在留邦人向け安全の手引き 在スリナム日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全マニュアル(スリナム)

平成6年10月1日
在スリナム日本国大使館

目次

  1. はじめに
  2. 通常時安全対策
    1. 住居
      • (1)選定
      • (2)錠及び鍵の管理の徹底
      • (3)メイドの雇用及び指導
      • (4)警備
      • (5)電話
      • (6)郵便物
    2. 職場内での安全対策
    3. 通勤及び買物等外出時の注意
    4. 万一の緊急事態発生に備えて
  3. 強盗、誘拐、窃盗等緊急事態〈こんな時どうする?〉
    1. 事件の種類
      • (1)強盗
      • (2)誘拐
      • (3)窃盗
      • (4)その他
    2. 基本的心構え
    3. 具体的対処方策
      • (1)強盗
      • (2)誘拐
      • (3)窃盗
      • (4)その他

I はじめに

海外において生活するには、出張や観光目的で外国を訪れる場合に比較して、充分な安全・警備対策(外国で生活しているとの認識)が必要である。当国は、英国に続くオランダの植民地より1975年の独立以前に較べ、独立後は国の運営が上手に行かず、ボーキサイト以外に大きく依存する外貨獲得資源・産業の不在、この国の将来に見切りを付けた有能な中間層の相次ぐ出国、政治経済の長期低迷、及び、近年の通貨の大量増刷による急激なインフレの高進による多数の一般庶民の生活困窮化を背景として、ここ2-3年、窃盗、強盗、家屋侵入等の犯罪事件も多発し始め、明日は我が身かという実情にあるので、身の周りにおけるより一層の諸対策(ハード面での整備、ソフト面での行動)を常日頃から継続して実施することが大切である。要するに、日本的発想としてある「水と安全はただ」という意識を完全に捨てて、第一義的には本来各人が「自らの安全は自ら考え自ら守る」という危機管理意識を持つことが重要である。


II 通常時安全対策

1.住居
(1) 選定
(イ) 出来る限り安全な地域を選定すること。
(ロ) 住居周辺の道路環境の良好な場所を選定すること。
  • 舗装されているか
  • 維持管理状況はどうか
  • 両方通行かどうか(一方通行は避ける)
  • 車、歩行者の通行状況はどうか
(多過ぎず少な過ぎがより良い)
(ハ) 夜間の住宅周辺の照明は良好かどうか。
(一般犯罪の防止には非常に効果あり)
(ニ) 住宅周辺の環境はどうか。(障害物、樹木等が住居の近くに無い方が良い)
(ホ) 当国の住宅は、平屋か2階に居住部分のある一戸建て住宅が普通であるが、少なくとも平屋の場合、全ての窓に鉄格子が取り付けられているか。

(2) 錠及び鍵の管理の徹底
(イ) 主要な出入扉には主錠の他、補助錠が付いているか。
(ロ) 引っ越しをした場合には、必ず錠及び鍵を交換する方が良い。

(3) メイドの雇用及び指導
(イ) 友人、知人、隣人に既に雇われ、かつ、推薦された者を選ぶことが重要。
(ロ) 正直さ、信頼性を調べずにメイドを雇わないこと。
(推薦されたものであっても(夫婦)で面接を実施することが大切)
(ハ) 雇用の際、その人物の氏名、生年月日、住所等電話連絡先、身分証明書番号、配偶者氏名等を記録しておく。特に当国では西隣のガイアナ国のよりの出稼ぎ者が多いので、旅券番号及び当国滞在許可番号を控えて置く必要がある。
また、メイドの勤務時間中に物が紛失した場合には解雇する場合がある旨予め釘をさしておく必要がある。(犯罪を防止する効果は大)
(ニ) なお、将来の円滑な解雇に備える為、メイドの職務怠慢毎にその事実を書面に記入し、メイドに署名されることが肝心である。(裁判沙汰の時に大変有効)
(ホ) 住居警備上の心得をよく説明しておくと共に継続説明の必要がある。
  • 来訪者の確認
  • 確認後、承諾を求めるよう指導しておく
  • メイドのみの場合はドアを絶対に開けない。
(ヘ) 緊急用の電話番号を教えておく。
  • 勤務先
  • 大使館
(ト) 来訪者があった際、メイドが応答するよう躾ておく。また、許可無くして家の敷地内に入れないよう指導しておく。
(チ) 家人が留守の際の電話は、メイドが出ることになるが、家人が留守にしている印象を与えないようにする。
(リ) 家人が計画していること、仕事上の話はメイドの耳に入らないようにする。

