情報種別:海外安全情報(スポット情報)
本情報は(日本時間)現在有効です。

イラク:治安情勢(定期更新)

2018年03月14日
【安全のために】
●クルディスタン地域の一部を除き,危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」又は「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しています。これらの地域では,渡航者の安全を確保することが困難です。目的の如何を問わず渡航は止めてください。
●「退避勧告地域」に既に滞在されている方については,速やかに退避してください。退避までの期間の緊急連絡先を在イラク日本国大使館又は外務省邦人テロ対策室まで至急連絡してください。
●「渡航中止勧告地域」に真にやむを得ない事情で滞在中の方についても,緊急連絡先を至急連絡してください。
在イラク日本国大使館:+964-(0)77-0494-2018 (緊急連絡先)
在エルビル領事事務所:+964-(0)751-740-6711~2(緊急連絡先)
外務省邦人テロ対策室:(代表)03-3580-3311(内線)3047

【主要トピック】
●国民議会選挙の実施日は5月12日と決定されました。最新の関連情報の入手に努め,集会等には絶対に近づかないでください。(継続)
●ISILからの全土解放宣言は表明されていますが,ISIL分子の休眠細胞等によるテロが引き続き発生していることを踏まえ,警戒を強化してください。(継続)
●クルディスタン地域発着の国際航空便の運行禁止の解除が発表されましたが,実際の運行はまだ始まっていません。この地域に渡航するためにはバグダッド国際空港(レベル3)を経由する必要があるため,事前にイラク政府発行の入国査証を取得し,バグダッド空港内での滞在期間を必要最小限にすること等が必要となるほか,十分な安全対策を取ることのできない場合,渡航は止めてください。(継続)

☆最近のイラクにおける治安情勢は以下のとおりです。

1 イラク全土
(1)2014年6月以降,イスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)はイラク北部及び西部を中心に勢力を拡大させていましたが,2015年以降の掃討作戦を経て, 2017年12月9日に,アバーディ首相はISILからのイラク全土解放を宣言しました。しかし,2018年1月15日にバグダッドで自爆テロが発生したほか,ISIL分子の休眠細胞等がサラーハッディーン県,キルク-ク県,アンバール県,ニナワ県等の一部地域でテロ活動を継続しており,引き続き警戒が必要です。

(2)2015年8月以降,バグダッド及び南部諸県では,反汚職や公共サービス改善等を求める抗議デモが金曜日を中心に発生しています。また,イラク北部クルディスタン地域でも,スレイマーニーヤ県を中心に地域政府(KRG)への不満等を理由に継続的にデモが行われています。真にやむを得ない事情でイラク国内に滞在する際にも,金曜日の移動は避けるなど引き続きデモへの警戒が必要です。

(3)2018年 1月22日にイラク国民議会で国民議会選挙法改正案が採択されて,国民議会選挙の実施日は5月12日と決定されました。現時点で治安情勢に与える影響を予断することはできませんが,やむを得ずイラクに渡航・滞在される方は,最新の関連情報の収集に努め,選挙関連の集会等には絶対に近づかないようにしてください。

2 地域・都市別
(1)北部
ア モースル,タルアファル,ハウィージャ等の解放作戦の「勝利宣言」はなされたものの,ISIL残党の掃討作戦は継続しています。2018年2月18日,キルクーク県ハウィージャ近郊でPMU(ハシュド・シャアビー)部隊がISILの攻撃に遭い,27名が死亡しました。引き続き,作戦の進展に伴う国内避難民の増加やISIL分子によるテロ活動等が治安に及ぼす影響に注意が必要です。
イ 2016年10月にモースル近郊に出向いた邦人が治安当局に拘束される事案が発生しています。どのような目的であれ同地域及び同地域に近いニナワ県とエルビル県との県境付近には立ち入らないでください。

(2)クルディスタン地域及びその周辺
ア 2018年3月1日,イラク北部クルディスタン地域(KR)エルビル県エルビル市東郊ブンサラワ地区において,イランの反政府グループを狙ったと思われる自動車爆弾テロが発生し,2人が重傷を負う事案が発生しました。
これは,2015年4月の米国総領事館付近での爆弾テロ以降,3年振りのテロ事案です。
また,エルビル県やスレイマーニーヤ県では,ISIL分子の逮捕や隠れ家の摘発が散発的に報じられています。
イ KR北部の山岳地帯においては,トルコの反政府武装組織であるクルディスタン労働党(PKK)の拠点に対するトルコ軍による空爆や掃討作戦が断続的に実施され,周辺住民が空爆の巻き添えとなる例も報告されています。
ウ KRでは,スレイマーニーヤ県を中心にクルディスタン地域政府(KRG)への不満等を理由にデモが継続的に発生しています。2017年12月19日にはスレイマーニーヤ県のラニヤにてデモ隊と治安部隊が衝突し,死者が発生しました。
エ KRGは,KRの独立の是非を問う住民投票を2017年9月に実施し,独立支持が9割を越える結果となりました。これに対し,イラク連邦政府は,KRでの国際航空便の発着禁止等の措置を課した上で,KRGが実効支配していたキルクークをはじめとする係争地に進軍して,その大半を取り戻すなど厳しい措置を採りました。KRGとイラク連邦政府軍との間で本格的な衝突は発生しませんでしたが,バルザーニーKR大統領(当時)が退任し,権限を移譲されたネチルヴァンKRG首相と連邦政府間の対立が続きました。
オ 本年に入って,アバーディ連邦政府首相とネチルヴァンKRG首相の会談が3度に亘って行われるなど,両者の間で諸懸案(国境管理,税関,空港,石油収入,公務員給与や予算配分の問題)解決に向けた協議が継続しています
カ 2018年3月13日,イラク政府は,エルビル国際空港及びスレイマーニーヤ国際空港発着の国際航空便の運行解除を発表しましたが,実際の運行はまだ始まっていません。2月26日には停止措置が5月末まで延長されるとも報じられました。このため,この地域に渡航するためにはバグダッド国際空港(レベル3)を経由する必要があるため,事前にイラク政府発行の入国査証を取得し,バグダッド空港内での滞在期間を必要最小限にすること等が必要となるほか,十分な安全対策を取ることのできない場合,渡航は止めてください。

