在留邦人向け安全の手引き 在スリランカ日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成23年4月1日
在スリランカ日本国大使館

目次

Ⅰ.はじめに

Ⅱ.防犯の手引き

  1. 防犯の基本的な心構え
  2. 最近の当地犯罪発生状況
  3. 防犯のための具体的注意事項
    • (1)住居
    • (2)外出時
    • (3)生活上
  4. 交通事情と事故対策
  5. テロ・誘拐対策
  6. 緊急連絡先(電話番号)一覧
  7. 緊急時に役立つ簡単な現地語

Ⅲ.在留邦人用緊急事態対処マニュアル
<内乱・暴動等に備えた心得>

  1. 平素の心構え・準備
    • (1)連絡体制の整備
    • (2)一時避難場所及び緊急退避先
    • (3)緊急時における携行品等、非常用物資の準備
  2. 緊急時の行動
    • (1)心構え
    • (2)情勢の把握
    • (3)大使館への通報等
    • (4)国外への退避

Ⅳ.資料

Ⅰ.はじめに

スリランカで生活されている在留邦人の皆様にとりまして、家族共々事件や事故に巻き込まれることなく、安全に海外生活を送ることのできる基盤を築くことが最も重要なことと思われます。

この趣旨のもと、一般犯罪、交通事故、凶悪犯罪等に起因し、邦人が被害に遭いかねない事件・事故について、具体的な心構え・注意事項を「防犯の手引き」として取りまとめました。併せて、当国で緊急事態が発生した場合の対応要領を「在留邦人緊急事態対処マニュアル<内乱・暴動等に備えた心得>」として取りまとめました。

この安全対策マニュアルが、当国で生活される在留邦人の皆様の参考になれば幸いです。

●このマニュアルのうち、III.「在留邦人用緊急事態対処マニュアル」については、退避などの緊急事態が生じた際に役立つ情報を記載していますので、そのような際には、携行品と共に携行して下さい。

平成23年4月1日
在スリランカ日本国大使館

Ⅱ.防犯の手引き

1.防犯の基本的な心構え

(1)何よりも「自分と自分の家族の安全は自分たち全員で守る」との心構えが基本である。(家族全員で安全意識を高める。)

(2)「予防」こそが最良の危機管理。そのための努力を怠らない。

(3)悲観的に準備し、楽観的に行動する。

(4)現地での行動の三原則は、「目立たないこと」、「行動のパタ-ン化を避けること」、「用心を怠らないこと」であり、現地の文化・風習や価値観を十分に考慮しつつ行動する。

(5)住居の安全対策が、生活面での安全対策の基盤である。

(6)現地社会に早く溶け込み、治安情勢等に関する様々な情報が日頃から得られるようなネットワ-ク作りを心掛ける。

(7)犯罪者の立場になって自らの安全を考えると、注意すべきことがより鮮明に見えてくる(住まいの外周・玄関ドア・窓等の点検、身の回りを点検)。

2.最近の当地犯罪発生状況
(1)テロ情勢

スリランカでは、2009年5月に約30年間に及んだ政府軍とタミル・イーラム解放の虎(LTTE)との間による内戦は政府軍の勝利により終結し、その後、LTTEの残党による爆弾テロ事件等は発生しておらず、一定の治安の改善が認められます。一方、治安当局によるとコロンボ市内等には依然として少数ではありますがLTTEの爆弾テロ要員の残党が潜伏し、海外ではLTTE関係者が組織再興のための資金獲得活動党を行っているとのことであり、今後もその動向を警戒する必要があります。なお、現在も軍・警察による捜査等が強化されており、各地においてLTTE要員の残党が逮捕され、大量の爆薬や自爆テロ用のジャケット等の機材が押収されています。

LTTEの残党が日本人を含む外国人を標的にすることは、現時点で基本的にはないと考えられますが、政府高官、治安当局関係者等を狙った爆弾テロ等に巻き込まれるおそれは否定できないことから、スリランカに滞在するに当たっては外務省ホームページ海外渡航情報等により最新の情報を入手するようにしてください。

(2)一般犯罪発生状況

最近の治安悪化に伴い、警察官が増員されるなどスリランカ全体で治安対策が強化されており、一般犯罪は僅かながら減少傾向にあります。しかし、物価高騰等、経済状況の悪化を反映して、犯罪組織構成員らによる武装強盗、誘拐等の凶悪犯罪は依然として多発しています。こうした状況からコロンボ市や郊外でも凶悪犯罪に巻き込まれる可能性があり、十分な注意が必要です。

