広東省の医療事情- SARSへの対応

SARSに関して在留邦人の方々のための一次医療相談:
SARSに関する一次医療相談として、医療サービス会社であるインターナショナルSOSクリニック(広州市)また医療情報サービス会社ウェルビー(広州市、東莞市、深セン市、珠海市)をぜひご利用ください。SARSに関する情報やSARS治療施設に関する情報を収集しております。また、治療や入院が必要な場合は紹介している。
合わせて、邦人の健康管理情報に関して必要であれば総事館に連絡し指示を仰いでいる。
在留邦人のためのSARS治療施設
4月10日中国政府は、SARSを法定伝染病に指定しました。これによって、中国政府及び地方政府が患者の措置入院、患者発生箇所の消毒、患者との接触者の同定及び追跡調査を実施するようになりました。在日邦人もこの法律に従わなければなりませんが、中国政府は特に外国人がSARSに感染した場合のために特別の医療施設を提供する処置を積極的に講じております。実際にSARSに罹患した在留邦人が入院する可能性が比較的高い医療施設を広東省政府、SOS及びウェルビーに照会するとともに、ウェルビーには主な病院にアンケート調査を依頼しました。これをもとに4施設のSARS感染病棟を視察しました。
視察した4施設のうち、広州市の2医療施設と深センの1医療施設では、邦人がSARSに感染した場合、良好な診療・治療を受けられると思われたので、それらの施設の特色を以下に記します。SARSを疑う場合は、これらの病院へ直接連絡するより、SOS及びウェルビーにまず連絡し、受診・入院を勧められる場合は、総領事館に連絡してください。
広東省は世界的に見ても標準的なSARS治療プロトコールを作成し、各医療施設に配布していいます。従って、基本的にはどの医療施設でも同じ治療が受けられます。
広州市:
『広州医学院第一附属医院』
本病院は、100年の歴史がある620床規模の総合病院で、SARS感染病棟(1フロアー)60床を運用しています。これまでにSARS患者98症例の治療経験があります。世界で始めてのSARS患者もここで治療しています。したがって、院内感染症例も多く経験しています。なお、院内感染例を我々に公表したのはこの医療機関だけであります。最近の数症例を除くほとんどの症例の臨床解析をすでに英文(パワーポイント)でまとめるなど、きわめて高いレベルの臨床能力があります。情報の信頼性と優れた臨床研究能力は大変評価できます。呼吸管理に使用する医療機器も充実しています。現在のSARS入院患者は、中国人8名ですが、今後外国人のためのSARS専用病棟(個室管理20床程度)として運用されることになりました。この病棟は、一般病棟を閉鎖してSRAS病棟にしているそのため、一般患者と感染患者が同一の入り口を利用することになります。
広州医学院第一附属医院
『広州省人民医院』
1670床を有する広東省でもっとも医療設備の充実した総合病院であります。もともと感染病棟が設置されていたが、現在はSARS感染専用病棟として運用しています。本病棟は26床、1病室2床で使用していますが、できる限り個室管理にします。これまでに60症例の治療経験があります。一般病棟と入り口を別にした感染症病棟をSARS感染専用に用い、職員の感染防御策も厳格に実行されています。呼吸管理に使用する医療機器も充実しています。院内感染対策に力を入れています。
広州省人民医院
深セン市:
『北京大学深セン医院』
北京大学の分院、700床、外来受診1日3500人で開院4年目の比較的新しい病院であります。ベッド数は少ないが、建物の規模や医療設備は広州省人民医院に匹敵しています。深セン地区の外国人用のSARS感染病棟に指定されました。もともと肝疾患専用の別棟の外来病棟施設をSARS専用の呼吸器内科外来と外国人専用のSARS感染病棟に運用しています。外人用SARS感染病棟は、3室6症ある。可能な限り、個室で治療します。病棟には、ウイルス分離用の検査室があります。呼吸管理に必要な装置も病室に整備されています。SARS患者の入院・治療の経験はありませんが、呼吸器の医師は近くの感染症専門病院(東湖病院)の指導・治療を行っています。
北京大学深セン医院
『東湖病院』(参考)
これまでは呼吸器内科と肝炎を診察していた深セン市立の感染専門病院で、病床数は200症です。3病棟150症をSARS専門の病棟に運用しています。深セン地区では、最もSARS症例が多く、これまでに39名、4月15日現在、36名が入院しています。病棟はかなり古く、3病棟を症例の重傷度で患者を分類し治療しています。病棟は、ゾーニング管理をし、院内感染対策も徹底していると野説明を受けました。治療に関しては、北京大学深セン医院の医師の指導を受けています。
東湖病院
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