(3)中部
サラーハッディーン県において,2015年4月に同県ティクリート市,同年10月にベイジ市がISILから奪還されましたが,同市及びその周辺の都市ではISILによるテロ活動が引き続き確認されています。

(4)バグダッド
ア イラク政府による首都治安対策の強化により,テロ・犯罪の被害者数大きくは減少していますが,いわゆるバグダッド・ベルト地域でテロ事件が依然として多発しています。また,バグダッド市内でも2018年1月15日にバグダッド市ルサーファ地区で2回の爆発があり,38人が死亡,105人が負傷しました。
イ バグダッド市内では,金曜日を中心に反汚職や公共サービス改善を求める大規模なデモがたびたび発生しています。2017年2月にバグダッド中心部で行われた選挙改革を求めるデモでは,治安部隊との衝突により死傷者も発生していますので,警戒が必要です。

(5)西部
 アンバール県において,2016年6月に同県ファッルージャ市,2017年9月には同県北部のアーナ,11月には,同県シリア国境近くに位置するカーイム,ラーワがISILから奪還されましたが,同県では,治安部隊によるISIL分子残党の掃討作戦が引き続き行われており,ISILによる自爆攻撃などのテロも発生しています。

(6)南部(ナジャフ県,カルバラー県を含む)
ア イラク南部県の治安情勢は比較的落ち着いていますが,最近では,2017年9月14日に,ズィカール県ナースィリーヤ近郊のハイウェイ沿いの巡礼者が立ち寄るレストラン及び検問所で武装集団による襲撃及び自動車爆弾により,84人が死亡,93人が負傷するテロ事件が発生しました。いずれの事件もISILが犯行を主張したと報じられています。
イ バスラ県北部のハルサ地区及びバスラ市内においては,部族間で武器を使用した衝突が引き続き発生しています。また,バスラ市においては犯罪集団による身代金目的の誘拐,強盗,殺人事件が多発しています。
ウ イラク南部諸県では,バグダッド同様に,反汚職や公共サービス改善を求めるデモが発生しており,暴徒化することもあり注意が必要です。

【主要地域において発生した主な事案】
2018年2月中,首都バグダッド,中心部インターナショナルゾーン(IZ)及びその周辺,クルディスタン地域及び南部等で発生が報じられた主な事件は,以下のとおりです。別添「バグダッド市内中心部での主な治安事案マップ」を併せて参照してください。なお,イラクでは,バグダッド以外でも,上記1の戦闘が行われている地域等,各地でテロ等の事案が発生しており,注意が必要です。

(バグダッド中心部)
<IZ内>
●2月中にテロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

<IZ外>
●5日,シュラ地区での攻撃で1人死亡,1人負傷。
●6日,ドーラ地区での爆発で1人死亡,2人負傷。
●10日,マンスール地区での銃撃で1人死亡。
●12日,サイディーヤ地区での爆発で1人死亡。
●17日,アル・フラート地区での爆発で1人死亡。
●19日,カラダ地区での爆発で3人負傷。
●20日,アル・タジヤット地区での爆発で3名負傷。
●22日,バヤー地区の爆発で2名負傷。
●24日,ラシディーヤ地区での爆発で3名負傷。
●24日,ディヤラ地区での爆発で複数名死傷。
●25日,アラブ・ジャブール地区での爆発で3名負傷。
●25日,シェイク・オマル地区での爆発で1人負傷。
●26日,バクリヤ地区での爆発で3人死亡。


(クルディスタン地域3県)
●2月中にテロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

(カルバラー県及びナジャフ県)
●2月中にテロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

(南部4県)
●2月中にテロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

【外務省海外安全情報サイト】
(イラク「海外安全情報」)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_045.html#ad-image-0

(参考広域情報・スポット情報)
・「イスラム過激派組織「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」指導者の声明発出に伴う注意喚起」(2016年11月4日)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C295.html

(問い合わせ先)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省内関係課室連絡先)
 ○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3680
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5139
 ○海外安全ホームページ:
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)


(現地公館連絡先)
○在イラク日本国大使館
住所:International Zone,Baghdad, Iraq
電話:(870-772)-543-197(衛星電話)
FAX:(870-782)-174-466
緊急連絡先:+964-(0)77-0494-2018
URL:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
E-mail:embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp

○在エルビル領事事務所
住所:Erbil Rotana Hotel, Gulan Street, Erbil, Kurdistan, Iraq
電話:964-(0)66-210-5555(ext.827,825,829)
FAX:964-(0)66-210-5556
緊急連絡先:+964-(0)751-740-6711~2
URL:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/itpr_ja/erbil.html
E-mail:conjp.erbil@bd.mofa.go.jp