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カナダ
安全対策基礎データ

更新日 2023年12月12日

1 概況
(1)カナダは、一般的に治安が良いと言われていますが、犯罪発生率(人口10万人あたりの犯罪認知件数)は日本の約12倍の水準となっています。最近では、ギャング絡みの発砲・暴力事件も発生しているほか、夜間に銃器や刃物で通行人を脅したり、背後から襲い暴行を加えた後に所持品を奪うといった事案も発生しています。日本人の渡航者、滞在者が犯罪に巻き込まれる事案も発生していますので、適切な防犯対策を講じてください。特に、都市部で夜間のひと気のない場所に出かける際には注意が必要です。
(2)空港やホテル、レストラン等で旅行者を狙ったスリや置引き等が多発しているため、パスポートや現金などの貴重品を盗まれないよう注意する必要があります。被害に遭った日本人旅行者の多くが、貴重品を入れたバッグをほんのわずかの時間、足元や近くの椅子の上に置いた隙に盗まれています。荷物は常に視界に入る位置に置くよう心掛けるとともに、貴重品は必ず身につけて携行するようにしてください。
(3)カナダでは、米国ほど銃器の所持が自由ではありませんが、米国と国境を接しているため、銃の密輸が後を絶たず、銃器を使用した強盗等が増加傾向にあり、在留邦人が銃器で脅される被害も発生しています。万一、強盗等の被害に遭遇した場合には、相手が銃器を所持している可能性が十分にありますので、身体の安全を第一に考え、絶対に抵抗はせず、相手の要求に応じて金品を差し出し、立ち去らせた方が無難です。

2 防犯対策
●夜間の一人歩きは避ける。
 暗く人通りの少ない場所は避け、街灯があり、人通りのある場所を選んで通る。
●多額の現金や貴重品は必要な時以外は携行しない。
 日本人を含むアジア系観光客から盗んだ財布やバッグに多額の現金が入っていたことに味をしめた窃盗グループが、日本人旅行者を専門に狙っている可能性があります。日本人を狙った窃盗犯罪を防ぐためにも、多額の現金や貴重品の携行は極力避けることが肝要です(カナダでは、少額でもカード決済が普及しています。)。また、万一被害にあった時に備えて、現金や貴重品は分散して所持するようお勧めします。
●パスポートの取扱いに注意を払う。
 日本人のパスポートを狙った窃盗グループが存在しており、現金等貴重品とともにパスポートも盗まれる被害が多発しています。脱いだ上着のポケット等にパスポートを入れたままにせず、必ず身に付けて携行するよう特に注意が必要です。
●犯罪者に隙をみせない。犯罪を誘発しない。
 犯罪者はまず、多額の現金や貴重品を所持しているターゲットを物色し、そのターゲットの隙を狙います。財布の中身や貴重品を携行していることを他人に知られないように留意することが必要です。また、荷物を身体の前に抱えるなど犯罪を警戒していることを示すことによって、被害に遭う確率を低くすることができます。
●面識のない人を安易に信用しない。
 カナダ人は一般的に親切ですが、安易に、知り合ったばかりの人の家へ行ったり、自動車に同乗したりしないでください。
●車を利用する際も盗難に注意する。
 車の鍵のこじ開けは容易であるため、ハンドルロック棒等を利用し、盗難防止措置を施していることを示すことも必要です。また、車上荒らしの被害をさけるためにも、駐車する際は割高でも人目のある駐車場を利用することが大切です。写真撮影等のほんの数分でも、車中に貴重品は残さないようにしてください。
●振り込め詐欺に注意する。
 以下の被害に遭ったとの情報が寄せられております。なかにはSIN(Social insurance number)ナンバーを先方に教えてしまったケースも発生しています。
(1)電話による詐欺の特徴
・国税庁や警察、その他政府関係者になりすました電話(着信にもそのように表示される)。
・身に覚えのない請求を行い、支払いを急がせる。
・第三者に相談させる余地を与えない。
(2)インターネット(MARKET PLACE)による詐欺被害
・架空のアパート物件に1,600ドルをビットコインで支払ったが、実際にはその物件は存在しなかった。
・仲介業者に2か月分の家賃を支払ったが、その後連絡がなく、電話も不通。また当該物件の鍵の受け渡しが出来ず入居出来ない。
●万一犯罪に巻き込まれた場合には、すぐに警察に届ける(電話による緊急連絡は911へ)。
 バンクーバー市警においては『Japanese Please!』と言えば、日本語でも対応してくれます。また、在カナダ日本国大使館及び各地の総領事館では日本人の方の犯罪被害について情報収集と注意喚起を行っています。何らかの犯罪被害に遭った場合は、警察への届出とあわせて最寄りの日本大使館、総領事館へもご一報ください。

