在留邦人向け安全の手引き 在サンパウロ日本国総領事館
在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
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- 在外公館別マニュアル集ブラジル連邦共和国は全7ページあります。
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サンパウロにおける
安全の手引き
2011年4月
在サンパウロ日本国総領事館
はじめに
サンパウロの治安は依然として回復の兆しを見せず,サンパウロ市及び周辺の都市においては昼夜を問わず殺人や強盗,誘拐などの凶悪事件が多発しており,これら凶悪事件については,ブラジル人のみならず在留邦人の方々も被害に遭っています。
このため外務省では,サンパウロ市,サンパウロ大都市圏及びカンピーナス市に対して『十分注意してください。』の渡航情報を発出して渡航者等に注意を呼びかけている他,当総領事館からもホームページやメールサービスにより,サンパウロの安全情報を発信し,広く注意喚起を行っています。
本手引きについては,サンパウロの最近の治安情勢に基づき,サンパウロに滞在する上で必要な安全対策や事件等に遭遇してしまった場合の対処法等を掲載していますので,皆様の安全対策の一助としていただければ幸甚です。
2011年4月
在サンパウロ日本国総領事館
1 サンパウロ州の治安情勢
下記の表は2010年におけるサンパウロ市,大サンパウロ圏(サンパウロ市を取り巻く38市),郊外(サンパウロ市,大サンパウロ圏を除く地域)の罪種別犯罪発生件数です。
罪種別犯罪発生件数
| 犯罪の種類 |
市内 |
大サンパウロ圏 |
郊外 |
サンパウロ州(合計) |
| 殺人 |
1,196 |
1,030 |
2,092 |
4,318 |
| 殺人未遂 |
1,104 |
1,022 |
2,899 |
5,025 |
| 傷害 |
36,473 |
29,182 |
111,566 |
177,221 |
| 強盗殺人 |
76 |
52 |
125 |
253 |
| 強姦 |
2,513 |
1,987 |
5,379 |
9,879 |
| 身代金目的誘拐 |
33 |
17 |
23 |
73 |
| 薬物取引 |
5,573 |
4,325 |
20,523 |
30,421 |
| 車両強盗 |
34,908 |
18,098 |
15,576 |
68,582 |
| 強盗 |
110,909 |
47,564 |
74,430 |
232,903 |
| 車両窃盗 |
42,947 |
18,107 |
39,746 |
100,800 |
| 窃盗 |
171,273 |
62,887 |
272,466 |
506,626 |
※ 出典:サンパウロ州保安局犯罪統計(2011年2月)
上記の表からサンパウロ州においては,
- 殺人事件(強盗殺人を含む)
- 1日に約12件
- 強盗事件(車両強盗を含む)
- 1日に約826件
もの凶悪事件が発生していることになります。
また,2009年のデータですが,サンパウロと日本の犯罪率(年間10万人当たり)を比較すると,次のとおりとなります。
人口10万人当たりの犯罪発生件数(犯罪率)
| 犯罪の種類 |
サンパウロ州 |
サンパウロ市 |
日本 |
| 殺人事件 |
10.9件(約12倍) |
11.2件(約12倍) |
0.9件 |
| 強盗事件 |
789.9件(約226倍) |
1449.6件(約414倍) |
3.5件 |
※注1 参考資料:警察庁犯罪統計(2010年6月時),サンパウロ州保安局犯罪統計(2010年2月時)
※注2 サンパウロ州保安局犯罪統計では,「強盗」「車両強盗」と強奪された被害品(車両であるか否か)によって統計を区分しているが,同一の犯行形態(強盗行為)であるため,統計資料に基づき2つの区分を合計した数値を使用している。
※注3 ( )内は,日本の犯罪率との比較を表示した。
この表では,
- 殺人事件は,
- サンパウロ州,市とも,日本の約12倍
- 強盗事件は,
- サンパウロ州は,日本の約226倍
- サンパウロ市は,日本の約414倍
という驚異的な高い犯罪発生率が示され,特にサンパウロ市内での強盗事件の多発実態が分かります。これらの数字は,あくまで被害届等により警察が認知した件数です。日本ではほとんどの凶悪事件を警察が認知していますが,サンパウロにおいては,被害者が警察に届け出ないケースが多くあると言われており,実際には上記以上の倍数で被害が発生していると推測されます。
また,サンパウロでは,けん銃等の銃器が氾濫しており,10歳に満たない少年であってもけん銃を所持している場合があります。そして,凶悪事件の9割はけん銃が使用されているとも言われています。このような点から,サンパウロでの強盗事件については,一歩対応を誤ればただの怪我ではすまない虞があり,強盗事件といっても,日本とは危険度が全く異なることを認識してください。
2 防犯に関する心構え
(1)自分の身は自分で守る
これはサンパウロだけでなく,海外生活の基本とも言えます。生活の安全は警察だけが守るものではありません。ましてや世界でも有数の高い犯罪発生率を示すここサンパウロでは,常に警戒心を持って行動しなければ誰もが犯罪被害者になり得ると認識していただくことが大切です。
(2)情報の入手
安全に生活するためにはどんなことに気を付けなければならないのでしょうか。そのためには,まず,サンパウロにおける犯罪の特徴などを理解しなければなりません。
総領事館ではそんな皆様のお手伝いをするため,サンパウロ安全対策情報(被害速報)を発行し,最新の安全情報を提供しております。同情報は在サンパウロ日本国総領事館ホームページhttp://www.sp.br.emb-japan.go.jp/jp/
に掲載されている他,総領事館メールサービス(注)にて発行の都度皆様に直接送付させて頂きます。
(注)サンパウロ日本国総領事館ホームページ内の「総領事館案内」において配信先のメールアドレスをご登録いただければ,自動的に安全情報その他総領事館からの情報をメールで受け取ることができるサービスです。
(3)『ターゲットにならない競争』を意識する
サンパウロの犯罪者はそれ自体が「職業」である場合が多く,盗んだ金品が生活の糧となっています。常に獲物を探している「猛獣」のようなものです。ただ,彼らとしても警察には捕まりたくありませんし,被害者からの反撃を恐れています。楽にお金が稼げるに越したことはなく,彼らは常に大勢の中から襲いやすい人,警戒心の希薄な人,高額な金品を持っていそうな人を探しています。
これら犯罪者のターゲットにならないためには,自分が周囲の人より少しでも狙われにくい行動をとることが必要です。常に『周囲の人と狙われにくい競争をしている』という意識を持ち続ける必要があります。
3 基本的防犯対策~『これだけは常に実行すべき事項』
状況ごとの被害例及び具体的防犯対策は次項に記すこととし,ここでは,あらゆる犯罪を防ぐため,常にこれだけは心掛けて頂きたいという対策を記します。
(1)外出時は常に警戒心を維持し,時より周囲に目線を配るなど,警戒心を顕示する
地元の警察が勧める最も簡単で効果の高い防犯対策です。また,サングラスの使用なども,目線がわかりにくく,一定の防犯効果が期待できます。
サンパウロの犯罪者といえども,やはり警察には捕まりたくありませんし,被害者からの抵抗・反撃にも用心しています。犯行前に顔を見られると,警察の事後の捜査を恐れて犯行しにくくなりますし,また,用心している人を狙うよりは,ボーっとしている人の方が抵抗されにくいと考えているのです。
地元警察官によれば,「被害者のほとんどは,ボーっとして警戒心が感じられない時や,携帯電話をかけて注意力が散漫になっているときに襲われている。」のだそうです。
(2)外出時はラフな服装を心掛け、所持品も最小限にとどめる
派手な服装,高級な装飾品,スーツ姿は犯罪者に目を付けられやすく,ハンドバッグ等の所持品はひったくり,置き引きの標的になります。
みなさんが思う以上に犯罪者は我々をよく見ています。
移動時には腕時計を外したり,パーティに参加する際にはアクセサリー等を現地で付けるようにするなど,日々の行動の中で少しづつ工夫することで,被害に遭うリスクを軽減します。
(3)常に強盗への差し出し用の財布や現金を所持しておく
外出時は,強盗に手渡すための財布やある程度の現金(100レアル程度)を所持しておく必要があります(少額しか持っていなかったため,腹いせにけん銃で撃たれた例があります。)。
