在留邦人向け安全の手引き 在スーダン日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成24年2月
在スーダン日本国大使館

Ⅰ 序言

近年、海外へ渡航される方が増加するにつれ、事件・事故に巻き込まれるケースが増加しています。海外で事件・事故にあうと被害の回復が困難であることはもちろん、家族等にも心配をかけ、爾後措置に多くの労力と費用を要することになります。

事件・事故に巻き込まれないためには、滞在する国・地域の実情を十分把握するとともに、日頃からの防犯対策に万全を期すことが大切です。

本案内にて、スーダンに滞在する皆様が事件・事故に巻き込まれないために留意すべき事項をまとめました。参考にしていただけたら幸です。

スーダンの地図

Ⅱ 防犯の手引き

1.防犯の基本的な心構え
(1)自己防衛意識の高揚

「自分の身は自分で守る」「NO ADVENTURISM(冒険主義はやめよう)」が防犯の大原則です。現在、スーダン全域には、危険情報が発出されておりますので渡航先のセキュリティーレベルを十分確認のうえ、渡航していただきたいと思います。

(2)相手を知り、己を知る

スーダンの現状、国民性を理解した上で、自分が現地の人にどのように見られているのか考えることは、防犯上極めて重要なことです。そうすれば、どのような行動が危険であるか自ずと知ることができます。

(3)悲観的に準備し、楽観的に行動する

「備えあれば憂いなし」の言葉通り、常に最悪の事態を想定し、物心両面から準備を行い、万全の対策を講じた上で、日々の生活を注意しながらも楽観的に生活することが重要です。

(4)安全は有償

安全を確保するための出費は惜しむべきではありません。事件・事故に巻き込まれないためには、住居の防犯対策、防犯機器の整備、警備員、ドライバーの雇用等の必要な措置を講じることが必要です。

(5)相互協力

大使館、在留邦人の相互間で連絡を取り合い、情報交換し相互に協力することは安全な海外生活を送るために極めて重要です。大使館にご自分の存在を知らせることも大切ですから、3カ月以上滞在する場合には、在留届を必ず提出してください。

また、3ヶ月以下の滞在であっても、努めて大使館に居所等をご連絡下さいますようお願い申し上げます。

2.最近の犯罪発生状況
(1)首都ハルツーム

激しいインフレ・物価高騰といった経済状態の悪化が、一般市民の生活だけでなく治安にも悪影響を及ぼしており、スリ、引ったくり、車上狙い等の窃盗事件が増加傾向にあります。また、交差点や市場において、いわゆる「ストリートチルドレン」が目立つようになり、体感治安は悪化してきています。

<最近の邦人に関わる犯罪例>
  1. 2011年8月下旬、午後9時ころ、ハルツーム市ボル地区において、邦人女性が家族と共に住宅街を歩行中、後方から近づいてきたオート3輪に乗車した被疑者に肩からかけていたショルダーバックをひったくられ、その際に転倒して負傷したもの。身体は大事に至らなかったが、現金及び携帯電話等が摂取された。同市内においては、同種事案の発生が多発した。
  2. 同年8月下旬、午後6時ころ、ハルツーム地区において、住宅街の路上に車両を駐車していたところ、車両の後部ガラスを破壊され、車内に放置していた鞄1個(手帳、書類等在中)を摂取されたもの。
  3. 同年10月、午後7時45分ころ、アマラート地区において、外交団の一般住宅を狙った屋内拳銃使用強盗事件が発生。犯行状況は、警察官を装って自宅の玄関扉を任意に開けさせ、その後宅内に押し入り、居住者に対して拳銃様のものを突き付けて脅すなどし、自宅内に保管していた現金(約1,000ユーロ)を強奪し、いずれかに逃走。地元警察によれば、最近ハルツーム2地区の一般宅を狙った同種事案が多発。
(2)ダルフール地方

2011年7月、スーダン政府と「自由と正義運動(LJM)」が「ダルフール和平のためのドーハ文書(DDPD)」に署名したものの、他の主要ダルフール反政府勢力は同枠組みに参加せず、2011年11月には南スーダン系反政府勢力「スーダン人民解放運動北部勢力(SPLM-N)」との同盟結成を発表するなど、不安定な情勢が続いています。また、一部では未だにUNAMID及び人道支援関係者等に対する誘拐、襲撃、略奪等が横行しており、治安が不安定な状況です。

