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スポット情報

情報種別:海外安全情報(スポット情報)
本情報は(日本時間)現在有効です。

イラク:治安情勢(定期更新)

2017/11/07
【安全のために】
●イラク全土に対して危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」又は「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しています。このような地域では,渡航者の安全を確保することが困難です。目的の如何を問わず渡航は止めてください。
●「退避勧告地域」に既に滞在されている方については,速やかに退避してください。退避までの期間の緊急連絡先を在イラク日本国大使館又は外務省邦人テロ対策室まで至急連絡してください。
●「渡航中止勧告地域」に真にやむを得ない事情で既に滞在されている方についても,緊急連絡先を至急連絡してください。
在イラク日本国大使館: +964-(0)77-0494-2018 (緊急連絡先)
外務省邦人テロ対策室:(代表)03-3580-3311(内線)3047

【主要トピック】
●2017年7月にモースル解放作戦の「勝利宣言」, 8月末にタルアファル解放作戦の「勝利宣言」,10月5日にキルクーク県ハウィージャ解放作戦の「勝利宣言」が行われました。さらに11月3日には国内のISIL最終拠点たるアンバール県のカーイムの解放が宣言されました。ニナワ県,キルクーク県,サラーハッディーン県,アンバール県等では放逐されたISIL分子によるテロが引き続き発生していることを踏まえ,警戒を強化してください。(継続)
●クルディスタン地域政府は,2017年9月25日に同地域の独立の是非を問う住民投票を実施しました。これに対し,イラク中央政府は対抗措置の一環として,クルディスタン地域発着の国際航空便を停止するとともに,係争地に軍を進めクルド側と衝突が発生し,現在,同地域を巡る情勢は流動的となっています。当面の間,クルディスタン地域への渡航は止めてください。既に滞在中の方は,十分な安全対策を講じてください。(継続)

☆最近のイラクにおける治安情勢は以下のとおりです。

1 イラク全土
(1)2014年6月にイスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)がイラク北部ニナワ県モースル市等を占拠して以降,イラク北部及び西部を中心に勢力を拡大させましたが,米国が主導する「連合」の支援を受けたイラク軍が対ISIL掃討作戦を進め,特に2015年下旬から2016年にかけて多くの主要都市を奪還しました。 その後も2017年7月にモースルの解放作戦が終了し, 8月31日にはモースル西方に位置するタルアファル解放作戦での勝利宣言が,10月5日にはキルクーク県ハウィージャ解放作戦の勝利宣言が行われました。現在,ISILの国内最終拠点であるアンバール県北西部に焦点が移っており,11月3日,イラク政府はシリア国境に近いカーイムの解放を宣言しました。イラクにおけるISIL支配地域は大幅かつ急速に縮小していますが,放逐されたISIL分子は,イラク軍により奪還されたサラーハッディーン県北部やカイヤーラ,ファッルージャなどの都市でテロ活動を継続しており,引き続き警戒が必要です。

(2)2015年8月以降,バグダッド及び南部諸県では,反汚職や公共サービス改善等を求める抗議デモが金曜日を中心に発生しています。真にやむを得ない事情でイラク国内に滞在する際にも,金曜日の移動は避けるなどデモへの警戒が必要です。

2 地域・都市別
(1)北部
ア モースル,タルアファル,ハウィージャ解放作戦の「勝利宣言」はなされたものの,更にISIL残党の掃討作戦は継続しています。引き続き,作戦の進展に伴う国内避難民の増加や放逐されたISIL分子によるテロ活動の継続などが治安に及ぼす影響に注意が必要です。
イ 2016年10月にモースル近郊に出向いた邦人が治安当局に拘束される事案が発生しています。どのような目的であれ同地域及び同地域に近いニナワ県とエルビル県との県境付近には立ち入らないでください。