また,財布内にキャッシュカード等を入れておくと,強盗の機会に短時間誘拐(被害者を拉致・監禁し,カードを強奪すると共に暗証番号を聞き出し,共犯者が銀行から現金を引き出したことを確認した後に,被害者を解放する犯罪)に発展する虞があります。カード類は財布とは別に所持しましょう。さらに,再発行手続きに時間・労力を要する身分証明書等についても,財布や現金と分散して所持することをお勧めします。
(4)路上で停車するときは、可能な限り徐行距離を長くとり,停車時間を短くする。また,十分な車間距離を空けて停車し,警戒姿勢を顕示する。
サンパウロで強盗に狙われやすいのが車両乗車中です。そして,乗車中の強盗被害の多くは,信号や渋滞等で車両が停車している時に発生します。
被害を防ぐ効果的な方法は,歩行中と同様に警戒心を維持・顕示することであり,『警戒している様子を犯罪者に見せること』です。徐行距離を多くとり,停車が予想される場所の周囲を警戒すると共に,『停車時間を可能な限り短くすること』がポイントです。また,『停車する際には十分な車間距離をとること』も具体的な方策であり,『もし、あの車を襲ったら動き出すかもしれない。』と相手に思わせることが大切です(それでも襲われた場合には,慌てて動いたり抵抗したりしてはなりません:下記「5被害に遭ってしまった場合の対応方法」参照)。
4 被害例及び具体的防犯対策
本項では,これまでに当総領事館にご通報いただいた被害例や当地で多発している被害例のうち,今後も注意を要する事件例を挙げ,各事例ごとに防犯対策を説明しています。
(1)空港利用時
ア 空港
- 被害例
- 午後9時頃,国際空港においてチェックイン後,チェックインカウンター付近の出口から空港建物外に出たベンチに座りつつ,同僚と話をしていた。その際,鞄は足に接触するようにおいていたが,同僚との会話の途中,一瞬鞄に背を向ける体勢になった(この間約5秒)時に盗難にあった。なお,同僚も盗難の事実には全く気がつかなかった。
- 対策
- 公共の場所では,見ず知らずの人物から話しかけられたりするなど,気を引く行為があっても,一瞬でも荷物からの注意をそらさないよう心がける。
イ 空港到着時その1
- 被害例
- 午前7時頃,邦人男性が国際空港から市内の自宅に向かうドゥットラ街道で交通渋滞のため停車中,二人乗りオートバイが車両側方に停車し,けん銃で窓ガラスを激しく叩きながら「腕時計をよこせ。」と脅迫し,男性と運転手から腕時計を強奪した。男性が身につけていたのは高級腕時計であり,犯人らは,空港で被害者を物色し尾行してきたものと推測される。
- 対策
- ① 一般に空港利用者は旅行者や出張者が多く,高額な金品を所持している 場合が多いので強盗犯から狙われやすい。空港送迎時は、強盗犯から目を つけられないよう,一旦,空港2階の出発ラウンジ(ブラジルでの表示は 1階)に上がり,(乗り換え客と思わせて)2階から出発する。
- ② 市内へ向かう道路では,不審な尾行車両がいないか等周囲を警戒し,万 一不審車両を確認した場合には,最寄りの警察署等に一時待避する。
- ③ 空港では華美な服装を避け、装飾品、特に高級腕時計等を身につけない。 また,所持品では,パソコンが狙われ易いので,一見してパソコンが入 っていると分かるような手提げ鞄の使用は控える。
ウ 空港到着時その2
- 被害例
- 午後9時30分頃,邦人男性が国際空港から空港専用タクシーに乗って帰宅途中,市内アクリマソン区の立ち寄り先でタクシーから降車し,小型キャリーケースをトランクから取り出したところ,突然,けん銃を持った男性が大声を声を上げて近づき,所持品を強奪しようとした。
- 対策
- 空港専用タクシーは,乗り場が到着ロビー前である為,空港を出発する際に強盗犯に狙われる危険性だけでなく,一目でそれと分かる塗装がなされている為,幹線道路や市内でターゲットを物色する強盗犯に目をつけられる危険性が高い。よって,あらかじめ送迎車両を手配しておき,前記イと同様,2階出発ラウンジから乗車する。
(2)外出時 ~ 歩行中
ア 強盗
- 被害例 1
- 午後7時頃(サンパウロは夏でまだ明るい時間),スーツを着用した邦人男性がパライーゾ地区(在留邦人が多数居住している地区)の歩道を徒歩にて帰宅途中,男1名が,追い抜きざまにズボンに刺して携行していたけん銃を見せながら,男性のアタッシュケースを指さし,ポルトガル語で何かを話しかけてきた。男性が強盗であることに気付き,抵抗せず,黙っていたところ,男はアタッシュケースを奪い取り,けん銃を突きつけながら背後で待機していた共犯者のバイクに乗り,逃走した。
- 被害例 2
- 午後0時30分頃(正午過ぎ),邦人男性2名が昼食の為,ベラ・ビスタ地区(総領事館が所在する地区)の歩道をレストランに向かって歩行中,交差点付近で,背後から近づいてきた男性1名に鞄の中に隠し持っているけん銃を見せられた。男性2名は,強盗であることを察知し,財布を手渡そうとしたが,犯人はそれを拒み,男性2名から腕時計を奪って逃走した。
- 対策
- ① 路上を歩行する際は,時より周囲に目を配る等,警戒心を顕示する。
- ② 可能な限りラフな服装を心がける。また,所持品について,当地のビジネスマンは通勤時もリュック型の鞄を使用していることが多く,アタッシュケース等は目立ち易いことに留意する。特にノートパソコンは狙われ易く,パソコン用の手提げ鞄については,使用を控える。
- ③ 高級な腕時計,装飾品についても,移動時は装着しないよう配意する。
イ スリ
- 被害例 1
- 午後1時頃,邦人男性が総領事館前のパウリスタ大通りの歩道上を歩いていたところ,前方を歩いていた男が立ち止まったため,続いて立ち止まった。すると後方から何者かに背中を押され,前につんのめった瞬間,後方からズボンのポケットに手を差し入れられ,在中の現金をスリとられた。
- 被害例 2
- 午後0時30分頃,邦人5名(出張男性2名,当地居住男性2名,出張女性1名)がスーツ姿でセントロ地区に位置する地下鉄サンベント駅付近を歩行中,男が人混みに紛れて出張男性1名の背中にアイスクリームをかけ,別の男が,もう1名の出張男性にポルトガル語で話しかけた。当地居住の男性が犯罪手口であることに気付き,近くの飲食店に避難した為,スリ・ひったくりの被害には至らなかった。
- 対策
- ① 歩行中は常に警戒心を持ち,周囲に目線を配るなど警戒心を顕示する。
- ② 特に人混みを歩く際には,特に周囲に注意を払い,貴重品を手で押さる等の措置をとる。
- ③ 外出の際は,なるべくラフな服装を心掛け,できれば複数で行動する。
- ④ 現金や銀行キャッシュカードなど,貴重品はできるだけ分散して所持する。
ウ ひったくり
- 被害例 1
- 午前9時頃,邦人女性が市内ビラ・マリアナ地区道路を歩いて横断しようとしたところ,突然,背後から男1名が近づき,肩にかけていた鞄を引っ張られ,ひったくりの被害に遭遇した。女性が驚き,叫び声をあげた為,男は目的を遂げずに逃走した。
- 被害例 2
- 午後10時30分頃,邦人女性の親子2名がジャルジン・パウリスタ地区を歩行中,後方から自転車に乗った少年が近づいてきたのが分かった為,女性は母親と共に鞄を押さえて警戒した。自転車の少年はそのまま通り過ぎたが,直後に女性の目の前でUターンし,すれ違いざまにネックレスを手にかけてひったくり,そのまま逃走した。
- 対策
- 上記 「ア 強盗」,「イ スリ」の防犯対策に同じ。
(3)外出時 ~ 車両利用時
ア 強盗1(自家用車運転中)
- 被害例
- 午後1時頃,邦人男性4名が自家用車に乗って昼食から会社に戻る途中,パウリスタ大通り近くの交差点で信号停車した直後,けん銃を所持した少年風の男が運転席の窓を叩きながら財布を要求した。運転手の男性が、窓を少し開け,強盗用に準備していたダミーの財布を手渡したところ,犯人は更に腕時計を要求した。運転手の男性が咄嗟のことで腕時計を外すのに手間取ったところ,男は強引に腕時計のバンドを引きちぎり,そのまま逃走した。
- 対策
- ① 乗車中は,窓を閉め確実にドアロックをかける(窓の解放は危険度UP)。
- ② 前方の信号・渋滞状況に配意し,停車が必要な場合には,できるだけ徐行距離を長くとり,少しでも停車時間を短くする。
- ③ 徐行の際には周囲の状況をよく確認する。
- ④ 停車する際には,車間距離を空けて停車する。
- ⑤ 強盗用の財布・現金を所持したり,貴重品は分散して所持する。
- ⑥ 車両運転時も腕時計や装飾品は外しておく。
