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イタリア
安全対策基礎データ

更新日 2023年06月30日

1 犯罪発生状況
 最新のイタリア内務省の統計(2021年8月から2022年7月の1年間)による犯罪認知件数は約211万件であり、前年同期と比較すると約13%増加しました。この増加はコロナ関連の入国制限の撤廃による外国人観光客の受け入れ再開や国内の行動制限の解除が相乗的に影響したものと思われ、スリやひったくりといった財産犯罪が急増しています。イタリア滞在中これらの犯罪に対しての用心と予防が必要です。
 特にローマ、ミラノ、フィレンツェ、ナポリ等の観光地における日本人観光客の被害は多く、置き引きやひったくり、スリ等が発生しています。

2 被害事例と対策
 窃盗被害の際、貴重品(パスポート、現金、クレジットカード、携帯電話等)を一つにまとめていたバッグが盗まれ、被害が大きくなってしまうケースが少なからず見られます。被害に遭わないよう注意することが最も重要ですが、万が一のため、貴重品は分散して持つことを心がけてください。
 以下にこれまで発生した事例とその対策を紹介しますので、被害防止のための参考としてください。

(1)ひったくり
 オートバイや自転車に乗った者が歩行者のバッグを奪取する事案やレストランの屋外席からバッグを奪い去る事案が発生しています。
<対策>
●外出時には極力バッグなどの手荷物を持たない(携行する際は多額の現金、貴重品等を持ち歩かない、車道側の手でバッグ等を持たず、身体の前で持つなどの対策が効果的)。
●パスポートやクレジットカード等を持ち歩く場合は、首下げ式のポーチなどを利用して外から見えないようにすることも防犯対策として有効。
●実際にオートバイなどが接近してきた場合には、一旦立ち止まるなどして動きを注視し、通り過ぎるのを確認してから歩き始める。

(2)スリ・置き引き
 多くのケースでは何らかの方法で気をそらされている間に、バッグの中や衣服のポケット等から貴重品が抜き取られています。気をそらすための手口は、故意に物や小銭を落とす、アイスクリームや液体で被害者の衣服を汚す等様々です。また、観光地等でホームレス風の子供たちに囲まれ貴重品を盗まれる被害、地下鉄乗降の際などに他の乗客グループに押されている間に貴重品を抜き取られるなどの被害報告もあります。空港、ホテル、レストラン等では、携行品から短時間目を離した隙に盗難に遭うケースも少なくありません。
<対策>
●地下鉄やバスに乗車する際には貴重品に細心の注意を払い、携行品は身体の前方で保持する。
●空港、駅、ホテル、レストラン等、不特定多数の人が集まるところでは常に携行品を自分の目の届くところに置く。
●不審な人物を路上で見かけたら直ちにその場を離れる。
●取り囲まれた場合には、大声をあげてその場から直ちに離れる。
●食事の際も貴重品を放置したまま席を離れたり、椅子の背もたれや足下に放置しない。
●空港カウンターでのチェックイン、ホテルでのチェックインおよびチェックアウト等の際も、荷物への注意を怠らない。

(3)車上荒らし
 高速道路のドライブインや市内の路上等、場所を問わず駐車中の車の窓やドアが壊され、車中から物を盗まれる被害が発生しており、車そのものが盗まれる被害も発生しています。また、車を乗り降りする際に話しかけられ、注意を引きつけられている間に、助手席や後部座席の荷物が盗まれる場合もあります。
<対策>
●車を駐車する際は、なるべく路上を避け、地下や建物内などの管理された駐車場を利用する。
●車外から見える場所に荷物を放置しない。
●ドアを確実にロックする。
 
