在留邦人向け安全の手引き 在ベネズエラ日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成24年04月01日
在ベネズエラ日本国大使館
電話 (58-212) 261-8333
FAX (58-212) 261-6780

在ベネズエラ日本国大使館

目次

Ⅰ.はじめに

Ⅱ.防犯の手引き

  1. 防犯の基本的心構え
    • (1)当国人(社会)の理解
    • (2)安全のための3原則
    • (3)安全に対する情報収集
    • (4)緊急時の連絡先の把握
    • (5)在留届の提出
  2. 最近の当地治安情勢
    • (1)政情に絡む治安情勢
    • (2)一般治安情勢
    • (3)テロ・ゲリラ等の情勢
  3. 防犯のための具体的注意事項
    • (1)邦人関連被害の各種犯罪事例
    • (2)邦人多数居住区で発生した身代金目的誘拐事件
    • (3)各種犯罪に対する安全対策
    • (4)生活上の安全対策
    • (5)交通事情と事故対策
    • (6)テロ・誘拐事件
    • (7)暴動・クーデター対策
    • (8)その他
  4. カラカス首都区内緊急連絡先
  5. 大使館連絡先
  6. 簡単な助けを求めるスペイン語

Ⅲ.在留邦人用緊急事態対処マニュアル

  1. 平素の心構え・準備
    • (1)連絡体制の整備
    • (2)一時避難場所及び緊急避難先
    • (3)緊急事態における携行品等、非常用物資の準備
  2. 緊急時の行動
    • (1)心構え
    • (2)当大使館への通報等
    • (3)国外への退避
  3. 緊急事態に備えてのチェックリスト
    • (1)旅券、身分証明書等
    • (2)お子さんを伴っての出国
    • (3)現金、貴金属、貯金通帳等の有価証券、クレジットカード
    • (4)自動車の整備等
    • (5)携行品の準備

Ⅳ.結語

Ⅰ はじめに

(1)当国の政情

ベネズエラにおいては現在,反政府組織及び国際的なテロ組織によるテロ活動は確認されていませんが,政府系過激派組織の犯行と思われる爆弾事件が,2009年中に2件発生しています。同国においては,一般犯罪,特に殺人,強盗,誘拐事件の発生件数が高く,劣悪な治安が主要な国内問題の一つとなっています。

ベネズエラ全体の凶悪事件の約20%は,カラカス首都区で発生しており,特にリベルタドール市(セントロ地区,1月23日地区,カティア地区,エル・パライソ地区),スクレ市(ペターレ地区)及び大規模な貧民街を有する都市部では,違法けん銃を使用した凶悪犯罪が多発し,極めて危険な状態にあります。

また,コロンビアとの国境地域では,依然としてコロンビア革命軍(FARC)等のコロンビア反政府武装ゲリラ,パラミリタリー,ベネズエラの過激派組織であるボリバル解放戦線(FBL),また,これらの組織から離脱した者を含む不特定多数の一般凶悪犯罪者から成る誘拐組織や麻薬密売組織の活動が確認されており,身代金目的の誘拐事件,麻薬関連犯罪が多発しています。

(2)当国の治安情勢

一般犯罪については,2003年のピーク(総犯罪件数:265,344件)を境に一端減少傾向となりましたが,2005年8月から増加傾向に転じ,2011年は275,701件と過去最高の犯罪が発生しました。

主要犯罪である殺人については昨年13,716件発生し対前年比では594件(全国)増加しました。強盗事件(乗り物強盗を除く)は61,817件発生し,対前年同期比で2,816件(全国)減少しています。しかし,乗り物強盗(自動車・オートバイ強盗)を含めますと合計で87,293件発生しています。更に,身の代金目的誘拐については412件発生しており,総合的には治安悪化が顕著となっています。また,ベネズエラ全体の凶悪事件の約20%がカラカス首都区で発生しており,特にリベルタドール市(セントロ地区,1月23日地区,カティア地区,エル・パライソ地区),スクレ市(ペターレ地区)及びその他の貧民街を有する市では,違法けん銃,レンタルけん銃を使用した凶悪犯罪が多発し,極めて危険な状況にあります。

このような各種犯罪の多発に伴い,邦人の皆様が犯罪被害に遭遇する危険性も増加しています。従って,本小冊子は,当国にお住まいの邦人の皆様方及び当国を訪問される邦人の皆様方が犯罪被害に遭遇する可能性を少しでも排除することを目的として作成しました。

この手引きは隔年毎に改訂を行っておりますが,お気付きの点或いは不幸にして何らかの犯罪被害に遭遇された場合には大使館までご連絡下さい。

Ⅱ 防犯の手引き

1.防犯の基本的心構え

海外生活の基本的な心構えとしては,平素から皆様ご自身で安全対策に関心を持ち,適度な警戒心を維持することにあります。先ずは,「自分と家族の安全は自分達全員で守る」という意識が必要です。犯罪の予防対策が最大の危機管理であり,何事も最悪の事態を考え『悲観的に準備』しつつ,『慎重に行動する』ことが肝要です。なお,当国において皆様方が不幸にも各種事件・事故に巻き込まれた場合は,大使館として早急に必要な援助措置をとる体制を整えていますので,速やかに大使館までご連絡下さい。

(1)当国人(社会)の理解

当国の歴史,風俗,習慣,文化,道徳,国民性等を正しく理解することが肝要です。例えば,夜間の一人歩きはベネズエラ人でもあまり行っておりません。また,各種治安機関の信頼性が必ずしも高くないといった面もあります。当国の治安についての常識をまず知った上で,自己防衛手段を講じることが肝要です。

(2)安全のための3原則

海外での安全対策の基本は,
『常に用心を怠らない』
『行動のパターン化を避ける』
『目立たない』
の3原則を遵守することにあると言われています。

犯罪に遭う時期としては,「現地の生活に慣れてきた頃」,「帰国間際の頃」が多いようですが,心のどこかに油断が生じて行動となって現れることが原因となっています。従って,日頃から同僚や家族と上記3原則について確認しあうなど,平素から身に覚えさせることが肝要です。

(3)安全に対する情報収集

安全に対する情報収集は,海外で生活する上で欠かすことの出来ないトラブル防止策です。普段から現地の新聞,テレビ等のマスコミ情報及び大使館からの安全情報に関心を払い,現在自分がどのような状況下に置かれているのかを把握する必要があります。また,大使館では皆様の安全に関する情報を「安全情報」として各種治安情報,犯罪情報を可能な限りタイムリーにEメールで発信するようにしています(同時に大使館ホームページにも掲載しています)。つきましては,ご希望があればEメール・アドレスについても併せてお知らせ(メール登録は大使館領事部まで)下さるようお願いします。

