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イラク
安全対策基礎データ

更新日 2024年01月31日

1 危険情報
 イラクに対しては、国内の地域情勢に応じて危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」、「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」を発出しています。特にレベル4および3の地域にはどのような目的であれ、渡航・滞在は止めてください。
 以下の情報は、真にやむを得ない事情で渡航・滞在をされる方の為の参考情報です。現地大使館と緊密に連絡を取りつつ、信頼できる警備会社のアドバイスを受け、安全な宿舎の確保、警護員同行、防弾車両による移動を含め、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。
 危険情報も併せご参照ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_045.html#ad-image-0

2 治安情勢
(1)2017年12月、イラク政府は過激派組織「イラク・ レバントのイスラム国」(IS)からの全土解放を宣言しました。これ以降、長年にわたる多国籍軍およびイラク軍等による対テロ作戦努力の結果、IS分子によるテロ事案について著しく減少傾向にあります。しかし、現時点においても、ISの残党が主にディヤーラ県、サラーハッディーン県、キルクーク県、アンバール県、ニナワ県等の地域でテロ活動を継続しています。
 2023年10月のイスラエル・パレスチナ間の武力衝突以降、米国権益を標的とした攻撃が多数発生しています。その多くは、西部アンバール県に所在する米軍拠点に対するものですが、2023年10月20日にはバグダッド国際空港に隣接するバグダッド外交支援センター(BDSC)に対して、12月8日にはインターナショナル・ゾーン(IZ)に所在する米国大使館を標的としてロケット弾攻撃が発生しています。
 なお、小火器や手榴弾を使用した犯罪や争いごと、誘拐、政府等に対するデモは各地で頻発していますので、引き続き十分な警戒が必要です。

(2)クルディスタン地域のエルビル県やスレイマーニーヤ県においては、IS分子の逮捕や隠れ家の摘発が散発的に報じられるなど、依然としてIS残党の掃討作戦が継続しています。イスラエル・パレスチナ情勢の悪化により、2023年10月以降はエルビル国際空港付近の米国権益施設への無人機による攻撃事案が断続的に発生しています。2024年1月15日には、イラン革命防衛隊(IRGC)がエルビルの住宅へ複数のミサイル攻撃を行い、複数の死傷者が出ました。また、トルコ国境付近の山岳部では、トルコ軍がクルディスタン労働党(PKK)に対する空爆等の掃討作戦を行っています。

3 一般犯罪(国際ロマンス詐欺)
 イラクで活動していると主張する、実在しない医師、軍人、国連職員等になりすまし、Facebook、X(旧Twitter)、Instagram等のSNS、LINE等のメッセージアプリを通じて親密になった後に、荷物の輸送費・日本への渡航費・契約解除金等様々な名目で高額の送金を求める詐欺(国際ロマンス詐欺)の手口が多数確認されています。米軍関係者や国連職員が一般の方に近づき、料金の支払いや費用の立て替えを要求することは一切ありませんので、SNSで知り合った人物を安易に信用しないよう十分注意してください。

4 テロ・誘拐
 イラクのテロ・誘拐情勢については、こちら(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_045.html )をご確認ください。

5 安全対策
 真にやむを得ない事情で退避勧告地域、渡航中止勧告地域以外に渡航・滞在する場合でも、事前に信頼できる警備会社等の安全対策の専門家に相談を行い、必要な安全対策を講じてください。また、滞在中はテロ・誘拐など不測の事態に巻き込まれることのないよう常に最新の関連情報の入手に努めるとともに、以下の点に留意して自らの安全確保に十分注意を払ってください。

(1)緊急時の連絡のため、短期の渡航・滞在であっても、出発前に「たびレジ」に登録するとともに、在イラク日本国大使館又は在エルビル領事事務所にイラク滞在中の連絡先・日程などを届け出る。

(2)不要不急の外出は控える。テロの標的となりやすい施設(モスク、繁華街、マーケット、レストラン等)には近づかない。

(3)行動のパターン化を避ける。

(4)外出時には出発・到着時間や行き先を関係者に報告する。

(5)携帯電話等の連絡手段を確保する。

(6)防弾車や警護員を配置するなど十分な警護措置を行う。

(7)自宅・事務所等についても必要な警備措置を講じる。

1 イラクに入国するには、査証(ビザ)が必要ですが、出入国手続は、事前の通告なく変更されることがありますので、査証(ビザ)の取得及び入国後の査証種類別の手続に係る最新の情報については、駐日イラク大使館(03-5790-5311)に確認してください。

2 イラク北部のクルディスタン地域においては、同地域政府が発行する独自の査証にて滞在が認められているとの情報もありますが、同査証はイラク政府からの正式なイラク入国査証と認められておらず、同査証をもってクルディスタン地域以外のイラク国内を移動すると不法滞在となりますので、注意してください。最新の情報については、クルディスタン地域政府外務庁(+964(0)750-446-6602)に確認してください。