- ⑦ 車外から見えるところに鞄等荷物を置かない(トランクに収納する)。
- ⑧ 車両乗降時も被害に遭いやすいので,日頃から,乗車後の速やかな発進と停車後の速やかな降車を心がける。
- ⑨ 窓ガラスにフィルムを貼り,車内の乗車人員を識別しにくくする。
イ 強盗被害2(タクシー乗車中)
- 被害例
- 午後7時頃,邦人男性が出張者等とともにタクシーに乗車中,ブリガデイロ・ファリア・リマ大通りで交通渋滞のため停車したところ,オートバイ4台がタクシーを取り囲むように停車し,全員がけん銃を車中に向け,男性らの膝の上に置いてあった鞄を手渡すよう脅迫した。男性らは要求通りにしなければ拳銃を発砲されるものと思い,鞄を手渡すと,犯人らはそのまま渋滞中の車を縫うようにして逃走した。なお,車内にはもう一人男性が同乗していたが,鞄を外部から見えないように座席下部に所持していたため,強奪されなかった。
- 対策
- ① タクシーであっても,車外から見えるところに鞄等荷物を置かない。
- ② 夕方のラッシュ時の乗車はできるだけ避ける。
- ③ タクシー乗車中であっても、停車、渋滞時には付近の様子に目を配る。
- ※ 他の交通機関
- サンパウロでの他の交通機関には,地下鉄や市内バスがあげられますが,市内バスは強盗が多発しているため,できるだけ利用は避けてください。地下鉄は比較的安全ですが,乗車券売り場が強盗に襲われたり,犯罪者が被害者を物色する場所にもなります。比較的安全な場所であっても,回数券を利用して乗車券売り場に行く回数を減らすなど,少しでもリスクを軽減するように配意してください。
ウ 強盗3(タクシー乗降時)
- 被害例
- 午後8時20分頃,邦人男性2名がパライゾ地区のレストランで食事後,付近の停留所にタクシーがいないことから,しばらくの間,レストラン前付近でタクシーを探した。その後,同所を通過したタクシーを停車させることができた為,トランク内に旅行鞄を積み込み,乗車しようとしたところ,オートバイに乗った二人組の男が近づき,男性1名から鞄をひったくった。さらに,バイクの後部に乗車していた男が降車し,タクシーの運転手にけん銃を突きつけ,トランク内から旅行鞄を強奪し,バイクで逃走した。
- 対策
- ① 一般的なサンパウロのタクシー事情として,電話で依頼するタクシー(ラジオ・タクシー)や停留所(タクシーポント)に常駐するタクシーにつては,信頼度が高いと言われている。
- ② タクシーを含め,車両の乗降時に犯罪被害に遭う危険性が高いので,速やかな乗降を心がける。
具体的には,レストランや店舗では,建物を出る前にタクシーを呼び,到着後,速やかに乗車する。また,目的地に到着した際には,支払いに時間がかからないよう小銭を用意しておくなど,停車後,速やかに降車するよう工夫する。
エ 短時間誘拐
- 被害例 1
- 午後9時半頃,市内モエマ地区の路上において,邦人男性が路上駐車中の車に乗ろうとしたところ,背後に停止した車からけん銃を所持した男が近づき,けん銃を突きつけながら男性を助手席に座らせ,男性の車を発進させた。男は共犯者らが乗車する車の後を走り,郊外のショッピングセンター前で停車し,男性の財布から現金とキャッシュカードを抜き出すと,「暗証番号を紙に書け。」と命じた。男性が暗証番号を忘れたふりをしていると,「殺してやる。」と怒鳴り,男性を降車させて自らも降車したが,ちょうど通行人がいたため,そのまま男性の車を奪って逃走した。
- 同日深夜,犯人は被害車両で交通事故を起こし,逮捕された。その犯人は,別の罪で刑務所に服役中で「父の日」に仮釈放されていたことがわかった。
- 被害例 2
- 午前中,市内モルンビー地区に所在するアメリカ総領事館周辺の路上において,車内で知人を待っていた男性が短時間誘拐の被害に遭ったところ,警戒中の誘拐対策課捜査員が逮捕した。犯人は,米国査証を申請する人やその関係者は経済的に裕福であると判断し,アメリカ総領事館周辺の路上に駐車する者等をターゲットとして物色していた。犯人は,被害者をけん銃で脅して車内に侵入し,別の場所に移動して拉致・監禁した。その間に,キャッシュカードを奪い,暗証番号を聞き出すと共に,オートバイで別行動をとっていた共犯者にカードを手渡し,共犯者が銀行で現金を引き出したことを確認した後に被害者を解放する手口で,複数の犯行を敢行していた。
- 対策
- ① 駐車禁止場所ではなくとも,路上駐車は避ける。
- ② 付近に駐車場がない場合や,友人等をアパートまで車で迎えに行き,路上待機せざるを得ない場合には,一旦降車し,車から離れて待機する。
- ③ 乗降車の際には,周辺を警戒し,不審者を認めた場合は乗降車しない。
- ④ できるだけキャッシュカード・クレジットカードと財布とは分散して所持する(強盗から短時間誘拐に移行する場合があるため。)。
- ⑤ サンパウロでは「クリスマス」,「イースター」,「母の日」,「父の日」,「子どもの日」などの記念日に多くの受刑者が仮釈放されるため、注意が必要。
オ 車上狙い
- 被害例
- 午後9時から11時までの間、男性がリベルダージ地区の路上に車両を駐車しておいたところ、運転席側の窓ガラスが割られ、カーステレオが盗まれていた。
- 対策
- ① 路上駐車は控え、監視付きの駐車場に止める。
- ② 車内に荷物を残さない。どうしても荷物を車内に残す場合には,車外から見える場所に荷物を置かない。
- ③ 窓ガラスを破損させて行われる犯罪には「飛散防止フィルム」が有効。
(4)ご家庭で
ア 武装強盗団によるアパート強盗
邦人居住地区を含む市内の高級住宅街で被害が多発しています。入居時に襲われにくい住居を選定することが最も効果的な防犯対策であり,「6住居・車両の選定方法」を参考にして下さい。また,入居後もできる限りの防犯措置をとってください。
- 被害例
- 午後7時頃,市内ジャルジン・パウリスタ地区のアパートにおいて,けん銃等で武装した約10名の犯人らが,高級自動車(BMW)などに分乗し,帰宅した住民がガレージを開放した際にアパート内に侵入した。その後,警備人等従業員を拘束し,外出・帰宅する住人を次々と拘束し,各住民の部屋から金品を強奪した。
- 対策
- ① 外出時,部屋を出る前に警備人の門衛所を確認したり,インターホンで警備人に一言かけるなど,安全を確認する。
- ② 自宅に家族・同居人がいる場合には,外出先から帰宅する前に電話を入れ,異常の有無を確認する。また,自宅に到着した時にも,門衛所等を注視し,異常の有無を確認する。
- ③ もし,自室内で異常に気が付いたら,出入口の施錠を確認し,施錠設備のある寝室などの部屋に身を隠した上,警察に通報する。
- ④ 各種のサービス業者を装い犯人がアパート内に侵入するケースもあることから,サービス業者の来訪予定がある場合には,事前にプロトコール番号を控え,門衛所に通報しておく。
- ⑤ 最近は強盗団の侵入手口が巧妙化していることから,どれだけ防犯対策を講じたとしても絶対安全とは言い切れないため,事件に遭遇してしまった場合には,落ち着いて対処し,身体的被害を被らないよう注意する。
イ 自宅(旅行・外出中の空き巣)
- 被害例
- 午後5時頃から翌日午後8時頃までの間,邦人女性が市内ベラ・ヴィスタ地区所在のアパートを施錠して留守にしていたところ,室内に置いてあった現金,ノートパソコン等が盗まれていた。帰宅時は,鍵を2回転させて施錠したはずの玄関錠が1回転しか回っていない状態になっており,こじ開けられた跡もなかったことから合い鍵を使用したものと思われる。
- 対策
- ① 家政婦は,信頼できる相手から紹介してもらう。
- ② 自宅の鍵は,家政婦,アパート従業員等に預けない。(鍵屋に行けば,ほんの1分程度で合い鍵は作成可能です。)
- ③ 新たに入居するアパートでは,施錠設備を取り替えてから入居する。
- ④ 施錠設備は合い鍵が作りにくい構造のものを選ぶと共に,1枚のドアに複数設置する。
(5)ホテルで
ア 強盗
- 被害例
- 午前2時頃,サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ地区のホテルに宿泊していた邦人男性が食事からホテルに戻ったところ,ホテルのユニフォームを着用して待っていた強盗団がエレベーター内で男性の頭にけん銃を突きつけ、男性をロビー奥の部屋に連れ込んだ。同所には、従業員や他の宿泊客10数人が両腕を縛られて座らされており、そこで被害者は犯人らに脅されて金品を強奪され、部屋の鍵も奪われた。その後、強盗団は別の宿泊客も同じように拘束し、各客室に侵入しているようであったが、数時間後物音がしなくなったのを見計らって、被害者らが自力で脱出した。