(3)南コルドファン州、青ナイル州及びアビエ地域(南部地域)

南コルドファン州及び青ナイル州は、南部独立後も北スーダンにとどまった地域ですが、元来南スーダン系住民が多数居住している地域であり、未だに内戦時代の緊張が残存しています。

南コルドファン州では2011年6月に発生した州都カドグリ市内での戦闘を契機に、スーダン国軍(SAF)とスーダン人民解放運動北部勢力(SPLA-N)との戦闘が継続しており、邦人NGOの事務所が襲撃され、略奪の被害に遭うという事件も発生しました。

青ナイル州においても、2011年9月にSAFとSPLM-Nとの間での戦闘が発生しましたが、11月にはスーダン政府側が反政府勢力の掃討完了を宣言し、治安状況は沈静化に向かっている模様です。

アビエ地域においては、2011年5月に発生したSAFと南スーダン国軍たるSPLAとの戦闘を契機にSAFがアビエ地域の大部分を制圧し、ディンカ・ンゴック族を中心とする南スーダン系住民は、アビエ地域南方に退避しました。スーダン政府側は、7月から活動を開始している国連アビエ暫定治安部隊(UNISFA)の展開を受けてSAFをアビエ地域から撤退させることを発表しましたが、現地では、依然行政機構が機能していない不安定な状況が続いており、南北交渉の大きな課題のひとつになっています。

(4)南スーダン地方

包括和平合意(CPA)締結により南北内戦が終息し、現在治安状況は全般的に改善の方向にあると言えます。しかし、南北境界線付近では大小の散発的な衝突等が発生してきたほか、南部地方においては、伝統的な家畜等を巡る民族間闘争も依然として発生しております。さらに、ウガンダ国境付近においては、依然として「神の抵抗軍.(LRA)」によるものと見られる誘拐・略奪事件が発生しています。

主要都市では、ジュバを中心に難民や国内避難民の帰還が進行していますが、インフラの未整備、物価の高騰、雇用機会の不足等の要因から、帰還民の中には不満を抱く者もあります。

