在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
2012年1月
在南アフリカ共和国
日本国大使館
日本人会安全対策委員会
資料編
南アフリカ共和国(以下南アという)は、1994年の全民族参加による総選挙で新政府が誕生してから15年以上が経過した現在でも政治、経済、社会、治安等の各分野において数多くの課題を抱えています。とりわけ治安問題に関しては、ヨハネスブルグは、世界的でも最も治安の悪い犯罪都市の一つとされ、最新の2011年9月発表の犯罪統計によると、殺人事件が15,940件(1日当たり43.6件)、殺人未遂事件が15,493件(1日当たり42.4件)、武武装強盗事件が101,463件(1日当たり277.9件)、強盗事件54,883件が(1日当たり150.3件)、強姦を含む性犯罪事件が66,196件(1日当たり181.3件)発生しています。前年度に比較すると、殺人事件が約5%減、殺人未遂事件が約11%減、武装強盗事件が約11%減、強盗事件が約5%減、強姦を含む性犯罪事件が約3%減となっていますが、いずれも発生件数は非常に高い水準であり、南アの人口が約5,000万人であることを鑑みれば、我が国とは到底比較になりません。
南アの既存テロ組織の動向については、2001年にはケープタウンにおいてイスラム過激派組織パガドによる連続爆破事件が発生していますが、その後パガドの主要メンバーが検挙され、同組織は現在治安当局の厳しい監視下に置かれています。
2002年には、白人極右組織ボアマグによる連続爆破事件が発生しましたが、これらは当国黒人居住区を狙った犯行であり、ボアマグの主要メンバーは逮捕され、現在裁判係争中であり、同組織の活動は現時点でほとんど見られない状況です。
2004年4月には、不審な行動をとっていたテロリスト容疑者が南アで逮捕され、その後国外退去処分となる事件が発生しました。また同年7月、パキスタン・グジャラードで警察部隊と外国人テロリスト・グループによる15時間に及ぶ銃撃戦が発生しましたが、逮捕されたテロリスト・グループの中にヨハネスブルク居住の30歳の医師及びプレトリア居住の20歳のイスラム宗教学校の南ア人2人が含まれていたことが報じられました。
2005年7月に発生したロンドン爆破テロ事件の容疑者が、ザンビアで逮捕されましたが、同容疑者が事件前に南アに滞在し、実行犯と連絡をとっていた事実が報じられています。さらに2006年2月には、南ア、ケニア及びエジプト各警察が連携して、エジプトで爆弾テロを計画していた容疑者がケニアで逮捕される事件が発生しております。
昨年は、アフリカ大陸で初のサッカーW杯が開催されましたが、期間中、テロが絡む大きな混乱もなく幕を閉じました。しかしながら、アル・カイーダ等イスラム過激派が南アに潜伏しているとの見方もあり、米国や日本の在外公館等に対するテロの可能性は排除できない情勢にあるため、南アの在留邦人も、テロの被害に巻き込まれる可能性は完全に否定することはできません。
この「在留邦人安全対策マニュアル」は、このような治安及び国際テロ情勢の中で、日常生活における安全確保のための具体的方策の一例を示すとともに、国際テロ、政治不安に伴う暴動等の緊急事態発生時における対応要領等について現時点で想定できる対策事項をとりまとめたものです。防犯対策、緊急事態対策及びテロ対策のご参考にしていただければ幸いです。
現在のところ、南アの治安情勢は、日本人を直接の対象とした政治目的のテロ、誘拐、暴力事件の可能性が喫緊のものであるという状況ではありません。しかし、失業、貧困に端を発した大規模デモは、突発的に発生し、長期化するのが南アの場合は通例で、その都度警察と衝突し、騒擾状態になることが恒常化しています。
他方、一般犯罪情勢については、本書第二部で後述するとおり深刻な情勢であり、この国の犯罪者にとって、危機体験の少ない私達日本人は格好のターゲットになると言って過言ではありません。したがって、在留邦人の皆様におかれましては、南アの日常生活を営む上で、安全を確保するための不断の努力が不可欠であります。
以上に鑑み、本書においては、(1)防犯対策(強盗、強姦、窃盗、誘拐等一般犯罪への対処)、(2)緊急事態への対処(政治的暴動等への対処)、(3)テロ対策の三部構成になっております。