(4)ニセ警官
 警官の制服のような衣類を着た人物に検査のため財布の提示を求められ、これに応じたところ巧みに高額紙幣やクレジットカードを抜き取られるという被害が発生しています。また、クレジットカードを検査機のようなものにあてて暗証番号を入力させる場合もあります。
<対策>
●そもそも警察官がクレジットカードの提示を求めることはありませんが、このような場面に遭遇した場合には、身分証明書の提示を求めることや周囲の人や別の警官に本物の警官かを確認してもらうなどなどの対策が考えられます。
(注)主要駅等で警察官の求めに応じパスポートを提示したところ、警察官にパスポートの写真を撮られたが大丈夫かとの相談が在イタリア日本国大使館、在ミラノ日本国総領事館に多くありますが、警察によれば、写真を撮るのは職務質問にかかる時間を短縮するための措置とのことです。

(5)列車での窃盗
 列車の発車間際に故意にぶつかる、荷物を棚に持ち上げるのを手伝うなどで注意を引き付けているすきに、共犯者に貴重品の入った手荷物を盗まれる、長距離列車で持ち主が睡眠中に荷物を盗まれる、車両連結付近の荷物置場に置いたスーツケースを盗まれる(途中の停車駅で盗まれるなど)被害が発生しています。
<対策>
●荷物は手の届く範囲に置いておき、目を離さない。
●移動する際は必ず荷物も一緒に持っていく。
●列車内では極力眠らない。

(6)ぼったくりバー
 テルミニ駅等の主要駅周辺で、見知らぬ男に親しげに話しかけられ、バーに誘われて飲食した後で、店から不当に高額な料金の支払いを要求されるという被害が発生しています。
<対策>
●請求額に納得できない場合、クレジットカード等で「支払いを行う前」に、現場から警察(112番)に通報して介入を求める(※会計処理後の通報では、民事不介入の観点から、警察は被害届の作成に同意しないケースが多く認められるため、「会計処理を行う前」に通報してください)。
●クレジットカードにより不当な高額支払いを行ってしまった場合は、その後の悪用防止のためカード会社に連絡する。
●見知らぬ者から薦められたバー等には、興味本位で入店しない。

(7)睡眠薬強盗
 犯人が外国人旅行者を装い親しげに近寄り、飲み物をおごる等して信用させた後に睡眠薬入りの飲食物を勧め、被害者が眠っている間に貴重品を奪い取るという被害が発生しています。
<対策>
●路上で見知らぬ人物から声をかけられたり、話しかけられたりしたときには、安易に信用することのなく、常時警戒心を持つ。
●見知らぬ人物から差し出された飲食物は、絶対に口にしない。

(8)預金の不正引き出し
 銀行のキャッシュカードを使用して預金を引き出す際に、カード情報や暗証番号を読み取られ、不正に預金が引き出される被害が発生しています。この種の犯罪は、犯人がキャッシュディスペンサーに小型の機械を取り付けてカード情報を読み取るとともに、暗証番号を入力する際の手の動きを監視カメラ様の小型カメラ等で撮影し、暗証番号を盗み、預金を不正に引き出すというものです。
<対策>
●キャッシュディスペンサーを利用する際は、不審な機械が取り付けられていないか十分確認する。
●暗証番号を入力する時には、手元を隠して番号を読み取られないようにする。
●なるべく銀行の中に設置されているATMを利用する。

(9)ホテルにおける盗難
 ローマ市やミラノ市など大都市のホテルでは、日本人観光客が宿泊客になりすました者にセーフティーボックスから金品を窃取されるなどの被害が報告されています。ホテルは不特定多数の人間が比較的自由に出入りできることもあり、盗難被害はホテルの規模やグレードに関係なく発生しています。
<対策>
●旅行の際は、現金の携行は最小限に留めるとともに、分散して携行する。
●ホテル従業員を名乗る人物が何らかの口実で客室に現れても、安易に信用してドアを開けることなく、まずフロントに確認する。
●宿泊室内のセーフティーボックスを過信しない。フロントの貴重品預かりを利用する場合でも、ホテル従業員立会の下、貴重品を確認した上で預ける(現金を預ける場合は金額を確認したうえで従業員のサインを取ることが望ましい)。