- 対策
- ① 深夜の外出はできるだけ控える。
- ② ホテルを利用する際には、警備員の人数、配置状況、チェーンロック有無、室内金庫の有無等を確認し、できるだけ安全性の高いホテルを選ぶ。
- ③ 本件のような事件については、どれだけ防犯対策を講じたとしても絶対安全とは言い切れないため、事件に遭遇してしまった場合に落ち着いて対処し、身体的被害を被らないよう注意する。
イ 窃盗(置き引き)
- 被害例
- 午前8時頃,サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ地区のホテルに宿泊していた邦人男性が,ホテル内レストランにて朝食をとる際,鞄を椅子の上に置き,コーヒーを入れて戻ったところ,別の鞄にすり替えられ,現金やパソコンを鞄ごと盗まれた。
- 対策
- ホテルやイベントホールなど,利用者が限られる場所であっても,警戒心を維持し,所持品から目を離さない。
(6)その他
ア クレジットカードの偽造
- 被害例
- 邦人男性がクレジットカードで買い物をしようとした際,カードが使用停止状態となっていたことから,カード会社に電話で確認したところ,他州において身に覚えのない買い物(7件合計1,500レアル以上)がなされており,何者かが同人のカードを偽造して使用していることが判明した。カードを使用した場所と金額が男性の平素の使用状況と極めて異なることから,カード会社が使用停止状態にしたとのことであった。
- 対策
- ① 信用できる店以外ではクレジットカードは使わない。特にレストラン等の飲食店はカードを店の奥に持っていくことが多いので注意が必要。
- ② サンパウロでは,全く使用していなくてもクローンされている場合があるので,こまめにインターネット等で口座の取引状況を確認する。
イ レストランにおける強盗事件
- 被害例
- 午後11時50分頃,ジャルジン・パウリスタ地区の営業中のレストランにおいて,機関銃とけん銃を所持した4人組の男がレストラン内に侵入し,店内にいた飲食客約15名や従業員を拘束し,現金,クレジットカード,腕時計,携帯電話,ノート型パソコンなどの金品を強奪して逃走した。
- 対策
- ① 深夜の外出は控える。
- ② 本件のような事件については、どれだけ防犯対策を講じたとしても絶安全とは言い切れないため、事件に遭遇してしまった場合に落ち着いて対処し、身体的被害を被らないよう注意する。
- ③ 犯人が逃走する際,現場に駆けつけた警察と犯人が出入り口付近で銃撃戦になることもあることから,可能であれば,ゆっくりと出入り口から離れ,レストラン奥のカウンターなど遮へい物に身を隠す。
ウ 銃器発砲の危険性がある現場への遭遇
- 被害例
- 午前7時20分頃,ジャルジンス地区の路上において,銃器を所持した複数の男性が徘徊し,信号停止していた車両の運転手から車両を強奪しようとしていた。同現場付近を邦人学生を乗せたスクールバスが通過した。
- 対策
- ① 犯行状況が見える場所・位置は,自身が流れ弾の被害を受ける範囲にいることとなる為,興味本位で犯行の様子を見ることはせず,姿勢を低くし,遮へい物に隠れて避難姿勢をとる。
- ② 流れ弾による直接的な被害のほか,バスの窓ガラスに被弾すれば,割損してその破片で身体に傷害を負うなど,間接的な被害の虞もある。よって,バスに乗車している場合には,座席間の通路に姿勢を低くし(可能であれば伏せる),避難姿勢をとる。
エ 電話による脅迫・詐欺
- 被害例
- 午前11時頃,サンパウロ所在の日本企業に見知らぬ男から「お前の会社の役員の写真を持っている。2,000レアル支払わなければこの役員を襲う。俺はPCC(サンパウロの犯罪組織)の幹部を知っている。警察に連絡したら役員を殺す。」旨の脅迫電話がかかってきた。職員が「私からは答えられない。」等と答えると,男は「1,000レアルでもいいので支払え。また2時30分に電話する。」と言って電話を切ったが,その後,電話はかかってこなかった。
- 対策
- ① 相手との会話の中で,相手がどの程度の事実(関係者の氏名,住所,年齢,携帯電話番号,家族構成等)を把握しているのかを聞き出し,話の確度を確かめる。その際には決してこちらから情報を与えないよう注意する。
- ② もしも,相手が詳細な情報を知っている場合は,危険性が高いため,警察に連絡し,保護を求める。
- ③ 相手の脅しが嘘である可能性が高い場合は,警察に連絡する旨はっきり申し向けるなど毅然とした態度をとり,長時間対応しない。
- ④ 固定電話については,日本と同様に登録者情報(住所,氏名,電話番号)が電話帳に掲載され,インターネットでも検索可能である。家庭の契約電話で支障がない場合には電話帳に掲載しないなど,日頃から個人情報が不用意に流出しないよう配意する。
- ⑤ 電話機は,可能な限りナンバーディスプレイ機能が付いたものを使用し,対 不審な電話を受けた時には相手方番号をメモする。
- ⑥ 上記のような電話があった場合,嘘の電話と判断した場合でも,当分の間は外出時,特にアパートや会社から出入りする際に付近を十分警戒する。
- ⑦ 上記脅迫のほか,誘拐事件の身代金,事故示談金などを名目に金銭を要求する「振り込み詐欺」についても,サンパウロで多発していることを認識する。
- ⑧ 振り込み詐欺の場合,「衝撃的な出来事」と「高い緊急性」を訴える金銭の要求が多く,考える時間や相談する時間を与えないようにするケースが多い。被害経験者からは,「振り込み詐欺のことは注意していたが,最初の電話で家族の不測の事態を聞かされ,頭の中が真っ白になった。」という声が聞かれるので,驚いた時,慌てている時こそ,慌てず冷静に対応する。
また,一人で行動せず,必ず信頼のおける周囲の人に相談する。
- ⑨ 各種団体からの寄付金や援助金の要求に応じる場合にも,正規の団体を装った要求や,正規の団体名に酷似した紛らわしい団体名を使用した要求には十分注意し,要求団体や振込先についてよく確認する。
- ⑩ 「脅迫」や「詐欺」では,累次案件が多発している場合,公的機関に相談が多数寄せられていることもあるので,警察等公的機関に問い合わせる。
5 被害に遭ってしまった場合の対応方法
上記防犯対策をすべて実行していれば絶対に被害に遭わないか,と言えばそうではありません。残念ながらどんなに気を付けていても,被害に遭ってしまう場合があります。
もし,自分の目の前にけん銃が突きつけられたら……
そんな想像はしたくもない!と思われるかもしれませんが,それは逆です。常にそういった被害に遭うことを想定し,対応をイメージしておく必要があります。
犯人としても,逮捕されたり被害者やその周囲の人々から反撃されることを恐れて過敏になっています。あなたの慌てた対応が,反撃や逃走時の行動と誤解され,発砲される虞もあります。サンパウロでは,被害者が一つ対応を誤ると命にも関わる事態に陥る危険性があることを認識し,『被害に遭ったらどう対応するか』について,日頃からイメージしておくことが大切です。
(1)逃走・抵抗をこころみてはならない!
サンパウロにおける凶悪事件の9割に銃器が使用されていると言われ,犯人は,被害者が逃走・抵抗をした場合,躊躇せず発砲する危険性があります。
車両運転中,坂道で信号停止した際,外部からけん銃を突きつけられたため,驚いてブレーキから足を離したところ車両が動いてしまい,逃走すると思われて射殺された例もあります。この被害者には逃走する意志がなかったにもかかわらず,「逃走したように見えた」だけで射殺されてしまいました。サンパウロの犯罪者がいかに発砲する危険性が高いかがわかる事案です。
(2)相手の指示に従う!
犯行中の犯人は,ちょっとした刺激で発砲してしまうことがあるため,決して逆らったりせず,犯人の指示には従う方がいいでしょう。相手の指示に従うためには,ある程度のポルトガル語を覚えておく必要もあります。巻末の『緊急時におけるポルトガル語』 を参考に,最低限の言葉は覚えておくようにしてください。
(3)誤解されるような素早い動きをしない!
犯人からけん銃を突きつけられて「金を出せ!」と言われ,慌てて財布を取り出そうと内ポケットに手を入れたところ,発砲された例があります。抵抗する意志はなくても,相手から見て抵抗する(武器を取り出す)ように見えてしまったため発砲されてしまったのです。このような誤解により危険な状態に陥るのを防ぐため,財布を取り出す等の動作はゆっくりと行う必要があります。また,可能であれば自分の行動をあらかじめ犯人に伝えるのもよいでしょう。その他,財布の入っているポケット等を指差して犯人にとってもらうのも一つの手段です。
(4)相手の顔を見ない!
