発生する可能性は排除できませんので、引き続き注意が必要です。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 ISILは、2019年3月以降、シリアでの最後の支配領域を喪失するなどしており、ヨルダン北部国境地域等におけるISILによる直接的なテロの脅威は低下したと考えられています。ただしこれ以降も、前述のとおりISIL等の過激派組織と直接連絡を取ることなく、インターネット等により影響を受け過激化したテロリストによる「ローンウルフ型テロ」が発生しています。また、ヨルダン当局の発表によれば、2022年12月にマアン県で起きた治安機関員に対する襲撃事件については、過激な思想を信奉するグループによるものとされており、ヨルダン国内においてテロの脅威が依然として存在していることを示しているといえます。

3 誘拐事件の発生状況
 2022年には、外国人を標的としたテロリストによる誘拐事件や身代金目的等の誘拐事件は発生していません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、ヨルダンにおいて、日本人及び日本権益を標的とした脅威情報やテロ事件による日本人の被害は確認されていません。しかし、「1 概況(3)」のとおり、インターネット等により影響を受け過激化したローンウルフによるテロ事件が発生し、外国人観光客が負傷しています。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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