コロンボ市又はその郊外では、麻薬密売事件が多く発生しています。また、比較的閑静な住宅街では空き巣による被害や路上強盗事件やひったくりも多く、外国人の被害も報告されています。その他のスラム街で犯罪が多発していますので、これら地域への興味本位での立入りは避けるべきです。

コロンボ郊外の犯罪発生率は、非常に高く、例年、ヌゲゴダ地区、ケラニヤ地区及びマウントラビ二ヤ地区は、スリランカ全体のワースト3に数えられており、強盗や空き巣等が多発しています。

3.防犯のための具体的注意事項(日本人の被害例等を踏まえて)
(1)住居(選定及び警備方法等)
ア 住居選定の際の注意事項
(a)選定地域の治安状況等を確認する。
  • 防犯の見地から、治安の良好な場所に選定する。
  • 周囲に政府要人の建物、軍・警察関係施設又は重要経済施設がある場所は避ける(爆弾テロの標的から離れるとともに、VIPの移動に伴う渋滞を避けるため)。
  • スラム地区が近くにない場所に選定する。
  • 隣人の情報を得る。
  • 寺院・教会・モスク等、人の多く集まるところに隣接していないか確認する。
(b)住居の安全性を確認する。
  • 塀の高さは2メートル以上あり、忍び返しが付いていることが望ましい。
  • 外側から家屋の内部が直接見えないこと。
  • 建物の周辺に塀を乗り越えやすい樹木がないこと。
  • ドアや窓は堅固であり、ガラス部分には鉄格子が取り付けられていること(内側に付けてあるのが効果的)。また、二重の錠やドア・チェーンが付いていること。
  • 防犯用(室外)の照明設備が整っていること。
  • 使用人の部屋と母屋が完全に分離されていること。
  • 孤立した一軒家は避ける。
イ 警備方法
(a)可能であれば、警備員を雇用するのが望ましい。
警備員を雇った際には、具体的な警備方法を説明・指示し、漫然とした警備にならないようにする。勤務状況をよく観察し、怠慢な警備員については、警備会社に抗議するか、警備員の交代を要求する。
(b)防犯のために犬を飼う(防犯上の効果が大きい)。
(c)室内・室外共に照明を明るくすることが必要。特に屋外の照明は、夜間を通して点灯しておくのがよい(その他センサー付きの照明設備が効果的)。
(2)外出時の注意事項
ア スリ・置引き
被害は、混雑したバスの中、催し物会場などで発生しています。被害に遭わないために、以下の点に注意してください。
  • 多額の現金を持っている素振りをしたり、支払い以外の現金を見せない。
  • 身体を押されたり、触られたりしたら、直ぐに所持品をチェック。
  • 混雑した場所では、手荷物を身体から離さない。
  • 一般群衆の中で単独行動をしない。
イ 窃盗、空き巣
外出した際に自宅の使用人に電化製品、食品、その他小物を盗まれるケ-スが多いので、使用人の動向には絶えず注意が必要です。
ウ 邦人を対象にした強盗、殺人及び脅迫
使用人の中には、犯罪の手引きをするために犯罪組織から外国人宅等に送りこまれている者もおり、96年4月にはコロンボ市内で犯罪組織による邦人強盗殺人事件が発生しました。また、2003年8月にはコロンボ市内において銃器を所持した強盗が邦人の店舗兼住宅に侵入し、邦人が負傷するという強盗未遂事件がありました。
(a)上記イ及びウの対策
前述の「住居選定の際の注意事項」、「警備方法」及び後述の使用人に関する注意事項を参照してください。
(b)万が一、強盗・空き巣等の被害にあった場合
  • 強盗に入られた場合は、絶対に抵抗せず努めて冷静を保ち、犯人に安心感を与える。犯人と視線を合わせないようにする一方で、チャンスがあれば犯人の人相、服装その他特徴を観察し記憶する。
  • 空き巣に遭遇した場合は、現場の状態を保存し、直ちに最寄りの警察署に届ける。警備員を雇用している場合、警備会社の管理者が現場を見たいと要求することがあるが、警察が到着するまでは現場に近付けない。警察の捜査によって犯人逮捕及び盗難品の回収につながる可能性は極めて低いが、警察の巡回が増えるなど、再発防止につながる。なお、盗難保険に加入している場合は、警察による調書が必要になる。
エ 車上狙い
