在留邦人向け安全の手引き 在ルーマニア日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成24年3月
在ルーマニア日本国大使館

はじめに

東日本大震災発生から3月11日で1年を迎えることとなりますが,引き続きルーマニアに在留する皆様方と共に犠牲者への追悼と被災地の1日も早い復興をお祈りしていきたいと思います。

さて,当大使館作成の「安全の手引き」を一部改訂いたしました。依然として盗犯等の被害は多発している中,この冊子がルーマニアに滞在する皆様方に安全で楽しい生活を営んで頂けるための一助となれば幸いです。

当大使館では,この冊子が皆様のお役に立てる最良のものとなるべく,今後も改訂を重ねて行きますが,引き続きご意見,ご希望をお寄せ下さいますようお願いいたします。

Ⅰ 基本的な心構え

1 自分の身は自分で守る

よく日本人は「水と安全はタダと思っている」と言われることがあります。
自分だけは大丈夫,無関係なこととは思わず,危険は常に隣り合わせという意識を持っ て下さい。

安全は誰かが個別に確保してくれるものではありませんので,自分と家族の安全は自分 達全員で守るという心構えが必要です。

2 予防こそ最良の危機管理

事件事故に巻き込まれてからでは,完全な被害回復は望めませんので,平素からの予防 こそが,最良の危機管理であると念頭に置いて下さい。

ともすれば,自分自身や家族などに直接被害が及ばないと気も緩みがちになりますが, 家を出る・車を降りる・買い物のため財布を取り出す等の,日常生活のちょっとした場面 場面で警戒意識を持つようにして下さい。

3 安全のための三原則

「目立たない」,「行動のパターン化を避ける」,「用心を怠らない」

これは犯罪のターゲットにならないための基本原則であり,安全に生活するための三原 則となります。

ルーマニアの文化,風俗,価値観を十分考慮した上で行動することが大切です。つまり 「郷に入っては郷に従え」の精神が重要です。

★「目立たない」

日本人(外国人且つ東洋人)であること自体が目立つハンデとなっていますが,それに加えて華美な服装,装飾品(金ネックレス等)を付ける,高価そうなカメラ等の機器類を持ち歩く,公共の場で大声で日本語を話したり,生活苦等により物乞いをする人達(中には,生きていくために犯罪を犯す人達も含まれています。)をことさら異端視するような態度をとらないなど,犯罪者のターゲットにならないよう注意して下さい。

★「行動を予知されない」

通勤,通学,買物等での外出時の時間,経路,交通手段等の行動がパターン化することは,強窃盗犯罪等を企図する犯罪者のみならず,テロリストなどの犯行計画を容易にするものです。

経路や時間が毎日一定している方(特に,その時間帯が,人通りの少ない早朝や深夜に該当する方)は,今からでも意識して毎日少し変えてみることをお奨めします。また,経路の選定に当たっては,裏通りと呼ばれるような場所は避け,人通りの多い経路を選定して下さい。

★「用心を怠らない」

何事も初めのうちは緊張して用心をするものですが,時間(居住期間)が経過するにつれ,緊張感が薄くなり,今まで外出しなかったような時間帯(夜間、深夜)に外出したり,今まで立ち寄らなかったような場所(盛り場付近・暗がり等)に立ち寄るようになるなど行動範囲も広くなるものです。

「まさか自分が…。」というような安易な気持ちから,思わぬ場所,思わぬ事で犯罪被害者となることがありますので,十分に注意して下さい。

Ⅱ 最近の犯罪発生状況

1 一般的犯罪発生状況

ルーマニア当局では,犯罪発生認知件数での統計を行っておらず,捜査機関が捜査に着手した件数を一つの指標としているため,治安状況に関し,年毎或いは他国のものとの比較は困難です。

捜査着手の統計数値は一応毎年発表されていますが,当局への未届け又は届け出も受理されないケースも多く,統計上では一概に判断できませんが,2006年頃から犯罪発生率が増加傾向にあることは確かです。

近年,ルーマニアは,経済発展がもたらす貧富の差の増大,及び不景気による雇用情勢悪化等から,治安状況は毎年徐々に悪化傾向にあり,スリ,ひったくり,自動車盗などの財産犯罪が増大しているほか,横領,脱税,汚職などの経済犯罪が増加傾向にあります。