(4)緊急時の連絡先の把握

大使館,警察,消防,会社関係,病院,信頼できる友人等の連絡先及び各種緊急連絡網について日頃から整理し,いざという時に使用できるようにしておきましょう。また,それら連絡網に変更はないか定期的に点検することを怠ってはいけません。

(5)在留届の提出

海外に3ヶ月以上滞在する場合及び国内外への転居並びに帰国の際には,大使館に「在留届」の手続きをお願いします。これは,皆様方の居住実態を把握し,大使館の様々な行政サービスの基礎資料として活用するためのもので,特に,緊急事態発生時に連絡等をする上で大変重要な資料ですから変更がありましたら直ちに大使館に届けて頂くようお願いします。

2.最近の当地治安情勢
(1)政情に絡む治安情勢

2010年9月26日(日曜日)に実施された国会議員の選挙は概ね平穏裡に実施され,同選挙に絡んだ爆弾テロ等の発生はありませんでした。しかし,当国では,大きな選挙前には各種政党や支持団体等によりデモが頻繁に実施されています。今年の10月7日(日曜日)には大統領選挙が予定されていますが,選挙日が近づくに連れて注意が必要です。

(2)一般治安情勢

ア.ベネズエラ共和国においては,反政府組織,政府系過激派組織及び国際的なテロ組織によるテロ活動は確認されていませんが,2008年1月から2010年8月にかけて,カラカス首都区内において以下のとおり爆弾事件が発生しています(同年9月以降,爆弾事件の発生はありません。)

(ア)2008年2月13日早朝,カラカス首都区リベルタドール市エル・パライソ地区のワシントン広場において爆発が発生した。爆弾のタイプは,爆発によってパンフレットをばらまく装置と見られ,「我々は,ボリバル革命プロセスに関わる者の一部(チャベス大統領に近い者)が,米国務省とともにベネズエラの将来について交渉を行っているとの情報を得ている」との内容が記されていました。

(イ)同年2月14日早朝,カラカス首都区リベルタドール市のベネズエラ広場近くに所在する,ローマ法王庁大使館前で小型爆弾が爆発しました。負傷者は有りませんでしたが,同大使館正門付近の壁が若千損傷しました。

(ウ)同年2月18日午前3時頃,カラカス首都区リベルタドール市セントロ地区に所在する,国会の管理事務所及び民事裁判所が入居するパハリートス・ビルの西側入口が爆弾で破壊されました。

(エ)同年2月22日早朝,数人のグループがカラカス首都区チャカオ市ラ・カステジャーナ地区のスペイン大使館敷地内に刺激物の入った手榴弾を投げ込み,警備員が建物から退去する事態が発生しました。

(オ)同年2月24日深夜,カラカス首都区リベルタドール市エル・ボスケ地区にあるベネズエラ経団連(FEDECAMARAS)本部にて爆発があり,爆発物を仕掛けたと見られる人物が死亡しました。

(カ)同年9月23日未明,カラカス首都区リベルタドール市アルタフロリダ地区に所在するグロボビシオン本社(反政府系テレビ局)前で,催涙弾1発が投げ込まれ爆発しましました。

(キ)同年10月14日午後,カラカス首都区リベルタドール市サンタ・ロサリア地区に所在するエル・ヌエボ・パイス紙本社(反政府系新聞社)に対し,催涙弾2発が投げ込まれ爆発しました。

(ク)同年12月1日午前,カラカス首都区チャカオ市内に所在する,マルタ・コロミナ氏(反政府系のフリーライター)宅に対し数発の催涙弾が投げ込まれ爆発しました。

(ケ)2009年1月1日夜半,カラカス首都区リベルタドール市アルタフロリダ地区に所在するグロボビシオン本社(反政府系テレビ局)に対し,催涙弾1発が投げ込まれ爆発しました。

(コ)同年1月8日,カラカス首都区リベルタドール市エル・ボスケ地区に所在するキリスト教社会党(COPEI)本部に対し催涙弾1発が投げ込まれ爆発しました。

(サ)2010年8月27日,カラカス首都区チャカオ市カンポ・アレグレ地区に所在するキューバ人医師が多数居住する民家の前で爆発がありました。現場付近にはコロンビア大使館もありますが,住居を狙ったものかコロンビア大使館を狙ったものかは不明です。

イ.ベネズエラ共和国では,けん銃等の銃器の所持は許可制に基づいていますが,実際は違法に取引された銃器や「レンタルけん銃」などが依然として相当数出回っています。そして,殺人,強盗,誘拐等に使用される凶器の90%以上がけん銃等の銃器となっており,大きな社会問題となっています。また,治安機関が犯罪者と対峙した場合には,必ずと言って良いほど犯罪者グループとの銃撃戦が始まり,一般市民が巻き添え被害を受ける場合も少なくありませんのでカラカス首都区内の移動には細心の注意を払ってください。

ウ.薬物犯罪については,警察や国家警備軍の厳しい取締りにもかかわらず,当国がコロンビアから北中米国,ヨーロッパ,西アフリカ等への中継地となっているため,国内でも密売が増加しています。特にセントロ地区の路上では公然と麻薬類が販売されていますが,絶対に薬物に手を出してはいけません。なお,当国の薬物犯罪に係る法定刑罰は日本及び諸外国と比べても,非常に厳しいものとなっています。特に最近マイケティア国際空港において,知らない人から預かった荷物に麻薬等が隠されていたため逮捕される事件が多発しています。決して知らない人から荷物等を預からないようにして下さい。

(3)テロ・ゲリラ等の情勢

ア.当国には国際的なテロ組織の構成員が若千存在するといわれていますが,直接的にテロ事件を敢行するといった行動は認められていません。

イ.コロンビアとの国境地域では,依然としてFARC(コロンビア革命軍)等のコロンビア反政府武装ゲリラ組織,パラミリタリー,ベネズエラの過激派組織であるFBL(ボリーバル解放戦線)及び,これらの組織から離脱した者を含む不特定多数の一般凶悪犯罪者グループによる誘拐組織,並びに麻薬密売組織の活動が確認されており,身代金目的の誘拐事件,麻薬関連犯罪が多発する傾向にあります。

3.防犯のための具体的注意事項

2011年,在留邦人,旅行者等が実際に遭遇した主な事例と,各種犯罪に対する具体的な安全対策は以下のとおりです。

なお,不幸にして犯罪の被害に遭われた場合には,171番(緊急電話番号)に電話を架け,警察官を呼んでください。しかし,警察官は被害者の保護,犯人の捜索,逮捕等,初動措置は行いますが,被害届の受理はしませんので,被害届を出す場合は事後に被害場所を管轄するCICPC(科学・刑事犯罪捜査機関)の支部に出向く必要があります。