3 都市別の日本人の犯罪被害事例
<ローマ>
 ローマでは、以下の場所で日本人の犯罪被害が多発しています。
(1)列車、地下鉄、バス等【最も多く発生しています】
 テルミニ駅、地下鉄車内・駅構内、空港、バスやトラム(路面電車)の車内、テルミニ駅とフィウミチーノ空港を結ぶレオナルド・エクスプレスの車内などでの盗難被害。

(2)観光スポット
 バチカンのサンピエトロ寺院、スペイン広場、コロッセオ、トレビの泉、バルベリーニ広場、真実の口、コルソ通り、ナヴォナ広場付近等で、スリ、睡眠薬強盗、ニセ警官による盗難等の被害。また、そのほか、アクセサリーの売り子が、日本語や英語を使い親しげに近付いて、ミサンガ(紐状のアクセサリー)を強引に手首に巻き付け、紐代と称し法外な代金を脅迫まがいに請求するケースや、売り子に呼び止められ、注意がそれているすきに貴重品を盗まれるケース、複数の売り子に取り囲まれ、代金を払うため財布を取り出したところ、財布ごと所持金を強奪されるなどの被害事例があります。
<対策>
●売り子から呼び掛けられても立ち止まらず、無視する。
●事件に巻き込まれた場合には、大声を出して周囲の人の注意を引いて助けを求める、付近を警ら中の警察官に助けを求める。
●被害にあった場合には最寄りの警察署に被害届を提出する。

(3)ローマのテルミニ駅、レプッブリカ駅、ヴェネト通り付近
 スイスやスペインからの旅行者を名乗る男性から英語で親しげに話しかけられ、誘われたピアノ・バーに同行したところ、ビールやワインを勝手に注文され、法外な料金を請求される被害が発生。

<ミラノ>
(1)中心地のドゥオーモ周辺、マルペンサ空港、ミラノ中央駅、カドルナ駅、国際見本市会場、レストラン、バール、高級ブランド店等
 スリ、置き引き、ひったくり等の被害。犯人は複数の場合が多く、例えば、1人が道を尋ねる、タバコをたかる、列車の窓をたたく等で注意をそらし、そのすきに共犯者が素早く物を盗る手口です。
 また、深夜に日本人観光客がミラノ中央駅周辺で集団による暴行を受け財布等を奪われたり、ドゥオーモ近くの路地裏でナイフを使って脅かされ荷物を盗られるなどの強盗被害が発生しています。特に、深夜のミラノ中央駅やドゥオーモ周辺の独り歩きは危険ですので避けるようにしてください。また、ドゥオーモ広場の地下鉄乗り場の周辺では、私服警官がまれに職務質問をすることがありますが、ニセ警官が出没する地域でもあり、財布の提示要求がなされても、決して渡さないでください。

(2)車上荒らし
 タイヤを故意にパンクさせられ、路上で修理中に車内に放置してある荷物を盗まれる被害事例があります。パンクさせた人物や、その仲間が親切に修理を手伝う振りをして持ち主のすきをうかがい、車内のバッグ等を持ち去るものです。
<対策>
●車両のタイヤがパンクした場合は、可能であれば、すぐに停車しないことが望ましい。
●仮にその場で修理する場合でも、最低限ドアを施錠するよう心掛ける。
 
<ナポリ・シチリア島>
 バイクや自転車によるひったくりが多いことが特徴的で、ひったくられた際に転倒し負傷するケースもあります。また、自動車で旅行中に窓ガラスを割られ荷物を盗まれる、タイヤをパンクさせられ修理している間に車内に放置した貴重品を盗まれるケースもあります。

<フィレンツェ>
 観光スポットであるヴェッキオ橋やシニョーリア広場、ドゥオーモ周辺でのスリによる被害が多く報告されています。また、アイスクリームやケチャップソース等をかけられ、拭いている間に貴重品を盗まれる事例もあります。

<その他の地域>
 上記以外の地方都市でも犯罪被害が増加しており、特に2人乗りオートバイによるひったくりは地方都市において顕著です。なお、ピサ(斜塔周辺)やアッシジ、シエナ等の観光客に人気のある都市でのスリや置き引きによる被害が多く報告されています。