本マニュアルの対象は犯罪、政治情勢及びテロであります。対象は千変万化するものですので、マニュアルどおりに手だてをすれば安全か、大丈夫かという性質のものではありません。したがって以下の事項について留意してください。
安全対策を講じるための基礎となる治安情報は、できるだけ最新のものを多数把握し、より正確なものである必要があります。かかる情報を集約し、共有していくことが最も効果的です。
各人が緊急連絡先リストを整備すると共に、電話機の前に置く、常に携帯する等により、非常の際に迅速に行動が取れるように心掛けてください。
主要な緊急連絡先については、以下のとおりです。
大使館には次の資料があります。資料部数は極めて限られていますが、資料をお貸しすることはできますので、大使館領事部までご連絡ください。
| 罪名 | 2007年4月~2008年3月 | 2008年4月~2009年3月 | 2009年4月~2010年3月 | 2010年4月~2011年3月 | 増減(増減率) | 一日当たりの発生件数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 殺人 | 18,487 | 18,148 | 16,834 | 15,940 | -894(-5.31%) | 43.6 |
| 殺人未遂 | 18,795 | 18,298 | 17,410 | 15,493 | -1917(-11.01%) | 42.4 |
| 重大な傷害 | 210,104 | 203,777 | 205,293 | 198,602 | -6691(-3.25%) | 544.1 |
| 暴行 | 198,049 | 192,838 | 197,284 | 185,891 | -11393(-5.77%) | 509.2 |
| 強盗 | 64,985 | 59,232 | 57,537 | 54,883 | -2651(-4.6%) | 150.3 |
| 武装強盗 | 118,312 | 121,392 | 113,755 | 101,463 | -12292(-10.8%) | 277.9 |
| 車両強盗 | 14,201 | 14,915 | 13,902 | 10,627 | -3275(-23.55%) | 29.1 |
| 大型車両強盗 | 1,245 | 1,437 | 1,412 | 999 | -413(-29.24%) | 2.7 |
| 侵入強盗(住宅) | 14,481 | 18,438 | 18,786 | 16,889 | -1897(-10.09%) | 46.2 |
| 侵入強盗(会社) | 9,862 | 13,920 | 14,534 | 14,667 | 133(0.91%) | 40.1 |
| 放火 | 7,396 | 6,846 | 6,701 | 6,533 | -168(-2.5%) | 17.8 |
| 器物破損 | 136,968 | 134,261 | 132,134 | 125,327 | -6807(-5.15%) | 343.3 |
| 侵入窃盗(住宅) | 237,853 | 246,616 | 256,577 | 247,630 | -8947(-3.48%) | 678.4 |
| 侵入窃盗(会社等) | 62,995 | 70,009 | 71,773 | 69,082 | -2691(-3.74%) | 189.2 |
| 自動車及びバイク盗 | 80,226 | 75,968 | 71,776 | 64,504 | -7272(-10.13%) | 176.7 |
| 車上狙い | 111,661 | 109,548 | 120,862 | 123,091 | 2229(1.84%) | 337.2 |
| 家畜盗 | 28,778 | 30,043 | 32,380 | 30,144 | -2236(-6.9%) | 82.5 |
| 銃器等不法所持 | 13,476 | 14,045 | 14,542 | 14,472 | -70(-0.48%) | 39.6 |
| 薬物関連犯罪 | 109,134 | 117,172 | 134,840 | 150,673 | 15833(11.74%) | 412.8 |
| 飲酒・薬物運転 | 48,405 | 56,165 | 62,939 | 66,697 | 3758(5.97%) | 182.7 |