<最近の反政府勢力による犯行例 2011年>
(1)1月22日、西ダルフール州において、反政府勢力JEMはスーダン国軍を待ち伏せて襲撃し、21名が殺害された。
(2)5月10日、アビエ地域において、国連南スーダン・ミッション(UNMIS)に所属するザンビア兵4名が殺害された。
(3)6月30日、西ダルフール州都エル=ジェネイナ近郊において、国連・AU合同活動(UNAMID)所属のエチオピア兵2名が武装集団に銃撃され、1名が死亡、1名が負傷した。
(4)7月20日、南ダルフール州のジェニナ空港付近において、UNAMIDの兵士を乗せた車を正体不明の武装集団が攻撃し、エチオピア兵1名が死亡、1名が負傷した。
(5)7月30日、西ダルフール州都エル=ジェネイナ市内において、武装集団から待ち伏せ攻撃を受け、UNAMID所属のエチオピア兵1名が死亡、ほか1名が負傷した。
(6)9月28日、南コルドファン州において、武装集団が油田の作業員に向けて発砲し、油田で就労中の中国人技術者1名が死亡、作業員3名が負傷した。
(7)10月11日、北ダルフール州都エル=ファーシル郊外のザムザム難民キャンプにおいて、UNAMIDの部隊が襲撃され、兵士3名が死亡、3名が重傷。
(8)11月7日、南ダルフール州都ニヤラにおいて、UNAMID隊員が襲撃され、1名が死亡、2名負傷した。
3.防犯のための具体的注意事項
<外国人が多く住む地域>
  • ハルツーム1,2
  • アマラット
  • アルタイフ
  • リヤド
(1)住居の選択方法
住居選択に避けるべき地域・場所
付近に空き家が多い。
難民やホームレスの多い地域。
袋小路になっている(住居に至る道が1本のみ)。
住居選定に際してのチェックポイント
十分な高さ(概ね3メートル以上)と強度を持った外塀と門扉があるか。
塀には「忍び返し」等が設置されているか。
警備員が配置され、出入りする者のチェックが行われているか。
外部からの侵入に備えて、窓に鉄格子等の設備が整っているか。
全ての出入口に堅牢なドア、施錠設備(錠は2個以上)が備えられているか。
駐車場は、敷地内にあるか又はフェンス等で囲まれているか。
門、庭、駐車場及び玄関付近に屋外灯が設置され、点灯するか。
(2)住居の防犯対策
住居外部の防犯対策
住居の外壁等に名前等を表示しない。
防犯灯等の照明は明るくする。
一戸建ての場合、侵入者等が隠れる場所をなくすために、草木を剪定する。
一戸建ての場合、番犬を飼うことも警備対策上効果的。
住居内外の整理整頓に心がけ、異常の早期発見に努める。
住居内部の警備対策
警報装置を設置する。
施錠設備、屋外灯等の保守・点検に努め、不良箇所は速やかに補修する。
通常使用しない出入口は、かんぬき等で補強しておく。
窓にはカーテンを付け、外部から中の様子をわからないようにする(特にフラット低層に居住する方)。
(3)生活上の注意事項
近隣者に対する注意
近隣にどのような人が居住しているか把握しておく。また、近隣と良好な関係を構築して、有事の際には協力体制を整えておく。
訪問者に対する注意
一戸建ての場合、用件を確認するまで不用意に敷地内に立ち入らせない。また、フラットの場合、のぞき窓等から来訪者を確認し、扉を開ける際にも、安全チェーンをかけたまま対応すること
使用人、警備員に対する注意
  • プライドを傷つけ、恨みを買うような言動・行為をしない。
  • 貴重品の保管場所を察知されない。また、現金や貴重品を使用人の目に触れる場所に放置しない。
  • 使用人の友人等を無断で敷地内に立ち入らせない。
  • 来訪者に対する警戒、家人が不在の場合の対応要領等を教えておく。
  • 家族構成・名前はもちろんのこと、出勤・帰宅時間等の不在の情報を不用意に外部の者に漏らさないよう指導する。
  • 空巣被害は、雇用している使用人や警備員の手引きによるものもあるので、これらの雇用に当たっては、信頼できる人物を介して雇用する等十分配慮する。
家族に対する注意
  • 平素から防犯上の心構え等について話し合っておく。
  • 必要のない者に名前や住所・電話番号等を知らせない。また、電話が掛かって きた時には、こちらから名乗らず相手に喋らせる。
長期旅行する場合
一時帰国、旅行等で長期間留守にする場合は、少なくとも一つは電灯をつけるなどして、在宅を装う設定を行う。また、不在期間等を大使館に連絡する。
 