3 なお、パスポートは入国時に6か月以上の残存有効期間が必要です。

1 デモ・集会
 失業、物価高騰、水・電力供給の不足、政治情勢等を背景にバグダッドやバスラをはじめ各地でデモが頻繁に行われています。平和的なデモであっても暴力や衝突に転じること、時に、小火器や手榴弾を用いた争いに発展することもあり得ますので、最新の情報を入手するとともに、抗議活動が行われている場所、政府庁舎、民兵事務所等には近づかないなどの対策を講じてください。

2 在留届
 イラクに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後、住所または居所が決まり次第遅滞なく、在イラク日本国大使館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )での登録をお願いします。

3 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者、出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、イラクで事件や事故、自然災害等が発生し、在イラク日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。なお、渡航予定がない、もしくはイラク国内にご滞在ではないが、情報を受け取りたいという場合は「利用者登録をせずに利用する」へ進んでいただき、登録してください。

1 風俗、習慣、国民性に関する留意事項
 イラクは国民の大多数がイスラム教徒であり、イスラムの戒律に基づいた風俗・習慣に注意を払う必要があります。飲酒や女性の肌の露出等に厳しい制約があり、保守的な地方へ出向く場合には肌や髪(女性)を露出しない服装を心がけてください。また、男女隔離の伝統もあり、むやみに異性(特に相手が女性の場合)に話しかけたり、握手を求めることは避けてください。

2 衛生事情
 長く続いた戦乱により荒廃した電気・上下水道・電話等の生活インフラの復興は、未だ不十分な状態のままであり、水質管理も十分ではないため、飲料水や調理用水は、必ず一度沸騰させた後に使用する、または信頼のおけるミネラルウォーター(ペットボトル)を使用してください。

3 罹患しやすい病気
 イラクで気をつけるべき感染症としては、ウイルス性肝炎、破傷風、腸チフス、狂犬病等が挙げられます。また、常に乾燥しているため脱水症に注意が必要です。特に、気温の上がる夏期には熱中症に罹りやすくなります。
 予防接種は、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフス、狂犬病の各ワクチンをおすすめします。
 その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
感染症情報(https://www.forth.go.jp/

4 医療事情
 「世界の医療事情」においてイラク国内の衛生・医療情報等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
イラク全般:(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/nm_east/iraq.html
エルビル:(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/nm_east/erbil.html

5 病院事情
 外国人が比較的安心して受診または一時的に入院できる医療機関は極めて限られています。イラクでは、事件、事故などで警察が介入する場合は、公立病院での診断書が要求されます。原則、私立病院を最初に直接受診することができません。公立病院の初診料は、外国人に対して高額な料金設定がなされています。支払いはイラクディナールまたは米ドルの現金のみで、クレジットカード決済はできません。

(1)首都バグダッドの病院
 首都バグダッドのインターナショナル・ゾーン(IZ)内には、米軍からイラク政府に移管された病院(Ibn Sina Hospital)があります。また、事前契約が必要ですが、バグダッド国際空港に隣接するバグダッド外交支援センター(Baghdad Diplomatic Support Center)に病院が併設されています。また、バグダッドのレッドゾーン(RZ)にはMedical City等の大規模な公立総合病院や私立病院もありますが、治安上の問題からこれらの施設の利用はおすすめできません。

(2)エルビルの病院
 バグダッドなど他の地域に比して良好な医療環境にありますが、外国人が安心して受診又は一時的に入院できる医療機関は一部の私立病院に限られています。

6 海外旅行保険への加入
 海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。 旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

◎警 察:104
◎火 災:115
◎救急車:122
※クルディスタン地域において固定電話等から上記番号に架電する場合は冒頭に(066)を付す。
◎在イラク日本国大使館
 電 話:(870-772)-582-564(衛星電話)
 緊急連絡先:+964-(0)77-0494-2018(夜間等緊急を要する場合)
◎在エルビル領事事務所
 電話:+964-(0)66-210-5555(ext.819、821)
 緊急連絡先:+964-(0)750-080-4116、+964-(0)751-740-6711~2(夜間等緊急を要する場合)

○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5139、5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3680
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○外務省海外安全ホームページ
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館等連絡先)
○在イラク日本国大使館
 住所:International Zone,Baghdad,Iraq
 電話:(870-772)-582-564(衛星電話)
 FAX:(870-782)-502-564(同上)
 緊急連絡先:+964-(0)77-0494-2018(夜間等緊急を要する場合)
 ホームページ:https://www.iraq.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
 メールアドレス: embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp

○在エルビル領事事務所
 住所:Erbil Rotana Hotel,8F,Gulan Street,Erbil,Kurdistan,Iraq
 電話:964-(0)66-210-5555(ext.819、821)
 FAX:964-(0)66-210-5556
 緊急連絡先:+964-(0)750-080-4116、+964-(0)751-740-6711~2(夜間等緊急を要する場合)
 ホームページ:https://www.iraq.emb-japan.go.jp/itpr_ja/erbil.html
 メールアドレス: conjp.erbil@bd.mofa.go.jp

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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