(2)クルディスタン地域及びその周辺
ア イラク北部クルディスタン地域エルビル県においては,2013年9月にエルビル市内の治安機関庁舎を標的とした爆弾テロ,2014年11月に県庁舎を標的とした爆弾テロ,2015年4月に米国総領事館付近での爆弾テロが発生しましたが,それ以降,テロ事案の発生は確認されていません。
他方,エルビル県やスレイマニヤ県では,ISIL分子の逮捕や隠れ家の摘発が散発的に報じられています。
イ クルディスタン地域北部の山岳地帯においては,トルコの反政府武装組織であるクルディスタン労働党(PKK)の拠点に対するトルコ軍による空爆や掃討作戦が断続的に実施されています。周辺住民が空爆の巻き添えとなる例も報告されています。
ウ 2017年9月16日,キルクーク県キルクーク市のアデン地区にて車載爆弾によるテロ攻撃が発生し,1人が死亡,10人が負傷しています。
エ クルディスタン地域政府(KRG)は,同地域(KR)の独立の是非を問う住民投票を2017年9月25日に実施し,独立支持が9割を越える結果となりました。これに対し,イラク中央政府は,クルディスタン地域発着の国際航空便を停止させた上で,KRGが実効支配していた係争地にイラク軍を進め,その大半を取り戻すなど,厳しい対抗措置を採りました。KRGは部隊を撤退させてイラク軍との本格的な衝突を避けつつ,停戦,住民投票結果の凍結,対話を提案するなど,全面的な対立を回避する動きを見せていますが,依然として係争地の一部地域で散発的に衝突が発生しています。
現在,クルディスタン地域を巡る情勢は,緊張緩和の動きはあるものの,引き続き流動的な状況が継続しています。当面の間,クルディスタン地域への渡航は止めてください。既に滞在中の方は,自身の安全に特別な注意を払い,十分な安全対策を講じてください。

(イラク軍とペシュメルガ部隊との衝突発生以降の主な動き)
●10月16日未明,キルクーク南部でイラク軍とペシュメルガ部隊との衝突が発生。
●10月16日,イラク軍は,主要施設を含むキルクーク市全域を制圧。クルディスタン側は主だった抗戦を行わず兵力を撤退。
●10月17日,イラク軍は,キルクークにおいて油田を含む同県の残る地域,ディヤーラ県の一部ニナワ県の一部を制圧し,係争地の大半を掌握。
●10月17日,バルザーニーKR大統領は,事実上の敗北宣言とみられる声明を発出。
●10月20日,キルクーク県北部アルトゥン・クプリ(エルビル市の南50キロ)で,イラク軍とペシュメルガ部隊との間で激しい衝突が発生。同日中にイラク軍が同地を掌握。
●10月24日,KRGは次の3項目提案を発表。
(1)戦闘行為,軍事作戦の即時停止
(2)住民投票結果の凍結
(3)憲法を基礎とするオープンな対話開始
●10月26日,ニナワ県フィシュハブル国境地点でイラク軍とペシュメルガ部隊との衝突が発生。
●10月27日,アバーディー首相はイラク軍の移動24時間一時停止を命令。
●10月29日,バルザーニーKR大統領,11月1日以降,大統領の任期を延長しない旨発表。

(3)中部
サラーハッディーン県において,2015年4月に同県ティクリート市,同年10月にベイジ市がISILから奪還されましたが,同市及びその周辺の都市ではISILによるテロ活動が引き続き確認されています。ベイジにおいては,2017年9月19日に南方ハジャージュ地区にて食堂を狙った自爆テロが発生し,3人が死亡,34人が負傷しています。このテロについて,ISILが犯行を主張しています。

(4)バグダッド
ア 国連の発表では,バグダッド県において2017年10月の1か月間で177人がテロ・犯罪の犠牲となっています。いわゆるバグダッド・ベルト地域でテロ事件が依然として多発しています。また,バグダッド市内では,バグダッド・ベルト地域に比較して発生件数自体は少ないものの,2017年8月27日に市内アブ・ダシール地区及びアル・シュルタ地区にて同時に自動車爆弾によるテロが発生し,21人が死亡,30人が負傷すると共に,翌日午前には市中心部サドルシティのジャミラ地区でも自動車爆弾が爆発し,25人が死亡,34人が負傷しています(前者はISILが犯行声明を発出)。総じてバグダッド市中心部における事案の発生件数はイラク政府による首都治安対策の強化により,緩やかな減少傾向にあります。
イ バグダッド市内では,2015年8月以降金曜日を中心に反汚職や公共サービス改善を求める大規模なデモがたびたび発生しています。2017年2月11日にはサドル潮流の支持者数千人が独立最高選挙委員会(IHEC)の改革と選挙法の改正を要求する大規模デモをバグダッド中心部で行い,インターナショナルゾーン(IZ)に接近したことから,治安部隊と衝突し死傷者が発生しました。その後はこのような衝突事案は発生していませんが,大規模デモは時々行われるため,引き続き警戒が必要です。