| その他の窃盗 | 395,296 | 394,124 | 367,442 | 368,095 | 653(0.17%) | 1008.4 |
| 詐欺 | 65,286 | 77,474 | 84,842 | 88,388 | 3546(4.17%) | 242.1 |
| 万引き | 66,992 | 80,773 | 88,634 | 78,383 | -10251(-11.56%) | 214.7 |
| 過失致死 | 13,184 | 12,571 | 12,272 | 11,974 | -298(-2.42%) | 32.8 |
| 誘拐 | 2,323 | 2,535 | 2,889 | 3,604 | 715(24.74%) | 9.8 |
| 児童虐待 | 4,106 | 4,034 | 4,014 | 3,473 | -541(-13.47%) | 9.5 |
| 暴動に伴う犯罪 | 895 | 1,500 | 1,323 | 1,226 | -97(-7.33%) | 3.3 |
| 傷害 | 33,064 | 30,355 | 32,356 | 33,308 | 952(2.94%) | 91.2 |
| 強姦を含む性犯罪 | 63,818 | 70,514 | 68,332 | 66,196 | -2136(-3.12%) | 181.3 |
| 罪名 | 2007年4月~2008年3月 | 2008年4月~2009年3月 | 2009年4月~2010年3月 | 2010年4月~2011年3月 |
|---|---|---|---|---|
| 殺人 | 18,487 | 18,148 | 16,834 | 15,940 |
| 強姦を含む性犯罪 | 63,818 | 70,514 | 68,332 | 66,196 |
| 殺人未遂 | 18,795 | 19,298 | 17,410 | 15,493 |
| 重大な傷害 | 210,104 | 203,777 | 205,293 | 198,602 |
| 暴行 | 198,049 | 192,838 | 197,284 | 185,891 |
| 武装強盗 | 118,312 | 121,392 | 113,755 | 101,463 |
| 強盗 | 64,985 | 59,232 | 57,537 | 54,883 |

| 罪名 | 2007年4月~2008年3月 | 2008年4月~2009年3月 | 2009年4月~2010年3月 | 2010年4月~2011年3月 |
|---|---|---|---|---|
| 侵入窃盗(事業所等) | 62,995 | 70,009 | 71,773 | 69,082 |
| 侵入窃盗(一般住宅) | 237,853 | 246,616 | 256,577 | 247,630 |
| 自動車・バイク盗 | 80,226 | 75,968 | 71,776 | 64,504 |
| 車上狙い | 111,661 | 109,548 | 120,862 | 123,091 |
| 家畜盗難 | 28,778 | 30,043 | 32,380 | 30,144 |
| 車両強盗 | 14,201 | 14,915 | 13,902 | 10,627 |
| 大型車強盗 | 1,245 | 1,437 | 1,412 | 999 |
| 侵入強盗(事業所等) | 9,862 | 13,920 | 14,534 | 14,667 |
| 侵入強盗(一般住宅) | 14,481 | 18,438 | 18,786 | 16,889 |
| 銃器不法所持 | 13,476 | 14,045 | 14,542 | 14,472 |
| 薬物関連犯罪 | 104,689 | 117,172 | 134,840 | 150,673 |

(ロ)新聞報道、当国警察コメント等から見られる当国の犯罪傾向、犯行手口の特徴として次のような点が挙げられます。
新聞報道や当国警察コメントでは、近年の犯罪統計をそれぞれ比較すると、徐々に治安が良くなりつつあるかのような書きぶりが目立ちますが、それでも未だ凶悪犯罪が多発している国であることには変わりはありません。特に、邦人が被害に遭いやすいと思われる侵入強盗事件、侵入窃盗事件、武装強盗事件等は2007年の統計と比較してもほぼ横ばいか増加している傾向にあり、予断を許さない情況が続いています。
