情報種別:海外安全情報(広域情報)
本情報は2016年12月28日(日本時間)に失効しました。

感染症広域情報:ポリオの発生状況(ポリオ発生国に渡航する際は、追加の予防接種をご検討ください。)(その3)

2016年10月18日
本情報の対象国:パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリア、ギニア、マダガスカル、ラオス、ミャンマー、ソマリア、赤道ギニア、カメルーン、ニジェール、チャド、ウクライナ

【その2(2016年8月26日発出)からの更新内容】
・アフガニスタンの出入国に関する情報を更新。1(2)

【ポイント】
●世界保健機関(WHO)は、2014年5月5日、ポリオウイルスの国際的な広がりが、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC、 Public Health Emergency of International Concern」であることを宣言しています。
●ポリオが発生している国に渡航する人は、追加の予防接種を検討してください。

1 ポリオの発生状況
(1)世界保健機関(WHO)は、2014年5月5日、ポリオウイルスの国際的な広がりが、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC、 Public Health Emergency of International Concern」であることを宣言しました。また、2016年8月22日、国際保健規則(IHR)緊急委員会第10回会合の結果を踏まえ、現在の状況が引き続きPHEICに該当すると宣言しています。
(2)WHOの発表によれば、現在、パキスタンとアフガニスタンの2か国が「ポリオウイルス(野生型又はワクチン由来)を国外に輸出している国」とされています。パキスタンでは2016年2月1日、アフガニスタンでは2015年6月6日を最後に野生型ポリオウイルスの感染輸出例は報告されていませんが、予防接種の徹底や国境管理の強化など、ポリオの根絶に向けた努力が引き続き求められています。
 なお、パキスタン政府は、同国に4週間以上の長期滞在する外国人を含めた全ての人にポリオワクチン接種を義務化し、WHOが推奨する国際予防接種証明書の交付を行っています。
 また、アフガニスタン政府は、同国に6か月以上滞在した外国人を含む全ての人に対し、同国から出国する際には、ポリオの予防接種を受けていなければならないとしています。予防接種は出国の6週間前までに受けていることが望ましく、出国にあたっては国際予防接種証明書の所持が求められます。出国の際に同証明書を所持していない場合は、空港で予防接種を受けなければならないとされています。また、1度予防接種を受けていれば、1年間のうち複数回の出入国が可能であり、それ以降は1年毎に再接種を受けなければならないとしています。
 なお、アフガニスタン入国時には、パキスタンから入国する10歳未満の子どもを除き、予防接種は義務づけられていませんが、個人的予防策として、ワクチン接種が完了していない5歳未満の子どもは、ワクチンを接種すべきとしています。ポリオワクチンの国際予防接種証明書を持っていない場合は、アフガニスタンへの渡航及び同国からの出国にあたり、十分ご注意ください。
(3)2016年8月11日、ナイジェリア政府は、同年7月、同国北東部のボルノ州において、子ども2人に野生型ポリオウイルスによる急性弛緩性麻痺症例が発生したことを報告しました。ナイジェリアでは、2014年7月以降野生型ポリオウイルス感染者は報告されていませんでしたが、今回新たな発生が確認されたこと、また、2016年3月には、同じボルノ州で採取された汚水検体からワクチン由来ポリオウイルスの検出も報告されていたことから、WHOは、過去数年間に亘ってポリオウイルスが検出されずに伝播していた可能性があるとして、更なる国際的な感染拡大に懸念を表明しています。特に、同地域は、カメルーン、チャド及びニジェールと国境を接しており、これら4か国の間で感染が拡大するリスクは高いとの見解を示しています。
(4)WHOは、ナイジェリアのほか、マダガスカル、ミャンマー、ギニア及びラオスの5か国を、「ポリオウイルス(野生型又はワクチン由来)の発生があるが、現在は国外に感染を輸出していない国」としています。マダガスカルでは2015年8月22日、ミャンマーでは同年10月5日、ギニアでは同年12月14日、ラオスでは2016年1月11日以降、新たな感染者は報告されていません。また、ソマリア、赤道ギニア、カメルーン、ニジェール、チャド及びウクライナの6か国については、「もはやポリオウイルス(野生型又はワクチン由来)の発生がないが、引き続き国際的な感染拡大を受けやすく、ワクチン由来ポリオウイルスの出現と伝播が起こりやすい国」としています。
(5)ついては、これらの地域への渡航を予定している方及び現地に滞在している方は、以下を参考に、ポリオの予防接種を検討してください。特に、現在ポリオウイルス感染者の発生が報告されている地域に渡航する場合は、以前に予防接種を受けていても、追加接種をご検討ください。現地の小児定期予防接種一覧、医療機関情報等については、現地在外公館のホームページや在外公館医務官情報(末尾に掲載)をご参照ください。
(参考)
厚生労働省ホームページ:ポリオ(急性灰白髄炎)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/
厚生労働省検疫所FORTHホームページ:海外渡航のためのワクチン
http://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html