犯人は警察の事後の捜査によって逮捕されることを恐れています。したがって、けん銃を被害者に突きつけた後「俺の顔を見るな!」と指示することが多いのです。じっと見つめていると発砲される虞もあります。被害にあった場合は,目線を落とし,直接相手の顔を見ないようにしましょう。
6 住居・車両の選定方法
生活の基本となる住居及び自家用車の選定は、安全対策の上でも非常に重要です。これらは高価であることから,一度決定すると容易に交換できないため,下記の選定方法を参考に,当初から慎重に選定して下さい。
(1)住居の選定
前記事件例にもあるとおり,サンパウロでは住居を狙った組織的な強盗事件が絶えず発生しています。手口も巧妙化していますので,ただ単に警備機器が設置されているだけでは安心できません。下記のポイントを参考に,少しでも狙われにくい住宅を選定することが重要です。
ア 独立家屋かアパートか
侵入窃盗・強盗など住居に関する犯罪については,独立家屋よりも警備施設・システムが整ったアパートに入居する方が防犯効果が高いと思われます。一方,火災などの際には,独立家屋の方が避難しやすいという利点があり,どちらも一長一短です。どちらを選ぶかは個人の判断ですが,住居に侵入されての強盗事件など高い犯罪リスクを勘案すれば,アパートを選択する方が無難と言えます。
イ 世帯数の少ないアパートはリスクが高い
武装強盗団もやはり,警察に逮捕されたり,反撃を恐れています。強盗団からすれば,1つの階に1戸しかないような世帯数の少ないアパートは,警備員,住民,来客等を監視下におきやすく,犯行中でも警察に通報されるリスクが低いため,より標的とし易い傾向があります。反対に,敷地内に2棟以上に分かれて建てられたアパートや1つの階に複数の世帯が居住するアパートは,人の出入りも多く,通報の虞が高いので,強盗団による犯行は困難となり,それだけリスクが低くなります。
ウ 周囲の塀
塀の周囲に侵入の足場となるような電柱や樹木等がないかを確認して下さい。
また,塀に忍び返し,電気柵や赤外線センサー等の侵入防止設備がくまなく取り付けられているか,防犯カメラシステムが整備されているかがポイントとなります。反対に塀の一部が金網になっているものは,切断されて侵入された例もありますので,注意してください。
エ 門衛所(警備小屋)
窓ガラスは防弾になっているか,また,フィルム等で外から内部が見えにくくなっているかがポイントです。通用門やガレージの門扉が,直接若しくは監視カメラで視認できるかについても重要で,良い物件では,ポルテイロ(門番)が通用門やガレージ門扉近くに立ち,直接,出入りする人物,車両(車内乗車人物)を確認しています。
オ 門扉は二重扉になっているか
通用門及びガレージの門扉が二重扉の構造になっており,さらに扉と扉の間でポルテイロ(門番)が本人確認しているものは,より安全性が高くなります。
カ 防犯カメラ
入り口及びエレベーター内等に防犯カメラが設置されているか。また、録画はされているかがポイントになります。
キ 管理人、門番等アパート従業員の資質
サンパウロの警備設備が整ったアパートでは、ポルテイロと呼ばれる門番や管理人、掃除人等の複数の従業員がいるのが通常です。彼らの職務が怠慢であったり、犯人に騙されるなどして強盗団の侵入を許すケースが多いため、彼らの仕事ぶりを確認することも必要です。
- 住人以外の客等を敷地内に入れる場合,事前に住人に確認を取っているか。
- 車両がガレージに入る際,車内を確認しているか。
- ピザなどの配達人を敷地内に入れていないか(通常,住民に連絡を取り,門扉まで取りに来てもらう)。
ク 玄関扉、勝手口扉
入居時に新たに施錠設備を取り替えることをお勧めします。また,下記ポイントを参考に,家主に改善を交渉することもご検討ください。
- 各世帯の玄関扉,勝手口扉に複数の施錠設備が取り付けられているか。
- ドアスコープが取り付けられているか。
ケ 室内
アパート強盗の被害が発生した場合,発生を早期に認知することで,外出・帰宅のタイミングをずらし,被害を防ぐことができます。室内から通用門や門衛所等が,直接又は防犯カメラで視認できる方が入居後の防犯対策に有効です。
また,室内の各部屋にも施錠設備があれば,安心感が増します。
コ 部屋の階層
ベランダや窓から侵入されないよう,地上から一定の高さがある階層がよいでしょう。しかし,上層階であっても,最上階や屋上への出入りが容易であれば,ロープ等を使用して侵入される危険性もありますので注意してください。
また,火災などの災害発生時の避難や,しばしば発生する停電等の生活環境を考慮することも大切です。
サ ベランダの構造
隣室に侵入した強盗犯が連続して侵入を試みる危険性があるため,ベランダは隣室から簡単に入ることのできる構造となっていないかも注意して下さい。
(2)車両の選定・防犯措置
犯罪者は、乗っている車両により富裕層か否かを見分ける傾向もあり,車両の乗降時や乗車中の強盗被害が後を絶ちません。これを防ぐためには,購入時から下記のような配慮が必要です。
ア 高級輸入車は避ける
高級輸入車は人目につき易く狙われやすいので危険です。高級輸入車を使用する場合には,防弾架装を推奨します。
イ 人気車種は狙われやすい
長い期間販売され,人気のある車種は、部品の需要が高く,強盗・窃盗後に分解して売りさばかれるため,狙われやすい傾向にあります。どの車両が狙われ易いかを具体的に知るには,警察関係者や自動車保険会社の関係者から情報を収集するのも一つの方法でしょう。
ウ 中古車は信頼できる相手から
サンパウロでは,道路の陥没等舗装状態が悪く,また,車での長距離移動も多いことなどから,年式や外見が新しい車でも,傷みが激しい場合があります。故障して立ち往生すれば,それこそ犯罪の的となってしまうため,中古車を購入する場合には,前任者,同僚,取引実績がある相手方など,信頼できる相手から購入することをお勧めします。
エ 防弾架装
予算的に可能であれば,防弾加工はけん銃を使用する強盗,誘拐犯に対し非常に有効な防犯手段です。外部からも防弾加工してあることがわかりやすいため,襲撃される可能性も低くなります。また,過去に空港から市内に至る幹線道路において、タイヤをけん銃で撃ち抜いて襲う強盗事件がありました。同種手口に対しては防弾タイヤは有効であり,このような犯罪が流行するようであれば,タイヤだけ防弾のものに替えることも対策の一つです。
一方,車体全体を防弾架装した場合でも,防弾ガラスは同じ箇所を連続して撃たれれば弾丸が貫通してしまいます。いざという時にわずかでも車両が移動できるよう,車間距離を取って停車するなど運転方法にも配意する必要があります。また,使用状態によって耐用年数が異なる為,点検・整備の必要もあります。「防弾車だから大丈夫」と過信しないように注意してください。
オ 窓ガラスへのフィルムの貼付
カラーフィルムで車内の様子を外部から見えにくくすれば,それだけ犯人も狙いにくくなります。
また,飛散防止フィルムは,ガラスを割れにくくするため,ガラスを割っての車上狙い等に対しては非常に有効です。
カ 盗難防止警報機(アラーム)の設置
けん銃を使用する強盗に対してはあまり効果はありませんが,車両窃盗に対しては有効です。
キ GPS(グローバル・ポジショニング・システム、汎地球測位システム)
盗難車両の発見,車両とともに拉致された場合の所在確認などに役立ちます。
7 交通事情及び事故対策
(1)交通事情
サンパウロの公共交通機関としては,地下鉄,バスなどがありますが,鉄道網は東京に比べて未発達であり,多くの人が自動車を利用しています。また,目覚ましい経済成長から,車両台数が増加しており,市内の至るところで交通渋滞が見られます。道路に関しては,日本に比べて舗装状態が悪く,市内の至るところで陥没が見られ,運転時には十分に注意してください。さらに,交通マナーも日本とは異なる部分があり,また,オートバイが渋滞の隙間を縫うように走り抜けるなど,交通事故の危険性は日本より遙かに高く,死亡事故も多発しています。
(2)交通事故防止上の留意事項
交通事故防止に関しては,国が異なっても基本的に注意すべき事項は同じですが,ここでは,サンパウロにおいて特段の注意が必要と思われる事項について説明します。
ア 歩行中の留意事項
- 基本的には車優先であることを念頭に置いて行動する。
- 歩行者用信号機の青信号の点灯時間が短いので早めに横断する。
- 道路標識,信号にとらわれず,安全確認を確実に行う。
- 子供は必ず歩道内側を歩かせる。
- 整備不良車両が多いため,特に夜間は安全確認を徹底する。
- 坂道が多いため,雨天時,歩道が滑りやすくなるので十分に注意する。
イ 車両運転中の留意事項
- 急な割り込み,進路変更,幅寄せ等が恒常的に行われているため,特に交差点付近では周囲の交通に十分に注意する。
- オートバイが自動車の車間を縫うように走行するので,特に車線変更する 際には周囲に注意する。
- トラック,バスなどの大型車両は,特に運転が乱暴なので,併走している時や追い越しをする時には十分に注意する。
- 夜間,早朝は信号を無視する車両が多いため,青信号であっても減速して安全を確認して通過する。
- 全般的に車間距離が短いため,追突事故には十分に注意する。
- 道路の陥没箇所が多いため,スピードの出し過ぎには注意する。
- 坂道が多く,また,道路整備がしっかりしていないため,雨天の場合,スリップを起こしやすくなるので,十分に注意する。