(4) 警備
(イ) 警備員を置くか、番犬(複数匹)を飼う必要がある。(当地の泥棒は、目を付けた家の番犬を予め毒殺した上で事に及ぶ)
(ロ) 警備員は、当地警備会社(複数あるが割高)との契約に依る確保の他、上記(3)の「メイドの雇用及び指導方法」に依る。
勤務時間は、通常夕方6時から翌朝6時迄であるが、警備会社派遣以外の警備員を雇用の場合、同人の昼間の兼業による疲労の為か、予め注意喚起をしておいても肝腎の時には大抵寝入っていることがあったとしても、同人がそこに居ること自体、一応の抑止力にはなる。(因に警備会社は通常、派遣警備員先を巡回チェックしている。)。)
(ハ) 警備員も番犬も置かない場合で、止むを得ず家を留守にするような場合、あたかも住人が家に居るかの様に装うべく、室内外の電気は通常通り点けっ放しにしておくことが肝要である。
(犯罪防止抑止力が有るので、費用対効果の観点より経済的である。)
(ニ) なお、警察は、実際上機動性に欠け(ポリス・カー及び職責自覚不足等による)、その対応に期待が持てない。
(ホ) 従って、日頃、隣近所との間に友人関係を醸成しておくことが肝要である。

(5) 電話
(イ) 電話受理の際の留意事項
  • 先ず自分の名前を名乗らない(当地では通常、相手は自分から名を名乗らず、いきなり「誰か」と聞いてくるので、その場合は「どちらにおかけですか」と聞き返す方が良い)
  • 間違い電話に対しては自分の電話番号を教えない(当地では、番号があっていながら掛け間違えである不可思議な電話が少なくない)(なお、夏休み入りの時期になると、暇を持て余し始めた児童生徒によるいたずら電話が少なくない。)
(ロ) 自宅の電話番号については、出来る限り秘匿する。
(ハ) 警察、病院、救急サービス等の緊急用電話番号については、電話器のすぐ近くに置いておくこと。

(6) 郵便物
(イ) 出来る限り自宅の郵便物が届かないよう措置すること。
・勤務先の方がより良い
(ロ) 家族及び使用人は、不審な郵便小包みその他の予期しない配達物が届けられた際には、その受領の可否も含め充分な注意が肝要である。


2.職場内での安全対策
(1) 犯罪者は、常に狙いやすい相手を探している。安全対策を充分に立てていることを外部に印象づけることを平素から実施しておくことが大切である。
(リストを認識し、それを減少させる対策を実施する)

(2) 警察関係者との(要すれば政府及び軍とも)関係を持ち、これを継続しておくことは、情報収集に役立ち、かつ、事件発生時にも役立つことが多い。

(3) 職員、メイド等の雇用人が犯人側に買収されないよう注意する。
(身元調査の徹底、職場モラルの向上)

(4) 誘拐犯罪防止上、出来得れば、職場内部のレイアウトは重要人物を中心とした同心円上の警戒網を設置しておくのが良く、それにより、誘拐防止に役立つだけでなく一般防犯対策上の観点からも良い。

(5) 警備会社については、費用対効果からの観点も含め充分な調査をして選ぶ。



3.通勤及び買物等外出時の注意
(1) 当国においては、外国人は常に目立つ存在であることを認識しておくことが大切(なお、当地の人にとっては、顔等身体上の外観からは日本人と韓国人(海老漁獲漁船員)及び中国人との区別が付きにくいが、その身形の様子から金持ちの日本人と目を付けられ易いので要注意)

(2) 自動車を利用すること
  • 燃料はタンク内に常に半分以上は確保しておくこと
  • ドアロックの励行
  • 窓は閉めておく
    (殊に、信号待ちや、繁華街走行時に注意)

