在留邦人向け安全の手引き 在トルコ日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


在トルコ日本国大使館在イスタンブール日本国総領事館
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トルコ生活安全の手引き

2012年3月1日

在トルコ日本国大使館
Resit Galip Cad. No.81 G.O.P Ankara
電話: 0312-446-0500(24hours) Fax: 0312-437-1812
ホームページ: http://www.tr.emb-japan.go.jp別ウインドウが開きます
Eメール: ryoji@an.mofa.go.jp(領事班)
開館時間:9時00分-17時30分(月曜-金曜 但し13時00分-14時30分除く)

はじめに

皆さんようこそトルコへ。

ここトルコは比較的治安もよく,日本人が生活する上で安全面の心配はあまりないと言われています。トルコ国民も概して親日的といわれており,いろいろ親切にしてくれる人もたくさんいることと思います。

観光地や繁華街等で,盗難など不慮の犯罪にあったり,お土産品の購入を金銭上のトラブル等により,楽しいトルコでの生活が台無しになった例があるのも事実です。

海外で生活する上で決して忘れてならないのは,「自分の身は自分で守る」という心構えです。日本のようにすべてのサービスがすみやかに受けられるとは限りません。助けを求めようにも,意志疎通がなかなかうまく行かないのが普通です。

いくら普段危険を感じることはないとはいえ,ここは外国であり,文化も習慣も決して一緒ではないということを十分認識され,油断することなく,常に身の安全に気を配りつつ,安全で楽しいトルコでの生活をお送り下さい。

この手引きが,皆さんがトルコで安全な生活を送る上でお役に立てれば幸いです。

2012年3月1日
在トルコ日本国大使館

目次

Ⅰ 防犯の手引き

  1. 治安情勢
    • (1)一般治安
    • (2)テロ
  2. 日本人の犯罪被害例
    • (1)盗難
    • (2)すり
    • (3)ひったくり
    • (4)ニセ警官による金品詐取及び強盗
    • (5)路上強盗
    • (6)詐欺
    • (7)暴力バー
    • (8)性犯罪
  3. 犯罪の被害から身を守るために
    • (1)身を守るための基本
    • (2)住居の安全
    • (3)外出時の安全
  4. 気をつけてください!
    • (1)写真撮影にご注意!
    • (2)薬物犯罪にご注意!
    • (3)不法就労にご注意!
    • (4)政治的活動にご注意!
    • (5)不敬罪にご注意!
    • (6)骨董品の購入・持ち出しにご注意!
    • (7)喫煙にご注意
  5. 交通事情と安全対策
  6. テロの被害に遭わないために
  7. 一般生活上のアドバイス
    • (1)風俗,習慣
    • (2)国民性
    • (3)衛生事情
    • (4)病気

Ⅱ 緊急事態対処手引き

  1. 普段から備え
    • (1)在中届の提出
    • (2)緊急時連絡方法の申し合わせ
    • (3)移動手段の備え
    • (4)情報収集
  2. 緊急携行品の準備
  3. 緊急事態が発生したら?
    • (1)家族の無事を確認しましょう
    • (2)日本の家族や関係者へ連絡しましょう
    • (3)情報収集に努めましょう
    • (4)避難するかどうか見極めましょう
  4. 避難するときには注意しましょう
  5. 大使館からのお願い
    • (1)大使館はこうします
    • (2)混乱が予想されます
    • (3)これだけはお願いします!

Ⅲ 参考資料

  1. 緊急連絡先
  2. ホームページのご案内
  3. いざというとき役に立つトルコ語

Ⅰ 防犯の手引き

1 治安情勢
(1)一般治安

トルコ内務省が発表している最新の犯罪統計(2006年中)によると犯罪発生率(人口10万人当たりの発生件数)は,日本と比較しても,殺人や強盗等の凶悪犯は高いものの,刑法犯の総数や窃盗犯は日本よりも低く,治安は比較的良いと言えます。