3 都市別の状況や防犯対策については、在カナダ日本国大使館及び総領事館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き:https://www.anzen.mofa.go.jp/manual/canada_manual.html 」をご確認ください。

4 テロ対策
 カナダにおけるテロ・誘拐については、「テロ・誘拐情勢:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_222.html 」をご確認ください。

(手続きや規則に関する最新の情報については、駐日カナダ大使館(03-5412-6200)等に確認してください。)

1 電子渡航認証(Electronic Travel Authorization。略称:eTA)
(1)日本とカナダとの間の査証免除取極(3か月以内の滞在。就学、就職、生業、または報酬を受ける活動に従事する場合を除く。)に基づき航空機にてカナダへ入国(トランジットも含む)する際、米国の電子渡航認証システム(ESTA)と同様、事前にパスポート情報等を登録しオンライン認証を受けることを義務付ける電子渡航認証(Electronic Travel Authorization。略称:eTA)が導入されています(永住者カードの所持者を除く。また、陸路、海路でのカナダ入国は対象外。2015年8月1日以前に就労許可、就学許可の発給を受けている方が、カナダから出国し空路で再入国することを予定している場合は、eTAが必要です)。

(2)認証申請は、カナダ政府専用ウェブサイトから行う必要があります。eTAを取得していない旅行者は、カナダ行きの航空機に搭乗できません。
 また、出生等による日本・カナダの二重国籍者はeTAの申請ができませんので、旅行の際はカナダの旅券を携行する必要があります。(*なお、日本国籍の喪失等にかかる留意点は、こちらの国籍Q&Aをご参照ください(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji78.html#a12 )。

ア 認証費用として1件につき7カナダドルが必要となります(クレジットカード決済)。入力する内容は、カナダ入国に際して提出する入国申告カードとほぼ同じで、氏名・生年月日・性別・住所・連絡先などの申請者情報、パスポート情報、渡航目的のほか、いくつかの質問事項に対し、「はい」、「いいえ」での回答形式となっています(入力自体は英語もしくはフランス語となりますが、日本語による申請方法案内があります)。

イ eTAの有効期間は5年間です。ただし、5年以内にパスポートの有効期限が切れる場合は、同期限までが有効期間となります。また、パスポート切替え等によりパスポート番号が変わった場合には、新たに認証申請を行う必要があります。

ウ eTAの詳細等につきましては、以下をご参照ください。
・カナダ政府eTA公式ページ:
 (英語)https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/visit-canada/eta.html
 (フランス語)https://www.canada.ca/fr/immigration-refugies-citoyennete/services/visiter-canada/ave.html
・eTA日本語情報ページ: https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/visit-canada/eta/facts-ja.html

2 入国審査
 入国審査の際、十分な旅費・滞在費を所持しない者、有効なパスポート・帰国の航空券を持っていない者、以前にカナダから強制退去させられた者、犯罪歴を有する者、入国審査時に不正確な申告を行った者等は、入国を拒否されることがあります。

3 カナダから米国への再入国に係る注意点
 米国と日本の間には査証免除プログラム(90日以内の商用・観光の目的で米国に入国する場合は一定の条件の下で査証を必要としない)がありますが、米国に滞在していた人が一時的にカナダに入国した後、米国に再入国しようとした際にトラブルになるケースがあります。米国出国前に、現在所持している米国の滞在許可で米国に再入国できるかどうかについて、米国移民局等で確認しておく必要があります。
 なお、在カナダ米国大使館や総領事館では、カナダに長期滞在している人以外からは原則として米国入国査証の申請は受け付けていませんので、カナダから米国に渡航する予定がある場合は、本邦出発前に駐日米国大使館または総領事館で必要な査証を申請してください。
 とりわけ米国は日本も含む査証免除国からの入国者に対し、パスポート情報等の事前登録を求める電子渡航認証システム(ESTA)を導入しています。米加間の陸路移動にあたってもESTAが必要です(ただし、別途米国入国査証を取得した者、出生等による日米重国籍者・日カナダ重国籍者、米国永住権保持者等については、ESTA登録の必要はありません。米国への渡航を予定されている方は、早めに専用サイト(https://esta.cbp.dhs.gov/ )より登録をされることをおすすめします。