(3) どんな犯罪者でもある程度の下調べをすることを念頭に置き、買物等の際には、要すれば、経路、時間を変えること。

(4) 金持ちと思わせるような服装は避ける。

(5) 装飾品を街頭で身に着けていることは犯罪を助長する行為である。

(6) 殊に、各種犯罪が頻発しているが、常に当国随一の生鮮食料品等の品数を豊富に揃えている為、止むを得ず「中央市場」へ買物に行く場合には、使用人等の現地人を伴い、現地人をして品物を購入させることが肝要である。

(7) 街中では財布を見せない。

(8) 大金を見せてはいけない。

(9) 当国は、市内より2-3時間も走れば時折反政府グループ等が出没する未開発森林地帯が奥地迄広がっており、所謂観光地以外は治安当局による対応にも限界があるため自助努力による危険回避が肝要である。
(92年8月、市内より車で3時間余の地のアフォバカ湖(当国唯一の水力発電所あり)に至る産業道路(人家及び人通り殆ど無し)を走行中、自動小銃武装の賊に車を強奪さけるケースが発生。その後も類似事件続発。)

(10) 当地では、オフィス・商店の閉鎖する概ね午後3時以降及び土日祝祭日に仕事をする習慣は通常無く(当地ではより凌ぎ易い夕刻は仕事をしない)、つるべ落としの日没(年間を通じ午後7時前後)以降は街の明りの乏しさに加え人気も疎らとなるので身の危険があり、警察も通り掛かりの人もあてに出来ないので、勤務継続は極力避けた方が良い。

(11) 夜間、繁華街等被害に遭う危険が高い場所へ出掛ける場合は、極力複数で行動することが肝要である。その方が危険防止になるばかりか、仮に事件に巻き込まれても、より早くその事実を関係者に伝え、対処が期待できるためである。


4.万一の緊急事態発生に備えて
(1) 治安状態についての関心を持つ(勤務先、友人)

(2) 緊急連絡先の常備及び確認

(3) 病院、警察(自宅、勤務先近く)を念頭に入れておく

(4) 現金(ドル)は緊急避難に備え常に用意しておく(勤務先、自宅、行動時)

(5) パスポート等身分を証明する書類は、その所在を常に明らかにしておく

(6) 非常用の水、食料、懐中電灯等の準備

(7) クレジッシ・カード等の重要な物の住所登録は勤務先の住所宛にする

(8) 当地銀行口座数をあまり設けない


III 強盗、誘拐、窃盗等緊急事態遭遇時対策

〈こんな時どうする?〉
いつ、どこで、どんな事態に遭遇するかといったことは誰にも事前にわかるものではなく、多くはケース・バイ・ケースで判断せざるを得ない要素を含んでいるところから、以下は、予想される、飽く迄も一つの判断材料の参考として考えて頂くことが大切である。
1.事件の種類
(1) 強盗
(イ) 夜間、自宅、勤務先、レストラン等を出よう(入ろう)とした際、1人又は複数の強盗に拳銃(ナイフ)を突き付けられた。
(ロ) 就寝中、強盗が侵入してきた。(近年、邦人に連続して被害発生)
(ハ) 地方を車両にて走行中、銃器等を所持した複数の強盗に襲われそうになった。(90年、当地国際空港に向け走行中の当地ソ連(当時)大使館員が路上にて殺害される。93年、車両にて当国東隣の仏領ギアナ入り直後の当地仏大現地職員が強盗に遭いナイフで脅かされて金品を奪われる。タクシーで仏領ギアナに向かう途中の仏人が、スリナム側国境付近の街道でブッシュニグロに現金を強奪される。(本件は運転手がぐるであったと見做されている)94年仏領ギアナより外車でスリナム入りし男女3人が、国境付近の街道で強盗に遭う。同じく、バスでスリナム入りした男女3人が、国境付近の街道で強盗に遭う。同じく、バスでスリナム入りの観光客15人が金品を強奪されている。その他、スリナム側の同国境付近街道では、ブッシュニグロ(反政府グループ)による上記を始めとする大小の辻強盗事件が後を絶たない。)