しかしながら,トルコ国内で一見して外国人と分かる日本人は,犯罪のターゲットとなり易く注意が必要です。

(2)テロ

トルコでは,反政府武装組織クルド労働者党(PKK:別名「クルド人民会議(KONGRA-GEL)」)又は関連組織等によると思われる爆弾事件等のテロ事件がイスタンブールや南東部の都市等において発生しています。2010年10月にはイスタンブール市タクシム広場内の県警機動隊待機場所に対する自爆テロを敢行し,警察官・市民32人が負傷し,2011年9月にはアンカラ市中心部において,LPG自動車に仕掛けた爆弾を爆発させ,民間人4人が死亡,33人が負傷しました。

また,アル・カーイダ関係組織は,2003年11月,イスタンブール市の英国総領事館など市内4か所で多数の死傷者を出す大規模な爆弾テロ事件を実行しました。その後は,大規模なテロ事件を起こすに至ってはいませんが,2008年7月,アル・カーイダ等過激思想の影響を受けた3人のテロリストによる在イスタンブール米総領事館襲撃事件が発生し,トルコにおけるイスラム過激主義者の潜在的脅威が再び表面化しました。

※ トルコ国内の詳しい治安情勢等については,以下のホームページをご覧下さい。

2 日本人の犯罪被害例

日本人が実際に被害者となっている事例と,これに対する防犯対策は次のとおりです。

(1)盗難
事例
中級以下のホテル室内での盗難事件,お店で買い物中の隙を狙ってポーチやハンドバッグ,デイパックの盗難事件などが発生しています。
対策
身の回り品,特にパスポートや現金その他貴重品には十分気を付けて下さい。
(2)すり
事例
人混みに紛れて,着衣のポケットやカバン類から抜き取るという手口のほか,複数で取り囲み,話しかけたり物を売りつけるふりをして強引に金品を抜き取ったり,喧嘩を装い,故意にぶつかり被害者を巻き込み,その間に財布を抜き取るという手口もあります。
対策
目的地を探すため路上で地図を見たり,ショー・ウィンドウをのぞき込んだりしている時は,身の回りへの警戒心がついゆるんでしまいがちです。どのような時でも,決してスキを見せないように心掛けて下さい。
(3)ひったくり
事例
車やオートバイに乗って,あるいは走りながらショルダーバックやハンドバックなど手荷物をひったくる手口です。
対策
道路側に手荷物をさらさないよう気を付けて下さい。また車やオートバイに乗った犯人からひったくられそうになったとき,取られないようにしっかり持ったりすると,そのまま引きずられて大けがをしたり(実際に重傷を負ったケースが発生しています),場合によっては命に関わる事態になることもあり得ますので,くれぐれもご注意下さい。
(4)ニセ警官による金品詐取及び強盗
事例
警察官と称して,英語や日本語で「にせ札事件の捜査をしているので財布を見せて欲しい」と申し向け,被害者が気づかないうちに財布から現金やクレジットカード等を抜き取るという手口です。
対策
通常このような方法で事件の捜査を行うことは考えられず,ましていきなり財布を提示するよう求めることはあり得ないことです。
提示を求められた場合には,まず相手の身分を確認(トルコの私服警察官は,「Polis」と書かれた写真入りのカード式身分証明書又は銀色のバッジを持っています)した上で,大使館若しくは総領事館に連絡を取るよう求め,さらには警察署か宿泊先ホテルのロビー,日本大使館若しくは総領事館内でなら応じると,毅然とした態度で対応して下さい。
(5)路上強盗
事例
旅行者を装い親しく声を掛け,人気のない公園などに連れて行き,待ち伏せしていた仲間と共に暴行を加え,金品を強奪するという手口です。
対策
たとえ親切にされ,意気投合したとしても,初対面の人を全面的に信頼し,相手の言うがままに行動することは危険です。
また買い物に際しては,財布の中に現金がたくさんあるのを見られると狙われるおそれが十分にあります。支払いの際には財布の中身が見えないように配慮するほか,財布をしまう場所も悟られないように注意して下さい。
なお,トルコでは許可があれば銃器の所持が認められており,一般市民でも銃器を携行している人もいます。強盗犯が銃器を所持している可能性もあるので,むやみに抵抗するとかえって危険です。
(6)詐欺
ア 高額じゅうたん販売
事例
イスタンブール市内では,じゅうたんの購入に関する詐欺が発生しています。安いじゅうたんに非常に高い値段をつけておき,大幅に割り引いたと思わせて売りつけるというものです。
