在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年4月改訂
在トリニダード・トバゴ日本国大使館

日本は世界の中で最も治安のよい国の一つです。それゆえに日本での生活に慣れ親しんだ日本人が海外へ出向いた際には、予想もしない事件や事故に巻き込まれるケースが多く見受けられます。海外では、日本と違った危険が待ちかまえており、皆さんは、常に事件や事故と隣り合わせの環境にいるといっても過言ではありません。
海外では、皆さん一人ひとりが海外用の「知識」と「意識」を持って、それを「実践」することが大切です。
「危険な場所」には、クーデター、内乱、暴動などが発生し政情が不安定である、テロ事件発生の可能性があるなどにより危険な場所があります。これらの場所については、渡航すること自体を含めて慎重な検討が必要です。
また、そのような場所ではなくても、殺人や強盗などの凶悪犯罪が多発する場所もあります。これらについては、危険の性質や度合いを十分に調べて、不用意に近付かない、夜間の外出や一人歩きを避けるという心掛けが大切です。
海外では、日本人は多額の現金や貴重品を持っているという先入観を持たれている場合が多く、強盗やひったくりなど、財産被害犯罪のターゲットにされるケースが多くあります。最近では、貴重品を外から分からないように、袋に入れ首からシャツの下に吊したり、上衣の内側のポケットに収納して持ち歩いたりする場合でも、強引に奪い取られるケースも見られます。
したがって、外出する際には、貴重品はホテルのセーフティボックスに預ける、買物はトラベラーズチェックやクレジットカードを使うといった工夫で、多額の現金や貴重品はできるだけ持ち歩かないようにする対策が必要です。
旅券(パスポート)については、コピーの携帯を認められている国もありますので、それらの国では、現物はみだりに持ち歩かないようにすることも必要です。
注意はしていても、犯罪被害に遭うこともあります。海外では犯罪者の多くが凶器を所持しています。また、犯罪者はグループで犯行に及ぶことが多く、一見単独に見えても近くに仲間がいる可能性が高いものです。特に、強盗や恐喝にあった場合、犯人の要求に速やかに応じないと、犯人を苛立たせてしまい、凶器を使用される可能性が高くなります。
万一犯罪被害に遭ってしまったら、身の安全を第一に考え、犯人の要求にできるだけ抵抗しない態度を示すことが必要です。なお、その際には後に警察に被害申告する時のために、可能な範囲で犯人の特徴や被害の状況を記憶しておくことも大切です。
旅先で知り合った人の優しさに対するちょっとした気の緩みから、だまされて被害に遭う旅行者がたくさんいます。睡眠薬強盗、いかさま賭博、偽ガイドなど、海外での犯罪手口は多様で巧妙です。旅行先で見知らぬ現地の人たちと知り合うことは旅の醍醐味でもありますが、それにつけ込んだ犯罪は後を絶ちません。少しでも怪しいと感じたら、ためらわず断りましょう。特に、安易にその人の家に行ったり、すすめられた物を食べたりするようなことは控えましょう。
海外での買物では、品物が粗悪であったり、注文したものと違っていたりした場合に、後に苦情を言ったり、弁済を求めることが非常に難しいものです。このような事情を利用して、特に観光地などでは外国人旅行者を対象に、粗悪なものを高く売りつけたり、旅行者のクレジットカードを悪用したりするといった悪質な店があります。
まず、信用のある店を選ぶこと、そして品物をよく確認することが大切です。また、クレジットカードを使う際には、サインをする前に金額が間違っていないか、通貨の単位が記入されているか、しっかりと確認し、疑問や不明なことはその場で確認しましょう。
ホテルの部屋を自分の家のように考えることは危険です。ホテルに着いて一安心する隙をねらい、ロビーでの置き引き被害やエレベーターや部屋で強盗の被害に遭うこともあります。特に格安のホテルでは、セキュリティも不十分なため、同宿者による犯罪も多く発生しています。また、高級とされるホテルでも、従業員を装って犯行に及ぶ場合もあります。部屋に居るときは、必ず防犯チェーンを掛け、ノックされても不用意にドアを開けず、まず相手を確認するといった基本的な防犯対策を心がけましょう。
外務省では、海外安全情報専門のホームページを開設しています。このホームページは、外務省の発出する「渡航情報(危険情報、スポット情報、広域情報)」がタイムリーに掲載されるほか、180以上の国・地域別の「安全対策基礎データ」等が掲載されています。
〒1008919 東京都千代田区霞が関2-2-1