被害品に保険を掛けていた場合,同請求に際しては,「被害届受理証明書」が必要となりますので,同所に赴き被害調書を作成してもらわなければなりません。当国警察の証明書は日本のそれと異なり,被害品の全てを詳細に記載する訳ではありませんので,保険請求に必要な物品が記載されているかを確認することが必要です。

(1)主な邦人被害(関係者を含む)と各種犯罪事例

主な邦人被害事例(2011年中:抜粋)

  • 3月末頃,カラカス首都区チャカオ市カンポ・アレグレ地区のホテルにおいて,日本からの出張者がホテル内のレストランで朝食中,足下に置いていたバックを盗まれる事件が発生しました。
  • 4月中旬頃(早朝),マイケティア国際空港国際線ターミナル内で,当地駐在員の方が出国のため,空港使用料を支払っている間に,足下に置いていたバックを盗まれる事件が発生しました。
  • 5月中旬頃(午後),マイケティア国際空港国際線ターミナル内で,日本からの旅行者が両替所で外貨を換金中,足下に置いていたバックを盗まれる事件が発生しました。
  • 6月7日(火曜日)午後9時40分頃,当地日系企業社用車が駐在員を自宅まで送り届け,現地職員のみで走行中,前後を2台の車で挟まれて停止させられ,けん銃を所持したグループに連れ去られました。犯人達は現地職員を約30分間監禁し,周辺を移動した後,社用車と共に解放する事件が発生しました。
  • 6月26日(日曜日)午後5時30分頃,マイケティア国際空港国際線ターミナル内において日本からの出張者が,出迎えタクシーの運転手を装った男に声をかけられ連れ去られました。犯人の男は,事前に用意していた車に出張者を乗せると,カラカス首都区の手前で人気のない場所に車を止め現金等を強奪しその場所で出張者を解放する事件が発生しました。
  • 7月3日(日曜日)午前中,チャカオ市バルータ市内の総合運動施設駐車場において,邦人男性が自家用車を駐車していたところ,運転席側のドアを破壊され,車上狙いに遭う事件が発生しました。
  • 7月6日(水曜日)午後7時頃,チャカオ市ロス・パロス・グランデス地区のスーパーマーケット駐車場において,邦人女性が買い物を終え駐車中の自家用車に乗り込もうとしたところ,横に駐車していた車からけん銃を所持した男2名が降車し,邦人女性に車に乗り込むよう強要しました。邦人女性が,咄嗟に大声を出すと同時に車のクラクションを吹鳴させたため,犯人の男達は何も取らずにその場から立ち去る事件が発生しました(約1週間後,同じ場所でベネズエラ人の女性が同様の手口で自動車強盗の被害に遭っています)。
  • 10月2日(日曜日)午後5時30分頃,マイケティア国際空港国際線ターミナル内において日本からの出張者が,出迎えタクシーの運転手を装った男に声をかけられ連れ去られました。犯人の男は,事前に用意していた車に出張者を乗せると,リベルタドール市セントロ地区で車を止め現金等を強奪しその場所で出張者を解放する事件が発生しました。
  • 10月20日(木曜日)午前5時30分頃,当地日系企業社用車が駐在員出張のため,駐在員自宅マンションまで迎えに行き,現地職員2名が乗車待機していたところ,前方に1台の車が行く手を防ぐように停止し,けん銃を所持した男2名が降車し現地職員2名から金品等を強奪し,更に,社用車も強奪して逃走しました。駐在員は,事件当時はまだ自宅内にいたため,難を逃れる事件が発生しました。
  • 12月14日(水曜日)午後6時30分頃,チャカオ市カステジャーナ地区において,在留邦人の男性が1人で歩いていたところ,黒人系の若者3名に声をかけられ現金を要求されました。邦人男性が拒否したところ,犯人の1人が邦人男性の肩を殴打してきたため,邦人男性はすぐ近くのファーストフード店に逃げ込み難を逃れる事件が発生しました。
  • 12月下旬頃(午後7時30分頃),チャカオ市アルタミラ地区において,在留邦人の男性が1人で歩いていたところ,黒人系の若者3名に声をかけられ現金を要求されました。邦人男性は,無視して小走りで立ち去ったところ,若者達は追ってこなかったため難を逃れる事件が発生しました。

主な邦人被害事例(2012年発生分:抜粋)

  • 1月3日(火曜日)午前11時頃,チャカオ市アルタミラ地区において,在留邦人の男性が1人で歩いていたところ,黒人系の若者3名に声をかけられ現金を要求されました。邦人男性は,全力で走り去ったところ,若者達は追ってこなかったため難を逃れる事件が発生しました。
  • 1月16日(月曜日)午後9時頃,バルータ市ラ・メルセデス地区において,当地日系企業社用車(防弾車)が走行中,前方を車に塞がれ停止をさせられたところ,車からけん銃を所持した数名の男達が降車し,社用車にけん銃を10発程度発砲される事件が発生しました。
  • 1月22日(日曜日)午前11時30分頃,チャカオ市カステジャーナ地区において,日本からの出張者が1人で歩いていたところ,若い男に声をかけられ肩を組まれた状態でしばらくの間付きまとわれ現金を要求されました。たまたま通りかかった一般車両の運転手が異変に気づき犯人の男に声をかけたため,出張者はその隙に近くのショッピングセンターに駆け込み難を逃れる事件が発生しました。
(2)邦人多数居住区で発生した主な身代金国的誘拐事件
  • 2011年11月10日(木曜日)午後,リベルタドール市内プラザ・ベネズエラ付近のホテルにおいて当地チリ大使館領事がけん銃を所持したグループに誘拐されました。領事は約2時間後に解放されましたが,監禁中,暴行を受けると共に臀部にけん銃を発砲され負傷する事件が発生しました。
  • 2011年12月15日(木曜日)午後10時頃,チャカオ市サンタ・エドゥヴィス地区において当地ベラルーシ大使館副領事が自家用車で走行中,前後を2台の車に挟まれ停止されられ誘拐されました。副領事は翌日午前2時頃リベルタドール市セントロ地区の路上で治安当局に保護される事件が発生しました。
  • 2012年1月29日(日曜日)夕刻,チャカオ市カントリークラブ地区において,当地メキシコ大使夫妻が館用車で移動中,けん銃で武装したグループに誘拐されました。大使夫妻は多額の身代金を支払ったため,翌日の早朝,無事解放される事件が発生しました。
(3)各種犯罪に対する安全対策

日本のビジネスマン及びその家族は,その身なりから,こちらでの「金持ち」と見られ,犯罪者の標的になりやすいということに気をつけて下さい。また,日本人から見て中級の車であっても,こちらでは高級車として取り扱われます。

