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ブータン
安全対策基礎データ

更新日 2024年02月29日

1 犯罪発生状況
 ブータンでは、強盗などの凶悪犯罪は近隣諸国と比較すると少なく、治安は一般的に良好です。しかし、最近では農村部から都市部への人口の流入が著しく、都市部における強盗・窃盗等の事案が増加傾向にあるほか、一部の若者の間で安価な市販薬の乱用等がみられる点などに注意が必要です。
 また、ブータン南部の一部の県では、過去に身代金目的の誘拐事件が発生しているほか、隣国インドの過激派による活動にも注意が必要です。詳細は、危険情報をご参照ください(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_039.html#ad-image-0 )。

2 防犯対策
犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
 具体的には、窃盗や強盗、暴行等の犯罪に巻き込まれないよう、一人歩きをしない、人通りの少ない場所は避ける、夜間の外出は控える等の安全対策を講じてください。現金やパスポートなど貴重品は分散して持つなどの管理が必要です。
 また、車で移動する際、駐車中の車両は狙われやすいので、車内に貴重品を残さない、座席等外から見えるところに荷物を置かないなどの注意が必要です。
 
3 テロ情勢
 ブータンのテロ情勢については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_039.html )をご確認ください。

4 その他
 ブータンには日本の在外公館がなく、隣国の在インド日本国大使館が兼轄していますので、トラブルが発生しても早急な対応が困難となる可能性があります。トラブルに巻き込まれないよう十分な安全対策を講じることが肝要です。

手続や規則に関する最新の情報については、ブータン政府入国管理局ウェブサイト( https://visit.doi.gov.bt/ )を参照するか、在東京ブータン名誉総領事館( https://bhutan-hcg.org/ )、または、在インド・ブータン大使館(日本を兼轄)( https://www.mfa.gov.bt/rbedelhi/ 、(国番号91)-11-2688-9807)等にお問い合わせください。

1 査証
 ブータンに入国するためには、事前にブータン政府から入国許可書(VISA Clearance)を取得する必要があります。ブータンへの入国許可書は、上記ブータン入管ウェブサイトまたはブータン旅行を取り扱っている指定旅行会社を通じて申請します(海外のブータン大使館で直接入国許可書を取得することはできませんのでご注意ください)。その許可書を持って渡航し、ブータン入国時に査証を取得することとなります。

2 外貨申告
 入国時に合計10,000米ドル相当額を超える外貨を持ち込む場合、税関で申告する必要があります。申告なしで同限度額を超過した場合は処罰の対象となります。

3 通関
 酒類は1リットルまでは免税となります。タバコは原則持込みが禁止されていますが、200本までは100%の関税を払えば持込みが可能となります。
 植物・昆虫・鉱物の採取や持出し、野生動物の毛皮・角、およびそれらの加工製品の持出しは厳しく禁止されています。過去に日本人男性が生きたクワガタ97匹を不法に持ち出そうとしたことが発覚して以降、出国審査で日本人のスーツケースが開披検査されるケースが多くなっているようです。
 また、仏具、骨董品などを国外に持ち出す場合には、政府の許可証が必要となります。

1 旅行ガイド
 ブータンでは、グループ旅行でも単独旅行でも、外国人の観光旅行には、原則入国時から出国時まで現地旅行ガイドが同行することになっており、旅行者個人の単独行動は制限されています。滞在中は、このガイドのアドバイスに従う必要があります。

2 自然災害等
 毎年5月から10月までが雨期となり、同時期の渡航には、注意が必要です。2016年7月末の集中豪雨では、南部を中心に各地で道路や橋の崩落、洪水被害が発生しており、2023年7月にも北部で豪雨による鉄砲水が発生し、多数の犠牲者が発生しました。また、国道1号線および4号線沿いは、雨期に限らず、土砂崩れや落石の影響で通行止めが多発していますので、注意が必要です。

3 各種取締法規
(1)違法薬物
 ブータン当局は、麻薬の所持に対し厳しい取り締まりを行っています。麻薬には絶対に手を出さないでください。

(2)喫煙
 タバコの販売と屋外を含む公共の場所での喫煙は全面的に禁止されています。個人使用のための国内持ち込みは 200本まで許可されていますが、100%の関税が課せられます。喫煙場所はホテル客室などの一部に限られています。過去には、公共の場所での喫煙により外国人が逮捕されたケースもありますので、喫煙場所には十分な注意が必要です。

4 交通事情
 都市部を中心に自動車社会となっているものの、信号機や交差点の整備が進んでいないほか、飲酒に起因する事故も後を絶ちません。街中を歩く際は、交通事故に巻き込まれないよう注意が必要です。
 また、ブータンは標高数百メートルから7,000メートル級の山岳地帯まで標高差のある山脈に位置し、山腹を走る曲がりくねった道路が多く、舗装状態は劣悪です。さらに無理な追い越しも多いことから、交通事故の危険性が高くなっています。

5 在留届
 ブータンに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく、在インド日本国大使館(ブータンを兼轄)に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をおすすめしますが、郵送によって行うこともできますので、在インド日本国大使館にご相談ください。

6 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ブータンで事件や事故、自然災害等が発生し、在インド日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