4 税関・検疫
 すべての旅行者はカナダ入国に際し、税関申告書によりカナダ国境サービス庁(Canada Border Services Agency、以下CBSA)係官へ申告しなければなりません。申告に虚偽が認められた場合、没収、罰金または刑事訴追を受けることがあるので注意が必要です。
(1)外貨申告
 合計して1万カナダドル相当額以上の現金、小切手等を含む有価証券を持ち込む場合は、入国時に申告する必要があります。

(2)主な輸入禁止品/輸入制限品
ア 違法薬物、火器・武器、絶滅危惧種の動植物などの持ち込みは禁止されています。違法薬物持込みに対する入国時の検査は厳しく、時には麻薬探知犬も使用されています。
イ 通常の肉類・肉製品・乳製品、青果・ナッツ類などの農水産物や、通常の昆虫・鳥類、花・樹木、種子などの動植物・同製品、並びにサンプル商品・器材など商業目的物品の一部には、規制・制限がかかる場合があります。

(3)税関に申告を要する主な持込品
ア 持病などで医薬品類を一定量以上持ち込もうとする場合は、日本からの書類が必要となる場合があります。詳しくは、以下をご参照ください。
・Health Canadaウェブサイト
 https://www.canada.ca/en/health-canada/services/drugs-health-products/compliance-enforcement/importation-exportation/personal-use-health-products-guidance/document.html
イ 以下(4)の免税範囲を超える贈答品/海外で購入または受領した製品/酒/タバコ
ウ 高価なパソコンなどの電子機器、装飾品

(4)主な免税品枠・金額
 免税範囲60カナダドルを超える物品を持ち込んで課税される場合、カナダに入国したその州の関係法令が適用となります。
ア 短期滞在者(カナダに観光・商用目的等で短期滞在する個人)の免税範囲は以下のとおりです。
 ●酒:ワイン1.5リットル、またはそれ以外の酒1.14リットル、またはビールは355 ml缶なら24缶、もしくは8.5リットル相当量。
 ●タバコ:それぞれ紙巻きタバコ200本、葉巻タバコ50本、刻みタバコ200gまで。
 ※州ごとの飲酒・喫煙が許される法定年齢に達していること。
  タバコ:全州で18歳以上。
  酒類:アルバータ、マニトバ、ケベック州は18歳、その他の州は19歳。
 ※「CANADA DUTY PAID/DROIT ACQUITTE」と表示されていないタバコ製品には、特別関税が課せられる。

イ カナダ居住者(カナダ永住者、再び定住する目的で戻ってきた元カナダ永住者、居留許可を持った長期滞在者)の免税範囲は、カナダを離れていた期間により、以下のとおり区分されます。ただし、同期間が24時間未満の場合、免税の適用はありません。
 なお、陸路で入国の際、税関申告書の記入が不要な場合が多いものの、CBSA入国管理官に対する携行品の申告は必要です。
 ●24 時間以上:
  ・200カナダドルを超えない物品。
  ・酒、タバコは免税対象外。
 ●48時間以上:
  ・800カナダドルを超えない物品。
  ・酒、タバコも同免税枠に含まれる(上記アの免税範囲内)。
 ●7日間以上:
  ・800カナダドルを超えない物品。
  ・酒、タバコ、物品類は入国時に携行している必要はなく、別送が可能。
  ・酒、タバコも同免税枠に含まれる(上記アの免税範囲内)。

1 写真撮影の制限
 教会では宗教上の理由から建物内部の写真撮影を遠慮するように求められることがあります。軍の施設(基地等)、連邦政府建物内等及び先住民保護地区等の撮影は許可が必要です。

2 違法薬物規制
(1)ヘロイン、コカイン、LSD等の薬物について、日本と同様に使用、所持、携行が禁止されています。最近、カナダでは違法薬物犯罪が急増していることから、治安当局も取締りを強化しており、不定期に疑わしい場所等に対する立入検査を行っています。違法薬物を所持していた場合、官憲に身柄を拘束される上、不正売買を行っていれば、平均7年以上の懲役刑に処せられます。不正売買の事実が証明されない場合でも、6か月以上の懲役(初犯の場合)、または罰金刑、またはその併科の処罰となります。
(2)カナダでは、2018年10月17日から、18歳以上の成人による大麻(マリファナ)の所持・使用の一部が合法化されています。また、2019年10月17日からは、大麻の有害成分を含む製品(食品の形状をしたもの、肌に塗るもの等)の所持・使用も合法化されています。ただし、日本の大麻取締法は、国外において大麻をみだりに、栽培したり、所持したり、譲り受けたり、譲り渡したりした場合などに罰する規定があり、カナダ国内で合法な行為だったとしても、日本国内で罪に問われる場合があります。大麻が合法化されている国でも、大麻には決して手を出さないようにしてください。なお、大麻取締法の詳細な解釈や適用については、日本の厚生労働省にお問い合わせください。また、カナダから第三国に渡航する場合にも注意が必要です。