これら車両を強盗・窃盗した後,他国に密売する組織も摘発されています。

ア.犯罪発生状況
ベネズエラでの犯罪は同じ曜日・時間帯に犯罪が集中する傾向があります。これは,同じ犯罪者等が特異の手法で何回も犯行に及んでいるからではないかと思われます。
具体的には,一般犯罪は毎週月曜日と木曜日等平日の犯罪発生が多く,逆に週末や休日等は犯罪発生が少ない傾向にあります。時間別では深夜より昼間帯の発生件数が多くなっています。この原因は夜間から深夜にかけては危険すぎるため外出している者が少ないことが原因であり,夜間から深夜にかけて外出しますと必ずと言って良いほど犯罪の被害に遭うことは間違いありませんので注意して下さい。ただし,身代金目的誘拐事件については,約70%が週末に更に約72%が自宅又は勤務先周辺で発生していますので注意して下さい。
イ.誘拐事件対策
  • 誘拐の「標的」にならないため,下記3の原則を実行して下さい。
    3原則:「用心を怠らない」「行動を予知されない」「目立たない」
  • 誘拐の兆候を発見することが大切です。
    常に身の回りの変化に注意する(郵便物の開封,不審電話,観察,尾行等)。
    犯人側に自分が注意を払っていることをアピールすることも重要です。
  • 決まった行動はできる限り避けて下さい。
    通勤経路及び外出時間(ルート)を時々変更するなどの工夫をして下さい。
  • 華美な服装,時計,宝石など装飾品は外部では決して身につけないようにして下さい。
  • できる限り複数での行動を心掛け,人通りの多い場所を選んで行動して下さ い。
  • 不審な後続車がいないか注意を払いましょう。
  • 軽微な物損事故に注意して下さい(人通りの少ない場所で,相手側から衝突されるといった不審な事故で,複数の男性が乗車している場合は特に注意が必要です)。
  • 住宅(アパート)の警備体制(警備機器,警備員等)の再点検を行って下さい。
  • 不審に思ったら家族,会社,友人,大使館等に相談しましょう(事案に応じ, 身辺警護員の利用,警察への相談等を考慮する)。
  • 新たに使用人を雇う場合は,信用のおける知人からの紹介等,身元がしっか りとした人物を選ぶことをお勧めします(長期間雇用していても完全には信用 できないこともあります)。
ウ.短時間誘拐事件対策
上記「誘拐事件」の安全対策に加え,
  • 車両に乗り込む際及び車両から降りる際は,特に周囲の状況に注意して下さい。
  • デパート等で高価な物を購入する(特にカードで)際は,監視されていないか周囲の状況に注意を払って下さい。
  • 犯人側が納得するだけの,ある程度の現金を所持しておくと良いでしょう。
  • いわゆる「白タク」は利用しないで下さい。
  • 銀行へはできる限り複数で行き,周囲の状況に注意をしつつ,素早く行動して下さい。
  • 短時間誘拐で被害発生率が一番高いのは,女性が一人で行動している時です。
エ.空港における各種事件対策
  • 空港(特にマイケティア国際空港)は,他国の空港と比べ非常に犯罪の多い危険な場所であることを認識して行動して下さい。
  • 空港への送迎は,会社,家族,友人,知人等に依頼して下さい(どうしてもタクシーを利用しなければならない場合は,空港タクシー(ボディーが黒色で統一され,ドアに黄色のシールで「Corporacion Anfitriones de Venezuela」と記載された四輪駆動タイプのタクシー)が比較的安全と思われます)。
  • 空港内のトイレは,できる限り複数で利用して下さい。
  • 短時間でも空港内では女性を一人にしないで下さい。
  • ポーターを利用する場合は,空港の身分証明書を有しているか確認して下さい。
  • 早朝及び深夜において,空港付近の交差点で信号待ちする場合には周囲の状況に注意して下さい。
  • 出張者等で面識のない人を迎える場合,あらかじめ出迎え者の氏名,服装,携帯電話番号,合言葉等を伝えておくと良いでしょう。
  • 安易に他人の荷物を預かってはいけません。また,自分の荷物から絶対に目を離さないようにして下さい。
オ.不良警察官対策
  • 言いがかりを付けられないよう,外出する場合は,身分証明書,パスポート等を必ず所持しておきましょう。
  • 暴行,恐喝等の不法な行為がありましたら,日本大使館に連絡をとるよう警察に依頼して下さい。
  • 危害を加えられることがありますので,例え言いがかりを付けられた場合でも強く抵抗しないようにして下さい。
カ.強盗対策
  • 危険と言われている地区には行かないで下さい(特にセントロ方面,ペターレ方面及び貧民街等)。
  • スーパーマーケット等の駐車場においては,車両に乗り込む前に少し離れた場所から周囲を警戒して不審者の発見に努めて下さい。
  • 乗車中は必ず窓を閉め,ドア・ロックを施して下さい。特に信号待ち等で停車中は,周囲の状況に気を配って下さい。
  • 目立たぬ車両・服装で行動することをお勧めします(腕時計,携帯電話にも注意する。)。また,深夜の外出は非常に危険ですので避けて下さい。
  • 複数での行動を心掛け,夜間の移動については必ず車両を利用して下さい。
  • 物の配達等,見知らぬ来訪者については安易にドアを開けないで下さい。
  • 万が一強盗事件に遭遇した場合には,犯人がけん銃を携行している可能性が大きいため絶対に抵抗してはいけません。
  • バス内及び地下鉄駅構内は特に注意して下さい。また,利用は極力避けて下さい。
キ.窃盗対策
  • 住居の裏口といえども複数の鍵を付けるか,上下左右にストッパーの出るマルチロック錠が効果的です。
  • 「レハ」と呼ばれる鉄格子扉を取り付け,2重扉にすることをお勧めします。
  • 昼間在宅中でも必ず施錠して下さい。
  • 「鍵」の保管場所に十分注意し,人目に付く場所に放置してはいけません。また,たとえ使用人といえども油断することなく,複製等されないよう十分管理して下さい。万が一紛失した場合にはすぐに錠を交換するようにして下さい。
  • 買い物は出来るだけ警備員の配置された駐車場のある店舗で行い,警備員の近くに駐車するとより安全です。短時間でも駐車する場合には,ハンドル固定装置,シフトレバー固定装置,警報装置等の盗難予防装置をセットするように心掛けて下さい。
  • 車内に外から見えるような状態で鞄・荷物等を置いてはいけません。
  • 万が一の為に自動車保険,盗難保険に加入しておくことをお勧めします。
ク.スリ対策
  • 地下鉄内では乗降車する際,地下鉄駅構内ではエレベーターや階段付近で多発しているので,特に注意して下さい。
  • 現金,貴重品は分散して所持するといいでしょう。
  • 財布は出来るだけ内ポケットに入れ,ズボンの後ポケット等,すられ易い場所には入れないで下さい。
  • 最近では,携帯電話を対象としたすり事件も発生していますので,注意して下さい。
ケ.ひったくり対策
  • 目立つ服装で,高価な時計やアクセサリーを身に着けて外出することは非常に危険です。
  • ハンドバックは手で抱えるようにして車道の反対側に持つことをお勧めします。
  • 車道寄りの歩行は危険です。
  • バイクの二人乗りによる後方からのひったくりに注意して下さい。
  • 車両の進行方向と反対の方向に歩くようにするといいでしょう。
(4)生活上の安全対策
ア.住居の選択
  • 「キンタ」と呼ばれる一戸建住宅よりも,警備体制の完備した「アパート」で,出来れば3階以上の中階層が比較的安全です。
  • 24時間体制で複数の警備員が人や車の出入りを監視しているアパートをお勧めします。
  • 四方を高い壁で囲み,その上に高圧電線,忍返し等が施してある場所がより安全と言えます。