- 歩行者のマナーも悪いので,青信号で交差点を通過する場合や幹線道路,高速道路を通行する場合であっても,歩行者の飛び出しには注意する。
- 雨天の時は,洪水・冠水が発生しやすいので,地下道や橋梁施設がしっかりしていない道路の通行は避ける。
- 飲酒運転車両が多いため,特に夜間の走行には十分に注意する。
(3)事故発生時の措置
- 怪我人の救助を最優先に行い,不用意に現場から離れない。
- 事故を装った強盗事件の虞もあるため,直ちに警察に通報する。
- 事故を起こした場合には,その場で示談しようとせず,必ず警察に通報する。(交通事故に係わる訴訟事案が多いため)
(4)その他
- 車両は定期的に点検を行い,常に良好な状態に整備しておく。
- 特に高速道路を利用したり,遠出をする場合には,点検を十分に行っておく。
- 高速道路では,ガソリンスタンドが少ないため,常に残量に注意する。
- 保険は,盗難,損害,搭乗者等全ての内容を含むものに加入する。
8 誘拐対策
(1)誘拐事件発生状況
2002年をピークとして減少傾向にありますが,依然として誘拐事件の発生は後を絶たず,十分な注意が必要です。実際,過去には邦人被害も発生していますので,決して人ごとではなく身近に発生している犯罪だと認識してください。
近年のサンパウロでの誘拐事件のほとんどは,身代金目的の誘拐事件であり、政治的な意図を持って行われる誘拐事件とは異なり、その多くは素人の犯罪者グループによる身代金を目的としたものです。誘拐事件捜査を担当する警察幹部の話では,『最近の傾向として,100万円から300万円の間での身代金の要求が多く,防弾車を使用し警備員を配置しているような犯行が困難な富裕層を狙うよりも,所有車両を売却すれば容易に上記金額を入手できるような中上流階級をターゲットにした誘拐事件が多い』とのことです。このような誘拐事件の被害に遭わないために,また,不幸にして誘拐事件に遭った際的確に対応できるよう,社内や家庭内においてよく話し合い,平素の安全対策と万が一の場合の対処要領について検討しておくことが必要です。
(2)防犯対策
誘拐事件の多くは,自宅や会社に出入りする際や、通勤途上によく発生しています。また,バスや地下鉄に乗車している際に誘拐されているケースもありますので,外出する際には,十分に注意することが必要です。
そして誘拐事件の場合,事件が発生する前には何らかの兆候があることが多いため,平素から下記の安全対策に心掛け,兆候を見落とさないようにすることが重要です。
- 通勤,通学の際は,建物の周囲に不審な人物や車両がいないか確認する。
- 夫や子供が自宅を出る際,不審な車両が通勤の車両や通学バスなどを尾行していないか確認する。
- 通勤,通学時間帯に不審な電話が毎日のようにかかってこないか。
- 家族の行動日程などを使用人など関係のない第三者には話さない。
- 通勤経路は3通りほど用意し,不規則に異なった経路を利用する。
- 毎週日曜日に決まった場所に出かけるなどパターン化した行動は控える。
- 高価な貴金属を身につけたり,目立つ服装や車両で外出しない。
- 高級ブティックや宝石店などに出入りする際は,周囲に不審な者がいないか確認するほか,店を出た後に尾行されていないか点検する。
- 車両で外出する際,後続車両に不審車がいる場合などは,家の周りを一周するなどして尾行されていないか確認する。
- ゴルフ場など富裕層が出入りする施設には、できるだけ仲間同士声をかけあい、複数車両、複数人で行くようにする。
(3)事前対策
強盗と同様に誘拐事件についても,被害を最小限に止めるためには,「万が一,家族や知人等が被害にあった場合にはどう対応するか」をあらかじめ考えておくことが非常に重要です。下記の点に注意し,家族,会社単位で検討しておいてください。
- 緊急連絡網の作成
ただし,誘拐事件の場合は,保秘が重要となるので,ごく限られた信頼できる者のみとする。
- 犯人に教える連絡先電話番号や,脅迫電話があった場合の対応等について,会社関係者,家族と予め検討する。
- 犯人側との交渉に使用する携帯電話や電話番号を予め決めておく。
- 身代金の準備をどのように行うか事前に確認しておく。
(4)事件が発生した場合の対応
ア 家族・社員等の身内が誘拐された場合の対応
- 不必要に第三者に口外しない。
- 当総領事館に通報する。
- 関係者と早急に対応(身代金の準備,会社側の意見等)を協議した上で,誘拐の交渉に当たる専門家(誘拐専門の警察や危機管理会社)の派遣を要請する。
- 具体的な金額の話は、専門家のアドバイスを得るまで犯人側に話さない。「できる限りのことはする。」程度にとどめ,犯人側に期待を持たせることが必要である。
- 第一回目の犯人側からの脅迫電話で犯人側から要求された金額をそのまま受け入れない。(まだ余裕があると思い,さらに高額な身代金を要求されるか,解放されても再び誘拐される可能性がある)
- 犯人を刺激する様な言動は慎む。
- 犯人側に指定した電話は,犯人との交渉以外は使用しない。
- できるだけ落ち着いて対応し,犯人の指示を良く確認する。
- 犯人から電話がある度に家族の安否を確認する。
イ 自分自身が誘拐された場合の対応
- 犯人に抵抗したり,大声をだしたりせず,素直に指示に従う。
- 予め関係者と打ち合わせていた内容に従って行動,言動をする。
- 必ず解放されるとの信念をもつ。
- 犯人の顔を見つめたりせず,なるべく目をそらせて会話する。しかし,犯人の特徴は早期に掴んでおく。
- 監禁場所の周囲の景色や目標を良く覚えておく。ただし,敢えて危険を冒すことはしない。
- 犯人と口論はしない。
9 テロ対策
(1)サンパウロにおけるテロ情勢
サンパウロでは,反政府組織によるテロ事件が頻発していた軍政時代以降,20年以上にわたり,テロ事件の発生は確認されていません。また,当局によれば,国内にはテロ組織そのものが存在しないとされており,日本国の権益を脅かす暴力的な反日組織も存在しないことから,直接,在留邦人がテロに巻き込まれる危険性は少ないと言えます。
しかし,隣国のコロンビアやペルーに存在するテロリストらがブラジル国内に侵入してくる可能性もあるほか,世界的な規模で広がりをみせているイスラム原理主義過激派のテロリストが侵入してくることも否定できませんので,平素から最悪の場合を想定した対策を講じておくことは重要です。
(2)平素の留意事項
テロを防止するためには,平素からテロ関連情報の収集に努めるとともに,以下の点に留意することが必要です。
ア 管理者との連携
平素からビル内への部外者の立ち入りに関する管理体制,非常の場合の通報要領,避難方法等についてビル管理者と意思の疎通を図ることが必要である。
イ 環境整備の徹底
建物,事務所内やその周囲に爆発物が設置されることのないよう,常に建物の周囲や敷地内の整理整頓に努めるとともに,駐車管理を徹底して,部外車両の駐車場は重要な施設から可能な限り離れた場所に指定する。
ウ 来訪者のチェック
来訪者,特に事前の連絡のない電気,ガス,水道等の業者や配達業者,面識のない不意の来訪者については,事務所内や建物内を自由に行動させることなく,常に監視の目を持って対応することが必要である。また,使用車両についても,管理を徹底し,不審な車両が駐車場内に放置されることを防ぐようにする。
エ 機械警備の活用
爆発物の設置,持ち込み事案を防ぐため,監視カメラ,金属探知機等の警備機器を設置する。
オ 車両点検の励行
車両を利用する際には,事前に不審な物が設置されていないか点検する。また,爆発物等が設置されないように,路上駐車は避け,必ず監視員のいる駐車場に駐車する。
カ 教養の徹底
社員等の中に一人でも油断する者がいれば,その弱点を突かれて攻撃される恐れがある。したがって,社員に対しては,テロ防止の意識を持って行動するように教養を徹底することが大切である。
キ 事前対策の推進
万が一の場合に備えて各自の任務分担を明確にしておくとともに,重要書類等については,直ちに持ち出せるように平素から区分して保管しておくほか,あらかじめ避難経路を周知させておくとともに,避難計画(避難要領,集合場所等)を策定し,反復して訓練を実施することが大切である。
(3)郵便物等の取扱
郵便物や小包を利用した爆弾,細菌テロ等が発生していますので,平素から事務所内に郵便物を入れる前に,届いた郵便物や小包に不審な点はないか入念に点検することが必要です。
そして点検の結果,万一,不審な郵便物を発見した場合には,不用意に取り扱うことなく覆いをかけて隔離した後,警察,ビル管理者に通報します。
(4)不審な車両や不審な物を発見した場合の措置
郵便物より破壊力,殺傷力が強いことが想定されますので,不審な郵便物を発見した際と同様の措置をとるとともに,避難の範囲をさらに広げる必要があります。
(5)爆破予告の対応要領
爆破予告電話を受理した場合,その信憑性を直ちに判断することは非常に困難です。したがって,爆破予告電話を受理した際には,安易に悪戯電話と決めつけず,真に爆弾が設置されたことを考え,大きく構えて措置することが大切です。万一,爆破予告電話を受理した場合には,以下の点に留意してください。
ア 爆破予告電話を受理した者の対応
- 電話を受理した者は,冷静に対応し,直ちにメモ,合図等により,周囲の者に知らせる。
- 電話の内容を録音する。
- 爆発物の設置個所,爆破時刻,爆弾の種類・個数,設置した動機を第一に聴取するほか,聞き返すなどして,できるだけ脅迫者との会話を引き延ばし,相手の話し方の特徴(なまりなど)や背景音を聞き取るとともに,必ずメモを取り,安全担当者に逐一報告できるようにする。