また,約185万人いるといわれているロマ人を抱えていることも問題の一つとなっており,実際にロマ人が犯罪加害者になっている事例があります。

2 日本人の被害例

過去の邦人犯罪被害は,路上強盗等の凶悪な被害例(駅構内の地下通路で突然後方から殴打される。被害品を取り返そうとして,犯人にナイフで足を刺される等)もありますが,主にスリ,ひったくり,侵入盗、法外な料金を請求する所謂ぼったくりタクシーが殆どです。

(1)最近の事例として昨年12月,邦人旅行者がブルガリア・ソフィアから深夜列車を利用してブカレストの国際列車の駅であるノルド駅(GARADENORD)に早朝到着した際,カバンの中に入れておいた財布の中から現金のみがなくなったというスリ事案が発生。被害者は何時,誰に,どのようにすられたのか分らないとのことでした。この場合,被害者は同列車内で財布の入ったカバンを座席横に置いて短時間仮眠したとの言辞であるので,恐らく列車内に潜んでいたスリ犯が仮眠中の被害者のカバンか財布を抜き取り,現金のみ窃取して同財布は元に戻したものと推察できます。
本年1月には,邦人旅行者がセルビア・ベオグラードから深夜列車でノルド駅に到着し,駅構外の路上に数個の荷物を置いて周辺風景を写真撮影していた際,現地人風の若者が駆け足で近づいて来て,置いてあった小型バックをひったくられ逃走されたという事件も発生しています。

(2)スリ,ひったくりの他に多い犯罪は,ノルド駅付近で乗車したタクシーから不当に高額な料金を要求されるという所謂ぼったくりタクシーの被害です。
被害者のほとんどは,ブルガリアやハンガリーから列車でルーマニアに入国した邦人旅行者で,ノルド駅で下車した際に駅の構内で現地人風の男,又はグループから声を掛けられています。
その際,犯行グループは「ここはジプシーがたくさんいて危ないから,直ぐに移動しよう。」,「最近日本のある地方出身の若者が残酷に殺されたばかりだ。危険なので安全な所まで案内しよう。」等,親切心を装って話しかけ,待機している仲間のタクシー等の車に旅行者を誘導します。
その後,現金引出し機(ATM)のある銀行へ旅行者を連れて行き,現金を引き出させた後,旅行者の目的地とは異なる地域等へ連れていき,高額な料金支払いを要求するという手口です。

3 犯罪被害場所及び時間帯等
(1) 犯罪多発地域・場所

地域的には,都市部では,繁華街に限らず,あらゆる場所で犯罪が発生しています。特にブカレスト市をはじめとする大都市の夜間帯における一流ホテル周辺(路上等),駅(ノルド駅等),レストラン,公共機関内(バス,路面電車等)及び観光名所等において,女スリ犯,ぼったくりタクシー,ストリートチルドレン等の犯罪者集団等が多数出没し,外国人旅行者等をターゲットとした抱きつき型スリ,ひったくり,置き引き等の路上犯罪が発生しています。

バス等の乗物内や市場等の混雑する公共の場所で,カバンを刃物で切られ,在中金品を窃取される事案や,ロマ人風の女スリ集団に囲まれポケットに入れておいた現金をすられる等,短時間で金品を窃取するプロまがいの犯行も発生しています。

駐車車両内から物品を盗むいわゆる「車上狙い」については,駐車した場所が死角となっていれば,繁華街,住宅街場所を問いません。

一方,政府関連施設,大使館等の外交施設,学校,公園等では、「ジャンダルメリア」と呼ばれる治安警備隊員が警戒しており,このような場所では,凶悪な犯罪はあまり発生しておらず比較的安全な地域です。

(2) 被害時間

犯罪時間帯は昼夜を問わず発生しており,特に夜間,深夜帯になると,手口も荒くなるため,複数人でいても安心せず,また,犯行の機会を窺いながら尾行する者がいないかなど注意する必要があります。