当国では、車両窃盗事件が多発しています。短時間駐車していた間にドアミラ-やホイ-ルキャップが盗まれたり、ドアをこじ開けられて車内から携帯電話等が盗まれたりすることは、比較的多く発生しています。
  • 特に夜間は、人通りの少ない所や目の届かない所での駐車を避ける。車を離れる際は必ずドアをロックする。また、駐車中に車内に置かれた物品が人目に触れないようにし、トランクやダッシュボードに入れる等の工夫をする。
  • ドライバ-を雇用し、駐車中は待たせておくことが効果的。
オ 麻薬事件に対する警戒
2009年邦人旅行者がスリランカ人から、ばら売りの煙草を購入して喫煙していたところ警察から大麻所持の現行犯で逮捕される事案が発生しています。路上で、ばら売りされているものは大麻の可能性が高いので注意してください。また、スリランカ人等から「この荷物を日本の友人に渡して欲しい。」等の依頼については十分に注意し、違法薬物の密輸に巻き込まれないようにしてください。
なお、当国における覚せい剤の営利目的所持の罪の場合は、死刑を宣告される可能性があります。
カ 夜間に外出する際の注意事項
家族等に外出先及び帰宅時間等を知らせる。暗い道での徒歩による行動を避ける。帰宅が夜遅くなった場合は、できるだけ大きな道路を通行する等の基本的な注意によって、無用な被害は避けられます。
(3)生活上の注意事項
ア 近隣者
(a)隣人と良好な人間関係を維持する。また、隣人がどういう人物かを知っておくことが有効。
(b)最寄りの邦人(知人)宅の位置、連絡方法を確認する。
イ 訪問者
(a)引越して間もない外国人宅に、よく「恵まれない人達のために」と寄付金を集めにスリランカ人が訪問することがあるが、信用できないケ-スがほとんどなので注意する。
(b)訪問者があっても、直ぐに扉を開けず、覗き窓やインタ-フォンで確認し、また、ドア・チェーンをかけたままで対応する。
(c)依頼していない工事人等がきたら、内部に入れずに用件、会社名、身分証明書等を確認し、さらに会社に電話で確認する。
ウ 使用人(メイド、ドライバー、警備員等)
(a)使用人の雇用に際しては、信頼できる人物であることが最も重要であり、邦人が一定期間雇ったことがある人物を雇う等の心掛けが必要である。前任者からの引き継ぎの場合には、使用人の性格、勤務ぶり等をよく聞いておく。雇用に際しては、氏名、住所、家族、連絡先、電話番号等の情報を記録しておき、また、契約書において雇用条件及び解雇に関する条項も必ず明記しておくことが賢明である。(使用人の解雇に当たっては、契約条件に基づき書面を持って通告する。)
(b)隙を見せず、貴重品や現金を放置しない。また、使用人に見せない。
(c)使用人が犯罪の手引きをする場合があるので、常日頃から使用人の言動に注意する。特に、ドライバーの中には、自動車修理業者、ガソリンスタンド等と結託し、不必要な修理を行い修理費等の上乗せ請求をする者もいるので注意する。
(d)使用人や警備員が勤務中にむやみに外部の者と接触すること、許可無く外部の者(使用人の家族、知人等)が自宅敷地内に立入ることを禁止する。
(e)不在時の連絡先は教えても、行動予定を教えない。
(f)必要であれば、使用人が帰宅する際に所持品を家族又は警備員が点検する。
オ 施錠
(a)外出時及び夜間就寝時には確実に戸締まり(アパートのベランダの窓も必ず施錠)をする習慣をつける。
(b)自宅の鍵は家族が管理し、使用人や警備員には絶対任せない。
(c)外出の際は、主寝室はもちろん、貴重品を保管している引き出しの鍵も必ずかける。また、普段から主寝室に使用人を立ち入らせない。
カ 長期旅行等
休暇等で長期間不在にする場合には、自宅(鍵)の管理を他の在留邦人に依頼する等の処置をとる。過去に、鍵を使用人(メイド)に預けていたために、使用人に家財道具を盗まれた例がありますので注意が必要です。
キ 撮影禁止区域でのカメラ・ビデオの使用
軍・警察関連施設、港湾及び空港でのカメラ・ビデオの撮影は控えてください。港湾でビデオ撮影をしていたために軍に拘留された方もいますので、くれぐれも注意してください。
4.交通事情と事故対策
(1)当国の交通事情