3 不法就労
 カナダで働くためには、永住権の所持者あるいはワーキング・ホリデー査証の所持者以外は、労働許可(work permit)をあらかじめ取得しておく必要があります。
 不法就労者はかなりの数に上るため、カナダ政府もその実態を正確に把握できない状況になっていますが、疑わしいレストラン、会社への立入検査も常に行われており、発覚した場合には国外退去処分となり、その後観光目的も含め、最低1年間は査証が発行されなくなる可能性があります。
 
4 売買春
 売買春は、厳しい取り締まりの対象となります。。

5 車両の運転
(1)車両の運転は、日本に比べて荒い傾向にあり、スピードを出しがちで、違反や衝突等の事故が多発しています。運転する場合等には、行き先の道路交通事情をあらかじめ調べた上で、安全運転を心掛け、十分に注意することが必要です。
(2)冬季には路面凍結による交通事故が多発しますので、十分な注意が必要です。ケベック州では、毎年12月1日から3月15日まで冬タイヤ(スタッドレス・タイヤ)の着用が義務づけられています。
(3)ケベック州の一部(モントリオール島内)は、赤信号の際の右折を禁止していますので、標識に注意してください。
(4)飲酒運転に対しては厳しい罰則があります。

6 飲酒・喫煙規制
 屋外の公共の場所での飲酒は禁止、政府関係機関や屋内、地下鉄の駅など公共の場所では禁煙です。

7 子の親権等をめぐる問題
 国際結婚のケースにおいて、結婚生活で困難に直面したそれぞれ国籍の異なる父または母のいずれかが、国際的なルールや居住地の法律に反して、もう一方の親の同意なしに子を居留地から連れて出国しようとし、問題になるケースが発生しています。
(1)実子誘拐罪の適用
 カナダや米国の国内法では、父母のいずれもが親権または監護権を有する場合、または離婚後も子の親権を共同で保有する場合、一方の親が他方の親の同意を得ずに子供を連れて出国する行為は、重大な犯罪(実子誘拐罪)とされています(カナダでは14歳未満の子を連れ去ると、10年以下の禁錮刑等が科せられると刑法で定められています)。
 例えば、カナダに住んでいる日本人の親が、他方の親の同意を得ないで子を日本へ一方的に連れて帰ることは、たとえ実の親であってもカナダ刑法に違反することとなり、カナダに戻って来た際に犯罪被疑者として逮捕されることがあります。(実際に逮捕されたケースや、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される事案も発生しています)。
(2)ハーグ条約
 日本とカナダは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子を常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
 カナダに居住する子を日本へ連れて帰る際には、こうした事情に注意する必要がありますので、ご不明な点があれば、弁護士等の専門家に相談されることをおすすめします。
(3)未成年者のパスポート申請
 未成年者の日本国旅券の発給申請については、親権者いずれか一方の申請書裏面「法定代理人署名」欄への署名を確認した上で手続きを行います。ただし、旅券申請に際し、もう一方の親権者から子の旅券申請に同意しない旨の意思表示があらかじめ在外公館または都道府県旅券事務所に対してなされている場合には、旅券の発給は、当該申請が両親の合意によるものとなったことが確認されてから行われます。その確認のため、在外公館では、通常、子の旅券申請についてあらかじめ不同意の意思表示を行っていた側の親権者に対し、不同意の取り下げに同意する旨を明記し自署した「旅券申請同意書」の提出をお願いしています。なお、カナダ所在の日本大使館および総領事館では、未成年者の旅券申請の際には、他方の親権者の不同意の意思表示がない場合であっても、窓口に申請に来た親権者に対し、もう一方の親権者の同意の有無について口頭または書面で確認していますので、あらかじめご了承ください。
(4)家庭問題に関する相談はお早めに関係団体・機関へ
 カナダには、家庭内での問題、暴力・虐待に対し人権の面からの支援等を行っている団体および機関があります。家庭内の問題の兆候が見え始めたら、速やかに相談されるようおすすめします。
 また、在外公館から上記の機関をご紹介できる場合もありますので、在外公館までご相談ください。
関係団体・機関に関する情報、在外公館で提供可能な支援については、以下をご参照ください。
 ・外務省ホームページ関連部分
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/ha/page22_001736.html

