核を用いたテロの方法及び人体への影響はどのようなものですか?
   
核兵器の使用には非常に高度な科学技術が必要なため、一般的にテロリストが保有する可能性は低いとされています。また、核を利用したテロの手段としては、原子力施設に対してテロ攻撃を行う可能性も指摘されています。核爆発が発生すると、強力な爆発により大規模な破壊が瞬間的に引き起こされます。爆発と同時に強力な熱と衝撃波とともに放射性物質が周囲に拡散され、動植物、空気や水、地面などを汚染します。
   
 核を用いたテロが発生した際どうするべきですか?
   
爆発が離れた場所で発生した場合、爆風が到達するまで30秒以上かかることもあります。可能であれば地下に退避することにより、爆発及び衝撃波の直接的な被害から身を守りましょう。また、放射線の人体への影響を軽減するためには、爆発地点から距離をとり、被曝の時間を短くし、厚い壁等で放射線を遮断することが大切です。
   


(参考)

ヨウ素剤(ヨード剤)

核爆発、原発事故などでは放射性のヨウ素が大気中に放出されます。通常ヨウ素は、栄養素として甲状腺に不可欠なものですが、人が放射性のヨウ素を吸入したり、飲食すると通常のヨウ素同様に放射性ヨウ素を甲状腺に取り込むこととなり、ガン発生のリスクが高まります。そのため、あらかじめヨウ素剤を摂取しておくことで、放射性ヨウ素の甲状腺への取り込み量を減らし、ガン発生のリスクをある程度減少させることができるとされています。
ヨウ素剤は甲状腺へのリスクを減少させるのみで、身体の他の部分及び他の放射性物質(ダーティーボムに使用される可能性のある大部分の放射性物質に放射性ヨウ素は含まれていない)には効果はありません。必要以上にヨウ素剤を摂取することはリスクの減少にはならず、逆に死を伴う副作用を引き起こす可能性があるため、服用には注意が必要です。特に甲状腺に障害がある人、ヨウ素アレルギーがある人、皮膚に異常がある人(皮膚炎、じんま疹等)は服用を控えるべきとされています。仮に服用する際には、必ず医師に相談するようにして下さい。