- 相手を興奮させないように冷静かつ慎重に対応する。
- 犯人の要求事項については,必ず復唱して確認する。
イ 安全担当者の対応
- 安全担当者は,速やかに上司に連絡し,社員等に事務所内外の点検を実施させ異常の有無を確認させるとともに,ビル管理者側に通報する。
- 爆発物を発見,あるいは発見できなかった場合でも,直ちに避難できる態勢を整えさせ,警察へ通報するとともに,ビル管理者側に避難の連絡をする。
- 安全担当者は警察が現場に到着した場合には,爆発物が設置されている場所,個数,どのような形で設置されているかを連絡する。
- 不審な物を発見した場合には,絶対に触れたり,蹴飛ばしたり,臭いを嗅いだりしないよう指示を徹底する。
- 常に爆破時刻を念頭に置いて,避難等の指示に当たるとともに,パニックにならないよう,ハンドマイクなどを使用して落ち着いて行動させる。
- 避難後は,全員が確実に避難したか点呼等確認を必ず実施する。
10 緊急事態対処マニュアル
(1)平素の準備と心構え
ア 連絡体制の整備
- 在留邦人の方々は「在留届」を提出してください。緊急事態発生時,「在留届」に記載された連絡先に当総領事館から直接ご連絡する場合があります。記載内容に変更があった場合も,届け出をお願いします。
- 当総領事館では,緊急事態発生の際には,総領事館メールサービスの他,商工会議所,日本人学校等を通じ緊急連絡網にて連絡しますので,引越,転勤や電話番号に変更があった場合等には,速やかに当総領事館及び各組織にご一報ください(緊急連絡網は(4)を参照)。
- 緊急事態はいつ発生するか分りません。そのような場合に備え,各組織の緊急連絡網等に基づく緊急の連絡方法について,誰から誰に繋ぐのか等を予め決め,平素より確認しておいてください。
- 普段よ,緊急連絡網の前の方(自分に連絡をくれる方)とは常に連絡を取り,出張,休暇等に出かける際には必ずその旨を伝えておいてください。緊急連絡網がいつでも機能するようにしておくことが重要です。
イ 避難場所
- 一時的な避難場所の検討
万一,内乱等による戦闘,騒乱に巻き込まれた場合には,常に周囲の状況に注意を払い,情報を収集し危険な場所に近付かないように心掛けてください。
巻き込まれそうになった場合の取り敢えずの避難場所について,常日頃から頭に入れておくことが重要であり,自分がどこにいるか(勤務先,通勤途上,自宅等),自分がどのような事態に巻き込まれそうか等,幾つかのケースを予め想定して各自の一時避難場所を検討しておいてください(外部との連絡可能な場所が望ましい)。
- 緊急一時避難先
緊急事態発生時の状況に応じて、場合によっては当総領事館から緊急一時避難先への集結を指示することがあります。緊急避難先の所在地は次のとおりですので,避難先の位置を確認し,そこに至るルートを幾つかのケースを想定して検討しておいてください。
- 【在サンパウロ日本国総領事館】
- 住所:Av.Paulista,854 3andar Bela Vista São Paulo SP Brasil
- 【在サンパウロ日本国総領事公邸】
- 住所:R. Marcelo Mistrorigo,50 Morumbi São Paulo SP Brasil
ウ 緊急事態における携行品等,非常用物資の準備
- 旅券,現金,貴金属等最低限必要なものは,直ちに持ち出せるよう予めまとめて保管しておいてください(別添4「緊急事態に備えてのチェック・リスト」参照)。
- 緊急時には一定期間自宅で待機することも考えられますので,非常用の水,食糧,医薬品,燃料等を最低限10日~2週間分程度準備しておいてください。
(2)緊急時の行動
ア 基本的心構え
緊急事態が発生し,または発生する恐れのある場合に,当総領事館は邦人保護に万全を期するため,所要の情報収集,情勢判断および対策の策定を行い,緊急連絡網を通じて随時連絡致します。平静を保ち,流言飛語に惑わされたり,群集心理に巻き込まれることのないよう注意してください。
イ 情報の把握
緊急事態には,相当な混乱が予想されます。社員や家族と離れている場合には,早急に各自の置かれた状況や安否を把握して下さい。またテレビ・ラジオ等で報道される情報を幅広く収集し,正確な情報の把握に努めてください。
ウ 総領事館への通報等
- 在サンパウロ日本国総領事館より邦人の皆様に情報を提供いたしますが,それと同時に皆様が入手された情報で必要があると考えられるものは,随時,当総領事館に直接または各団体を通じて通報してください。その他の在留邦人の方々の貴重な情報となります。在留邦人の間で情報の共有に努めましょう。
- 自分や自分の家族,または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及び,または及ぶ恐れがあるときは,迅速かつ具体的にその状況を当総領事館に連絡してください。
エ 国外への退避
- 事態が悪化し,各自または所属先の会社等の判断により,或いは当総領事館からの情報に基づき,自発的に帰国,若しくは第三国へ退避する場合,その旨を当総領事館及び緊急連絡網の前の方に通報してください(当総領事館への連絡が困難な場合は,日本の外務省領事局海外邦人安全課(電話:03-5501-8160)等へ通報するよう努力してください)。
- 当総領事館が「退避勧告」を発出した場合,一般商業便が運行している間は,可能な限り早急に国外へ退避してください。なお、臨時便やチャーター便が手配されているような事態の場合は当総領事館の指示に従ってください。
- 事態が切迫し,当総領事館より退避または退避のための集結を指示された場合には,上記(1)イで指定した緊急一時避難先に集結してください。その際,しばらくの間,同避難先で待機する必要がある場合も想定されますので,旅券,現金等と共に,可能であれば上記(1)ウの非常用物資を持参下さるようお願いします。他方,緊急時には自分及び家族の生命・身体の安全を第一に考え,その他の携行荷物は必要最小限にしていただくようお願いします。
(3)緊急連絡網
各連絡先に電話,FAX等状況に応じて可能な手段にて連絡します。

別添2 緊急時に役立つポルトガル語
1 強盗犯人が良く使う言葉
- エー ウン アサウト
"É um assalto" 「強盗だ」
- アブラ ア ジャネーラ / アブラ ア ポルタ
"Abra a janela" / "Abra a porta" 「窓を開けろ」/ 「ドア-を開けろ」
- ノン オーリェ パラ ミン / ノン オーリェ パラ ア ジェンチ
"Não olhe para mim"/"Não olhe para a gente"「俺達の顔を見るな」
- ミ ダ ア カルテイラ / ダー カルテイラ / パッセ ア カルテイラ / エントレーギ ア カルテイラ
"Me dá a carteira" / "Dá a carteira" / "Passe a carteira" / "Entregue a carteira"
「財布を渡せ」
- パッセ パラ オ オウトロ ラード / ヴァー パラ オ オウトロ ラード
"Passe para o outro lado" / "Vá para o outro lado"
「そちらの席に移れ」 / 「向こう側にいけ」
- ノン セ メッシャ
"Não se mexa" 「動くな」
- ノン メッシャ エン ナーダ
"Não mexa em nada" 「何処にも触るな」
- フィキ コン アス マンオス ノ ジョエーリョ
"Fique com as mãos no joelho" 「両手は膝の上に置いておけ」
- デイシェ エウ ヘビスタール ヴォセー / ヴォウ チ ヘビスタール
"Deixe eu revistar você" / "Vou te revistar" 「お前の身体をしらべる」
- カウマ
"Calma" 「落ち着け」 / 「騒ぐな」
- カウマ、ノン ヴォウ ファゼール ナダ、ソ ケーロ オ ヂニェイロ
"Calma, não vou fazer nada, só quero o dinheiro"
「騒ぐな、危害はくわえない。金だけが欲しいのだ」
- パッセ オ ヘロージオ / ダー オ ヘロージオ
"Passe o relógio" / "Dá o relógio" 「時計を渡せ」
- パッセ ア ボウサ / ダー ア ボウサ
"Passe a bolsa" / "Dá a bolsa" 「ハンドバッグを渡せ」
- パッセ オ セルラール / ダー オ セルラール
"Passe o celular" / "Dá o celular" 「携帯電話を渡せ」
- パッセ ア パスタ / ダー ア パスタ
"Passe a pasta"/ "Dá a pasta" 「書類鞄を渡せ」
- ヴァモス ア ウン カイシャ エレトローニコ
"Vamos a um caixa eletrônico" 「現金自動支払機まで行け」
- パッセ オ セウ カルタン ド バンコ / ダー オ セウ カルタン ド バンコ
"Passe o seu cartão do banco" / "Dá o seu cartão do banco"「銀行カードを出せ」
- クアウ エー ア センニャ ド カルタン
"Qual é a senha do cartão?"