ア 当国の交通事情は、車両登録台数や免許証保有者の増加に伴い年々悪化してきています。2001年11月には、キャンディ市で邦人が死亡する交通事故が発生しています。交通事情は、全般的に標識、信号、陸橋及び横断歩道が少ない、道路が狭いなど交通関係施設が充実しておらず、交通マナーの面でも、右側優先が何とか守られている程度で、道のいたる所で歩行者が横断する、スピ-ドの出し過ぎ、無理な割込みや追い越し、方向指示を出さないドライバ-が多い等の問題が多く、日本人が当国の交通事情に慣れるまでには戸惑うことが多々あります。

イ また、当国には車検制度がなく、相当古い車やヘッドライト・方向指示器・ストップランプ等が故障した車が数多く走っています。更に街灯が少なく夜間の路面が暗いうえ、ハイビ-ムで走行している車が多く目が眩む、そのような状況の中で無灯火の自転車や牛車が走っていたり、人や犬・牛等の飛び出しもあり大変危険ですから、特に夜間の運転には注意が必要です。

ウ 当国の道路は一部の主要幹線を除いて、一応舗装はされているという程度の凹凸道路が多く、運転する際には道路状況にも気を付ける必要があります。着任後慣れるまでのしばらくの間は、自分で運転することを避ける、信頼できるドライバ-を雇う等の処置が必要です。当国における邦人の人命に関わる事件として、交通事故は最も身近にあるものといっても過言ではありません。なお、当国は保険に未加入の車を運転することはできないので、中古車等を購入する際は、保険の加入の有無、保険の有効期限を確認しておく等の注意が必要です(保険に未加入の車を運転していることが判明すると罰金を科されます)。

(2)事故対策
  • 前述のように、ストップランプなどが故障している車が多く、使用できても方向指示器を使わずに右・左折する車もよく見かけられるので、周囲の車の動きをよく観察する。スピードを控えめに車間距離を十分に取り、常にディフェンス・ドライブ(防衛運転)に心がける。
  • 特に、夜間はスピ-ドを出さないことが第一。また、少し遠回りになっても照明が十分な道路を利用する。
  • 小さな子供を路上で遊ばせたり、一人歩きは絶対させない。必ず誰かが付き添う。
(3)事故を起こした場合

不幸にして事故に遭遇した場合には、直ぐに車を止め、先ず気持ちを落ち着けるように努めましょう。車は警察が許可するまで動かさないで下さい。怪我人が出た時には救急車を呼ぶなり、タクシ-で最寄りの病院に運ぶ等の処置をとります。外国人が事故を起こすと興味本位で大勢の人が集まって来ますが、特に敵愾心はないので、余り神経質にならないようにしましょう。

示談については、相手側に妥当な補償金を要求することが非常に難しい一方で、外国人と見ると相手側から多額の補償金を要求される場合があるので、事故を起こした際は、必ず警察に連絡し、事故証明を取っておく必要があります。

(4)当国特有の交通合図(慣習)
ア パッシング(ライトの点滅)
こちらが右折しようとしている場合等に、対向車がパッシングをしたら「お先にどうぞ」の合図ではなく、「こちらが進むので邪魔するな」の合図。また、警察のスピード違反取り締まりが進行方向先にあると、対向車がパッシングで合図をする場合があります。
イ 前の車のドライバ-が窓等から手を出し、前後に動かす。
「追い越して、先に行け」の合図。この合図を出すのは、速度の遅い大型車のドライバ-に多い。
ウ 前の車のドライバ-が窓等から手を出し、上下に動かす。
「速度落とせ」の合図。
エ 前後にL(白地に赤い文字)マ-クを付けた車
自動車免許取得のために路上教習中の車を示す。速度が遅く、よく交通渋滞の原因になる。
(5)その他

1985年に、日本人旅行者が警察の検問所を車で突破したために発砲を受け、死亡した事件がありました。98年にも警察が検問所で通学用バンに発砲し、幼稚園児2人を含む3人(スリランカ人)が重傷を負う事件が発生しています。また、2007年11月、ドイツ大使館館員が運転する車が検問において停止の合図を見逃した際、兵士から警告射撃を受けています。2009年もスリランカ人の運転する車が停止の合図に従わなかったために発砲を受けています。したがって、検問には必ず応じるよう、また停止の合図を見逃さないよう留意して下さい。