(4)外出時の注意事項
  • 派手な服装、行動は慎み、必要以上に目立たないように心がける。特に女性はノースリーブやショートパンツ等の肌を露出する服装は避ける。
  • 多額の現金、貴重品は携行しない。また、人目に付く場所で現金を数えない。
  • 親切を装って声を掛けて来る者もいるので、気を許さない。
  • バスやタクシー、エレベーターを待つ間も気を抜かない。
    ※ バスを待っている間、エレベーター内で体を触られる被害に遭った方もいます。
  • 夜間の外出は徒歩を避け、自動車を使用する。
  • バッグ等を持ち歩く際は、常に注意を怠らず、椅子、床等に放置しない。
  • 車から離れる場合は、確実にロックをし、窓も閉める。また、外から見える座席等に荷物を放置しない
  • 車は、窓を閉め、ドアロックをかけたうえで走行するよう心がける。
  • ホームレスがたむろするような場所には近づかない。
  • 多くの人が集まる場所にはなるべく近づかない。人が集まっている場面に遭遇した時は、できるだけ早くその場から離れる。
被害に遭いそうになった場合のアドバイス
<相手が凶器を持っている場合>
  • できるだけ落ち着き、急な動作をしない。
  • 自分の命を大事にし、お金が目的ならすぐに差し出す。
  • 犯人が凶器を持っていると言いながら見せない場合、見せるよう要求する。
  • 凶器ではなく、犯人を見て、できるだけ長く会話を続ける。話が長くなればなるほど、行動の選択の幅が広がり、犯人の目に「被害者」としてではなく、人格を持った「人間」と写るようになる。
<相手が凶器を持っていない場合>
  • 落ち着くよう心がけて意識を集中させる。
  • 身の安全を第一とし、要求する物を与える。
  • 相手の気を逸らせたり、混乱させるようにし、逃げる。
  • 叫ぶ。「help」や「fire」よりも、甲高い悲鳴のような叫び声の方が効果的。
4.交通事情と事故対策
(1)交通事情
  • 当地では交通マナーは悪く、無理な追い越し、一時不停止、急な割り込み等が頻繁にあり、無秩序な状態であるので十分注意する
  • 交差点内や幹線道路上等、日本の道路交通法規では考えられないような場所でも、乗り降りのために停車することがあるので十分注意する。
  • 舗装された幹線道路でも、陥没している箇所が多くあり、これを避けるために急な進路変更を行うことがあるので、速度を控えめにするとともに、対向車及び前方を走行する車両の動向には十分注意する。
  • 夜間は外灯が少なく、視界がとても悪いので、交通量の多い幹線道路を利用する。
  • 歩行者は、幹線道路であっても、走行車両の直前・直後を横断することがあるので、歩行者に十分注意を向ける。
  • ヒッチハイカーが数多く見られるが、絶対に乗せない。
  • 昨今の道路交通法改正を受け、交通違反(一方通行、携帯電話を使用しての運転、運転席及び助手席窓への遮光フイルム貼付等)の取締りが厳しくなっています。
<ハルツームでよく見られる交通風景>
  • 二重・三重・四重の左折待ち停車車両。
  • 信号無視、信号変わり目の強引な右左折。見切り発進。
  • 方向指示器無点灯の右左折、車線変更、停車。
  • 無理な追い越し。割り込み。逆行。
  • 交差点内や幹線道路上等での駐停車及び車両放置。(故障車を含む)。
  • 走行車両の直前・直後での歩行者の横断。道路中央付近での横断待ち。
  • 野良犬、猫、羊、ロバ車の横断。オート3輪の暴走。
  • 道路上の障害物(岩、陥没、ゴミ類(古タイヤ、バンパー等の自動車部品)
(2)事故対策
  • 平素から、自家用車の点検・整備を励行し、常に良好な状態を保持する。
  • 自動車保険には加入する。
  • 事故を起こしたときには、すぐに交通警察に連絡するとともに、職場等にも知らせ現場に来てもらう。現場の状況によっては、車から降りない方が良い場合もあります。可能であれば、周囲の人に知らせた上で、一旦現場から離れ、職場等に事故を知らせに向かうことも1つの方法です。
<交通事故例>
2011年中、ハルツームにおいて邦人の方が関係する人身交通事故は発生しておりませんが、今後も十分な注意が必要です。また、医療事情、補償体制が不十分なこの国においては、なにより事故の当事者にならないことが肝心です。
5.テロ・誘拐対策
(1)スーダンのテロ情勢

ア 1993年、スーダンは米国によりテロ支援国家に指定されて以降、国際的に孤立してきましたが、2001年発生の同時多発テロ事件以降、テロ分野で米国と協力するなどして国際的孤立からの脱却を図り、国内に潜伏していたイスラム過激派集団の多くは出国もしくは国外追放されています。しかし、南北スーダン間の未解決課題やダルフール問題が未解決であることを理由に、貿易や投資の制限や1997年以来課されてきたスーダン政府高官の資産凍結など一連の経済制裁が継続されています。

イ 2008年1月、米国際援助局(USAID)職員がハルツーム市内を車で移動中、イスラム過激派メンバーによって射殺されました。2009年6月、この実行犯は死刑判決を受けましたが、2010年6月には収監されていた刑務所から脱獄を図り、現在も行方がつかめておりません。上記の射殺事件以降は、政府による取締りが一層強化したことが功を奏して、ハルツーム市内においてテロ事件は発生していません。
現在、国内ではアル・カーイダ関係者は、ほぼ根絶されたと言われていますが、2011年5月には、米国軍によるアル・カーイダの指導者であるウサマ・ビン・ラディンの殺害に対して、追悼の意をささげる集会が首都のハルツーム市内で開かれるなど、未だに共感を覚える人もいることから、テロが発生する可能性は排除できない状況です。