(2) 誘拐
昼夜に拘らず、人通りのある同路上を走行中、車両利用の1人又は複数の誘拐犯人に車をぶつけられ銃器等を突き付けられ誘拐されてしまった。

(3) 窃盗
(イ) 空港、レストラン等において所持品の置き引きに有って遇ってしまった。
(ロ) 就寝中、乃至、不在時、自宅に物取りが侵入してきた。

(4) その他
(イ)交通事故
(ロ)タクシー運転手による強盗
(ハ)レイプ
(ニ)犯罪現場に遭遇


2.基本的心構え
  当然のことながら、上記のような事件に遭遇しないための安全対策を徹底しておくことが肝要であるが、もう一方で、常に事件に遭遇した時を想定し、日常の行動の中で自分なりのイメージ・トレーニング(例えば、就寝中、銃器や刃物で武装した賊が屋内を抜け、寝室に侵入しようとしていることに気が付いた場合等様々なケース)を継続して実施することが大切である。

3.具体的対処方策
(1) 強盗
当国において、この種の事件に遭遇する可能性は非常に高い。特に、対象が外国人の場合には、犯人の側から見ると、多額の現金、電化製品を所持しているとの認識があり、かつ、スキがあるのも事実である。
路上での強盗に遭遇した場合は、どんな状況にせよ、大声を出して騒ぐ事なく、冷静に相手の言うままに対応するしかないであろう。何故なら、日本のように通行人等の助けを期待することはまずできないし(当地では関わった場合の仕返しを恐れる)、仮に犯人が1人のように見えても、実際は殆どの場合複数である。
なお、この際最も注意すべきことは、相手の言うままするがままにまかせ、いたずらに抵抗することは避けるべきである。自分からポケット(ハンドブック)等に手を入れて財布等を出す行為は、拳銃又は刃物等を取り出す行為と間違えられ発砲されるケース等が多いのが実態である。
屋内強盗も同様、事前の防犯対策が重要であり、屋内に入れられてしまったからには、犯人の言うなりに任せることが肝要である。
判断の迷うケースは、車両を運転又は同乗している際、強盗に遭遇したケースであろう。このケースも基本的には、犯人側の事前準備(時間、場所、対象の選定)があるものと考えなければならない。従って、簡単に逃げ去ることは困難であろう。理論的には、突破するか、停車するかの基準として、
  • 職業運転手がどう運転しているか
  • 時間、場所はどうか
  • 発見時における犯人側との距離はどの位か
  • 近くに逃げ道があるか
  • 犯人の人数はどうか
  • 犯人の所持する武器は何か
等の判断が考えられる
一般的には、停車して、車両なり現金なりを引き渡せば良いではないかとの考え方もあるが、証拠隠滅、逃走を容易にするため被害者を射殺するケースもあり得るので、例えば妨弾車を利用していて、他に逃げ道があるにも拘わらず敢えて停車することが必ずしも唯一安全であるとは言えない。
よって、上記の基準を参考にして、運転の際は常にイメージ・トレーニングに務め、不幸にして事件に遭遇した場合はケース・バイ・ケースで判断する。また、職業運転手に対しては、最低限の防御運転術をマスターさせておく必要がある。

(2) 誘拐
誘拐防止のための基本3原則は、
  • 目立たないこと-標的にならない環境作りをすることが、セキュリティの重要ファクター
  • 常に用心を怠らないこと-油断大敵、狙われている危険性を常に認識し、それを自分の行動で示す
  • 行動を予知されないこと-通勤時間帯、通勤経路、昼食場所等を出来る限り変えること
であり
一般的留意事項としては、
  • 会社内部における安全担当責任者の配置
  • 誘拐事件関連情報の収集、分析
  • 会社独自のマニュアルの作成、整備(発生時対処用)
  • 誘拐事件防止教育の実施(自衛の精神の醸成)
等が挙げられるが、
不幸にして、誘拐されそうになった場合、犯人が銃器等で武装している限り、その場から逃げることは不可能に近い。
しかし、上記強盗事件のケースと同様、状況によっては必ずしも停車することが唯一安全なことではない。寧ろ、相手方が2-3人程度で、銃器等を所持していないことが明らかな場合は、その場を突破することも考えておかなければならない。

