CBRNテロとはどういうものですか?
   
化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)を用いた兵器はそれぞれの頭文字をとってCBRN兵器と呼ばれ、これらを用いて行われるテロは、CBRNテロと呼ばれます。CBRNテロは、使用される有害物質の特性に応じて、通常の爆弾などとは全く異なる被害・症状が現れ、通常の兵器では考えられないような甚大な被害を与える可能性があります。これに対処するためには、CBRN兵器のことを知って普段から可能な範囲で準備を行い、万が一CBRNテロに遭遇してしまっても、その被害をより小さく食い止めるよう努めることが重要です。
このパンフレットでは、海外で生活する日本人の方々が、CBRNテロから身を守るために何に注意したらよいのかについて、その基本的なポイントを一般的な情報に基づいてまとめました。
なお、これら有害物質の範囲により「BCテロ」「NBCテロ」との呼称もしばしば用いられますが、ここでは最も包括的な「CBRNテロ」という呼称を用いました。
   
 CBRNテロはどのようにして行われますか?
   
テロリストたちは常に私たちの予想もしないような方法でテロを行おうとしており、一口にCBRNテロと言っても、その犯行の手口を予測することは容易ではありません。有害な化学物質や細菌・ウイルスを、散布機で撒くかもしれませんし、これらを直接飲食物に混ぜたり、郵便物に入れて送りつけたりするかもしれません。また、通常の爆弾を用いて放射性物質をばらまく(ダーティ・ボム(汚い爆弾)と呼ばれています)可能性もあると言われています。
   
 普段はどのような備えが必要ですか?
   
CBRNテロに限らず、海外で事件や事故が発生した際には、日本と同様の医療サービスを受けられるとは限りません。また、警察や消防当局の対応能力も国により様々です。海外でのあらゆる安全対策と同様に、自分と家族の安全は自分自身で守るとの心構えを持つことが大切です。