Ⅲ 防犯対策

1 外出時の安全対策
(1)一般的な犯罪に遭わないための共通の留意事項
ターゲットにならない
犯罪者は犯行前から,ターゲットを絞り行動を密かに観察しているのが一般的です。観光名所等で地図やガイドブックを開いていたり,考え事をしてぼんやりとしていたり,華美な装身具を身につけたり,大金を持っていると推測させるような行動をとったりしないよう心掛けましょう。
時々周囲に気を配り,隙を見せないことが重要です(不審な人物に気づいた段階でその人物の方向を見ながら,携帯電話等を架けている様子を見せることにより,相手の犯意を削ぐことも1つの予防策です)。
犯罪多発地域には近づかない
特にブカレスト・ノルド駅周辺は,ガイドブック等で安価な宿を紹介しているため旅行者が集まり,それをターゲットにする犯罪者らも多くいます。そのような場所に必要があり行く場合は,自身の警戒のレベルを高めて下さい。
一人歩きは避ける
複数でいれば安全という訳ではありませんが,各個人が注意すれば,被害に遭う可能性は低くなりますので,なるべく一人歩きは避けて下さい。
夜間の外出を控える
夜間には,犯行も大胆になったり手口も荒っぽくなるので,特別な用件がない限り夜間の外出は控えて下さい。また,出来る限り車両を利用するなど徒歩での外出は,なるべく避けて下さい。
所持金の分散化
犯罪者は犯行後できるだけ早く現場から逃げようとするので,現金等の貴重品は,着衣のファスナー,ボタンの付いた複数のポケットに分散して収納し,不運にして犯行に遭遇しても,被害を最小限に止められるように平素から工夫して下さい。
一番良い方法は,当日必要とされる現金以外は持ち歩かないことです。
凶器を示されたら無抵抗
銃・ナイフ等の刃物を相手が所持していたら抵抗は絶対にやめて下さい(もちろん銃・ナイフ等の刃物の存在が明らかでない場合も,抵抗することなく,その場から離脱することを第一として考えて下さい)。
犯人自身興奮している場合が多く,何をするか判りません(銃・ナイフ等の刃物を隠し持っている可能性があります)。
ご自分の身の安全を確保することが最優先です。
二次被害の防止(犯人を追わないこと)
過去に,在留邦人の方が,バス車中でスリに遭い,犯行に気付いた被害者が,バスを降車し犯人を追いかけたところ,犯人から突然催涙スプレーを噴射されたという事例,被害品を取り返そうとして追尾し,その後,犯人ともみ合いとなり隠し持っていたナイフで足を刺されたという事例等,二次被害を受けた事例もありました。
この事例では幸いにも生命に別状はありませんでしたが,犯人が銃・ナイフ等の刃物を隠し持っていたり,さらには,共犯者が周辺にいたりする場合に誘い込まれる可能性もあり,危険ですので絶対に犯人を追うことはしないで下さい。
(2)被害の多い財産犯罪等に対する留意事項

