在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
2012年3月1日
在トルコ日本国大使館
Resit Galip Cad. No.81 G.O.P Ankara
電話: 0312-446-0500(24hours) Fax: 0312-437-1812
ホームページ: http://www.tr.emb-japan.go.jp![]()
Eメール: ryoji@an.mofa.go.jp(領事班)
開館時間:9時00分-17時30分(月曜-金曜 但し13時00分-14時30分除く)
皆さんようこそトルコへ。
ここトルコは比較的治安もよく,日本人が生活する上で安全面の心配はあまりないと言われています。トルコ国民も概して親日的といわれており,いろいろ親切にしてくれる人もたくさんいることと思います。
観光地や繁華街等で,盗難など不慮の犯罪にあったり,お土産品の購入を金銭上のトラブル等により,楽しいトルコでの生活が台無しになった例があるのも事実です。
海外で生活する上で決して忘れてならないのは,「自分の身は自分で守る」という心構えです。日本のようにすべてのサービスがすみやかに受けられるとは限りません。助けを求めようにも,意志疎通がなかなかうまく行かないのが普通です。
いくら普段危険を感じることはないとはいえ,ここは外国であり,文化も習慣も決して一緒ではないということを十分認識され,油断することなく,常に身の安全に気を配りつつ,安全で楽しいトルコでの生活をお送り下さい。
この手引きが,皆さんがトルコで安全な生活を送る上でお役に立てれば幸いです。
2012年3月1日
在トルコ日本国大使館
トルコ内務省が発表している最新の犯罪統計(2006年中)によると犯罪発生率(人口10万人当たりの発生件数)は,日本と比較しても,殺人や強盗等の凶悪犯は高いものの,刑法犯の総数や窃盗犯は日本よりも低く,治安は比較的良いと言えます。
しかしながら,トルコ国内で一見して外国人と分かる日本人は,犯罪のターゲットとなり易く注意が必要です。
トルコでは,反政府武装組織クルド労働者党(PKK:別名「クルド人民会議(KONGRA-GEL)」)又は関連組織等によると思われる爆弾事件等のテロ事件がイスタンブールや南東部の都市等において発生しています。2010年10月にはイスタンブール市タクシム広場内の県警機動隊待機場所に対する自爆テロを敢行し,警察官・市民32人が負傷し,2011年9月にはアンカラ市中心部において,LPG自動車に仕掛けた爆弾を爆発させ,民間人4人が死亡,33人が負傷しました。
また,アル・カーイダ関係組織は,2003年11月,イスタンブール市の英国総領事館など市内4か所で多数の死傷者を出す大規模な爆弾テロ事件を実行しました。その後は,大規模なテロ事件を起こすに至ってはいませんが,2008年7月,アル・カーイダ等過激思想の影響を受けた3人のテロリストによる在イスタンブール米総領事館襲撃事件が発生し,トルコにおけるイスラム過激主義者の潜在的脅威が再び表面化しました。
※ トルコ国内の詳しい治安情勢等については,以下のホームページをご覧下さい。
日本人が実際に被害者となっている事例と,これに対する防犯対策は次のとおりです。
犯罪の被害から身を守るため,以下のようなことに気をつけて下さい。
許可を得ないで軍や警察関係施設の撮影はしないでください。無断で写真撮影している現場を発見されると,場合によっては逮捕・拘留されることもあり得ます。もしどうしても記念撮影を希望する場合は,あらかじめ施設関係者に許可を申し出て下さい(但し許可されるとは限りません)。
要人の滞在するホテル周辺などでは,警護担当官が撮影を禁止する場合もあります。
また博物館や美術館での撮影は,あらかじめ施設管理者の注意事項を確認する必要があります。
トルコは,地理的に薬物密輸のルートになりやすいため,薬物犯罪対策に力を入れており,薬物の不法所持には厳しい刑罰が科せられます。
近年,イスタンブール等で,麻薬を運ぶ運搬役として日本人数名が逮捕されています。
薬物犯罪に巻き込まれないため,次のようなことに,ご注意下さい。
就労査証を取得しないで就労していることが発覚した場合は,罰金や国外退去処分などの措置に処せられます。
また2012年2月から,滞在許可証(イカメット)の発給を受けない短期滞在者の滞在期間に関し,「180日間の内に合計90日間を超えないもの」との運用変更がなされています。不法就労だけでなく,滞在期限前に一旦トルコから出国しても,上記180日間の内に合計90日間を超えての滞在はできませんので,上記期間を超過して滞在予定の方は,①すでにトルコ滞在中の方は,各県警外国人課にて滞在許可証の発給を受け,②トルコ入国予定の方は在京トルコ大使館にて査証を取得し,入国後1か月以内に各県警外国人課にて滞在許可証の申請をしてください。