対策
購入後の返品は難しいので,信頼のおける店で,十分納得してから購入することをお勧めします。
イ 結婚(恋愛)詐欺
事例
イスタンブールでは,日本人女性を狙った詐欺が報告されています。男性が気易く声を掛けてきて,交際や結婚を申し込み,相手をその気にさせてから借金の肩代わりや商売への出資をもちかけたり,じゅうたんを高く買わせるなど,言葉巧みに金品をだまし取るというものです。
対策
たとえ親切にされたとしても,初対面の人を全面的に信頼し,相手の言うがままに行動することは危険です。外国人を騙そうとする者もいることを常に念頭においてください。
ウ 高額現地ツアー
事例
イスタンブール市内,特に観光客が多く集まるスルタン・アフメット地区には,トルコ国内外へのツアーを提供する旅行会社が多数あります。それらの中には,路線バスのチケットや安ホテルの予約をしたただけで「観光ツアー」と称して高額な代金を請求する悪徳業者もあります。支払いを済ませた後でツアーに参加し,内容の酷さから返金を求めても,業者は返金に応じません。
対策
現地催行ツアーに参加される場合は,事前に日本から信用のある業者を通して予約されるか,一業者の説明を鵜呑みにすることなく,複数の業者をまわり,内容をよく確認し,納得した上で参加されることをお勧めします。
エ クレジット・カード詐欺
事例
じゅうたん屋や土産物屋で,クレジット・カードで決済する際,暗証番号を機械に入力して決済することが多いですが,店側が言い値より遙かに高い金額を入力して決済させたり,暗証番号を入力しても「うまく決済できない」と言って何度も同じ金額で決済(暗証番号を入力)させる手口があります。
対策
まず,信頼できる店で買い物されることをお勧めします。
暗証番号を入力する機械には,決済する金額が表示されているので,よく確認してから暗証番号を入力してください。なお,トルコの金額表示ではトルコ・リラ未満の補助通貨単位「クルシュ」も表示していることがあります。「×××.00」と表示されていれば,下2桁の「00」は「クルシュ」を表示しています。「×××,000」と表示されていれば,下3桁の「000」はトルコ・リラを表示しているのでご注意ください。
また,ご自分のクレジット・カード利用限度額の残りを把握し,十分決済できるはずなのに店側が「決済できない」と言ってきた場合は,機械から印刷されるレシート(トルコ語で記載されている)を受け取り,信頼できるトルコ語を解する人に確認して貰うなどしてください。
(7)暴力バー
事例
男性旅行者を対象とした,いわゆる「ぼったくり」も発生しています。街を歩いていると親しげに声を掛けられ,会話も弾んだところで「知っている店があるから一緒に飲みにいこう」と誘われます。店では女性が隣に座り,接客に当たるほか一緒に飲食をします。いざ支払いになると,少しの時間いただけでも日本円で数十万に相当する金額を請求され,支払いを渋ると別室に連れて行かれ,大柄で強面の男達に囲まれるといった状況で支払いを強要されるというものです。カードで支払った人の中には,あとで引き落とされた金額を見ると,店で支払いを強要された金額よりさらに多額の金額を請求されているといった例もあります。
対策
たとえ親切にされ,意気投合したとしても,初対面の人を全面的に信頼し,相手の言うがままに行動することは危険です。また誘惑に駆られて怪しい店で飲酒した場合,海外では時には生命身体の危険を伴うおそれもあるので,十分ご注意下さい。
(8)性犯罪
事例
特に女性の個人旅行者が被害に遭うケースが多いです。日本語や英語で親しげに話しかけ,食事に誘ったあとアルコール度数の強い酒を飲まされた後に乱暴された例やじゅうたん屋の奥の部屋で襲われた例,車でホテルへ送っていくと言われ,そのまま人気のない場所へ連れて行かれ乱暴された例などがあります。
対策
たとえ親切にされたとしても,初対面の人を全面的に信頼し,相手の言うがままに行動することは危険です。服装や言動にも注意し,相手が犯罪を起こす気になるような「隙」を見せないようにすることも大切です。また,できるだけ複数人で行動したり,トルコ国内でも携帯電話が使用できるようにし,何かあれば大使館,総領事館や警察(155番)に連絡できるようにしておかれることをお勧めします。
3 犯罪の被害から身を守るために