4 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_153.html )をご確認ください。

※在留邦人向け安全の手引き
 現地の在外公館(日本国大使館・総領事館)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.anzen.mofa.go.jp/manual/italy_manual.html )もご参照ください。

1 査証
(1)日本とイタリアの間には査証免除取極が締結されているため、観光や知人訪問などを目的とした3か月以内の滞在については、査証の取得は不要です。
(2)イタリアが加盟しているシェンゲン協定の領域国渡航については、日本旅券の所持者が、90日以内の短期間、旅行などで滞在する場合は、査証が免除されます。
 なお、滞在期間は「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」と規定されています。また、パスポートの残存有効期間がシェンゲン領域からの出発予定日から3か月以上あることが条件です。
 シェンゲン協定の詳細等につきましては駐日欧州連合代表部(電話:03-5422-6001、URL:http://www.euinjapan.jp/ )、イタリアの措置に関する情報は駐日イタリア大使館に問い合わせて必ず確認することをお勧めします。
※参考:外務省ホームページ『欧州諸国を訪問する方へ』(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html

 シェンゲン領域内の国境を越える移動に際しては、入国審査の有無にかかわらず、日本国パスポートを常に携行する必要があります。シェンゲン領域内において、パスポートを紛失(盗難を含む)した場合には、速やかに紛失した場所(国)において、現地警察等への届出および最寄りの在外公館にてパスポート(または帰国のための渡航書)の申請手続きをするよう留意してください。
 なお、紛失(または盗難)として一度現地警察に届け出た日本国パスポートは、紛失・盗難パスポートとしてシェンゲン協定加盟国に通知されるため、その後見つかったとしても使用できません。使用した場合、紛失(盗難)パスポートと判断されて没収され、渡航者は出発地に送り返される等のトラブルになる可能性がありますので、十分注意してください。

2 出入国審査時の注意事項
 シェンゲン領域外からシェンゲン領域外への乗り換えの場合も、パスポートコントロールを通過することになります。パスポートコントロールでの出入国審査は人定確認が主で比較的簡便ですが、「帰国のための渡航書」を所持する方に対しては、慎重な審査が行われる場合もあります。
 なお、EU諸国のシェンゲン協定加盟国からイタリアに入国する、あるいは同諸国へイタリアから出国する場合もパスポートを携行する必要があります。航空会社はパスポートの提示なしには基本的には搭乗を認めません。

3 現金等の持込み、持出し申告
 10,000ユーロ相当額以上の通貨や小切手、その他の有価証券の持込み、持出しには申告が必要です。

4 通関
 通関の際、無作為抽出的に検査が行われています。多くの場合は、税関職員の前を通過するだけですが、時折、荷物を開けるよう要求される場合があります。
 1人あたりの価値相当額の合計が430ユーロ(陸路の場合は300ユーロ)を超える物品を持ち込む場合は、税関に申告が必要です。これを怠っていたことが発覚した場合は、当該物品を没収され、関税の支払の他に多額の罰金が科せられます。没収された物品を取り戻すためには、関税と罰金に加え、当該物品の価値相当額を支払わなければなりません。特にパソコン、ビデオカメラ等の電子機器の持ち込みは厳しく取り扱われるので、注意が必要です。

1 滞在地住所等の届出
 イタリアに滞在する全ての外国人は、入国日から8業務日(日・祝日等を除いた日)以内に滞在地の警察署に対し、住所等の届出が義務づけられています。これを怠ると国外退去処分の対象となる可能性がありますので、上記届出につき滞在地の警察署に照会されることをお勧めします。
 ただし、ホテルおよびそれと同様の施設に宿泊する場合には、チェックインの際にホテル側が用意した所定のフォームに署名することにより、上記警察署への届出は不要とされていますので、チェックインの際に確認することをお勧めします。

2 在留届
 イタリアに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく、在イタリア日本国大使館または在ミラノ日本国総領事館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な帰国、旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めします。

3 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、イタリアで事件や事故、自然災害等が発生し、在イタリア日本国大使館または在ミラノ日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