  • 貧民街に隣接せず,また孤立せず,ある程度交通量がある場所がいいでしょう。
  • 住居(アパート)の出入り口付近に街灯等がある,明るい場所を選ぶといいでしょう。
  • 不動産業者等を通じて過去の犯罪例を確認し,被害の少ない地域を選択されることをお勧めします。
イ.住居の設備
  • 出入り口の扉の鍵は複数にする他,容易に複製できない鍵を取り付けて下さい。また,鍵の管理を怠ってはいけません。
  • 新たに入居する際や使用人を代えた場合には,鍵を交換することをお勧めします。
  • 出入り口は,鉄格子の扉を追加して二重扉にする他,ドアスコープ,ドアチェーンを取り付けるといいでしょう。
  • 侵入される可能性のある窓には鉄格子を付けて下さい。
  • 寝室に内鍵を付ける他,寝室部分と居間・食堂等との間にはもう一枚の扉をつけ,寝室を避難室として利用可能にすると,より安全です。
ウ.駐車場
  • 駐車場出入口に警備員が常駐しているか,常駐していない場合でも警備員の目の届く場所からリモコン等で門扉の開閉が可能な住居(アパート)を選択することをお勧めします。
  • 自宅の駐車場といえども車の施錠,盗難防止装置等を確実に施して下さい。
  • 駐車場に入る際には尾行車両がないか,駐車場周辺に不審人物(車両)がいないか確認することが重要です。
エ.外出
  • 家族や信頼できる者に外出先,帰宅時間を知らせておいて下さい。
  • 携帯電話を持っていく場合,常に充電された状態で携帯して下さい。
  • パーティー等出席する場合には,会場到着後に貴金属類を身に着けるといいでしょう。
  • 夜間に外出する場合,不在を察知させない為,窓に面する部屋に灯りをつけておくと効果的です。
  • 夜間,徒歩による外出は絶対にやめて下さい。
  • たとえ短時間の外出でも必ず施錠する習慣をつけて下さい。
  • 長期間自宅を不在にする場合には,その旨を必要な人にのみ教え,定期的な住居の点検を依頼するといいでしょう。
  • 車のガソリンは常に満タン状態にしておくと良いでしょう。
オ.使用人
  • メイド,運転手等の使用人を雇用する場合には,その人定事項に関してできる限りの調査を行って下さい(過去に日本人が使用していた者を雇用するのも一案です。)。
  • 雇用が決まった際には,必ず先方の身分証明書のコピーを取っておいて下さい。
  • 使用人の目の届く場所に貴重品等を置かないで下さい。
  • 過去に,使用人が手引きをした強盗事件,誘拐時間等が発生していることを念頭に置き,必要以上に家族の私事,行動予定等を話さないようにしましょう。
  • 信頼関係が出来上がっても,「鍵」は預けない方がいいでしょう。
  • 使用人の家族,友人等を自宅内に入れないように指導して下さい。
  • 帰国,転勤が決定しても早急には伝えない方がいいでしょう。
カ.来客
  • 玄関の鍵は常に施錠しておくとともに,玄関付近は常に適度な明るさを保つよう工夫して下さい。
  • 身元の判らない来客については,いかなる場合でも扉を開けないよう心がけましょう。
  • 扉を開ける場合は,ドアスコープ等で必ず外部を確認してから行って下さい。
  • 電気器具,水道等を修理する場合には,家族や知人等の紹介により信頼できる業者を選択する他,事前に派遣会社に対して来訪する者の氏名を確認しておいて下さい。
  • 贈り物,配達品等が届いた場合にも,送り主等を確認し本当の配達人であるかどうか確認して下さい(品物を外に置かせ,鉄格子越しにサイン等を行うことが望ましい)。
キ.電話
  • 緊急事態対応のため,通常の固定電話に加えて,携帯電話を購入しておくといいでしょう。
  • 受話器を取る際には自ら名前を名乗らず,相手方に名乗らせるよう工夫して下さい。
  • 自宅の電話番号は信頼できる人以外には教えないで下さい。
  • 間違い電話の場合,その旨のみを伝え,自らの名前は名乗らない方がいいでしょう。
  • 不審な電話(無言電話やすぐに切れる電話)の場合には,相手がこちらの動向を確認している場合があることを念頭に置き,ただちに受話器を置いて下さい。不審電話が続くようであれば,電話番号を変更することをお勧めします。
  • 緊急の際に必要な電話番号は常に電話機の側に備えておいて下さい。
  • 最終の避難場所である主寝室には,必ず電話を設置するか,携帯電話を持ち込んで下さい。
ク.ホテルの利用
  • 格安ホテル(特にセントロ地区)では,強盗や窃盗事件が多発する確率が高いので値段よりも安全性に重点を置き,信頼できるホテルの利用をお勧めします。但し,高級ホテルでも犯罪が発生していますので注意は必要です。 高級ホテルであっても,レストランでの置き引き,ホテル関係者による客室荒らし,クレジットカード使用時のスキミング被害等が発生しています。
  • ホテルの室内でも盗難事件が発生しているので,「貴重品預かり」や「セフティーボックス」を利用して下さい。
  • 訪問者については,たとえ警察官であっても訪問理由等を十分に確認し,不審な点がある場合はフロントに照会するなど,安易にドアを開けてはいけません。
(5)交通事情と事故対策
ア.当国の交通事情
  • 当国の交通マナーは日本と比べるとかなり悪く,信号無視,追越し車線からの右折,ウインカーの点滅なしの急な進路変更,ブレーキランプの故障等,交通法規が遵守されない場合が多々見られます。
  • 信号機の故障,道路の交通標識不足も目立ちます。
  • カラカス首都区内は一方通行,坂道,入り組んだ道路,行き止まり等が多く,ときに道路を逆行する車もあり危険な場合があります。
  • 道路の補修が行き届いておらず,所々に穴があいている(マンホールのフタがないところもあります)所がありますので,慎重な運転が必要です。
  • 雨期になると道路に水があふれることがあり,故障車,事故車等で大混雑することがあります。悪天候時の走行には十分な注意が必要です。
イ.車両運転時の注意事項
  • 運転免許証,自動車所有者証,健康診断証,自動車保険証,身分証明書(パスポート等)を必ず携帯して下さい。
  • 犯罪の約6割は公道上で発生しています。公道に出るとあらゆる犯罪に巻き込まれる可能性があることを認識し,周囲に十分注意することが必要です。
  • 交通法規を無視する車両が多いため,自己防衛的に運転するよう心掛けて下さい。
ウ.事故を起こした場合の措置
  • 事故を起こした場合は,どのような交通渋滞になろうとも自動車はそのままにして動かさず,まず警察(171番)に連絡することが必要です。ただし,チャカオ警察以外は警察官の到着まで1時間から2時間かかる場合もあります。相手の車種,塗色,ナンバー,氏名,運転免許証番号,目撃者がいたらその氏名,電話番号等をメモしておくと後日のトラブル発生時に役に立ちます。また,事故直後は動揺しているので同僚や保険会社等に現場に来てもらうといいでしょう。
  • 事故の相手方に,自分の非を認めるような謝罪はしないようにしましょう。(警察に不利な事故調書を作成されてしまうケースがあります)。
  • 警察が到着すると,運転免許証,自動車所有者証,健康診断証,自動車保険証,身分証明書等の確認の後,事故の状況を簡単に記載させられます。その後, 事故の状況を記載した用紙と今後の手続きを記載した説明書を手渡されますので,保険会社にその旨を通報して下さい。
  • 指定された銀行に事故証明書の手続き料を振り込んだ後,指定された日(平日)以降に交通警察へ事故車両と共に出頭しなければなりません(事故証明書が入手できるのは更に数日後になります。)。その後は保険会社と打ち合わせを行い,修理することになります。
(6)テロ,誘拐対策