犯罪の被害から身を守るため,以下のようなことに気をつけて下さい。

(1)身を守るための基本
  • 日本では考えられないようなことが,突然起こり得るということを認識しましょう。
  • 何かあったときにどうするか,普段から日本の家族や関係者と話をしておきましょう。
  • どんなに親切にされても,警戒は怠らないようにしましよう。
  • 流ちょうな日本語で,甘いほめ言葉やおだてを言う人には関わらないようにしましょう。
  • いざ犯罪の被害にあったときには,まず身の安全を第一に考えて行動しましょう。
  • 生活の安全に関して相談したいことがあれば,大使館(領事班)に連絡しましょう。
(2)住居の安全
  • 泥棒を防ぐには,侵入しにくい1階(日本の2階)以上を選定する方がよいでしょう(特に一人暮らしの女性)。
  • 建物の入口で相手を確認してから中に入れることができる構造がよいでしょう。
  • 家にいるときも必ずカギをかけましょう。「ちょっとそこまで」のときも必ずかけましょう。
  • 窓のカギも忘れないでかけましょう。
  • 玄関のカギは二つ以上つけることが望まれます。
  • できれば引っ越した先のカギは替えてもらいましょう。
  • 見知らぬ来訪客は,ドアスコープ,インターホン越しに対応しましょう。
    これらの設備がない場合でも必ずドアチェーンをしたままで対応しましょう。容易にドアを全部開けてはいけません。
  • 車に乗る前には,不審点がないか点検しましょう。
  • 長期間外出するときは,貴重品は家に置かないようにしましょう。
  • 見知らぬ人からの手紙や荷物の開封には,十分注意しましょう。
  • 使用人やカプジュ(管理人)が信頼できるかどうか,よく確かめましょう。
(3)外出時の安全
  • 貴重品には常に気を配りましょう。
  • 道路を歩くときは,カバンなどは建物や壁側に持つようにしましょう。
  • カバンをひったくられそうになったときは,大声を出すとともに,引きずられてケガをしないよう,必要以上に抵抗しないようにしましょう。
  • イスラム教徒が大半を占める国であることから,過度に肌を露出した服装は控えましょう(特に女性)。
  • 夜間の一人歩きは,できるだけ避けましょう。
  • 夜間一人でタクシーを利用するときは,電話で呼べるタクシーを利用しましょう。
4 気をつけて下さい!(トラブルにならないために)
(1)写真撮影にご注意!

許可を得ないで軍や警察関係施設の撮影はしないでください。無断で写真撮影している現場を発見されると,場合によっては逮捕・拘留されることもあり得ます。もしどうしても記念撮影を希望する場合は,あらかじめ施設関係者に許可を申し出て下さい(但し許可されるとは限りません)。

要人の滞在するホテル周辺などでは,警護担当官が撮影を禁止する場合もあります。

また博物館や美術館での撮影は,あらかじめ施設管理者の注意事項を確認する必要があります。

(2)薬物犯罪にご注意!

トルコは,地理的に薬物密輸のルートになりやすいため,薬物犯罪対策に力を入れており,薬物の不法所持には厳しい刑罰が科せられます。

近年,イスタンブール等で,麻薬を運ぶ運搬役として日本人数名が逮捕されています。

薬物犯罪に巻き込まれないため,次のようなことに,ご注意下さい。

  • 誘いかけには絶対に興味を示さないこと。
  • 現地で知り合った人に小荷物の運搬を依頼され,中身を確認せず安易に引き受けると,本邦帰国時や他国入国時に中に薬物が入っていることが発見され,逮捕されることもあるので,知人などよほど信頼のおける人からでない限り,そういった依頼は引き受けないこと。
  • なお,鎮静剤等の医薬品で,麻薬類の成分を含有するものを携帯する場合には,医師の診断書・使用許可証等を取得・携帯しておくことをおすすめします。
(3)不法就労にご注意!