(3) 窃盗
当国では、日本と違い、強盗と窃盗は紙一重の差である。つまり、泥棒しようとする犯人は、相手が抵抗した場合には直ぐに強盗犯人になれるような準備をしていると言うことである。ということは、基本的には強盗事件のケースと同様、予防対策が極めて重要であり、不幸にして事件に遭遇した場合にはいたずらに抵抗しないことが基本である。
ひったくりの場合は、犯人の心理として、抵抗された場合には強引にナイフ、拳銃等を使うつもりであることは間違いなく、抵抗することにより、最悪の場合には、死に至ることを念頭に置かなければならない。ひったくられた場合には、特別の場合を除き、追跡することは避けた方が良い。また、体力に自身のある男性であっても、犯人は複数でかつ凶器を所持していることを前提に考えれば、犯人を逮捕するという行動は差し控えることが賢明であろう。
置き引きのケースでも、防止対策が肝要であって、抵抗、追跡をすることは賢明でないことを肝に銘じて置くべきである。寧ろ、このような場合には、出来るだけ速やかに、官憲(空港職員、MP、警察官等)に通報すべきである。保険の関係もあり、事後、被害届を提出し確認証を受領しておくこと。

(4) その他
(イ) 交通事故
当国は車社会だが、外貨不足もあり道路のメインテナンスが悪化し車がガタガタ云うほど走行しにくく、沿道の雑草が野放しで車高を上回る程生い茂って見通しが利かず、又、信号の無い交差点が少なくない上、交通マナーが悪く事故が多い。保険制度はあっても、実際に支払われる保険金は最近の通貨の続落により価値が無く、事故が発生して人が血を流していても、警察が直ぐ駆け付ける訳でもなく、その間そのまま放置され、肝腎の病院も体制が充分整っている訳でもないので(最近、当地国立病院(アカデミック・ホスピタル)の医師達が見切りを付け、当国より離れるとの動きがあった)、現在当国では交通事故は禁物である。
マナーについて云えば、当地では一般的に右左折の信号出しが直前であり、危険である。夜間、対向車にとり大変眩しく危険なハイビーム点灯運転を全く意に介さない手合がかなり多い。因みに、自動車教習所(通常夕方から営業)へ、バイクや自動車で通う無免許運転者がいる。なお、右教習所では、信号の無い交差点を想定したおもちゃの車による机上実習が、状況を変えつつ何日も何日も気が遠くなるほど課された上で路上運転練習、晴れて試験に望む頃には早一年が経過しているケースがあるほど忍耐を要するものでありながら、実情は交通事故が絶えないという笑えない現実がある。
なお、当国では英領時代の名残りで車は左側通行であるが、車両の大多数は右側通行の旧宗主国オランダからの輸入中古車で左ハンドルという珍しい状況下にあり、追い越し等の際見通しがよく利かないので慣れる迄注意を要する。
こうした交通事故に遭遇した場合には、保険請求等の問題もあり警察の出動を求める事が原則であるが、この事故が夜間、それも人通りの少ない路地などで発生した場合、相手車両に複数の麻薬常習者と思しき人物が乗車しているような場合、その事故の対応には充分な注意が必要である。前記強盗、誘拐事例のように、数人が乗っている車に追突された場合は、一時停止することを含め、
  • 相手方は麻薬常習者等不良人物の可能性がある。
  • 時間にもよるが相当酒に酔っている可能性がある。
  等の判断をして、冷静に対処する必要がある。特に、深夜で、人(車両)の通行が無い時などは危険である。
こうした場合、相手方は事故の非を認めようとしない場合が多く、かつ、事故の責任を当方に擦り付けて来る可能性が高いが、口論となり傷害、強盗、殺人事件等に発展する可能性無しとしないので、出来る限り早く現場を立ち去る努力をすることが一番必要なことである(警察の出動はあてにならないがそれでも右に頼らなければならないか、示談をどうするか等を冷静かつ速やかに判断する)。
(ロ) タクシー運転手による強盗
市内では聞かれないが、仏領ギアナとの国境街道上で上記III、1.、(1)ハの事件が発生しているので要注意。
(ハ) レイプ
当国の強姦件数は、当国統計(91歴年)によれば164件と前年比36.7%と増えているので要注意。
(ニ) 犯罪現場に遭遇
こうしたケースで、警察等に通報するのはともかく、犯人を制止、逮捕しようとしたり、追跡することは危険なのでしてはならない。

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