在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
在トルクメニスタン日本国大使館
(平成23年12月26日現在)
海外生活を送る上での最も留意すべきことのひとつは、事件、事故等の被害に遭うことなく、安全で快適な生活を営むことだと思います。
トルクメニスタンでは、全般的に治安情勢は安定していますが、過去にはアシガバット市内において麻薬密売人と治安当局との間で銃撃戦が行われたことがある等、必ずしも安全であるとは言えない状況にあります。またイランやアフガニスタン、中央アジア隣国の情勢変化により、一気に治安が悪化する恐れもあります。
このマニュアルは2部構成となっています。犯罪や事故の未然防止を目的として基本的な事項を「Ⅱ 防犯の手引き」としてまとめるとともに、生命、身体、財産の安全に係る緊急事態発生時の行動指針を「Ⅲ 緊急事態用対処マニュアル」としてまとめています。
皆様の安全対策の見直しの一助となれば幸いです。
トルクメニスタンは、大統領の個人崇拝を強化し、情報統制を敷いているため、通常機国家機密と考えられる情報の他に、交通事故統計や一般犯罪統計さえも公表されておりませんので、正確な治安情勢を把握することができません。全体として、統制国家における治安機関の活発な活動や穏やかな国民性から、体感治安としては安定しているように感じますが、眞kの区菜麻薬問題や高い失業率、その他にも外国人労働者の増加等、犯罪を誘発する要因は他の中央アジア諸国の治安情勢と差がないと考えるべきですので、以下の点に注意してください。
どんなに安全な地域に住んでいても,事件・事故に巻き込まれる可能性はあります。自分と家族の安全は自分達全員で守るとの心構えが極めて重要です。
「予防」こそが最良の危機管理であることを認識して,そのために努力を惜しまないことが肝要です。
「備えあれば,憂いなし」,常に最悪に事態を想定し,物心両面の準備を万全にしておく必要があります。
「目立たない」,「行動のパターン化を避ける」,「用心を怠らない」が海外で安全に生活するための三原則です。現地の文化,風俗,価値観を十分考慮した上で行動することが望ましく,「郷に入っては郷に従え」の精神が重要です。
在留邦人,コンパウンドコミュニティー,職場等様々な形で情報や援助を差しのべてくれる個人や組織と安全確保のためのネットワーク作りを心掛けることが大切です。
「精神」と「健康」のバランスを図ることが重要です。適度な運動等自分なりにリラックスできる方法を見出すことをお勧めします。油断が生じないよう必要な時に緊張を持続し得るのも,精神と健康のバランスが保たれてこそと言えます。
トルクメニスタンの都市部では集合住宅が一般的ですが,隣接する建物や無防備な入口からの侵入盗への備えを怠らないでください。入居を決める前には,以下の点にご注意下さい。
ア 必ず現物を見て入口の鍵(できれば2つ以上),内鍵(門やチェーン・キー等)が整備されていること。
イ 可能な限り建物入口に警備員が常駐していること。警備員の常駐が望めない場合でも,なるべく堅牢な入り口で,夜間施錠されるアパートであること。
ア 戸締まり,施錠を確認しているか。
イ 一見して留守と分かる書き置きをドア等に張っていないか。
ウ ラジオ,或いは部屋の一室の電灯をつけたままにしておく等,家人がいるように見せる工夫をしているか。
エ 出勤経路等,日常の行動パターンを意識的に変えているか。
オ 夜間の外出は必要最小限度にする。
カ 貴重品や多額の現金を持ち歩かない。
キ 時々後ろを振り返り警戒する。
トルクメニスタンでは、多くの国民が利用する路線バスやタクシー等がありますが、運行が不定期であり、決して安全ともいえないため、自動車の所有をお勧めします。当地では各所で交通警察が取り締りを行っていますが、一般的に交通マナーは悪く、信号無視、急な車線変更、右左折時の方向指示器の不点灯が多くみられます。車検制度がないために整備不良車が多く、制動灯、方向指示器等がそもそも点灯しない車もあります。また、歩行者優先という意識がないために横断歩道を渡る際にも十分注意が必要です。
(1)運転免許証、旅券等の身分証明書、車検証等は必ず携行し、交通規則を順守してください。
(2)当国においても任意保険はあるものの、その保障額は十分なものではありませんので、日本で交通事故も補償する保険に加入しておくことを勧めます。
(3)万一車を盗まれたら,直ちに登録番号,形式,塗色,場所等を警察に通報して下さい。
(4)交通事故の当事者となった場合は、車を移動させずにそのままの状態にして、負傷者の救護措置(救急車の要請)を行い、警察へ通報してください。
テロの発生は確認されておりませんが,アフガニスタン,イラン,ウズベキスタン,カザフスタンと国境を接していることから,現下のイラン情勢やアフガニスタン情勢,あるいは他の中央アジア諸国における政治動向やイスラム過激主義勢力の動向次第では,今後テロが発生しないとは限りません。
テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の点に注意しましょう。
ア 新聞,テレビのテロ関連情報に気を配る。
イ 列車,バス等の公共交通機関や市場等の不特定多数の者が集まる場所には,出来る限り近づかない。
ウ 独立記念日等の祝祭日や特別な行事が開催されるときには不必要な外出を控える。