反国家的な政治関係出版物・活動,政治犯に対する取締りは一般的に厳しく,過去に,禁止された宗教団体のメンバーと接触した日本人留学生が,当局から監視されたケースがあります。また,政治団体事務所を訪問した日本人旅行者が当局により質問を受けたケースもあります。
デモなどが市街地で行われることは多く,これに対する警察の規制は厳しく,参加者が少しでも警察官に手を出したりすると,放水や催涙ガス等,実力行使で容赦なく鎮圧に当たることもあるので,絶対に近づかないで下さい。
トルコ共和国建国の父,ケマル・アタテュルクを冒涜するような行為(批判,悪口など)は処罰の対象となります。邦人観光客が,小学校の校庭に設置しているケマル・アタテュルクの胸像の頭部にトマトを載せて写真撮影したところ,警察に一時身柄を拘束された例もあります。
骨董品の国外持ち出しについては,4~10年の懲役または罰金刑が設けられています。
この法律は,過去に多くの文化財等の骨董品が国外に持ち出されたために制定されたもので,たとえ保護の対象となるものであることを知らなかった,あるいは知らないことにつき過失がなかった場合(善意無過失)でも罪に問われるので,一般の土産店でも骨董品らしき物品(古いじゅうたんを含む)の購入には注意が必要です。
2008年7月から建物内での喫煙を規制する法律が施行されました。導入から一定の期間は,レストランやクラブでの喫煙は例外として許されていましたが,2009年7月からは,例外なく建物内での喫煙は禁止され,違反すると罰金を科されることになります。
トルコは,交通事故が多く道路事情も芳しくなく,交通環境は良好ではありません。市街地の道路には,配管工事の際に掘られた後がそのまま放置され,ところどころ凹凸があったりするなど,これらにタイヤを取られないよう運転には注意が必要です。郊外の道路は,照明が不十分なので,夜間の運転には特別の注意が必要です。
交通マナーも良いとは言えず,信号無視,一方通行逆走,猛スピードで乱暴な運転をする車両が多数見受けられます(特にタクシー,「ドルムシュ」と呼ばれるミニバス)。事故に巻き込まれないため,自己防衛に細心の注意を払う必要があります。
市街地でも信号と横断歩道の位置関係がわかりにくく,明らかに車両が歩行者より優先しており,道路を横断しようとしている歩行者を見つけて停止する車はほとんどいないので,街中を歩いて移動する際も十分な注意が必要です。 また歩行者自身のマナーも決して良いとは言えず,車両の間を縫うようにして道路を横断しており,運転の際は注意が必要です。
郊外の道路は,比較的交通量も少なく,一見走りやすい道路が多いですが,その分スピードを出す車も多く,対向車線にはみ出して無理な追い越しをかける車も見られます。特に見通しの悪い丘陵の頂上などは,突然対向車が現れることもあるので要注意です。
もし事故を起こした場合,あるいは巻き込まれた場合は,現場を動かさず,離れず,直ちに警察を呼んで,その到着,指示を待って下さい。事故に巻き込まれた場合には,警察官の実況見分が終わって,先方の当事者と警察官が現場を離れるのを確認してから現場を離れて下さい。先に離れると,相手方が警察官に賄賂を渡したりして,自分の都合のいいように調書などを書き換えさせることがあります。
また,2008年4月1日から物損交通事故の新処理システムが実施され,事故当事者全員が同意し指定の様式を作成した場合,警察の介入を要請する必要が無くなりました。しかしながら,事故現場において,トルコ語で自己の言い分を主張し他の当事者を納得させ事故状況レポートを作成することは,とても難しいことだと思われますので,物損交通事故の場合であっても,これまでと同様に警察を要請することをお勧めします。
トルコで,日本人や日本関係の施設がテロの対象とされているという情報やその兆しは,今のところありません。従って,当地でもっとも気をつけなければならないのは,テロの被害に巻き込まれることだと言えます。
突発的に発生する事件に巻き込まれないようにするのは非常に難しいところですが,次のようなことにご留意下さい。
また,万一こういった事件に遭遇した場合には,あわてず,まわりの状況を見ながら落ち着いて行動するとともに,直ちに家族や大使館・総領事館に連絡するようにしましょう。
政教分離政策が進んだ国ですが,国民のほとんどがイスラム教徒ですので,イスラム教批判や宗教論議は行わない方が賢明です。食事・服装について,特別な留意は必要ありませんが,宗教色の強い保守的な地域(主として農村部や南東部県)では,周囲の雰囲気をよく見つつ,肌を過度に露出するような服装は控えた方が良いと思われます。