ウ 2009年3月には人道危機、2010年7月には大量殺戮の被疑事実により、スーダンのオマル・バシール大統領は、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が発付されており、2011年11月には近隣国のケニアが大量殺戮の被疑事実によって、自国において逮捕状を発付しております。
2003年以降、部族間闘争等により約30万人に及ぶ国民が死亡したと伝えられ、これらの事実によって首都のハルツームにおいて学生によるデモも発生しており、いつ何時国民の怒りが政府にむけて弾けるのかわからないことから、テロが発生する可能性は排除できません。従って「自分の身は自分で守る」の精神を忘れないことが重要です

(2)テロ・誘拐対策
ア 情報収集及び兆候の発見
テロ・誘拐は、周到な準備をする必要とするため、多くの場合何らかの兆候を伴います。職場や家庭の周辺、通勤途中において、日常と違う点がないかどうか、注意を払いましょう。また、現地の人(職場の現地職員や隣近所の人)と日頃からコミュニケーションを取り、情報のアンテナを張り巡らせましょう。
イ 安全の基本3原則の遵守
目立たない
まず標的にならないことが最も重要なことです。目立つことはテロリストの攻撃目標になりやすく、且つ、その実行を容易にします。
用心を怠らない
テロリストは油断に付け入ります。狙われていることの危険性を認識して、常に用心を怠らないことが重要です。最近は、警備の厳しい大使館等を避け、比較的警備の緩やかなホテル、レストラン等の「ソフト・ターゲット」を狙った爆弾テロが多く見られます。国際会議の開催、政治的緊張の高まり等、世間の人の注目が集まっている時は、テロリストにとって自分たちのプレゼンスを高める絶好の機会です。このような時は、外国人が多く集まる場所にはできるだけ近付かないようにしましょう。
行動を予知されない
テロリストは目標人物の行動を徹底的に調べて、最も成功率の高いときと場所を選び実行に移します。通勤時間・経路、食事を取る場所等行動パターンが一定している者は、テロリストにとって一番狙いやすい目標になります。
(3)誘拐された場合の心構え

犯人にとって人質は、目的達成のための大切な切り札です。万一、不幸にして誘拐された場合には、無事に解放されるとの信念のもとに、次の点に注意して心身の健康の維持に努めることが重要です。

  • 無用の抵抗、挑発はしない。
  • 恐怖が心を支配しないよう、落ち着くことを考え、平静を取り戻す。
  • 一般的には逃走のチャンスはないと考え、無理な脱出等は避ける。
  • 政治的・イデオロギー的議論は絶対にしない。相手にこちらが単なる「人質」ではなく、人格をもった「人間」であると分からせるために、折を見て個人的な話題(家族、趣味等)を持ち掛けてみる。
  • 犯人の指示に従う。しかし、常にあなたの威厳を保つ。
6.緊急連絡先(ハルツーム州)

※ ハルツーム州以外の地域に滞在される方は、滞在地到着後、速やかに国際機関、警察等の連絡先を確認されるようお勧めします。

緊急連絡先
カテゴリ 連絡先
警察
  • ハルツーム州レスキュー警察
    電話:999(24時間対応:日本の110番にあたる)
  • ハルツーム州交通警察局
    電話:01-83777777(交通事故対応)
消防
  • シビル・ディフェンス(ハルツーム本部)
    電話:998 or 112(24時間対応:日本の119番にあたる)
救急車
  • ハルツーム
    電話:9761(Zainから)
  • ハルツーム・ノース
    電話:9762(Zainから)
  • オムドゥルマン
    電話:9763(Zainから)
  • Sudatelから:01-83432500・Areebaから:333
病院
  • ドクターズ・クリニック
    電話:01-498008、83471973、83475374、83464419
  • アカデミー・メディカル・センター
    電話:01-83237804~5
  • アルファイサル・スペシャライズド・ホスピタル
    電話:01-83789555
外国人登録・滞在許可
  • エイリアン・アドミニストレーション(内務省管轄)
    電話:01-83782338
日本大使館
  • 代表電話 01-83471601~2, FAX 01-83471600
  • 窓口受付時間:午前8時から午後3時30分
  • 閉館日:金曜日、土曜日
  • 緊急時の連絡先:領事携帯電話 0912300662
アラビア語集