(イ)日本人が南ア国内において、殺人事件の被害に遭った事例は1995年以降ありません。しかし、強盗の被害者となった事件は報告されているだけでも2008年1月から2011年12月末までの4年間で23件発生しており、手口としては、は、けん銃使用が6件、刃物使用が3件、首締め強盗が6件等が報告されています。緊縛強盗も2件含まれており、一歩間違えば死亡事件に発展する可能性も十分あったと考えられます。
(ロ)窃盗事件は同4年間で76件発生しており、手口としては、置引きの30件が最も多く、次いで車上狙い15件、スリ7件、スマッシュアンドグラブ4件等となっています。また、夜間の忍び込みを含む住居侵入窃盗事件も10件発生しており、強盗事件等に発展する虞も考えられました。
(ハ)日本人の強盗被害事例
| 形態 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 独立家屋 |
|
|
| 集合住宅 |
|
|
住居や勤務先事務所等の防犯対策を考えるに当たって、敷地外周から主寝室に至るまでを三段階に分けたそれぞれの「防衛線」と設定して、それぞれに対する防犯対策を検討すると「漏れ」や「手落ち」が少なくなります。
住居等の防犯対策を検討するに当たっては、「安全な住居こそ生活の基盤」、「安全は金で買う」が大前提となります。
各防衛線の位置付け及びその防犯対策は次の通りです。なお、資料2の防衛線概略図をご参照ください。
(イ)第一次防衛線
敷地外周の防衛線です。独立家屋の場合は敷地境界線(塀、門等)、集合住宅の場合は、これらを含めて共通の出入口(ロビー玄関等)まで含みます。
| 形態 | 場所 | 対策 |
|---|---|---|
| 独立家屋 | 外塀 |
|
| 門扉 |
|
|
| 駐車場 |
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| 庭 |
|
|
| フラット・タウンハウス等 | 出入口 |
|
| 駐車場 |
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|
| コンプレックス | 外塀 |
|
| 門扉 |
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(ロ)第二次防衛線
内周の防衛線です。独立家屋のある場合は家屋の外周(壁、扉、窓等)、集合住宅の場合は占有する住宅部分の外周です。
| 場所 | 対策 |
|---|---|
| 入口扉(玄関) |
|
| その他出入口 |
|
| 窓 |
|
| 建物 |
|
(ハ)第三次防衛線
第二次防衛線内に設ける特別避難区域(通常主寝室等)です。「最後の砦」となるもので、警察や警備員が駆けつけて来るまでの避難場所となりますので、外部との通信手段(電話や無線機)は必ず備えておき、緊急避難口を設けておくようにして下さい。
(イ)アラーム・モニター契約は最低条件
深刻な治安状況と期待できない行政から、万一の場合に警備員が駆けつけてくるアラーム・モニタリング・サービスを受けることは、私達が生活する上での必須条件です。
(ロ)警備員雇用の検討
悪質な警備会社も多いため、警備員を配置することは「諸刃の剣」的な一面はあ
りますが、定評ある警備会社の警備員を夜間の12時間又は24時間配置させることによって、自宅ゲート前におけるカージャック防止等には効果があります。
(ハ)鍵の管理は厳重に
どれほど塀、門扉を頑丈にしても、鍵の管理が不適切だと簡単に鍵を悪用されることになります。鍵の管理は重要です。
(ニ)使用人(警備員)選びは慎重に
使用人(警備員を含む。以下、使用人等と言う。)が手引きしたと見られる凶悪事件が相当数あります。当初は家人を信用させておいてから手引きをすることが多いので、使用人は慎重に選び、雇用後も普段の行動を監視するようにしてください。
(ホ)警備員を過信しない
どんな優秀そうに見える警備員でもいざと言うときに役に立つとは限りません。強盗に対して「見て見ぬ振りをした」、「一目散に逃げた」等という話は日常的によくあるとのことですので、警備員を過信せず、防犯上のポイントは常に自分でチェックすることを心がけてください。