また、検問している警察官又は兵士の中には外国人に対して横柄な態度をとる者もいますが、検問には素直に応じて、反抗的な態度等はとらないように注意して下さい。

5.テロ・誘拐対策
(1)テロ対策

ア スリランカにおいては、LTTEの残党及びその他の勢力が日本人を含む外国人を攻撃する可能性は現在のところ非常に低いと考えられてお ります。よって、最新の治安情報の入手に努め、LTTEの残党等のテロ 攻撃に巻き込まれないようにすることが重要です。

イ 爆弾テロの被害に巻き込まれる危険性を極力回避するため、下記事項への注意をお勧めします。
(住居選定の際も考慮してください。)

  • 軍・警察・重要経済施設等には近付かない。
  • 要人住宅及び要人の乗った車には近付かない。
  • 繁華街等の人込みでの滞在時間は極力短くする。
  • 公共交通機関(バス、列車)を利用しての旅行(移動)は慎重に。
  • 自宅前に不審な車両・物等が放置されてないか点検する。

ウ 大規模テロ、暴動等の不測の事態に対する心構えは、下記の通りです。

  • 家族全員の行動及び居所を常に把握し、いざという時に連絡が取れるようにしておく。
  • 不測の事態に備え、食料・燃料・バッテリ-等の備蓄に心掛ける。
  • 不測の事態が発生した場合には、ラジオ・テレビのニュ-スを聞く等情報収集に努める。(なお、緊急時に放送される日本大使館の非常用FM放送の周波数は83.0メガヘルツです。同放送を受信する際は、当国で購入したラジオでは視聴できず、日本のラジオが必要です。)
(2)誘拐対策

当国では、2010年に約500件の誘拐事件が発生していますが、外国人を対象にした身代金目的の誘拐事件は発生していません。

外国人の誘拐事例としては、1986年にジャフナでアメリカ人夫婦が、1991年にポロンナルワでタイ人技術者が、それぞれLTTEにより誘拐された事件がありますが、幸い無事に解放されています。また、96年にはスリランカ南部のヤ-ラ国立公園内において、武装強盗団により小型トラックが略奪され、乗車していた外国人を含む観光客が一時人質となった事件が発生しています。

ア 対策
  • 旅行中やパ-ティ-等における言動に十分注意する。(敵対している当事者の一方を支持するような発言は、他方から恨みを買う可能性がある。)
  • 住居等に出入りする時が最も誘拐・襲撃に遭いやすいので、出入りする際は、周りに怪しい人物や車が無いかチェックする。
  • 夜の遅い時間帯の外出はできる限り控え、外出する場合には、必ず家族や知人に行動予定を知らせておき、なるべく複数人数で行動する。
  • 単身赴任の場合、当地の友人や日本の家族等に定期的に連絡するように心掛ける。
  • 誘拐犯人は、一般的に犯行前に下調べをするので、普段の行動を予見されないため行動経路、時間を変えるように注意する。
  • 不審な電話があった場合には、警察、友人、同僚等に電話の内容を通知する。
  • 尾行を察知した場合は、警察・軍施設等の前で停車し、様子を見る。また、状況により経路を変更するなど臨機応変に対応する。
イ 不幸にして人質となった場合
  • 絶対に抵抗せず、犯人との融和的な関係を保つ努力をする。
  • 捕らわれて孤独な状況に置かれても、警察・関係者等が救出努力をしていることを忘れず、冷静沈着を保ち、常に情勢を有利に導くよう努力する。
  • 犯人の指示にできるだけ従い、挑発したり、刺激したりしないよう言動に気をつける。
6.緊急連絡先(電話番号)一覧

(1)警察
緊急通報(コロンボ市内のみ) 2433333
警察指令室(スリランカ全土) 119

(2)消防 011-2422222

(3)救急病院・救急車
ジェネラルホスピタル 011-2691111
(24時間救急車を呼ぶことができます。)
ナワロカホスピタル 011-2421660
ランカホスピタル 011-4530000

(4)出入国管理局 011-5329000

(5)ツーリスト・ボード 011-2437055

(6)日本人会事務局 011-2435784

(7)在スリランカ日本大使館 011-2693831~3
同大使館領事班直通 011-2669357
(大使館執務時間外の緊急連絡先:0777-383377)