8 その他
(1)家の賃貸契約時の留意点
 アパートの契約書には英語及びフランス語の2か国語で書かれている定型フォームが使われることが多いようですが、追加条件が別紙に書かれていることがありますので、必ず内容を理解した上で契約することが必要です。なお、サブレット(いわゆる「また貸し」)を利用する場合は、契約書を作成しないことが多く、退出時のトラブルが多数起こっていますので注意が必要です。契約前に賃貸規約をよく確かめることが不可欠です。
 なお、契約して家賃を前納したところ、見せてもらった部屋は貸し主とは関わりのない他人の部屋で、前納した家賃を騙しとられるという被害も発生しています。
(2)語学学校選択にあたっての留意点
 日本で語学学校のパンフレットやホームページの内容をもとに学校を決め、入学金、授業料を先に払い込んだものの、実際に入学してみたら授業レベルや授業数が思っていたものと異なっていたというトラブルが発生しています。多額の前納金を支払う場合は、慎重に内容について確認することが必要です。学校を選ぶ際は、できるだけ、授業を受けた経験のある人から情報を入手すると良いでしょう。
(3)雇用契約に当たっての留意点
 ワーキング・ホリデー関係者や就労査証所持者が、雇用契約にあたって、契約書を取り交わさず不当な労働をさせられたり、契約条件をよく理解せず働いていたためトラブルに巻き込まれるといった事例が多発しています。また、移民申請のホストになることを条件に不当な労働を強いる雇用者もいます。雇用契約を締結する際には契約条件についてよく理解することはもとより、州ごとに労働基準法(Employment Standard Act)が制定されており、労働基準局が雇用関係の監督に当たっていますので、契約トラブルに備え法律内容を把握すること、トラブルになった際には労働基準局等に速やかに相談することが重要です。

9 在留届
 カナダに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく、在カナダ日本国大使館または総領事館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお願いします。

10 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、カナダで事件や事故、自然災害等が発生し、在カナダ日本国大使館または総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

1 アポイントメント
 相手を訪問する、医者の診察を受ける等に際しては、事前にアポイントメントを取り付けることが一般的です。

2 商店等の営業日
 観光地や大型デパート、スーパーマーケットは日曜日でも営業しているところがありますが、地方では日曜日に閉店となる商店が多くあります。

3 ケベック州の特色
 ケベック州では、人口の約8割がフランス語を母語としており、州の公用語はフランス語のみとなっています。また、カトリック教徒が宗教人口の大多数を占める等、カナダの他の州と異なる文化的・宗教的特色がみられます。2022年に、ケベック州におけるフランス語の使用を強化する同州の法律第96号が裁可され、同年6月から2025年まで段階的に施行されています。同法第96号により、一時的にケベックに滞在する外国人である子は、義務教育課程(6-16歳。primaire (1ère année) から secondaire (4e année)まで)においては、公立学校では、3年を超えて英語学校に通い続けることはできないことになっています。CEGEP(注:ケベック州独自の学制で、2年制の大学進学前課程と3年制の専門課程がある)でも、英語での授業を認める学生数の上限設定やケベックの英語話者を優先することとなっているため、外国人の子の入学余地が限定される可能性があります。

4 屋外活動時の留意点
(1)カナダの夏季には、レジャー・スポーツが盛んに行われますが、湖水地における初心者の単独でのカヌー遊びには転覆の危険があり、過去には死亡例もありますので注意が必要です。また、ナイアガラ流域観光における一種のアドベンチャー・クルーズは危険性が高い(激しい横揺れ、上下動等のための打撲傷により入院した例もある)ので、十分注意してください。
(2)バンフおよびジャスパー国立公園では野生動物と出会うことがありますが、絶対に近付かないでください。餌を与えることは法律で禁止されています。また、同国立公園内の動植物、土、石等を持ち出すことも禁止されています。
(3)カナディアン・ロッキーの山々を登山やハイキングする際は、怪我、遭難、野生動物からの攻撃等の危険があるので、単独行動を避けてください。