就労査証を取得しないで就労していることが発覚した場合は,罰金や国外退去処分などの措置に処せられます。

また2012年2月から,滞在許可証(イカメット)の発給を受けない短期滞在者の滞在期間に関し,「180日間の内に合計90日間を超えないもの」との運用変更がなされています。不法就労だけでなく,滞在期限前に一旦トルコから出国しても,上記180日間の内に合計90日間を超えての滞在はできませんので,上記期間を超過して滞在予定の方は,①すでにトルコ滞在中の方は,各県警外国人課にて滞在許可証の発給を受け,②トルコ入国予定の方は在京トルコ大使館にて査証を取得し,入国後1か月以内に各県警外国人課にて滞在許可証の申請をしてください。

(4)政治的活動にご注意!

反国家的な政治関係出版物・活動,政治犯に対する取締りは一般的に厳しく,過去に,禁止された宗教団体のメンバーと接触した日本人留学生が,当局から監視されたケースがあります。また,政治団体事務所を訪問した日本人旅行者が当局により質問を受けたケースもあります。

デモなどが市街地で行われることは多く,これに対する警察の規制は厳しく,参加者が少しでも警察官に手を出したりすると,放水や催涙ガス等,実力行使で容赦なく鎮圧に当たることもあるので,絶対に近づかないで下さい。

(5)不敬罪にご注意!

トルコ共和国建国の父,ケマル・アタテュルクを冒涜するような行為(批判,悪口など)は処罰の対象となります。邦人観光客が,小学校の校庭に設置しているケマル・アタテュルクの胸像の頭部にトマトを載せて写真撮影したところ,警察に一時身柄を拘束された例もあります。

(6)骨董品の購入・持ち出しにご注意!

骨董品の国外持ち出しについては,4~10年の懲役または罰金刑が設けられています。

この法律は,過去に多くの文化財等の骨董品が国外に持ち出されたために制定されたもので,たとえ保護の対象となるものであることを知らなかった,あるいは知らないことにつき過失がなかった場合(善意無過失)でも罪に問われるので,一般の土産店でも骨董品らしき物品(古いじゅうたんを含む)の購入には注意が必要です。

(7)喫煙にご注意!

2008年7月から建物内での喫煙を規制する法律が施行されました。導入から一定の期間は,レストランやクラブでの喫煙は例外として許されていましたが,2009年7月からは,例外なく建物内での喫煙は禁止され,違反すると罰金を科されることになります。

5 交通事情と安全対策

トルコは,交通事故が多く道路事情も芳しくなく,交通環境は良好ではありません。市街地の道路には,配管工事の際に掘られた後がそのまま放置され,ところどころ凹凸があったりするなど,これらにタイヤを取られないよう運転には注意が必要です。郊外の道路は,照明が不十分なので,夜間の運転には特別の注意が必要です。

交通マナーも良いとは言えず,信号無視,一方通行逆走,猛スピードで乱暴な運転をする車両が多数見受けられます(特にタクシー,「ドルムシュ」と呼ばれるミニバス)。事故に巻き込まれないため,自己防衛に細心の注意を払う必要があります。

市街地でも信号と横断歩道の位置関係がわかりにくく,明らかに車両が歩行者より優先しており,道路を横断しようとしている歩行者を見つけて停止する車はほとんどいないので,街中を歩いて移動する際も十分な注意が必要です。 また歩行者自身のマナーも決して良いとは言えず,車両の間を縫うようにして道路を横断しており,運転の際は注意が必要です。

郊外の道路は,比較的交通量も少なく,一見走りやすい道路が多いですが,その分スピードを出す車も多く,対向車線にはみ出して無理な追い越しをかける車も見られます。特に見通しの悪い丘陵の頂上などは,突然対向車が現れることもあるので要注意です。

もし事故を起こした場合,あるいは巻き込まれた場合は,現場を動かさず,離れず,直ちに警察を呼んで,その到着,指示を待って下さい。事故に巻き込まれた場合には,警察官の実況見分が終わって,先方の当事者と警察官が現場を離れるのを確認してから現場を離れて下さい。先に離れると,相手方が警察官に賄賂を渡したりして,自分の都合のいいように調書などを書き換えさせることがあります。