7.緊急時に役立つ簡単な現地語

「泥棒」=ホレック「助けて」=ウダウカランナ

「警察」=ポリースィヤ

「警察を呼んでくれ」=ポリースィヤ・カターカランナ

「パトカー」=ポリスカール

「救急車」=アンビランス

「火事だ」=ギニガンナワ

Ⅲ.在留邦人用緊急事態対処マニュアル

<内乱、暴動等に備えた心得>

(注:この心得は万一に備えたものであり、近く当国で内乱等の事態が起きることを前提としたものではありません。)

万一、内乱、暴動等(以下「内乱等」という。)の緊急事態が発生した際には、大使館は全力でその対応に当たりますが、在留邦人の皆様におかれても、平素から自己の安全対策に万全を期する努力をしていただくことが大切です。

大使館では、緊急時に在留邦人の皆様が的確かつ迅速に対応できるよう、以下のとおり平素の心構えと必要な準備及び緊急時の行動について必要な諸点をまとめてみました。在留邦人の皆様は本マニュアルを参考に、緊急時に落ち着いて対処できるよう心掛けてください。

退避時には携行品と共に携行してください。

日頃より、定期的に目を通してください。

1.平素の心構え・準備
(1)連絡体制の整備

ア 在留邦人の方は在留届の提出を励行してください。在留届に変更(住所、電話番号、帰国等)があった場合は速やかに変更届(帰国届)を提出してください。(郵送、FAXも可)

イ 大使館では、事件情報、大規模デモ・集会情報及び医療情報など、在留邦人の方に有用な情報を「大使館からのお知らせ」として配信しています。方法は、Eメール、郵便又はFAXに限っています。ご希望の方は、配信方法に必要なメールアドレス(FAX番号)をご連絡ください(変更した場合は必ずご連絡ください)。

ウ 日本人会の緊急連絡網に変更があった場合には速やかに日本人会(安全対策理事)に御一報ください。また携帯電話の番号もできるだけ記載してください。

エ 緊急事態はいつ起こるとも限りません。予め、そのような場合の家族間及び企業内での緊急連絡方法について決めておき、お互いに所在を明確にできるようにしてください。

オ 緊急事態発生の際には、当大使館より連絡網を通じて情報を提供するとともに必要な場合は勧告を行いますが、電話回線が不通等の場合には以下の手段で必要な連絡を行います。

(a)大使館のFM放送(電池の準備をお忘れなく。周波数は83.0メガヘルツで行いますので、スリランカ国内用ラジオでは受信できません。日本国内用FMラジオで受信できます。受信の際、ラジオは可能な限り屋外の高い場所に設置し、アンテナを大使館事務所方向に向けてください。)

(b)NHK海外ラジオ放送(NHKワールド・ラジオ日本)、NHK衛星放送

(c)邦人系無線[日本人会会長、日本人会安全対策理事、日本人学校、JICA事務所に設置]

カ 地方の在留日本人に対しては、電話が不通となった場合連絡が取れません。その場合、状況によっては最寄りの警察・軍に安否の確認及び連絡を依頼することもあります。

(2)一時避難場所及び緊急時退避先
ア 一時避難場所の検討
内乱等による戦闘又は騒乱が起きた場合はそれに巻き込まれる可能性があるので、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し、危険な場所に近づかないことを心掛けてください。緊急の際のとりあえずの避難場所(知人の家等。外部との連絡可能な場所が望ましい。)を日頃から検討しておいてください。
イ 緊急時退避先
大使館より、緊急事態発生時の状況に応じて、緊急時退避先への集結を勧告することがあります。大使館が指定する緊急時退避先は、国外退去の可能性をも想定した集結場所であり、原則として以下のとおりですので、同避難先(集結場所)の位置を確認し、避難先へのルートを検討しておいてください。なお、当面の危険回避及び事後の行動の容易性を図るため、最適と思われる避難先を事案の発生場所等により下記の中から選択し大使館からお知らせします。

①大使公邸 12 Maitland Crescent, Colombo7
電話:011-2697344

②大使館事務所 20 Gregory's Road, Colombo7
電話:011-2693831~3

③コロンボ市内主要ホテル

  • ヒルトン・ホテル: 電話:011-2544644
  • シナモン・レイクサイド・ホテル: 電話:011-2491000
  • ガラダリ・ホテル: 電話:011-2544544
  • タージサムドラ・ホテル: 電話:011-2446622
  • シナモン・グランド・ホテル: 電話:011-2437437
  • ヒルトン・コロンボ・レシデンス: 電話:011-5344644