5 防寒・乾燥対策
 冬季は、室内と屋外との温度差が想像以上に大きいため注意が必要です。例えば、室内から外に出て自動車に乗るだけの間でも、きちんとした防寒具を着用し、また、外出時には現地用の防寒コート、手袋、ブーツや帽子等を着用し、凍傷にならないように注意してください。自動車で出かける場合も、車の故障や交通事故を想定して、バックシート等にコート、帽子等を用意しておくことをお勧めします。
 なお、冬季は空気が非常に乾燥するため、乾燥に対する対策(加湿器の設置、保湿剤の常備等)が必要です。

6 海外旅行保険への加入
 カナダでは、病院の治療費・入院費が高額であり、海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

7 健康(都市別の状況)
(1)オタワ
 オタワは北緯45度23分に位置し北海道稚内市の北に相当します。10月下旬~4月初旬までは降雪の時期となるほか、12月~2月は日中でもマイナス10度を下回り、夜間はマイナス20度前後になることも少なくなく、厳冬期にはマイナス30度に達する日もあり、冬が長いのが特徴です。7、8月の夏期は30度を超える日もありますが、総じて過ごしやすい時期でもあります。春、秋はいずれも気候の変化が激しく、体調を崩しやすい時期でもありますので体調管理への注意が必要となります。
(2)カルガリー
 カルガリー市は海抜約1,000メートルに位置しており、寒暖の差が激しいので、夏でもジャケットやセーターの準備が必要です。また、冬場はマイナス30度まで下がることもあります。冬場は路面が凍結することが多いので運転には十分注意が必要です。
(3)トロント
 トロント市は、オンタリオ湖の北側に面し、北海道の旭川市の緯度にほぼ等しい北緯43度67分に位置しており(日本との時差は冬期:14時間、夏期:13時間、日本の方が進んでいる)、冬が長く、春と秋の期間が短い気候です。朝と晩の寒暖の差が激しく、極寒期にはマイナス20度を下回ることもあります。積雪は年により大きな差があって一概には言えませんが、豪雪となることはあまりありません。しかし、4月に入っても雪が降ることもあるうえ、冬期、春先にかけては、路面が凍結しているため、滑らない靴を履く等の注意が必要です。
(4)バンクーバー
 バンクーバーは、カナダの東部や内陸部に比べ気候は温暖で、冬季でも気温が零下になる日は少ないです。夏は湿度が低く、比較的過ごしやすいですが、秋から春にかけては雨や雪が続き、気が滅入りがちとなり、うつ状態になることもあるので、メンタルヘルスに注意することが必要です。
(5)モントリオール
 冬が長く、厳冬期にはマイナス30度に達する日もあります。大雪で除雪が停滞すると渋滞が発生し、また路面凍結によるスリップ事故も多いため、車の運転には十分に気をつけてください。詳しくは、在モントリオール総領事館作成の「安全の手引き:https://www.montreal.ca.emb-japan.go.jp/pdf/Safety_Manual.pdf 」の「III 交通安全の手引き」部分をご参照ください。

(参考情報)
・「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/n_ame/canada.html )において、カナダ国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
 その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページをご参照ください。
 ◎感染症情報(https://www.forth.go.jp/

◎非常時(警察、消防、救急) :TEL 911(国内共通)
◎在カナダ日本国大使館
  住所:255 Sussex Drive, Ottawa, Ontario K1N 9E6, Canada
  電話: (1-613) 241-8541
  ホームページ: https://www.ca.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

◎在カルガリー日本国総領事館
  住所:Suite 950 517-10th Avenue SW, Calgary, Alberta, T2R 0A8 Canada
  電話: (1-403) 294-0782
  ホームページ: https://www.calgary.ca.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

◎在トロント日本国総領事館
  住所:Suite 3300, 77 King St. W., Toronto, Ontario, M5K 2A1, Canada
  電話: (1-416) 363-7038
  ホームページ: https://www.toronto.ca.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

◎在バンクーバー日本国総領事館
  住所:900-1177 West Hastings Street, Vancouver, B.C., V6E 2K9, Canada
  電話: (1-604) 684-5868
  ホームページ: https://www.vancouver.ca.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

◎在モントリオール日本国総領事館
  住所:1 Place Ville Marie, Suite 3333, Montréal, Québec, H3B 3N2, Canada
  電話: (1-514) 866-3429
  ホームページ: https://www.montreal.ca.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局ハーグ条約室(内線)2924
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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