ア.政情に関心を持ち,テレビ,新聞,ラジオ等から常に最新の情報を入手し,集会,デモ行進等,群衆の集まる危険な場所へは近づかないようにして下さい。

イ.不審な物を発見した場合は,決して触れることなく,直ちに遠くへ避難するとともに警察へ通報して下さい。

ウ.誘拐事件対策は,上記3.(3)イ.ウ.のとおりですが,当国で日本人 誘拐事件が発生した場合は,日本国内で発生する場合と異なり,警察機関の信頼性,保秘対策等,難しい問題があります。大使館としては,人命第一で問題解決のために最大限の努力を払うこととしていますので,家族等が不幸にも同事件に巻き込まれた場合は,速やかに大使館までご連絡下さい。

(7)暴動,クーデター対策

当国では,1989年2月にカラカス大暴動,1992年2月及び11月にクーデター未遂事件,2002年4月11日には一時的な政変(4月14日前政権に再復帰)が発生しています。従って,平素から暴動,クーデター等の関連ニュースに関心を払うとともに,少なくとも10日間程度の食料や飲料水,トイレットペーパー等の生活必需品の購入,その他懐中電灯・電池,短波ラジオ等も準備しておくことが望ましいといえます。また,緊急避難のため必要な外貨(USドル現金等)も準備しておきましょう。

ア.心構え
  • 在留邦人相互間の緊密な連絡,テレビ,ラジオ(ラジオ・ジャパン等)の聴取,大使館への問い合わせ等により,正確な情報を把握するように努めましょう。
  • 平静を保ち,群集心理に巻き込まれないようにして下さい。
イ.大使館への通報
  • 入手された情報のうち,在留邦人全体に知らせる必要があるものは,随時大使館へも通報をお願いします。
ウ.緊急避難
  • 当国の地理的条件,空港等への経路から,緊急事態発生の際は,「緊急避難」よりも「自宅等待機」を選択する可能性が高いものと思われます。
  • 「緊急避難」に至るには情報を収集後,「情報分析段階」→「待機段階」→「移動段階」と3つの段階がありますが,事件の発生を知った時点では,最悪の事態を想定して将来の指示に備えて事務所あるいは自宅にとどまり,事態の推移を見守るようにして下さい。
  • 次に,避難のための準備を完了し,いつでも移動できる状態にしておいて下さい。最終的に移動の指示があった場合は,準備した物品を可能な限り携行して,大使館,大使公邸等の指定場所に速やかに移動することになります。
(8)その他
ア.身分証明書の携帯義務
  • 当国は居住者(9歳以上の国民及びの長期滞在の外国人(6ヶ月以上滞在))に身分証明書の携帯を義務付けており,警察当局は不法入国摘発等を目的に身分証明書の提示を求めることがありますので,注意が必要です。
  • パスポートや身分証明書の盗難・紛失に備え,コピーを作成したり,写真を数枚余分に準備しておくと良いでしょう。
イ.伝染病等
  • 当国ではデング熱とマラリアが発生しております。その他,麻疹や風疹が見られます。なお,当国はWHOの定める黄熱病感染リスク国に該当しますので,
    感染病を防ぐ為の基本的な注意事項は,
    • 蚊やノミなどの伝染病を媒介する昆虫,動物に気を付ける(アマゾン等の奥地を旅行する場合には特に注意が必要)。
    • 生もの,生水の飲食は控える(水道の水は煮沸する)。
    • 万一,疑わしい症状が出た場合はできるだけ早く医師の診断を受ける。
      などです。
ウ.ベネズエラ共和国の治安機関に対する信頼度
強盗,誘拐事件等の凶悪事件に現職又は退職警察官が関与するケースは多く,また,街頭配置の制服警察官が旅行者等に因縁をつけたり,金品を要求する事件も発生しています。当国では警察官といえども信用できないことがあり,身分の確認等注意が必要です。
4.カラカス首都圏内緊急通報先
(1)各種緊急通報先 171

上記番号が「各種警察」,「消防」,「救急車」の緊急窓口となっています。ここから,内容に応じてしかるべき部署に連絡がいくことになっています。

(2)病院
  • CLINICA EL AVILA
    276-1111(代表),276-1090(緊急)
  • HOSPITAL DE CARACAS
    508-6111(代表)
  • POLICLINICA METROPOLITANA
    908-0100(代表),908-0430(緊急)
  • POLICLINICA SANTIAGO DE LEON
    905-4157(代表)
  • CENTRO MEDICO
    555-9111(代表),555-9419(緊急)
5.大使館連絡先