④笹川ホール:No.4,22nd Lane Col3
電話:011-2327231、Fax:2324730

⑤バンダラナヤケ国際空港:
Dept. of civil aviation general office
電話:011-2433213、2333447 (Director General)

⑥エアポートガーデン・ホテル
(空港に最も近い外国人向けホテル)
234/238 Colombo Negambo Road Seeduwa (katunayake)
電話:011-2252950~4、2253771、2252920

⑦ブラウンズビーチホテル
(ニゴンボで最も大きい外国人向けホテル)
175 Lewis Place Negambo
電話:031-5555000、031-222031~2

(3)緊急時における携行品等、非常用物資の準備

ア 旅券、現金、貴金属等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるよう保管しておいてください。

イ 緊急時には一定期間自宅での待機も予想されますので、非常用糧食、医薬品、燃料等を基準として約10日分準備しておいてください。(資料「緊急事態に備えてのチェックリスト」参照)

ウ 緊急退避先へ避難後、しばらくの間は退避先で待機しなければならない事態もあり得ます。その際、食料、日用品、寝具等の生活品が不足しますので各人で、できるだけ持参していただくようお願いします。

2.緊急時の行動
(1)心構え

緊急事態が発生し、又は発生するおそれのある場合に、当大使館は所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い、緊急連絡網、FM放送、邦人系無線又はインターネット外務省ホームページを通じ、随時通報致します。平静を保ち、デマに惑わされたり、群集心理に巻き込まれることの無いよう注意してください。

(2)情勢の把握

ア 当大使館からの連絡は、「大使館からのお知らせ」又は電話利用の可能な場合は日本人会緊急連絡網等により随時通報致します。電話利用が不可能な場合はFM放送及び邦人系無線を通じ通報致します。なお、電話利用が可能な場合においても状況によりFM放送及び邦人系無線の交信を実施することがありますので、常に受信できるようにしておいてください。
FM放送の前には日本の歌謡曲を流します。放送は第一報(随時)以後は約1時間ごと(原則として00分)に行う予定ですが、他の無線交信との関係で前後することがあります。

イ 緊急事態発生の際には、現地、海外報道、衛星放送テレビ等による情報収集を各自心掛けてください。主なラジオの周波数は以下のとおりです。

  • SLBC 95.6メガヘルツ
  • YES FM 89.5メガヘルツ
  • FM 99 99.0メガヘルツ
* NHKワールド・ラジオ日本(NHK海外放送)
周波数は時期により変更されますので大使館領事班等に問い合わせてください。また、インターネットにより、日本語放送周波数などの情報が入手できます。なお、情報は無料ですが通話料は利用者負担です。
アドレス
http://www.nhk.or.jp/nhkworld/japanese/radio/shortwave/howto.html別ウインドウが開きます

ウ 可能であればインターネットを通じて外務省ホームページも参照してください。

アドレス:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/別ウインドウが開きます(日本語版)
http://www.mofa.go.jp/別ウインドウが開きます(英語版)
(3)大使館への通報等

ア 緊急事態が発生した場合は、大使館から在留邦人の安否等を確認するため電話連絡を行いますが、自らも積極的に大使館に安否を電話連絡して頂くようお願い致します。特に、大使館が把握している以外の場所に移動する場合又はホテル若しくは知人宅に退避している場合などには、そのことによって早期の確認が可能となります。

イ 現場の情報の内、通報する必要があると認めたものは、随時大使館に通報してください。その他の在留邦人の方の貴重な情報となります。

ウ 自分や家族又は他の邦人の生命・身体・財産に危害が及んだ場合又は及ぶおそれがある場合は、迅速かつ具体的にその状況を大使館に通報してください。

エ 緊急事態が発生した際の日本人学校の閉鎖につきましては、できるだけ早いタイミングで休校等の措置を講じるよう対応(日本人学校及び学校運営委員会との協議が必要)したいと考えておりますので、関係者との連絡を密にしてください。

オ 緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応することが必要になります。大使館より在留邦人の方々にも種々の助力をお願いすることがありますのでご協力ください。特に国外退避等の状況が発生した場合には、日本人会理事会、JICA、日本人学校関係者等にあらゆる面での協力を依頼することになりますのでよろしくお願い致します。