4 写真撮影
 一般的に写真撮影の制限はありませんが、空港施設、警察・軍関係施設、刑務所での撮影は禁止されています。古い教会や美術館では撮影の可否、撮影が可能な場合はフラッシュ使用の可否について掲示が出ているので、掲示の内容に従う必要があります。なお、掲示の有無にかかわらず、教会内でミサの最中にフラッシュを使用することは控えてください。

5 違法薬物
 薬物については、若年層を中心とした違法薬物の乱用が深刻な社会問題となっています。また、EU域外からの不法入国者、若年失業者等による薬物購入資金欲しさの強盗、窃盗等も多発しています。薬物には絶対に関わらないでください。

6 犯罪行為
 警察官に対して、暴言を浴びせる、唾を吐きかける等の行為は処罰の対象となります。また、公衆の面前での酩酊も犯罪になります。

7 レシートの所持
 レストランや商店等で飲食や買い物をした際は、レシートを必ず受領し、しばらく保管しておく必要があります。財務警察の職務質問を受けた際に、所持していないと、店側の脱税を助けるものとして罰金刑を科されることがあります。

8 野外泊
 野外(駅等の公共施設内も含む)での寝泊まりは、キャンプ場以外では禁止されており、これに違反すると取り締まりの対象となることがあります。盗難や強盗に遭う可能性も高いので、野外泊は絶対にやめてください。

9 禁煙
 レストランやカフェ、バール、オフィス等において、厳しい基準を満たした喫煙室内を除き全面禁煙とされています。これに違反すると喫煙者のみならず、喫煙をやめさせなかった経営者や管理者も処罰されます。公共の場所で、禁煙となっている場所における喫煙はかなり重い罰になることがあるので注意が必要です。

10 自動車の運転
 イタリアにおいて自動車を運転するためには、日本の都道府県公安委員会の発給する国際運転免許証を取得しておく必要があります。
 イタリアにおいて国際運転免許証を利用して運転できる期間は、国際運転免許証の発行日から1年です。その期間を超えて、イタリアに滞在する場合は、イタリアで新たに運転免許証を取得するか、日本の運転免許証をイタリアの運転免許証に切り替える必要があります。免許証の切換手続に関する詳細は、在イタリア日本国大使館ホームページ(https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ryoujijouhou_menkyo_kakikae.html )をご参照ください。
 自動車の運転者は、市街地以外の道路において、高速道路・一般道路の種別にかかわらず、日中でも前照灯の点灯が義務づけられています。また、二輪車の運転者は、走行中常に前照灯を点灯しなければなりません。
 都市部では、混雑の緩和や文化財保護の観点から許可を得ていない車両の乗り入れが禁止されている地区があります。乗り入れ禁止地区には監視カメラが設置されており、知らずに乗り入れ、後日罰金を請求された事例もありますので、運転される場合には事前にレンタカー会社や観光案内所等に必ず確認してください。

11 公共交通機関
 イタリアの公共交通機関を利用する場合は、乗車前に駅やキオスク、タバコ屋(Tabacchi)等で乗車券を購入し、駅の改札やバスの車内に取り付けられている機械で使用開始日時を刻印しなければなりません。切符を所持していない場合や所持していても切符に乗車日時が刻印されていない場合に検札に遭うと、高額の罰金を請求されますのでご注意ください。また、日時を刻印する機械が壊れている場合や混雑のため打刻できない場合には、切符に自らボールペン等で乗車日時を記載する必要があります。

12 子の居所移動
 イタリアにおいては、親権を持つ親であっても、他の親権者の同意を得ずに子の居所を移動させること(親が日本へ帰国する際に子を同行する場合を含む。)は、子を誘拐する行為として重大な犯罪となる可能性があります。他の国においては、実際に、結婚生活を営んでいた当該国への再入国や、当該国と刑事司法上の共助関係を有する第三国への入国の際に、子を誘拐した犯罪被疑者として日本人が逮捕される事案も生じていますのでご注意ください。