2 ポリオについて
(1)感染源
ポリオ(急性灰白髄炎)は、感染者(特に小児)の糞便又は咽頭分泌液との直接接触等によってポリオウイルスが人の口の中に入り、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスが再び便の中に排泄されて、この便を介してさらに他の人に感染します。まれに汚染された水や食物などからも感染します。成人が感染することもありますが、主に小児で起こります。
(2)症状
潜伏期間は3~21日(通常は7~21日)、感染しても90%~95%は無症状(不顕性感染)です。4~8%は軽症であり、発熱、風邪のような症状や胃腸症状(咽頭痛、咳、発汗、下痢、便秘、悪心など)が見られます。また,感染者の1~2%は、頭痛、嘔気、嘔吐、頸部及び背部硬直などの髄膜刺激症状を呈します。感染者の0.1~2%が典型的な麻痺型ポリオとなり、1~2日の風邪のような症状の後、解熱に前後して急性の筋肉、特に下肢の麻痺(急性弛緩性麻痺)が起きることが多いです。発症から12か月過ぎても麻痺又は筋力低下が残る症例では、永続的に後遺症が残る可能性があります。
(3)治療
麻痺の進行を止めるための治療や、麻痺を回復させるための治療が試みられてきましたが、現在、特効薬などの確実な治療法はありません。麻痺に対しては、残された機能を最大限に活用するためのリハビリテーションが行われます。
(4)予防
ア 予防接種
日本の定期の予防接種では、平成24年8月までは経口生ワクチンが使用されていましたが、平成24年9月以降は注射の不活化ポリオワクチンが使用されています。ポリオが発生している国に渡航する人は、追加の予防接種を検討してください。
なお、生ポリオワクチンを接種した場合、ワクチンウイルスが体外に排泄されるため、極めてまれではありますが、接種後便中に排泄されるワクチンウイルスから免疫のない子供や大人に感染し、麻痺をおこすこともありますので、接種後の衛生管理にも注意してください。ただし、日本国内で主に用いられている不活化ポリオワクチン接種(注射によるもの)では、基本的にこのようなことが起こることはないとされています。
イ 感染予防
ポリオの流行地では以下のような感染予防対策を心がけ、感染が疑われる場合には、直ちに医師の診察を受けてください。
●こまめに石けんと水で手洗いし、特に飲食の前、トイレの後は念入りに手洗いを励行する。
●野菜や果物は安全な水で洗い、食物は十分加熱してから食べる。
●乳製品は殺菌処理されたもののみ飲食する。
●飲料水や調理用の水はミネラルウォーターを使用する。水道水を利用する場合は、一度十分に沸騰させた後使用する。安全な水から作ったと確認できる氷以外は使用しない。
(5)予防接種証明書
ア 国内での予防接種証明書
国内での予防接種証明書の取得については、予防接種を実施した医療機関にご相談ください。
イ 海外での予防接種証明書
海外での同証明書の取得については、渡航先の日本国大使館にご照会ください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
  https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html(スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp(モバイル版)
(現地在外公館連絡先)
○在パキスタン日本国大使館
 電話:(市外局番051)907-2500
    国外からは(国番号92) 51-907-2500
 ホームページ:http://www.pk.emb-japan.go.jp/indexjp.htm
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/pakistan.html
○在カラチ日本国総領事館
 電話:(市外局番021)3522-0800
    国外からは(国番号92)21-3522-0800
 ホームページ:http://www.kr.pk.emb-japan.go.jp/j/index.html
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/karachi.html
○在アフガニスタン日本国大使館
 電話:(870)772-254-504、(870)772-250-388(衛生電話)
    (93)799-689-861、(93)793-915-658(早朝、夜間、週休日(金・土曜日)等で緊急を要する場合)
 ホームページ:http://www.afg.emb-japan.go.jp
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/nm_east/afghanistan.html
○在ナイジェリア日本国大使館
電話:(市外局番09) 461-2713,2714,3289,3290
国外からは(国番号234)9-461-2713,2714,3289,3290
ホームページ:http://www.ng.emb-japan.go.jp/j/
在外公館医務官情報:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html
○在ギニア日本国大使館
 電話:628-6838-38~41
   国外からは(国番号224)628-6838-38~41
 ホームページ:http://www.gn.emb-japan.go.jp/j/
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/guina.html
○在マダガスカル日本国大使館
 電話:(市外局番020)22-493-57
   国外からは(国番号261)20-22-493-57
 ホームページ:http://www.mg.emb-japan.go.jp/j/
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/madagas.html
○在ラオス日本国大使館
 電話:(市外局番021)414400~414403
   国外からは(国番号856)-21-414400~414403
 ホームページ: http://www.la.emb-japan.go.jp/index_j.htm
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/lao.html
○在ミャンマー日本国大使館
 電話:(市外局番01)549644~549648
   国外からは(国番号95)-1-549644~549648
 ホームページ:
 http://www.mm.emb-japan.go.jp/profile/japanese/index.htm
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/myanmar.html
○在ケニア日本国大使館(ソマリアを兼轄)
 電話:(市外局番020)2898000
   国外からは(国番号254)20-2898000
 ホームページ:http://www.ke.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在ガボン日本国大使館(赤道ギニアを兼轄)
 電話:(市外局番なし)01732297
   国外からは(国番号241)01732297
 ホームページ: http://www.ga.emb-japan.go.jp/jointad/gq/ja/index.html
○在カメルーン日本国大使館(チャドを兼轄)
 電話:(市外局番なし)2220-6202、2220-6585
   国外からは(国番号237)2220-6202,2220-6585
 ホームページ:http://www.cmr.emb-japan.go.jp/jp/index-jp.html
○在コートジボワール日本国大使館(ニジェールを兼轄)
 電話:(市外局番なし)2021-2863, 2021-3043, 2022-1790
   国外からは(国番号225)2021-2863, 2021-3043, 2022-1790
 ホームページ:http://www.ci.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/niger.html
○在ウクライナ日本国大使館
 電話:(市外局番044)490-5500
   国外からは(国番号380)44-490-5500
 ホームページ:http://www.ua.emb-japan.go.jp/jpn/index.html
 在外公館医務官情報:
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/ukraine.html