住所 EDIFICIO BANCARACAS, PISO 11, AV. SAN FELIPE con
2da. TRANSVERSAL, LA CASTELLANA, Mun. Chacao, Edo. Miranda

電話 261-8333(代表)

FAX 261-6780

開館時間 月曜日~金曜日 午前8時30分~午後5時45分

執務時間外に事件や事故等の緊急事態が発生した場合は,上記代表電話番号の留守電の指示に従って下さい。

6.簡単な助けを求めるスペイン語

助けて!… Socorro (ソコロ)
Ayude me (アジュデメ)

警察を呼んでください!…Llame a la policia (ジャメ ア ラ ポリシア)

救急車を呼んで下さい!…Llame a la ambulancia(ジャメ ア ラ アンブランシア)

Ⅲ.在留邦人用緊急事態対処マニュアル
(内乱,クーデター,暴動等の緊急事態のための対処マニュアル)

1.平素の心構え・準備
(1)連絡体制の整備
ア.在留・変更届の励行
在留届は,当大使館が皆様の当地滞在を把握し,安否確認等を行うための非常に有効な資料です。在留届を当大使館へ提出願います。また,連絡先の変更等があった際には,必ずご連絡願います。
イ.各団体(二水会,JICA,日本人学校,ベネズエラ日系人協会)の「緊急連絡網」
転居や(携帯)電話番号の変更等があった場合には,速やかに関係団体等へご連絡の上,「緊急連絡網」の改訂・更新を依頼して下さい。
予め自分は誰に連絡をするのか確認しておいて下さい。また,出張,休暇等で当地を一時的に離れる際には,必ずその旨,自分に連絡をくれる方(連絡網の前の方)に伝え,「緊急連絡網」が常に機能するようにしておくことが重要です。
ウ.当館からの情報伝達方法
緊急事態発生の際には,当大使館は上記(ロ)の緊急連絡網を通じて安否照会,当大使館緊急事態対策本部の設置等に関する情報提供を,電話又はFAX(その他,電子メール及び当館ホームページ)で行いますが,電話回線が使用できない場合には,当大使館無線機,FM放送,或いは「NHKワールド・ラジオ日本」により連絡を行うことを予定しております。
各所属企業・団体,各家庭内におかれては,緊急の連絡を誰から誰に繋ぐのか等を予め決め,平素より確認しておいて下さい。
なお,当大使館との無線機による通信についてご関心のある方は,当大使館にお問い合せ下さい。
FM放送:周波数103.7メガヘルツ(カラカス市内一部のみ聴取可) (新)
※なお,緊急事態発生時における安否確認については,当大使館からの連絡を待つことなく,皆様方から安否等に係る情報を当館宛にお寄せいただけますようご協力をお願いします。
エ.安全情報の入手
当大使館では,邦人の皆様の安全に係わる情報を「安全情報」として,ホームページ(http://www.ve.emb-japan.go.jp別ウインドウが開きます)に掲載すると共に,電子メールにて配信しております。電子メール・アドレスをお持ちの方は,当大使館に登録されるようお願いします。また,登録事項に変更があった際には遅延なくお知らせ願います。
(2)一時避難場所及び緊急避難先
ア.一時避難場所の検討
暴動,騒乱,内乱等が発生した場合には,周囲の状況に注意を払い,情報を収集し,そういった事案が発生している危険な場所に絶対近づかないで下さい。
万が一,巻き込まれそうになった場合の取り敢えずの一時避難場所について,常日頃から頭に入れておくことが重要であり,自分がどこにいるか(勤務先,通勤途上,自宅等),自分がどのような事態に巻き込まれそうか等,幾つかのケースを予め想定して,各自の一時避難の候補地を検討しておいて下さい。なお,右候補地は外部との連絡可能な場所を選ぶようにして下さい。
イ.緊急避難先
当大使館よりは,緊急事態発生時の状況に応じて,場合によっては緊急避難先への集結を指示することがあります。緊急避難先については,カラカス及び近郊の場合には大使公邸(住所:Qta.Maracapana, Calle Altamira, Caracas Country Club)を予定していますので,大使公邸に至るルートにつき幾つかのケースを想定して検討しておいて下さい。
また,その他の地域で大使公邸に集結することが困難な方々におかれましては,今後,同一地域の他の邦人の方々と予め協議の上,緊急退避先を検討して下さい。その際,当大使館とも,よくご相談いただくようお願いします。
(3)緊急事態における携行品等,非常用物資の準備
ア.緊急時の持ち出し品のリストアップ
旅券,現金,貴重品等は直ちに持ち出せるような場所に保管し,避難等に際し持ち出すものを各自リストにしておきましょう(下記3.緊急事態に備えてのチェックリスト参照)。
イ.非常用物資の備蓄準備
暴動等の非常事態発生時には,一定期間自宅待機が必要となることも想定されますので,2週間分位を目処に水,食糧,医療品,燃料等必要最低限の物資の備蓄を準備して下さい。
2.緊急時の行動
(1)心構え

自ら関連情報の把握に努めるとともに,自らの判断により状況に応じた退避や自宅待機を行うことを心掛けて下さい。

ア.緊急事態が発生し,または発生する恐れのある場合に,当大使館は邦人保護に万全を期するため,所要の情報収集,情勢判断および対策の策定を行い,電話利用が可能な場合は,各団体(二水会,JICA,日本人学校,ベネズエラ日系人協会)等が作成している「緊急連絡網」を通じてお知らせします。
電話回線が使用できない場合には,FM放送(周波数103.7メガヘルツ:カラカス市内一部のみ聴取可),或いは「NHKワールド・ラジオ日本」により連絡を行うことを予定しております。

イ.邦人の方々におかれては,自らテレビ・ラジオ,新聞等により情報の収集に努め,平静を保ち,流言飛語に惑わされたり,群集心理に巻き込まれることのないよう注意して下さい。

(2)当大使館への通報等

ア.当大使館より邦人の皆様に情報を提供しますが,それと同時に邦人の皆様が入手された情報で必要があると考えられるものは,随時当大使館に直接または各団体を通じて通報して下さい。他の在留邦人の方の貴重な情報となります。在留邦人の間で情報の共有に努めるようにしましょう。

イ.自分や自分の家族または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及び,または及ぶ恐れがあるときは,迅速かつ具体的にその状況を当大使館に報告して下さい。

ウ.緊急事態発生の際には,お互いに助け合って対応にあたることも必要になります。当大使館より在留邦人の方々にも種々のご助力をお願いすることもありますので,その際にはよろしくお願いします。