(ヘ)来訪者への対応は慎重に
犯罪者はあらゆる手段を駆使して反撃の少ない女性・子供だけの在宅時を狙って敷地内、屋内に侵入しようとします。日本人は何事にも警戒するということに不慣れで、はっきりと断るといったことが不得意です。何となく来訪者を屋内に入れてしまうというケースもありますので、日頃から警戒心を養っておいてください。
(ト)留守時の対策は綿密に
休暇、旅行等で長期不在にするときは、犯罪者にとっては最も事件を起しやすい時であり、泥棒というものは日頃からこの種の情報等を収集しているものです。留守時には留守であることを悟らせないこと、悟らせるのを遅らせることに配慮してください。
(チ)外出、帰宅時も要注意
外出、帰宅時は、心の隙をつかれ、また、各防衛線が開かれるため、犯罪被害が多く発生する瞬間です。さらに、自動車による帰宅は、カージャックに遭遇する危険性の一番高い瞬間となっています。全神経を集中して周囲の警戒に当てるようにしてください。
(リ)常に防犯チェックを
警報機器等の物的手段、警備員等の人的手段を駆使しても、これらの平素の活用が形式に流れ、緊張感が薄れて実際に機能しないということが往々にしてあります。警報機器をセットし忘れた夜に限って泥棒に入られたという例も報告されています。
犯罪者からは日本人は「金を持っている外国人」と映っており、狙いやすい対象であるとされています。さらに、ナイフや銃器が氾濫し、それらを「脅す」ためでなく、相手を殺傷するために持っていますので、対応を誤れば命を奪われてしまうという治安状況を肝に銘じておいてください。
また、金品を狙う財産犯だけでなく、婦女子を対象とした性犯罪も異常に多発しており、女性の人格、尊厳を傷つけられるだけでなく、AIDS感染という致命的な被害を被るおそれもあります。
外出される時は、常にこれら危険と隣り合わせにあることを忘れないようにしてください。
当地では、日本と異なり、気軽に利用できる電車やバス、タクシー等の公共交通機関が未発達であり、治安上問題があるため、自家用車の所持が不可欠となっています。しかし、他のアフリカ諸国と比べても道路環境は良く、マナーも比較的良い反面、年間の交通事故死亡者数が約12,000人程にのぼる等、一般犯罪被害と同様に、身を守る上で十分な対策が必要となります。
(イ)交通事故防止
(ロ)交通事故に遭遇した場合
交通事故は誰も起こそうとして起こすものではありません。起こってしまったものは仕方がないと割り切って、落ち着いて処理にあたることが肝要です。
《治安が悪い地区での交通事故の場合》
交通事故を起こした場合、通常、直ぐに自動車を停車させ、負傷者の救護措置、警察への通報を行いますが、ヨハネスブルグのダウンタウン、低所得者居住地域周辺等治安が悪い場所では、車から降りたところで運転者がリンチや強盗に会うことがありますので、そういった虞のある場合は次の措置を取ってください。
(ハ)自動車犯罪
本マニュアルは、南アにおける、騒乱、暴動、クーデター等の重大事態が発生する場合に備えて、緊急事態発生の兆候が見られた場合直ちに初動体制に入ることができるよう、予め対策本部の組織、対処要領等を策定しておくもので、その目的、任務は当国在留邦人の身体の安全を可能な限り確保しようとするものです。
対策本部の本部長は大使(または臨時代理大使)とし、緊急事態対策に関する指揮をとる。
副本部長は本部長の指揮を受け、対策本部の任務を遂行する。
副本部長は大使館公使と南ア日本人会会長の2名をもって充てる。
大使館員及び日本人会安全対策委員会委員をもって対策本部を組織する。対策本部は大使館内に置くとともに、その分室をヨハネスブルグ日本人学校内に置く。
対策本部には、総務、通信、情報渉外、警備、邦人連絡、補給輸送及び医療の各班を設置する。
| 班 | 編成 | 任務 |
|---|---|---|
| 総務 | 大使館:公使 | 総括及び人員の配置に関すること及びプレス対応 |
| 日本人会:会長 | ||
| 通信 | 大使館:通信班員1名 | 対策本部~同分室、大使館~外務省大使館~ケープ事務所・近隣公館間等の通信業務に関すること |
| 日本人会:担当委員1名 | ||
| 情報渉外 | 大使館:総務班員1名政務班員2名 | 各種情報の収集、分析、評価及び報告に関すること |
| 日本人会:担当委員2名 | ||