また,2008年4月1日から物損交通事故の新処理システムが実施され,事故当事者全員が同意し指定の様式を作成した場合,警察の介入を要請する必要が無くなりました。しかしながら,事故現場において,トルコ語で自己の言い分を主張し他の当事者を納得させ事故状況レポートを作成することは,とても難しいことだと思われますので,物損交通事故の場合であっても,これまでと同様に警察を要請することをお勧めします。

6 テロの被害に遭わないために

トルコで,日本人や日本関係の施設がテロの対象とされているという情報やその兆しは,今のところありません。従って,当地でもっとも気をつけなければならないのは,テロの被害に巻き込まれることだと言えます。

突発的に発生する事件に巻き込まれないようにするのは非常に難しいところですが,次のようなことにご留意下さい。

  • 自分の出かけるところについての情報を,あらかじめよく調べておく。
  • 所有者の明らかでない放置されたカバン,バック,袋,包みなどの不審物に近づかない。
  • 公園のベンチなどを利用する際には,足元や周囲に不審なものがないか常に気を配る。
  • 周囲に警察官や警備員が見当たらなかったり,入口でのセキュリティチェックが行われていないなど,警備が十分施されていない施設の利用は控える。
  • 街頭のゴミ箱にはなるべく近づかない。
  • 街頭で人が参集したり,爆発音がした等不審な動向がある場合には,野次馬とならずにその場から離れること。

また,万一こういった事件に遭遇した場合には,あわてず,まわりの状況を見ながら落ち着いて行動するとともに,直ちに家族や大使館・総領事館に連絡するようにしましょう。

7 一般生活上のアドバイス
(1)風俗,習慣

政教分離政策が進んだ国ですが,国民のほとんどがイスラム教徒ですので,イスラム教批判や宗教論議は行わない方が賢明です。食事・服装について,特別な留意は必要ありませんが,宗教色の強い保守的な地域(主として農村部や南東部県)では,周囲の雰囲気をよく見つつ,肌を過度に露出するような服装は控えた方が良いと思われます。

飲酒も他のイスラム教国に比較して自由であり,都会や観光地では,多くのレストランで飲酒ができる他,商店での購入も容易です。但し飲酒運転,泥酔・酪酊し他人に迷惑をかける行為は厳しく罰せられます。

(2)国民性

一般的に明るく陽気で,概して親日的と言われています。一方で,窃盗や詐欺の被害もある他,高価なじゅうたんの購入を巡ってトラブルになったりするケースも多数報告されています。

親切な人がほとんどですが,残念ながらそういった気持ちを無にするような人がいるのも事実です。初対面の人の言うことを全面的に信頼して行動することは危険です。特に街角でいきなり気安く声を掛けてくるような人は,相手にしない方が賢明です。

(3)衛生事情

夏期に,飲食物が原因と思料される腹痛・下痢を訴える人が多く,食中毒の発生もあります。

あまり客の回転のよくないレストランでは,古い食材を使っていることもあるようですので,お店の状況をよく見て食事することが望まれます。

飲料水は市販のミネラルウォーターで,栓の開いていないものを飲むことをおすすめします。水道水は飲まない方が賢明です。

生野菜も,水道水を使用して洗っているので,胃腸の弱い人は,信頼のおけるレストラン以外では食べない方がよいと思われます。

氷も水道水が使われている可能性があるので,胃腸の弱い人はできるだけ避けるほうがよいと思われます。

(4)病気

市街地では,冬季に暖房を原因として空気が汚染されることや,空気が乾燥することで,のどを痛めたり風邪をひいたりすることが多いようです。

この数年,クリミア・コンゴ出血熱による死亡者数が増え,2008年と2009年は共に63人の死者が報告されています。クリミア・コンゴ出血熱ウイルスは,マダニによって媒介されるため,主にマダニの活動が活発となる春から初夏にかけ,主に黒海沿岸地域において発生しています。観光地や都市部では定期的に薬剤散布をしていますが,草むらや公園の芝生等で遊ばれた後は,ダニが体に付いていないかご確認されることを勧めます。ダニに咬まれているのを発見した際は,自分で取り除かず,医師の診察を受けてください(取り除き方を誤るとダニの一部が体内に残り,そこからウイルスに感染するおそれがあるため)。