「泥棒」 = ハラーミー

「助けて」 = アンキズニー

「警察」 = シュルタ

「警察を呼んで」= アトュルブ・シュルタ

「病院」 = ムスタシュファ

「火事」 = アルハリーク

「交通事故」 = ハーディス・ルムルール

「怪我」 = ジャラフ

「救急車」 = アラビーヤトゥ・ルイスアーフ

「日本大使館」 = サファーラ・ヤーバーニーヤ

「日本大使公邸」= ベイト・ッサフィール・ルヤーバーニー

Ⅲ 在留邦人用緊急事態対応マニュアル

内乱、クーデター、暴動等の緊急事態が発生した際には、当大使館としても全力でその対応に当たりますが、そのような状況下では、皆様が責任をもって自己の安全対策に万全を期するよう努力することが必要です。そこで当大使館では、そのような時に皆様が的確、迅速に対応できるよう以下の通り平素の心構えと必要な準備、緊急時の行動について必要な諸点をまとめてみました。皆様は以下を参考に、緊急時には落ち着いて対処できるよう心がけてください。

1.平素の準備と心構え
(1)連絡体制の整備
  • 在留届の提出を励行してください。また、記載事項に変更が生じた場合や帰国の際にも、その旨を当大使館に連絡してください。
  • 緊急事態はいつ起こるかわかりません。緊急事態の発生に備え、家族間、職場内での緊急連絡の方法につき予め決めておいてください。また、お互いの所在を平素より明確にするようにしてください。
  • 緊急事態発生の際には、当大使館より情報を提供するともに必要な助言を行いますが、電話回線等が使用できなくなる場合には、当大使館FM無線機により必要な連絡を行うことがありますのでFM受信可能ラジオを備えておいてください
    周波数89.3メガヘルツ
(2)一時避難場所及び緊急時避難先
一時避難場所の検討
内乱等による戦闘、騒乱に巻き込まれる可能性がある時は、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集して危険な場所に近づかないように心がけてください。巻き込まれそうになった場合に備えて、避難場所は常日頃から頭に入れておくことが重要であり、自分がどこにいるか(勤務先、通勤途上、自宅等)、自分がどのような事態に巻き込まれそうか等幾つかのケースを想定して各自の一時避難場所を検討しておいてください(外部との連絡が可能な場所が望ましい)。
緊急時避難先
緊急事態発生時の状況に応じて、当大使館より緊急時避難先(当大使館又は大使公邸)への集結を勧めることがあります。予め位置を確認し、そこまで至るルートにつき、幾つかのケースを想定して検討しておいてください
<大使館事務所(地図PDFが開きます)>
住所 ハルツーム1 ストリート43 ハウスNO.67
電話 01-83471601~2
FAX 01-83471600
<大使公邸(地図PDFが開きます)>
住所 ガーデンシティー プロット206&207
電話 01-83271048
(3)緊急事態における携行品等、非常用物資の準備
  • 旅券、現金、貴金属等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるよう保管しておいてください。
  • 緊急時には、一定期間自宅での待機を勧めることもありますので、非常用食糧、医薬品、燃料等を最低限10日分準備しておいてください。
  • 準備は、「3.緊急事態に備えてのチェックリスト」を参考にして下さい。
2.緊急時の行動
(1)心構え

緊急事態が発生し、または発生する恐れがある場合に、当大使館は皆様の保護に万全を期すため、所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い随時連絡いたします。平静を保ち、デマに惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないよう注意してください

(2)情報の把握
  • 当大使館からは、電話、電子メール、FMラジオ等、その状況に応じて可能な方法によって随時連絡いたしますので、FM放送の受信が常に受けられるようにしてください。周波数は89.3メガヘルツです。
  • 緊急事態発生の際には、現地、海外報道、衛星放送テレビ等の視聴による情報収集を各自心がけてください。