(4)国外への退避

ア 第1段階:各自又は会社等の判断により自発的に、あるいは大使館の指示により帰国又は第三国へ退避

(a)「退避勧告」の発出が必要とされる事態に備え、一般商業便が運行している間に、緊急の用務のない人は国外に退避するよう大使館から勧告することがあります。

(b)この時点で国外に出る方は、可能であればその旨を大使館へ通報してください。大使館への連絡が困難である場合は、国外脱出後日本の外務省の海外邦人安全課又は南西アジア課(電話(代表)03-3580-3311:執務時間外では、録音された音声の案内が流れますが、公館業務は行っております)へ必ず連絡してください。

イ 第2段階:自宅待機事態が切迫した場合、大使館より自宅等で待機するよう勧告することがありますので、上記1.(3)の準備の確認をするとともに、報道又は大使館等からの情報収集及び連絡に各自心掛けてください。

ウ 第3段階:国外退避のための集結退避又は退避の為の集結を勧告された場合には、原則として上記1.(2)イで指定した緊急時避難先に集結してください。その際、しばらくの間同避難先で待機する必要がある場合も想定されますので、可能であれば上記1.(3)イ・ウの非常用物資等を持参するようお願いします。他方、緊急時には自分及び家族の生命及び身体の安全又は空港等までの移動の容易性を第一に考え、その他の携行荷物は必要最小限にしていただくようお願いします。(一人1個10キログラム程度を基準とし、スーツケースはなるべく避けてください。ソフトタイプのスポーツバッグなどが最適です。)なお、場合により大使館が日本人会等と協力して避難先への交通手段をアレンジすることも考慮します。

エ 第4段階:空港等までの移動(国内移動)
当大使館では、空港等までの移動について、以下の手段を想定しております。

(a)チャーターバス利用(現時点では約30台[1台40人乗り]が可能です。)

(b)大使館館用車、日本人学校スクールバス、各企業等民間車及び個人所有車両の利用(チャーターバス利用不可能時)

(c)チャーターバスと民間車の併用(チャーターバスの確保台数による)人員輸送のための各企業等民間車については、できるだけ緊急時退避先への集結時に退避先へ持ってくるようにしてください。(各企業等民間車の動員協力については、日本人会側と大使館側とで調整させて頂きます。)

また、国外退去の際は、大使館側と民間側との協力は不可欠です。
空港における乗客誘導、空港までの輸送バスの搭乗、邦人への連絡・掌握、人員輸送車両の差出し及び運転等の助力をお願いすることもあり得ますので、よろしくご協力ください。

オ 第5段階:航空機等利用による国外退避
一般商業便の運行がなくなった場合又は満席で席が取れない場合等には臨時便の利用、あるいはチャーター便の手配により(チャーター機等の料金は原則自己負担[片道正規料金]ただし後払いは可能)、また状況によってはその他の方法で退避することが必要になってくることがあり得ますので、大使館の連絡に従うようにしてください。
なお、状況により空港等に大使館特設カウンターを設置するなど、種々の出国支援(旅券を所持していない場合、旅券に代わる帰国のための渡航書の発給等)も考慮します。

Ⅳ.資料

緊急事態に備えてのチェックリスト

1.旅券等

旅券については常時6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください。(6ヶ月以下の場合には大使館に切替発給の申請をしてください。)

旅券の最終頁の「所持人記載欄」はもれなく記載しておいてください。下段に血液型も記入することをお勧めします。

なお、当国における滞在査証等は常に有効なものとしておくことが必要です。

2.現金、貴金属、預金通帳等の有価証券、クレジット・カード

これらは旅券同様すぐ持ち出せるよう保管してください。現金は家族全員が最低限10日間程度生活できる程度の外貨及び当座のための現地通貨を予め用意しておくことをお勧めします。

3.自動車の整備等

(1)車をお持ちの方は常に整備を心掛けてください。

(2)燃料は常時十分入れておくようにしてください。

(3)車内には常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備え置きください。

(4)なお、自動車を持っていない人は、近くに住む車を持っている人と平素か  ら連絡をとり、必要な場合に同乗できるよう相談しておいてください。

4.携行品の準備

避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記に加え次の携行品を、特定の場所にまとめて準備しておいてください。

衣類・着替え、履物、洗面用具、非常用糧食(缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食、ミネラルウォーター等)、医薬品等(常用薬、常備薬、衛生綿、包帯、絆創膏等)、ラジオ(電池の予備)、懐中電灯(電池の予備)、ライター、ろうそく、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット又は防災頭巾(応急には椅子用クッション)

その他に、家族にとって必要と思われるものを準備をしておいてください。何よりも、常日頃の準備が肝要です。

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