(3)国外への退避

ア.事態が悪化し,各自または所属先の会社等の判断により,或いは当大使館からの情報に基づき自発的に帰国若しくは第三国へ退避する場合,その旨を当大使館及び緊急連絡網の前の方に通報して下さい(当大使館への連絡が困難な場合は,日本の外務省領事局海外邦人安全課(TEL:81-3­5501­8160)等へ通報するよう努力して下さい)。

イ.当大使館が「退避勧告」を発出した場合,一般商業便が運行している間には,可能な限り早急に国外へ退避して下さい。
一般商業便の運行がなくなった場合,或いは満席で取れない場合等には,チャーター便等の手配により(これらの利用にあたっては通常は片道エコノミー正規料金の支払いが必要となります。但し,後払いが可能です),或いは,状況によっては陸路のルートを利用して退避することが必要となることもあり得ますので,当大使館の指示に従うようにして下さい。

ウ.事態が切迫し,当大使館より退避または退避のための集結を指示された場合には,上記1.(2)イ.で指定した緊急避難先に集結して下さい。
その際,しばらくの間,避難先で待機する必要がある場合も想定されますので,旅券,現金等と共に,可能な限り上記1.(3)イ.の非常用物資を持参下さるようお願いします。
他方,緊急時には自分及び家族の生命・身体の安全を第一に考え,その他の携行荷物は必要最小限にして下さい。
なお,緊急事態発生時には,場合により当大使館にて避難先への交通手段をアレンジすることもあります。

エ.当大使館で検討したカラカス及び近郊の方々の集結場所及び国外退避のルートは以下の通りです。
大使公邸集合 →陸路→ マイケティア空港(若しくはバレンシア空港)→空路→ マイアミ空港(若しくはアルーバ,ニューヨーク,メキシコ等もあり得ます)。

3.緊急事態に備えてのチェックリスト
(1)旅券,身分証明書等

ア.旅券については,常時6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認しておいて下さい(6ヶ月未満の場合には,当大使館に切替発給の申請をして下さい)。また,旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいて下さい。
なお,国外への退避に際し,ベネズエラ滞在査証の更新等のために手元に旅券がない場合には,当大使館に早めにご相談下さい。

イ.当国における身分証明書(Cedula de Identidad)は携帯が義務付けられており,その所在については常に留意しておいて下さい。

ウ.国外に退避する場合,その時に慌てて査証申請を行っても間に合わないことが考えられます。退避先として適当と考えられる国(例えば,米国又は米国経由で日本へ行く可能性が高いことから,不穏な情勢の見通しとなる場合には,予め米国)の査証を取得しておくことをお勧めします。

なお,IC旅券を含む機械読みとり式の日本旅券所持者が,米国査証を取得せず短期滞在資格で米国に入国するためには,2009年1月12日以降,電子渡航認証システム(ESTA)での認証を受けなければならなくなりましたので,予め右認証手続きを終えておく等,特にご注意下さい。

(2)お子さんを伴っての出国

2000年7月より,18歳未満のお子さんが両親とともに外国に旅行出来ず,どちらか片方と旅行する場合,許可証の取得が必要となっております。弁護士等と相談し,公証人役場(Notaria Publica)等において手続きを行っておくことをお勧めします(公証人役場により対応が異なる場合が多々ありますが,6ヶ月有効の許可証を入手できる場合もあるようですので,弁護士等とよく相談の上手続きして下さい。)

(3)現金,貴金属,貯金通帳等の有価証券,クレジットカード

これらの物品は旅券同様に直ぐ持ち出せるよう保管しておいて下さい。現金については,家族全員が10日間くらい生活できる程度の現地通貨を予め用意しておくことをお勧めします。また,国外退避の場合に備えて外貨(退避先での諸費用等のため)の用意もお勧めします。出国する場合の航空券,出国税及び空港使用料の用意も必要です。

(4)自動車の整備等

ア.自動車をお持ちの方は常時整備しておくよう心がけて下さい。

イ.燃料は常時十分入れておくようにして下さい(燃料タンクの目盛りの半分以下にならないように心がけてください)。

ウ.車内には,常時,懐中電灯,地図,ティッシュ等を備えおき下さい。

エ.自動車をお持ちでない方は,近くにお住まいの自動車をお持ちの方と平素から連絡をとり,必要な場合に同乗できるよう相談しておいて下さい。

(5)携行品の準備

避難場所への移動を必要とする事態に備え,上記(1)~(3)に加え,次の携行品を備えておき,直ぐに持ち出せるようにしておいて下さい。

ア.衣類・着替え(長袖,長ズボンが賢明。行動に便利で,殊更人目を引くような華美でないもの,麻,綿等吸湿性,耐暑性に富む素材が望ましい)

イ.履物(行動に便利で,靴底の厚い頑丈なもの)

ウ.洗面用具(タオル,歯磨きセット,石鹸等)

エ.非常用食糧等
しばらく自宅待機する場合も想定して,米,調味料,缶詰類,インスタント食料,粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員で10日~2週間くらい生活できる量を準備しておいて下さい。
自宅から他の場所へ避難する際には,この中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルクを,また,ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい)を携行するようにして下さい。

オ.医薬品等
家族用常備薬の他,常用薬,外傷薬,消毒用石鹸,衛生綿,包帯,絆創膏。

カ.ラジオ
NHK海外放送「ラジオ日本」等の短波放送が受信できる電池使用のもの(電池の予備も忘れないようにして下さい)。

キ.その他
懐中電灯,予備の強力バッテリー,ライター,ろうそく,ナイフ,缶切り,栓抜き,紙製の食器,割り箸,固形燃料,簡単な炊事用具,可能ならばヘルメット。

Ⅳ.結語

当国では,これまでにも,内乱,クーデター,自然災害といった緊急事態が発生しております。緊急事態が発生した際には,当大使館としては可能な限り在留邦人の皆様に情報を提供するとともに,全力でその対応に当たりますが,その様な状況下では,まず各人が責任をもって自己の安全対策に万全を期することが必要です。

そのためには,常日頃よりテレビや新聞で報道される犯罪やテロ事件等の状況に関心を持ち,安全対策に必要な情報収集に努めるとともに,他の邦人の方々との連絡網を機能させるために常に連絡を取り合う等,有事の際を想定した準備をしておくことが最も重要です。

最後に,当大使館では,邦人の方々の安全のために「安全情報」等の情報提供を中心として対策を講じておりますが,皆様のご意見ご要望を頂き,より充実した安全対策を目指しておりますので,些細なことでも構いませんので,ご遠慮なくご一報頂けますようお願いします。

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