飲酒も他のイスラム教国に比較して自由であり,都会や観光地では,多くのレストランで飲酒ができる他,商店での購入も容易です。但し飲酒運転,泥酔・酪酊し他人に迷惑をかける行為は厳しく罰せられます。
一般的に明るく陽気で,概して親日的と言われています。一方で,窃盗や詐欺の被害もある他,高価なじゅうたんの購入を巡ってトラブルになったりするケースも多数報告されています。
親切な人がほとんどですが,残念ながらそういった気持ちを無にするような人がいるのも事実です。初対面の人の言うことを全面的に信頼して行動することは危険です。特に街角でいきなり気安く声を掛けてくるような人は,相手にしない方が賢明です。
夏期に,飲食物が原因と思料される腹痛・下痢を訴える人が多く,食中毒の発生もあります。
あまり客の回転のよくないレストランでは,古い食材を使っていることもあるようですので,お店の状況をよく見て食事することが望まれます。
飲料水は市販のミネラルウォーターで,栓の開いていないものを飲むことをおすすめします。水道水は飲まない方が賢明です。
生野菜も,水道水を使用して洗っているので,胃腸の弱い人は,信頼のおけるレストラン以外では食べない方がよいと思われます。
氷も水道水が使われている可能性があるので,胃腸の弱い人はできるだけ避けるほうがよいと思われます。
市街地では,冬季に暖房を原因として空気が汚染されることや,空気が乾燥することで,のどを痛めたり風邪をひいたりすることが多いようです。
この数年,クリミア・コンゴ出血熱による死亡者数が増え,2008年と2009年は共に63人の死者が報告されています。クリミア・コンゴ出血熱ウイルスは,マダニによって媒介されるため,主にマダニの活動が活発となる春から初夏にかけ,主に黒海沿岸地域において発生しています。観光地や都市部では定期的に薬剤散布をしていますが,草むらや公園の芝生等で遊ばれた後は,ダニが体に付いていないかご確認されることを勧めます。ダニに咬まれているのを発見した際は,自分で取り除かず,医師の診察を受けてください(取り除き方を誤るとダニの一部が体内に残り,そこからウイルスに感染するおそれがあるため)。
都市によっては野犬が多く,咬傷による狂犬病の危険性もあるので注意が必要です。
2006年1月にH5N1型鳥インフルエンザのヒトへの感染が確認されました(12人感染,うち4人死亡)。同年2月以降,ヒトへの感染は確認されていませんが,家きん類や野鳥などとの接触を避けるよう御留意ください。
※ トルコの詳しい医療事情については,次のホームページをご覧下さい。
緊急事態にそなえて普段からどういうことをすべきか,いざ発生したときにどう対応するか等にについて,簡潔にご説明します。
※ ここで言う「緊急事態」とは,例えば
といった,皆さんの身の安全が脅かされるおそれがあるような事態のことをいいます。
法律により,外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人は,住所又は居所を管轄する日本の大使館又は総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられております。住所等が決まりましたら,必要事項を記入の上,速やかに大使館へ提出して下さい。(提出はFAX又は郵送でも可能です。なお,インターネットでも在留届が提出できます。)。
緊急事態が発生した場合には,大使館は「在留届」をもとに皆様の所在地や緊急連絡先を確認して安否確認や援護を行います。
※ 在留届の詳しいことについては,次のホームページをご覧下さい。
※ 在留届で届出した事項に変更が生じた場合(帰国,転居する際や,連絡先(電話・FAX番号,メールアドレス)が変わった場合)には,必ず大使館に連絡して下さい。
次のようなものを,いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
大使館では,緊急事態が発生したり,その蓋然性が著しく高まった場合には,館内に「緊急事態対策本部」を設置し,
に全力を尽くします。
緊急事態対策本部の電話番号は,大使館の代表番号(0312-446-0500:24時間対応)です。
緊急事態ともなると,日本から皆さんの安否確認や各種照会が殺到することから,対策本部も大変混乱することが予想されます。
もし大使館と連絡がとれない場合には,日本のご家族や関係者若しくは外務省(00-81-3-3580-3311)に連絡をお取り下さい。
緊急事態発生時,自分が安全な場合,ついつい家族や関係者へ「無事の連絡」を忘れ,大使館などから本人に連絡がつかず安否確認に時間を要するというケースが度々あります。
したがって,安全が確保されていて問題がない場合であっても,「自分は,安全で今後こうする」ということを,大使館と日本のご家族や関係者に連絡することを切にお願い申し上げます。