エ 夜間の不必要な外出は控え,やむを得ず外出する際には,エスコートや地理に精通した者を同行させる。
オ 車両での移動時は,待ち伏せ襲撃があることを念頭に周囲の警戒を怠らない。
カ 爆弾テロに遭遇した場合は,窓から離れ,爆風によるガラス破片が降りかからない壁際の机の下などに隠れ,周囲の状況を確認したうえで避難する。
キ 近くで銃声が聞こえた場合は,すぐ地面に伏せ,周囲の状況を確認したうえで低姿勢で移動し遮蔽物などに身を隠す。
ア 常に身の回りを整理整頓し、爆発物を置かれない環境づくりをする。
イ 自宅や事務所等の周囲を点検する癖をつける。
ウ 事前に連絡を受けている来訪者でも、施設の出入口で荷物の確認を行い、不審物を持ち込ませない。
エ 不審物は,むやみに触れず、すぐに警察に通報する。
幸い邦人が誘拐事件の被害に遭った例は当国においてありませんが,誰でも誘拐事件の対象になる可能性があることを念頭に日頃から注意を怠らないことが大切です。「いつもと違うなぁ」と思った時は,そのままにしないで,必ず確認する習慣をつけましょう。ちょっとした注意で事件の兆候を発見できることがあります。
(1)日本大使館(電話:47 70 81 または 47 70 82,ファックス:47 70 83)
ア 開館日は祝祭日を除く月曜日から金曜日です。
イ 時間外,休館日の緊急連絡番号:8-65-71 20 37(領事担当)。
(2)消防:01
(3)警察:02
(4)救急:03
(5)ガス漏れ:04
(6)交通事故:90-88-01
緊急事態に際して皆様が取り得る対策としては、「外出を控える」、「会社等の指示に従い帰国する」、「日本大使館に連絡する」、「チャーター機等で国外脱出する」等の段階がありますが、いざという時に適切な行動がとれるよう、緊急事態に備えた以下の準備をしておくことが大切です。
(1)大使館に在留届を提出する。
(2)緊急事態発生時の安否確認及び緊急退避のための連絡は,大使館備え付けの「緊急連絡網」により行うので,記載事項に変更が合った場合は,当大使館まで速やかに連絡する。
(3)緊急事態の発生が予想される場合は、旅券、現金、貴重品とともに数日分の衣類や非常食をすぐに持ち出せるよう、荷物をひとつにまとめておく。
(4)平素より自動車の整備を万全にしておき、燃料は十分入れておく。
(5)緊急事態が発生した場合、食料、飲料水、一薬品が不足することがあるので、日頃から非常用物資の備蓄に心掛ける。
身近でテロや銃撃戦等が発生した時は、生命・身体の安全を第一に考え、可能な限り直ちに現場から離れ、自宅やホテルなど安全な場所へ避難してください。その上で日本大使館に連絡を取り、被害の有無、現在の状況を伝え、避難等に関する指示を受けてください。家族や知人等が事件や事故に遭遇した場合にも、直ちに日本大使館に連絡を取り、対応を相談してください。
(1)日本大使館が発する情報の入手に努め、流言に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることなく冷静に行動する。
(2)職場、家庭等で得た情報は日本大使館と共有し、情報の真偽を確認する。
(3)緊急事態が発生し、自力での国外脱出が不可能な場合には、日本大使館へ避難する。
旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。下段に血液 型を記入しておくと良いでしょう。また,当国における滞在許可証等はいつでも持ち出せるようにしておいてください。
これらの物は旅券同様にすぐに持ち出せるよう保管しておいてください。現金は家族全員が10日間生活でき、近隣諸国へ避難できる航空チケットを購入できる程度の外貨(米ドル)、及び当座必要な現地通貨をあらかじめ用意しておくことをお勧めします。
ア 自動車をお持ちの方は常時整備して,燃料を十分に補給しておくよう心掛けてください。
イ 車内には,常時,懐中電灯,地図,ティッシュ等は備えておいてください。
避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記(1)から(3)に加え、次の携行品を備えておき、直ぐに持ち出せるようにしておいてください。
ア 衣類(長袖,長ズボンで行動しやすく,華美な物でないもの。麻,綿等吸湿性,耐暑性に富む素材が望ましい。)
イ 履物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なものが望ましい)。
ウ 洗面用具(タオル,歯磨きセット,石鹸等)
エ 非常用食料等
しばらく自宅待機する場合も想定して,米,調味料,缶詰類,インスタント食品,粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員で10日間程度生活できる量を準備しておいてください。自宅から他の場所へ避難する際にはこの中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルク,ミネラルウォーターを携行するようにしてください。
オ 医薬品等
家族用常備薬の他,常用薬,外傷薬,消毒用石鹸,衛生綿,包帯,絆創膏。
カ その他
懐中電灯,予備の強力バッテリー,ライター,蝋燭,マッチ,ナイフ,缶切り,栓抜き,紙製の食器,割り箸,固形燃料,簡単な炊事用具,可能であればヘルメットならびに防災頭巾(応急には椅子用クッション)。