外務省 海外安全相談センター
電話(代表)03-3580-3311/(直通)03-5501-8162
http://www.mofa.go.jp/anzen/
~「海外安全 虎の巻」(外務省編纂)参照~
海外での生活において「安全対策をし過ぎる」ということはありません。
被害に遭った人は皆、「よりによってどうして自分が?」と言います。
「自分は大丈夫!」という過信を捨てて、安全対策を見直しましょう。
当地の治安はここ数年悪化しています。
殺人事件が多く発生しており、2008年には過去最高を記録しました。統計上は2日に3件の殺人事件が発生しており、人口約130万人の国でこの発生数は極めて高い値です。
身代金目的の誘拐事件は毎月1件程度の発生ですが、性犯罪目的で監禁されたり、車で連れ去られて監禁され所持金やクレジットカードを盗まれたりする形態の誘拐事件(監禁、強盗)は3日に約1件のペースで発生しています。
路上強盗や性犯罪は日本とは比較にならないくらい多発しています。
近年の日本人被害の犯罪としては、カーニバル(毎年2月に開催)を楽しみに来た旅行者が宿泊先のゲストハウスで貴重品等などの盗難被害に遭ったり、夜間に10人ほどのグループに囲まれて所持品を強奪される事件が発生しています。
また、最近2年間くらいは、空巣や忍び込み、路上強盗などの泥棒関連の犯罪が大幅に増加しました。従来から比較的安全とされている地域での増加率が高いので、どこにいても注意が必要です。
警備員が常駐しているスーパーの駐車場やアパート等でも、車上ねらいや侵入泥棒などの様々な事件が発生しています。
自動車の乗降時をねらった強盗や連れ去り事件が多発し、小細工やトリックを使って自発的に降車させて犯行に至るケースも報告されていますので、このような情報収集にも配意して用心することが必要です。
当地の交通事情は決して良くありません。公共交通機関が充実しておらず、道路が狭く駐車場が少ないため路上駐車が多いことなどから、恒常的な交通渋滞が問題視されています。
また、交通マナーの悪い運転者も一部に見られ、一時停止や信号も守られないことも頻繁に見られます。著しい速度違反や飲酒運転を原因とする悲惨な事故は後を絶たず、年々交通事故死者が増加しているので注意しましょう。
当地では国際テロに関する情報は確認されていませんが、1997年にイスラム系過激派集団が国会議事堂を占拠するクーデター未遂事件が発生しています。また、2005年には5件の連続爆発事件がポートオブスペイン市内で発生し、犯人が未だに逮捕されておらず、目的や標的も判明していません。
さらに、2007年にはニューヨークJFK国際空港施設の破壊を狙ったテロ未遂事件の容疑者として、トリニダード・トバゴ人を含む数名がトリニダード・トバゴで逮捕されています。
これらは国際テロ組織との関係は低いと言われていますが、テロの潜在的な脅威は排除できないので、新しく正しい情報をニュース等で確認するようにしてください。
2011年中、当地の誘拐事件は122件を数え、約3日に1件の割合で発生し、これらのうち富裕層を対象とし身代金を目的とする営利誘拐は3件発生しています。犯罪者同士が抗争や報復で相手をさらったりするケースが多い一方で、性犯罪や他の犯罪に巻き込まれて監禁されたり、「電撃誘拐」といわれる、監禁後にキャッシュカードでATMから現金を引き出させた後に身柄を解放するという類の強盗事件も多発しているので注意が必要です。
知らない人から声をかけられたり、人通りの少ないところで同じ車がついてきたりする場合には、注意してその場を離れるようにしましょう。また、銀行からの帰り道等は、寄り道せずまっすぐ家に帰るようにしましょう。
また、成年未成年を問わず、行方不明事案が相当発生していると言われ、中には犯罪が介在していることも考えられます。特に幼児や学童生徒は常時保護者や学校職員などの監護下に置くとともに、女性の単独行動にも十分注意する必要があります。
テロや暴動、大規模事故や災害などの緊急事態に備えるため、日頃から報道等に関心を持ち、情報収集に努めるとともに次の事項の確認をお願いします。
日頃から緊急時のお互いの連絡先や連絡方法を把握、確認し、携帯電話等に登録する、連絡先の控えを持ち歩くなどに心掛けてください。
非常用物資は各人でご用意願います。日頃から数日間過ごせる程度の保存食品や飲料水の他、下着類、ラジオ、携帯ライト等の確保をお願いします。
緊急事態が発生した場合は、慌てず正しい情報に基づいて行動することが大切です。まずご家族や知人の無事と安全を確認するなど、連絡をとりあって行動しましょう。また、危険が迫っているような場所には近付かないでください。