都市によっては野犬が多く,咬傷による狂犬病の危険性もあるので注意が必要です。

2006年1月にH5N1型鳥インフルエンザのヒトへの感染が確認されました(12人感染,うち4人死亡)。同年2月以降,ヒトへの感染は確認されていませんが,家きん類や野鳥などとの接触を避けるよう御留意ください。

※ トルコの詳しい医療事情については,次のホームページをご覧下さい。

Ⅱ 緊急事態対処手引き

緊急事態にそなえて普段からどういうことをすべきか,いざ発生したときにどう対応するか等にについて,簡潔にご説明します。

※ ここで言う「緊急事態」とは,例えば

  • テロ
  • 大地震や大洪水などの大規模災害
  • 内乱やクーデター,暴動,戦争

といった,皆さんの身の安全が脅かされるおそれがあるような事態のことをいいます。

1 普段からの備え
(1)在留届の提出

法律により,外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人は,住所又は居所を管轄する日本の大使館又は総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられております。住所等が決まりましたら,必要事項を記入の上,速やかに大使館へ提出して下さい。(提出はFAX又は郵送でも可能です。なお,インターネットでも在留届が提出できます。)。

緊急事態が発生した場合には,大使館は「在留届」をもとに皆様の所在地や緊急連絡先を確認して安否確認や援護を行います。

※ 在留届の詳しいことについては,次のホームページをご覧下さい。

※ 在留届で届出した事項に変更が生じた場合(帰国,転居する際や,連絡先(電話・FAX番号,メールアドレス)が変わった場合)には,必ず大使館に連絡して下さい。

(2)緊急時連絡方法の申し合わせ
  • 一緒に住んでいる家族の間で
    • 電話で連絡が取れなくなったときの連絡方法
    • バラバラになったときの集合場所
    を決めておいて下さい。
  • 日本の家族や関係者に,緊急連絡先(複数あればなおよいです)ととも に,緊急事態が起こったらどうするかを伝えておいて下さい。
(3)移動手段の備え
  • 飛行機のチケットがすぐに購入できるところ(旅行代理店など)をチェックしておきましょう。
  • 車をお持ちの方は,まめにガソリンを補給して常に満タンにしておくことをおすすめします。
  • 車が使用できなくなったときに利用する交通手段や経路を調べておきましょう。
(4)情報収集
  • 新聞やテレビ,インターネットでニュースをチェックし,トルコやその周辺国を巡る情勢について常に関心を持つようにしましょう。
2 緊急携行品の準備

次のようなものを,いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。

  • パスポート
  • 滞在許可証(イカメット)
  • 現金
    ※ トルコ・リラと米ドル若しくはユーロの両方あればよいでしょう。
  • 水,食料
    ※ 一人3~4日分あるとよいでしょう。
    ※ 簡単に持ち運べるよう,あらかじめリュックなどに入れておくとよいでしょう。
  • 携帯電話
    ※ 充電器や予備電池もあればなおよいでしょう。

  • ※ 普段から飲んでいる薬がある場合は,必ず持ち出しましょう。
  • メモ帳・筆記用具
  • ラジオ
  • 地図・ガイドブック
  • 懐中電灯
  • マッチやライター
3 緊急事態が発生したら?
(1)家族の無事を確認しましょう。
  • 家族間で無事を確認し,みんなでできるだけ早く安全な場所に集まりましょう。
  • 近くに日本人の人が住んでいるならば,お互いに助け合い,一緒に行動するのがよいでしょう。
  • ひどいケガをしたり,いつまでも連絡が取れない家族がいる時は,直ちに大使館に連絡して下さい。
(2)日本の家族や関係者への連絡しましょう。
  • 日本の家族や関係者に無事であることを連絡しましょう。
  • 家族や関係者に連絡できなければ,大使館に連絡をして下さい。電話,FAX,メール何でも結構です。
(3)情報収集に努めましょう。
  • テレビやラジオ,インターネットなどを通じて関連情報の収集に努めましょう。
  • 流言飛語が飛び交うおそれがあります。周囲の状況をよく見極めてから判断しましょう。
(4)避難するかどうか見極めましょう。
  • 空港が閉鎖されることもあり得るので,できるだけ早めに自力で避難するのが賢明です。
  • あわてず落ち着いて行動しましょう。
  • 避難が困難な事態に陥ったときには,大使館に連絡して下さい。
4 避難するときには注意しましょう。
  • 自主的に退避するときは,必ずそのことを大使館までご連絡下さい。
  • 身動きがとれなくなり避難できなくなった時や避難に危険を感じたときには大使館に連絡して下さい。
  • 避難が不可能となった場合の最終的な避難先は,アンカラにある大使館若しくは大使公邸となります。
    ※ 大使館:Resit Galip Cad.No.81 G.O.P., Ankara
    大使公邸:Ataturk Bulvari No.255 Cankaya, Ankara
  • イスタンブールが近い方は,在イスタンブール日本国総領事館と連絡をお取り下さい。
    ※ 総領事館:Tekfen Tower, 10th Floor, Buyukdere Cad. No. 209
    4th Levent 34394, Istanbul

