「安全対策基礎データ」は、各国への渡航・滞在に当たって、その国の防犯やトラブル回避の観点から知っておきたい基礎的な情報を取りまとめたものです。
「危険情報」が出ていない国でも日常的な犯罪は多く発生しています。また、出入国時や滞在時、その国の法律や制度を知らなかったために無用のトラブルに巻き込まれる日本人も後を絶ちません。外務省で取りまとめている邦人援護統計(在外公館が関わった日本人の海外における事件・事故の統計)によると、日本人が巻き込まれた事件や事故の多くはこれら「危険情報」が出されていない地域で発生しています。
各国・地域別に掲載されている「安全対策基礎データ」には、渡航・滞在先の犯罪発生状況、出入国手続、滞在時の留意事項、その他風俗、習慣、病気など安全に関する必要な情報が詳細に記されています。「危険情報」が出ていない国・地域でも決して安心せずに、この「安全対策基礎データ」を参照し、安全な渡航・滞在のための知識を身につけて下さい。
基本構成 | 掲載内容 |
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犯罪発生状況 防犯対策 |
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査証
出入国審査等 |
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滞在時の留意事項 |
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風俗、習慣、健康等 |
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緊急時の連絡先 |
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例えば、東南アジアで多く発生している「いかさま賭博詐欺」は、2001年の統計でも約150件の日本人被害が報告されています。この数字は日本大使館・総領事館に届けられた数ですので実際にはこの何倍もの日本人が同様の被害にあっていると考えられます。
この種の犯罪はその手口がほとんど共通しており、事前にその手口を知っておくことこそが被害防止の最良の手段です。他にも「睡眠薬強盗」「子供による集団スリ」「ケチャップスリ」など各国で日本人が多くの被害にあっている犯罪の手口やその予防策が「安全対策基礎データ」には掲載されています。
査証制度、出入国制度には、各国ごとに独特のルールがあり、「安全対策基礎データ」には、それら制度の概要を掲載しています。詳細な内容については日本にある各国の大使館や現地当局に照会する必要がありますが、本データはその前段の基礎知識として活用していただくことを想定しています。 なお、大きな制度の改正等があった場合は、別途「スポット情報」も発出し、重ねて注意を呼びかけています。
その国の法制度によって様々な規制・取締りが行われていますが、「安全対策基礎データ」では、その中でも特に日本の渡航者、滞在者がトラブルに陥りやすい事案(写真撮影、国内旅行の制限内容、麻薬や銃器所持に関する規制内容等)を取り上げています。いずれの制度も国によって刑罰の厳しさも異なります。無用なトラブルを回避するためにも渡航前にしっかりと学習しておくことが重要です。
また、法律以外にも各国特有の風俗や習慣等によって、日本人がトラブルにあうケースがありますが、それらの代表的な例を本データに掲載しています。
さらに各国で流行している伝染病、その予防法、医療水準などの健康に関する情報も掲載していますので、渡航先で体調を維持していくためには特にどのような注意が必要かという観点で本データをご覧いただき、事前に必要な対策を行って下さい。