<BBC・FM放送> 91.0メガヘルツ

(3)当大使館への通報
  • 現場の状況や皆様の職場から得た情報など、随時、当大使館に通報してください。その他の在留邦人の方への貴重な情報となります。
  • 自分や自分の家族または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及ぶか、または及ぶおそれがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を当大使館に報告してください。
  • 緊急事態発生の際には、お互い助け合って対応に当たることも必要になります。そのため、当大使館から皆様にも種々の助力をお願いすることもありますのでよろしく御協力ください。
(4)国外への退避
  • 事態が悪化し、各自または派遣先の機関等の判断により、あるいは当大使館の勧めに従い、自発的に帰国、第三国へ退避する場合、その旨を当大使館へ通報してください。(当大使館への連絡が困難である場合には、日本の外務省海外邦人安全課(外務省代表電話 +81-3-3580-3311(内線5140))へ通報するよう努力してください)。
  • 「退避を勧告します」が発出された場合には、一般商業便が運行している間に、それを利用して可能な限り早急に国外へ退避してください。
  • 事態が切迫し当大使館から退避または避難のための集結を連絡した場合には、緊急避難先である当大使館又は大使公邸に集結してください。その際、しばらくの間大使館等で待機する場合も想定されますので、可能であれば前記1.(3)の非常用物資を持参するようお願いします。また、緊急時には、自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行荷物は必要最小限にするようお願いします。なお、緊急事態発生時には場合により、当大使館にて避難先への交通手段をアレンジすることもあります。
  • 可能性のある国外退避のルートは以下のとおりです。
(空路)
大使館又は大使公邸→ハルツーム国際空港→カイロ(エジプト)、フランクフルト(ドイツ)、アムステルダム(オランダ)、ドバイ(アラブ首長国連邦)、ドーハ(カタール)、ナイロビ(ケニア)、アディス・アベバ(エチオピア)
(陸路)
大使館又は大使公邸→ワド・マダニ→ガダーレフ→エチオピア国境→ゴンダール→(空路にて)アディス・アベバ
3.緊急事態に備えてのチェックリスト
緊急事態に備えてのチェックリスト
旅券
  • 6ヵ月以上の残存有効期間があることを確認する。(6ヵ月以下の場合は、当大使館に切り替え発給の申請をしてください)。
  • 最終ページの「所持人記載欄」は、もれなく記載する。下段に血液型(blood type)を記入する。
  • スーダンでの外国人登録証、滞在許可証等は、いつでも持ち出せる状態にしておく。
  • 出国許可、再入国許可は常に有効なものにしておくことが必要。
現金等
  • 現金・貴金属品・小切手等の有価証券・クレジットカード等は、旅券同様直ちに持ち出せるよう保管しておく。
  • 現金は、家族全員が10日間程度生活できる外貨及び現地通貨を予め用意しておく。
  • 出国する場合の空港使用税(平成24年2月現在50スーダンポンド)の用意も必要。
自動車
  • 常時整備しておくよう心がける。
  • 燃料は常時十分入れておく。
  • 車内には常時、懐中電灯・地図・ティッシュ等を備えておく。
携行品
  • 衣類・着替え
    長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で、人目を引くような華美でないもの。麻・綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。
  • 履物
    行動に便利で、靴底の厚い頑丈なもの。
  • 洗面用具
    タオル・歯磨きセット・石鹸等。
  • 非常用食糧
    しばらく自宅待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員で10日間程度生活できる量を準備しておく。
    自宅から他の場所へ避難する際にはこの中からインスタント食品、缶詰類、粉ミルク、ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい)を携行する。
  • 医薬品等
    家族用常備薬の他、常用薬、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏。
  • ラジオ
    FM放送が受信できる電池仕様のもの。電池の予備も忘れずに。
  • その他
    懐中電灯、予備の強力バッテリー、ライター、ろうそく、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、ヘルメット、防災ずきん(応急には椅子用クッション)

Ⅳ 結語(皆様のスーダンでの生活が数段よくなりますように・・・)

海外で「自分の身は自分で守る」ということは、あらゆる不測の事態を想定して、それに対してどう対処していくかを考え、必要な準備をしておくことだと思います。「備えあれば憂いなし」の言葉通り、日頃からのこうした心と物の備えがいざというときに役立ちます。

いざというときの心と物の備えには、滞在される地方の人々や風俗・習慣・考え方を踏まえることが不可欠です。その上で、皆様にとりまして、この「安全の手引き」が、身を守るための一助となることができたとしたら、これに優る喜びはありません。

崇高な理想に燃えて、このスーダンという国に集いし皆様が、その目的を遂げ、新生スーダンの目撃者とならんことを心から祈念するとともに、皆様の帰りを日本で待っている方々のためにも、安全かつ無事に滞在期間を全うされるようお願い申し上げ、結語に替えさせていただきます。

平成24年2月
在スーダン日本国大使館

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