| 警備 | 大使館:警備対策官、経済班員2名、警備班員1名 | 日本人学校を含む在留邦人の保護、及び大使館並びに大使公邸の警備に関すること |
| 日本人会:担当委員1名 | ||
| 邦人連絡 | 大使館:領事班員1名、広報班員1名、経済班員1名 | 在留邦人への連絡に関すること |
| 日本人会:担当委員2名 | ||
| 補給輸送 | 大使館:官房班員3名、経済班員2名 | 食糧等生活物資の補給、管理、及び輸送手段に関すること |
| 日本人会:担当委員2名 | ||
| 医療 | 大使館:医務官、政務班員1名 | 在留邦人の負傷者の応急手当てに関すること |
| 日本人会:担当委員2名 |
本部長は、緊急事態が発生した場合、若しくはその発生が予想される場合、大使館(又は大使公邸)に対策本部を、日本人学校に対策本部分室を設置する。また、大使館ケープタウン事務所及びダーバン・トヨタ事務所に連絡室を設置する。
緊急度区分と行動基準を別に定める。
事前備蓄の標準を別に定める。


緊急事態の際、大使館からプレトリア、ヨハネスブルグ在住の邦人向けに情報を提供するためのFM放送であり、家庭のラジオやカーラジオで容易に受信することができる。
ただし、この放送は緊急事態専用であり、当国の電波法がクリアされたものではないので、他言は差し控えること。使用周波数は次のとおり。
ラジオ日本の感度は周波数、季節、時間帯により相当異なるが、外部アンテナを使用することにより比較的容易に聴くことができる。
なお、「NHK WORLD」のホームページで、短波放送の聴き方、番組表、kHzなどが説明されています。なお、放送周波数は、季節に、時間帯により変わる。
緊急事態とは、暴動、クーデター、武力紛争等により治安状況が著しく悪化したと判断される事態、または現地の警察・軍による治安の維持が不可能になった事態を言う。
事態が局部的であり事態の悪化が予想されるものの、自宅待機には危険がない状態
事態が悪化して、地域的または全国的に危険が拡大し、自宅待機に危険が伴う状態
事態の収拾がつかず、国内残留に危険が伴う状態
事前備蓄は、次のモデルを参考にして整備する。また、集合場所等への車両移動の際は、できる限りこれらの備蓄を持参するように努める。
| 備蓄品 | 各家庭 | 各事務所 |
|---|---|---|
| 食料品 | 10日分 | (非常食)人数×10日分 |
| 飲料水 | 10日分 | (非常食)人数×10日分 |
| 医療品 | 適宜 | |
| 燃料 | 携帯燃料(ブライ用のプロパン、ブタンガス等)、なべ、ヤカン車のガソリンは満タンを心かける(少なくとも半分以上) | |
| 無線機等 | 無線機または上記4の無線通信、放送を聞くことの可能なラジオ | |
| その他 | 懐中電灯、ローソク、毛布、寝袋、洗面用具等 | |
2001年9月の米国同時多発テロ事件、米国がテロとの戦いにおいて最優先課題の一つとしてきたオサマ・ビンラディンの殺害以降、各国政府がテロ対策を強化しているにもかかわらず、イスラム過激派が世界各地でテロを敢行するなど、その脅威は依然とて高い状況にあります。
南アでは、殺人や強盗等の凶悪事件をはじめ、窃盗や置き引き等の一般犯罪発生率は高いものの、日本人・日本権益を対象とするテロ組織等は現在までのところ確認はされていませんが、米国関連施設も多く存在する当国においては、いつ、いかなる形でテロ事案が勃発し、それに巻き込まれるかは予想がつかない情況にあります。
以下に掲げる組織の存在が確認もしくは指摘されています。
(1)テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連情報の入手に努める。
(2)テロの標的となる可能性のある施設等危険な場所には、できる限り近づかない。
(3)やむを得ず大勢の人が集まる場所へ行く場合は、周囲の状況に注意を払い、十分に警戒する。
(イ)爆弾テロの多くは、事件の反響を組織の宣伝効果に利用する傾向があり、個人宅よりも企業が狙われることが多い。
(ロ)爆発物の置き去りの発見を容易にするために、事務所周辺の環境整備を行う。
(ハ)車両爆弾の被害を最小限にするためには、駐車場を社員用と外来者用とに区別し、建物から離して設ける。
(ニ)窓ガラスに飛散防止フィルムを貼付する。
(ホ)不審物には近寄らず、警察に通報する。