(5)西部
 アンバール県において,2016年6月に同県ファッルージャ市がISILから奪還されましたが,同市及びその近傍の都市では散発的に自爆攻撃などのテロが発生しています。ファッルージャにおいては,2016年12月11日に検問所周辺で自動車爆弾が爆発し,8人が死亡したほか,ヒートにおいては,2017年5月30日に自爆テロが発生し,13人が死亡,20人が負傷しています。これらのテロについて,いずれもISILが犯行を主張しています。また,2017年7月2日,ラマーディー西部の難民キャンプで自爆テロが発生し,14人が死亡,13人が負傷しています。2017年9月21日,アンバール県北部のアーナがISILから奪還され,11月3日,同県シリア国境近くに位置するカーイムの解放が宣言されました。

(6)南部(ナジャフ県,カルバラー県を含む)
ア イラク南部県の治安情勢は比較的落ち着いており, 2016年8月以降,南部4県でテロは発生していませんでしたが,2017年5月19日,イラク南部バスラ県北西部ルメイラ地区の幹線道路上の検問所で11人が死亡,30人が負傷する自爆テロが発生し,また同年6月9日,カルバラー市内の駐車場で1人が死亡,7人が負傷する爆弾テロ,同年8月12日にはカルバラー郊外の検問所で1人が死亡,2人が負傷する爆弾テロが発生しました。同年9月14日にはズィカール県ナースィリーヤ近郊のハイウェイ沿いの巡礼者が立ち寄るレストラン及び検問所で武装集団による襲撃及び自動車爆弾により,84人が死亡,93人が負傷するテロ事件が発生しています。いずれの事件もISILが犯行を主張したと報じられています。
イ バスラ県北部のハルサ地区及びバスラ市内においては,部族間で武器を使用した衝突が引き続き発生しています。また,バスラ市においては犯罪集団による身代金目的の誘拐,強盗,殺人事件が多発しています。
ウ イラク南部諸県では,バグダッド同様にサドル派指導者の呼びかけに呼応する形で2015年8月以降,反汚職や公共サービス改善を求めるデモが発生しており,ナジャフにおいても2017年6月29日にデモ隊の一部が治安部隊と衝突し,1人が死亡し,5人が負傷しました。

【主要地域において発生した主な事案】
2017年10月中,首都バグダッド,中心部IZ及びその周辺,クルディスタン地域及び南部等で発生が報じられた主な事件は,以下のとおりです(以下,全て現地時間で記述)。別添「バグダッド市内中心部での主な治安事案マップ」を併せて参照してください。なお,イラクでは,バグダッド以外でも,上記1の戦闘が行われている地域等,各地でテロ事件等が発生しており,注意が必要です。

(バグダッド中心部)
<IZ内>
●テロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

<IZ外>
●10日,ドーラ地区での簡易爆弾で1人死亡。
●11日,ラシード地区の検問所での手榴弾で2人負傷。
●11日,マカセブ地区での路肩爆弾で4人負傷。
●13日,スワイブ地区での路肩爆弾で3人負傷。
●24日,シューラ地区での爆発で1人死亡。
●26日,スレイハ地区での爆発で1人死亡。

(クルディスタン地域3県)
●テロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

(カルバラー県及びナジャフ県)
●テロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

(南部4県)
●テロ事件及び大規模な犯罪事案発生は確認されていない。

【外務省海外安全情報サイト】
(イラク「海外安全情報」)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_045.html#ad-image-0

(参考広域情報・スポット情報)
・「イスラム過激派組織「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」指導者の声明発出に伴う注意喚起」(2016年11月4日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C295.html

(問い合わせ先)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省内関係課室連絡先)
 ○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5139
 ○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3680
 ○海外安全ホームページ:
  http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)


(現地公館連絡先)
○在イラク日本国大使館
住所:International Zone,Baghdad, Iraq
電話:(870-772)-543-197(衛星電話)
FAX:(870-782)-174-466
緊急連絡先:+964-(0)77-0494-2018
URL:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/Japanese/index_j.html
E-mail:embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp

○在エルビル領事事務所
住所:Erbil Rotana Hotel, Gulan Street, Erbil, Kurdistan, Iraq
電話:964-(0)66-210-5555(ext.827,825,829)
FAX:964-(0)66-210-5556
緊急連絡先:+964-(0)751-740-6711~2