13 ハーグ条約
 イタリアは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

1 風俗・習慣等
(1)教会訪問時の注意
 教会に入る時には、半ズボン、肩の出る服装では入場を拒否されることが多くあります。
(2)営業時間
 商店の昼休みは長く、銀行も午前中および午後の一部しか営業しません。また官公庁窓口の大部分は午前中のみの受付で、郵便局も午後の早い時間帯に終業するので留意が必要です。
 なお、8月は、イタリア人の多くが長期休暇を取るため、観光客が集中する場所のファーストフード店以外のレストラン、商店等の大部分が1か月近く閉店します。
(3)現金の支払い、受け取りにあたっての注意
 商店等での支払の際には、習慣として、小銭を先に出し、その後お札を出します。お釣りをもらう場合も同様の順番になりますが、必ず、全額を受け取って、額を確認してから財布等にしまいます。先にもらった小銭だけしまってしまうとお札がもらえないことがあるようです。また、銀行での両替の際には、換金証明書が最後に渡されますが、先に渡された現金を財布にしまってしまうと、証明書の額と受け取った額が違っていても差額の請求ができないので注意が必要です。

2 気候
 気候は南北に細長い地形のためかなり地域差がありますが、一般に夏は高温乾燥、冬は低温多湿の地中海性気候で、10~12月は雨の日が多くあります。
 夏の日中には、気温が相当上昇することが多いので、炎天下の行動は日射病や脱水症に十分気をつける必要があります。

3 衛生
 街中にある湧き水は飲用可能で、慣れれば問題ないようですが、水質は石灰分の含有量が多く(炭酸カルシウム換算で日本の4~5倍)、短期滞在の場合は1回沸騰させた水かミネラルウォーターを飲用する方が無難です。
 一部の魚介類については、遠方から運ばれてくるため保存状態が良くないものもあるので、レストラン等での外食時には、特に鮮度、加熱の状態をよく観察し、不確かなものは避けた方が良いでしょう。

4 医療事情
(1)医薬品は、一般大衆薬であっても、いくつかは医師の処方箋がないと購入できないので、風邪薬、胃腸薬等の常備薬の類や外傷時の応急外用薬は、日本から持参することをおすすめします。
(2)医療水準には問題ありませんが、公立病院は私立病院に比べて、機能性や清潔感に欠ける傾向が見られ、また英語を解さない医師が多いです。一般に救急車で搬送される公立病院(救急病棟)で治療が受けられますが、常に混雑しており、患者搬送後、何時間も待たされる場合も少なくありません。他方、私立病院は、比較的混雑していませんが、医療費が高額です。また、海外での医療費は、日本と比べ高額であることから、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。
(3)「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/italia.html )において、イタリア国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
 その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
 ◎感染症情報(https://www.forth.go.jp/

5 医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

◎ローマ、ミラノ等の大都市圏における緊急時共通番号:電話112
◎国家警察(救急車要請も可):電話113
◎軍警察(救急車要請も可):電話112
◎消防署:電話115、112
◎救急車:電話118、112

[ローマ]
◎在イタリア日本国大使館:電話(国番号39)-(市外局番06) 487991

[ミラノ]
◎在ミラノ日本国総領事館:電話(国番号39)-(市外局番02) 6241141
 (イタリア国外から電話をかける場合:国番号39+ 国内電話番号(市外局番「0」を含む)

○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館・総領事館連絡先)
○在イタリア日本国大使館:
  住所:Via Quintino Sella, 60 00187, Roma, Italia
  電話:(市外局番06)-487-991
   国外からは(国番号39)-06-487-991
  ファックス: (市外局番06)-487-3316
   国外からは(国番号39)-06-487-3316
  ホームページ:https://www.it.emb-japan.go.jp/index_j.htm
○在ミラノ総領事館
  住所:Via Privata Cesare Mangili 2/4, 20121, Milano, Italia
  電話:(市外局番02)-6241141
   国外からは(国番号39)-02-6241141
  ファックス: (市外局番02)-6597201
   国外からは(国番号39)-02-6597201
  ホームページ:https://www.milano.it.emb-japan.go.jp/index_j.htm

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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