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タンザニア
テロ・誘拐情勢

更新日 2023年01月23日

1 概況
(1)タンザニアにおけるテロの脅威は、ソマリアのイスラム過激派組織アル・シャバーブ等の国際的テロ組織によるものと、タンザニア本土との連合関係に不満を持つザンジバルのグループによるものがあると指摘されています。
(2)2013年10月、ムトワラ州山中において軍事訓練を行っていた容疑でアル・シャバーブ関係者11人が逮捕されました。同容疑者グループは、訓練マニュアルが記録されたDVDや現地製の武器も所持していました。現在も引き続き国内に国際テロ組織の分子が潜在している可能性は排除できません。
(3)2019年1月、ケニアのナイロビでのテロ事件発生後、ソーシャルネットワーク上でアル・シャバーブ幹部がケニア、タンザニアへの攻撃を示唆する動画が掲載されました。同動画は2016年に掲載されたものと同一であることが確認されましたが、引き続き注視する必要があります。
(4)2019年11月、それまで隣国モザンビークのカーボデルガード州において武装集団による襲撃事件が相次いでいましたが、タンザニア側において南東部ムトワラ州のモザンビークとの国境沿いのルブマ川に位置する小島で正体不明の武装集団による村民襲撃事件が発生し、2020年10月及び2021年10月には、イスラム国を名乗る武装集団による同地域での襲撃事件が立て続けに発生しました。今後も同州での同様の襲撃事件の可能性は排除できないことから、同州への不要不急の渡航はお控え下さい。
(5)貧困等に起因したエチオピア、ソマリアや隣国のルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国からの密入国者が後を絶たず、テロ組織の構成員も紛れ込んで不法入国している可能性も指摘されており、治安状況の悪化や不安定化も懸念されています。
(6)2015年10月、タンザニア全土での総選挙の際、ザンジバルのストーンタウン及びその周辺において警察当局介入による暴動事件が発生した他、選挙結果に対する抗議行動とみられる小規模爆弾事件も発生しました。また、2020年10月の総選挙では、選挙期間中にストーンタウン及びその周辺、並びにペンバ島で大規模な暴動が発生したとの情報もありました。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 タンザニアでは、犯行主体は明らかになっていませんが、爆弾事案や襲撃事件が複数発生しています。
(1)2013年5月及び6月、北東部アルーシャにおいて、教会及び野党政治集会で手榴弾を使ったテロ事件が発生した他、ザンジバルでは英国人ボランティア及びキリスト教関係者が、酸とみられる液体で襲撃される事件が続けて発生しました。
(2)2014年2月から6月にかけて、ザンジバル及びアルーシャにおいて、レストラン、宗教関係施設で小規模な爆弾事件が発生しました。
(3)2015年1月から7月にかけて、コースト州、モロゴロ州、タンガ州及びダルエスサラーム州で警察当局に対する襲撃事件が続けて発生しました。また、同年10月の総選挙では前述のとおり、ザンジバルで小規模な爆弾事件が発生しました。
(4)2016年3月、ザンジバル大統領選挙再投票を前に、ボイコットを決めた野党支持者とザンジバル政府及び治安当局との間で緊張が高まり、野党支持者宅数件の焼き討ち事件、ザンジバル警察庁長官宅で爆発物投擲事件が発生しました。
(5)2019年11月、ムトワラ州のモザンビークとの国境沿いのルブマ川に位置する小島において、前述の襲撃事件が発生しました。
(6)2020年10月には、同地域において前述のイスラム国を名乗る武装集団による襲撃事件が立て続けに発生しました。
(7)当地主要紙によると、エチオピア、ルワンダ、ケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ソマリア、バングラデシュ等からの密入国者の逮捕事案が続けて報道されている他、中には携行していた武器の押収についても報じられています。
(8)2021年8月、ダルエスサラーム市内において、警察官2名が突然男にピストルで撃たれる事件が発生し、犯人逮捕に至るまでに更に警察官1名,民間警備会社警備員1名が死亡、その他6名が負傷しました。その後の警察当局による捜査において犯人は「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)やアル・シャバーブに陶酔しており、自爆覚悟の行動であったことから、テロリストであったとして報道されています。

3 誘拐事件の発生状況
(1)邦人旅行者が、タクシー強盗と称される金品強奪を目的とした短時間誘拐の被害に遭う例が多発しています。同被害はダルエスサラーム各所の他、最近ではザンジバルのストーンタウンでも発生しています。安価な料金を提示され乗車すると、後から複数のタンザニア人が強引に乗り込み、人気のない場所に連れて行かれ刃物等で恐喝、暴行され、金品を強奪される、ATMでクレジットカードの最大限度額まで出金させられるなどの事案が増加しています。流しのタクシーは利用せず、ホテルやタクシー乗り場に待機している登録された正規タクシーを利用して下さい。
(2)2018年10月、ダルエスサラームの高級ホテルに併設された会員制ジム入口にて、タンザニア人資産家が武装集団に拉致・誘拐される事件が発生しました。このような事件に巻き込まれぬことのないよう、日頃から行動を予知されない、常時、周囲に気を配るなど十分な注意をお願いします。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 タンザニアでは、現在まで、日本人や日本権益を直接の対象としたテロや誘拐の脅威は確認されていません。しかし、近年、アジアや中東において日本人が殺害されるテロ事件や、欧州各地でもテロ事件などが発生しています。このように世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロ事件が発生している他、これらに影響を受けた単独犯によるローンウルフ型テロや、ショッピングセンターや映画館等のソフトターゲットを狙ったテロ事件も発生していることから、日本人がテロ事件等の被害に遭う恐れも想定されます。テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識して、誘拐・テロ等に遭わないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページや報道等により最新の治安・テロ情勢関連情報の入手に努め、日頃から十分な安全対策を講じていただくようお願いします。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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