    電話: 0212-317-4600
  • 万が一当局に拘束されたり,保護された場合は,大使館へ連絡を取るよう要求して下さい。
  • 避難途中に家族がはぐれることがないように気をつけましょう。
  • 混乱に乗じた犯罪や,弱みにつけ込んだ悪質な行為の発生も考えられるので,十分注意しましょう。
5 大使館からのお願い
(1)大使館はこうします。

大使館では,緊急事態が発生したり,その蓋然性が著しく高まった場合には,館内に「緊急事態対策本部」を設置し,

  • 関連情報の収集・提供
  • 在留邦人(旅行者)の皆さんへの安否確認,連絡,支援活動の実施
  • 日本から寄せられる安否確認への対応

に全力を尽くします。

緊急事態対策本部の電話番号は,大使館の代表番号(0312-446-0500:24時間対応)です。

(2)混乱が予想されます。

緊急事態ともなると,日本から皆さんの安否確認や各種照会が殺到することから,対策本部も大変混乱することが予想されます。

もし大使館と連絡がとれない場合には,日本のご家族や関係者若しくは外務省(00-81-3-3580-3311)に連絡をお取り下さい。

(3)これだけはお願いします!

緊急事態発生時,自分が安全な場合,ついつい家族や関係者へ「無事の連絡」を忘れ,大使館などから本人に連絡がつかず安否確認に時間を要するというケースが度々あります。

したがって,安全が確保されていて問題がない場合であっても,「自分は,安全で今後こうする」ということを,大使館と日本のご家族や関係者に連絡することを切にお願い申し上げます。

Ⅲ 参考資料

1 緊急連絡先
  • 警察(国内共通) 155
  • 交通警察(国内共通) 154
  • ジャンダルマ(国内共通) 156
  • 消防(国内共通) 110
  • 救急車(国内共通) 112
  • 沿岸警備隊(国内共通) 158
  • 在トルコ日本国大使館 0312-446-0500
  • 在イスタンブール日本国総領事館 0212-317-4600
  • 日本国外務省 0081-3-3580-3311
2 ホームページのご案内
3 いざというときに役に立つトルコ語
  • 助けて! imdat(イムダット)
  • 警察を呼んで! polis cagirin(ポリス チャールン)
  • 泥棒! hirsiz(フルスズ)
  • 人殺し! katil(カーティル)
  • 爆弾 bomba(ボンバ)
  • 交通事故 trafik kazasi(トラフィック カザース)
  • 救急車 ambulans(アンビュランス)
  • 病院 hastane(ハスターネ)
  • 火事 yangin(ヤングン)
  • ~はどこですか? ~nerede?(~ ネレデ?)
  • 日本大使館 Japonya Buyukelciligi
    (ジャポンヤ ブユックエルチリイ)
  • 日本総領事館 Japonya Baskonsoloslugu
    (ジャポンヤ バシュコンソロスルウ)
  • 日本大使館と連絡が取りたい
    Japonya Buyukelciligi ile gorusmek istiyorum
    (ジャポンヤ ブユックエルチリイ イレ ギョルシュメッキ イスティヨルム)

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