可能な限り、テレビ、ラジオ等の報道情報はもとより、当大使館からの
を確認してください。
ハリケーンなどは、位置や災害情報がインターネットで確認でき、外務省では海外安全情報をホームページで提供しています。
万一緊急事態に遭遇した場合には、警察等の他に大使館にもご連絡頂くようよろしくお願い致します。
また、状況に応じて、大使館から皆様に電話などで安否の確認やお願いをする場合がありますので、自宅や仕事場など通常の連絡先から離れる場合には、携帯電話を携行し、周囲の人に居場所を明示しておくなど、連絡が取れるようご協力をお願いします。
暴動の発生など、不穏な情勢に陥った場合には、基本的に自宅などに待機し、みだりに出歩かないでください。
自宅などに居ることが危険又は不安であったり、電話や電子メールなどが通じなくなったりした場合には、日本大使館(5 Hayes Street, St.Clair, Port of Spain)に避難することを考えてください。
旅券については、常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください(6か月以下の場合には当大使館に再発給の申請をしてください)。旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。下段に血液型(blood type)何型と記入しておいてください。なお、当国における外国人登録証明書、滞在許可証等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。出国許可や再入国許可(これら許可が必要な場合)は常に有効なものとしておくことが必要です。
これらのものは、緊急時には旅券同様すぐ持ち出せるように保管しておいてください。現金は家族全員が10日間程度生活できる外貨及び当座必要な現地通貨を予め用意しておくことをお勧めします(国により通貨持ち出し制限がある場合があるので注意)。なお、出国する場合の出国税及び空港使用税(これらが必要な場合)の用意も必要です。
(1)自動車をお持ちの方は常時整備しておくよう心掛けてください。
(2)燃料は十分入れておくようにしてください。
(3)車内には、常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備えおきください。
(4)なお、自動車を持っていない方は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を取り、必要な場合に同乗できるよう相談しておいてください。
避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記1.~3.に加え次の携行品を備えて、すぐ持ち出せるようにしてください。
(1)衣類・着替え(長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で、殊更人目を引くような華美なものでないもの、麻、綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。)
(2)履物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの)
(3)洗面用具(タオル、歯磨きセット、石鹸等)
(4)非常用食料等
しばらく自宅待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを、家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいてください。一時避難の目的で自宅から他の場所へ避難する際には、この中からインスタント食品、缶詰類、粉ミルクを、また、ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい。)を携行するようにしてください。
(5)医薬品
家庭用常備薬の他、常用薬、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏
(6)ラジオ
NHK海外放送(ラジオ・ジャパン)、BBC、VOA等の短波放送が受信できる電池使用のもの(電池の予備も忘れないようにしてください。)
(7)その他
懐中電灯、予備の強力バッテリー、ライター、ローソク、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、防災頭巾(応急的に椅子に敷くクッションでも可)