「暗証番号は?」
- ジーガ ア セーニャ ド カルタン
"Diga a senha do cartão"
「暗証番号を言え」
- シーガ エン フレンチ / ヴァー エン フレンチ
"Siga em frente" / "Vá em frente"
「前へ行け」
- ヴィーレ ア ヂレイタ / ヴィーレ ア エスケルダ
"Vire à direita" / "Vire `a esquerda"
「右に曲がれ」 / 「左に曲がれ」
- パーレ ナケーリ カイシャ エレトローニコ
"Pare naquele caixa eletrônico" 「あそこの現金自動支払機で停めろ」
- フィキ ノ カーホ
"Fique no carro" 「車の中にいろ」
- パーレ オ カーホ
"Pare o carro" 「車を停めろ」
- フィキ パラード ポール キンゼ ミヌートス
"Fique parado por 15 minutos" 「15分間その場所から動くな」
- オンジ ヴォセス テン オス ドーラレス / オンジ エスタン オス ドーラレス
"Onde vocês têm os dólares?" / "Onde estão os dólares?"
「ドルは何処にあるんだ?」
- オンジ ヴォセス グアルダン オス ドーラレス
"Onde vocês guardam os dólares?" 「ドルは何処にしまってあるんだ?」
- オンジ ヴォセス テン アス ジョイアス / オンジ テン アス ジョイアス
"Onde vocês têm as jóias?" / "Onde tem as jóias?"
「宝石類は何処だ?」 / 「宝石類は何処だ?」
- ヴァー パラ オ クアルト(バニェイロ、コジーニャ…)
"Vá para o quarto(banheiro, cozinha, ...)" 「寝室(浴室、台所等)に行け」
- ノン アヴィーゼ ア ポリーシア
"Não avise a polícia" 「警察に知らせるな」
- アシーネ オ シェッキ
"Assine o cheque" 「小切手にサインしろ」
- ミ ダー ア シャーヴィ ド カーホ
"Me dá a chave do carro" 「車の鍵を渡せ」
- オンジ スター シャーヴィ ド カーホ
"Onde está a chave do carro?" 「車の鍵は何処だ?」
- クアウ エー オ カーホ
"Qual é o carro?" 「車はどれだ?」
- オンジ スター オ カーホ
"Onde está o carro?" 「車は何処にある?」
- デッサ ド カーホ / サイア ド カーホ
"Desça do carro" / "Saia do carro" 「車から降りろ」/ 「車から出ろ」
- ミ ダー オ カーホ / パッセ オ カーホ
"Me dá o carro" / "Passe o carro" 「車を渡せ」
2 その他覚えておくと役立つポルトガル語
- ソコーホ
"Socorro" 「助けて」
- シャーミ ア ポリスィア
"Chame a Polícia" 「警察を呼んでください」
- シャーミ ア アンブランスィア
"Chame a ambulância" 「救急車を呼んでください」
- アウゲン ミ アジューダ
"Alguém me ajude" 「誰か手伝ってください」
- ポール ファヴォール ミ レーヴィ ア・オスピタウ
"Por favor , me leve ao hospital" 「病院に連れて行ってください」
- ラドロン
"Ladrão" 「泥棒」
- フォーゴ / インセンジオ
"Fogo / Incêndio" 「火事だ」
- アウゲン ファラ ジャポネース
"Alguém fala japonês?" 「誰か日本語を話せる人はいませんか?」
- ポール ファボール シャーミ ウン メジコ キ エンテンダ ジャポネース
"Por favor , chame um médico que entenda japonês"
「日本語のわかる医者を呼んでください」
- ポール ファボール アビゼ オ コンスラード ド ジャポン
"Por favor , avise o Consulado do Japão" 「領事館へ連絡してください」
- カデー
"Cadê ?" 「どこだ?」
- エスペラ アイー / ペライー
"Espera aí" / "Peraí" 「待て」
別添3 緊急連絡先一覧
緊急連絡先一覧
| 名称 |
連絡先等 |
| 警察 |
190 |
| 消防 |
193 |
| 救急車 |
192 |
| 病院 |
サンパウロ日伯友好病院 (011)-2633-2200
Rua Pistóia 100 , Parque Novo Mundo , Vila Maria |
サンパウロ日伯援護協会診療所 (011)-3274-6500
Rua Fagundes 121 , Liberdade |
サンタ・クルース病院 (011)-5080-2000
Rua Santa Cruz 398 , Vila Mariana |
アインシュタイン病院 (011)-2151-1233
Rua Albert Einstein 627 , Morumbi |
| 総領事館 |
電話 (011)-3254-0100
FAX (011)-3254-0110
※ 閉館時間帯や休館日の緊急時は,上記電話番号にご連絡いただくと,メッセージが流れます。そのメッセージの案内に従ってご連絡下さい。
Avenida Paulista 854 , 3ºandar , Bela Vista |
別添4 緊急事態に備えてのチェック・リスト 『在留邦人配布用』
1.旅券
旅券については、常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください(6か月以下の場合には当大使館に再発給の申請をしてください)。旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。下段に血液型(blood type)何型と記入しておいてください。なお、当国における外国人登録証明書、滞在許可証等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。出国許可や再入国許可(これら許可が必要な場合)は常に有効なものとしておくことが必要です。
2.現金、貴金属、貯金通帳等の有価証券、クレジット・カード
これらのものは、緊急時には旅券同様すぐ持ち出せるよう保管しておいてください。現金は家族全員が10日間程度生活できる外貨及び当座必要な現地通貨を予め用意しておくことをお勧めします(国により通貨持ち出し制限がある場合があるので注意)。なお、出国する場合の出国税及び空港使用税(これらが必要な場合)の用意も必要です。
3.自動車等の整備
(1)自動車をお持ちの方は常時整備しておくよう心掛けてください。
(2)燃料は十分入れておくようにしてください。
(3)車内には、常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備えおきください。
(4)なお、自動車を持っていない方は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を取り、必要な場合に同乗できるよう相談しておいてください。
4.携行品の準備
避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記1.~3.に加え次の携行品を備えて、すぐ持ち出せるようにしてください。
(1)衣類・着替え(長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で、殊更人目を引くような華美なものでないもの、麻、綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。)
(2)履き物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの)
(3)洗面用具(タオル、歯磨きセット、石鹸等)
(4)非常用食料等
しばらく自宅待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいてください。一時避難の目的で自宅から他の場所へ避難する際にはこの中からインスタント食品、缶詰類、粉ミルクを、また、ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい。)を携行するようにしてください。
(5)医薬品
家庭用常備薬の他、常用薬、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏
(6)ラジオ
NHK海外放送(ラジオ・ジャパン)、BBC、VOA等の短波放送が受信できる電池使用のもの(電池の予備も忘れないようにしてください。)
(7)その他
懐中電灯、予備の強力バッテリー、ライター、ローソク、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、防災頭巾(応急的に椅子に敷くクッションでも可)
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