1 風俗、習慣、国民性に関する留意事項
(1)ブータンでは仏教に対する信仰心が厚く、寺院や僧侶に対して敬意を払うことが求められます。事前の許可なく寺院内や僧侶の写真撮影は行わないでください。また、外国人や女性の立入りが禁止されている寺院等もあるため、同行する旅行ガイドや現地人の案内に従って行動してください。

(2)服装については、女性は足を見せないことが一般的ですので、ブータンの服装・文化の規範を尊重し、外出時には短パンやミニスカート、ノースリーブ等の露出度の高い服装は避けることをおすすめします。 特に、県庁(ゾン)等の公的施設、寺院等の宗教関連施設を訪問する際は、十分注意してください。

2 衛生事情
 飲料水は現地で販売されている封のされたミネラルウォーターを選び、水道水は直接飲まないようにしてください。歯磨きもミネラルウォーターを用いるほか、ホテルやレストラン等でも氷が入った飲み物はひかえた方が安全です。また、渡航者下痢症、腸チフス等食品媒介感染症の発症を防ぐため、料理は信頼のおけるレストラン等でよく火の通ったものを選択し、生焼け、半熟の食材は避けてください。また、サラダなどの生野菜や果物にも注意が必要です。

3 注意を要する病気等
(1)高山病等
ブータンは、全般的に標高2,000m以上の高地に位置し、登山・トレッキングのルートによっては厳しい高低差もあることから、高山病対策のため、休息日を設ける等余裕をもった旅行日程を組むようにしましょう。体調不良にもかかわらずトレッキングを強行すると、最悪、生命に関わる事態になりかねないことから、少しでも体調不良を感じた場合は出発を取りやめる、途中で切り上げる等、早め早めの対応を心がけてください。高血圧症・糖尿病など生活習慣病を指摘されている方や喫煙者の方は、標高の変化や疲労により高山病や肺炎等の感染症だけでなく、心臓疾患や脳卒中を発症することがあるので特に注意が必要です。赴任・入国前に主治医と自らの体調が旅行に耐えうるか、容態が悪化しないように注意すべきことは何かを十分に相談し、自己管理の徹底につとめてください。
 高山病は、高地で気圧が低く、酸素が欠乏した状態に身体が順応しきれず引き起こされる病気です。頭痛、吐き気、倦怠感、ふらつきやめまい等が一般的な症状ですが、重症化すると肺水腫や脳浮腫を引き起こして生命に危険を及ぼします。呼吸抑制作用のある飲酒、睡眠薬、精神安定剤等の使用は避けてください。また、衣服を調節して体温を保つように注意してください。症状を感じたら高度が低く、酸素濃度の高い所に移動し、十分な休息を取るのが最善策です。

(2)感染症
ブータンではツツガムシ病の流行がしばしば報告されています。また南部は標高が低く高温多湿のため、日本脳炎やデング熱、マラリアが発生しています。トレッキングや移動の際は長袖の着用、虫除けスプレー塗布等の「虫に刺されないための対策」を講じてください。

(3)犬咬傷
ブータンでは宗教上の理由から殺生が避けられるため、飼い犬、野良犬が町中を徘徊し、犬咬傷が大きな問題となっています。ティンプーのJDWNR病院では、毎日10件前後の犬咬傷事例が報告され、2012年に狂犬病発症による死者も確認されています。決して犬に近づかないようにし、万一に咬まれた場合は、直ちに医療機関を受診して医師の診察を受けてください。昼間でも気が付かないうちに野犬の縄張りに入って咬まれる事案が多発している上、夜間は街灯が少なく、人通りも少なくなるため、野犬が活発化し咬まれる危険性が更に高くなりますので、昼夜を問わず不要不急の外出は避けてください。

○参考情報:厚生労働省検疫所(FORTH)「感染症についての情報 狂犬病」
 https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name47.html

4 医療事情
 ブータンの病院は人員も設備も十分でなく、薬品類も輸入に頼り不足しているため、医療水準は高くありません。そのため現地では、何よりも病気を予防することが肝要です。渡航の少なくとも数か月前には必ずトラベルクリニックを受診し、渡航用ワクチン接種や常備薬の十分な携行、高山病対策、渡航上の注意事項の確認、現地医療事情の相談など事前の準備を怠らないようにしてください。
また、万一に備えて手術等の緊急医療移送が必要となった場合の出国手段を確認しておくことを強くおすすめします。
「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/bhutan.html )において、ブータン国内の医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
その他、予防接種等必要な情報については、以下のホームページを参考にしてください。
◎ 厚生労働省検疫所(https://www.forth.go.jp

5 医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の次のホームページをご確認ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

6 海外旅行保険
海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。
旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、緊急移送費を含む十分な補償内容の海外旅行保険への加入を強くおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

◎ 警察  :TEL 113(犯罪)
◎ 警察  :TEL 111(交通)
◎ 火災  :TEL 110
◎ 救急車 :TEL 112
◎ 在インド日本国大使館(ブータンを兼轄):TEL(国番号91)-11-4610-4610 (ニューデリー)

(問い合わせ窓口)
○ 外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4965
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○海外安全ホームページ
  http://www.anzen.mofa.go.jp (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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