邦人の被害が多い,ひったくり,スリ,所謂ぼったくりタクシー,偽警察官等を中心に被害に遭わないための方策を列挙しましたので参考として下さい。

親しげに声を掛けられたときから警戒態勢を
知らない人物から道を尋ねられたり,こちらが困っている状況にもないのに,助ける振りをして声を掛けられたら要注意です。
その声を掛けてきた人物が,偽警察官やぼったくりタクシーの共犯者の可能性がありますので,まともに対応することはやめましょう。
要は声を掛けられても立ち止まらないことです。それでも執拗に追いすがってくるようであれば,大きな声で周りに助けを求めるか,携帯電話機を利用した対処方法を実践して下さい(また,進行方向で仲間の偽装警察官が待ち伏せしている可能性がありますので,反対方向に引き返すことも検討して下さい)。
用件を済ませ建物から出てきた時,要注意
用件を済ませて建物から出てきた時に,不意を突かれ,ひったくり等に遭ったというケースもよく耳にします。銀行等の入っているビルから出てきたようなときは特に注意し,所持品をしっかりと腕に抱え込むなどし,周囲に注意を払う癖を付けると良いでしょう。
特にそのような場所(銀行,両替所等)では,犯罪者達がターゲットとなり得る人物を物色していると見て間違いありません。
背負うバッグ等には貴重品を入れない
レジ等で順番待ちの列に並んでいるときに,刃物で背負っているバッグ等を切り裂かれたりして,在中金品を抜き取られるという事例があります。
背後等から圧力を感じたら,その時点で犯行に着手されている可能性がありますので,直にその場から離脱して下さい。また,基本的には,背負っているバッグ等に貴重品を入れるのは止めて下さい。
自動車内に物を放置しない
自動車を駐車させる場合は,シート上やコンソール・ボックス等,車外から見えるところにバッグ,カメラ,パソコン等を放置しないようにしましょう(犯罪者達に犯意を起こさせる原因となります)。また,信号で停止中の車両から,助手席の窓ガラスを割られ,助手席に置いてあったバッグをひったくられたという事件も発生しています。
したがって,走行中であっても,一見して見える場所にバッグ等の被害品となり得る物を置かないようお勧めします。
ひったくり・スリに遭った場合,犯人を追うことなく大声を出だして周りに伝える
犯行直後に被害に気付いた場合で,犯人が明らかな場合でも追いかけないようにして下さい。犯人も興奮しているうえ,単独と思えるものでも複数の者による犯行の場合も多いことから,路地等に誘い込まれて危害を加えられたり,思わぬ所から共犯者が現れ,危害を加えられたりすることがあります。
したがって,直ぐに被害に気付き犯人が逃走したとしても追跡することなく,周辺にいる人達に被害にあった旨伝えて下さい。被害場所によっては制服警察官以外の私服治安機関員が警戒していることもあるので,犯人を現行犯的に確保してくれる可能性もあります。
タクシーの運転手等に声をかけられた場合,相手にせず現場離脱
親切を装って声をかけられても相手にせず,不用意について行かないようにして下さい。ブカレスト市のタクシーは,運転席と助手席のドアに1㎞あたりの値段が表示されていますので,乗車の前に必ず値段を確認して下さい(2012年2月現在,1㎞あたりだいたい2~3レイが通常です。なお,1レイは約25円です)。
特にオトペニ国際空港には,もぐりのタクシーが待ちかまえていますので,比較的安心できるタクシー会社(MERIDIAN,COBALESCU,LEONE,SPEED等)のタクシーを利用するとこをお勧めします。
バス・電車等の混雑する乗物の乗車を控える
混雑するバスや路面電車や地下鉄(地下鉄は警備員が警戒しているので,やや安全と言えますが)は,バスの乗降口に複数の犯人達が獲物を待って口を開けている状態と言っても過言ではありません。高いレベルでの警戒心が必要です。
犯人達は容易に貴方を囲める状況にあります。バッグを胸や腹部に抱えていても犯人達は混雑を利用し刃物で鞄を巧妙に切り裂き財布等を抜き盗ってしまいます。
乗ろうとしたバスが混雑していれば,次のバスまで待つ,あるいは交通経路及び手段を再考するゆとりが必要です。
催し物等の混雑する場所の出入り時に注意
バスや電車の中においてもそうですが,混雑する場所に出入りする際,数人に囲まれるような状況や他人から接触される,押される等の状況があった時には,スリの犯行に着手されている可能性があり,気付いた時には既に,何か抜き盗られてしまい,遅きに失してしまうことがあります。そういった状況下で出入りする際には出来る限り人がいなくなってから通過する余裕を持って下さい。
もちろん,その際は,現金等の入ったバック等は胸に抱えるようにして持つよう心掛けて下さい。
偽警察官に遭遇したら,早期,現場離脱
警察官であると名乗り証明書等のようなものを提示しながら近づいてきた者が,本物の警察官か偽警察官か見分けることは難しいのですが,通常,偽警察官は路上での職務質問,所持品検査を行おうとするのが一般的(本物の警察官は路上での所持品検査等はしない)であり,そのような要求があった場合は立ち止まらず,応対せずに日本大使館でなら見せても(旅券や財布)よい等と告げ,その後は相手にせず無視する等して,その場を速やかに離れることが重要です。
それでも執拗に声を掛けて来たり,腕等をつかむような行為にでるようであれば声を出して助けを求めたり,状況によって携帯電話機を活用して(奪われないよう注意しながら),その場で警察(112)に電話する(警察に架けると告げ,ジェスチャーで家族等に電話するだけでも可,また,偽装警察官が近づく前に一般人を装った人物が声を掛けてくることが多いことから,その段階で携帯電話機を利用することも効果的)ことも有効です。また,状況に応じて近くの商店などに逃げ込んだり,通行人に助けを求めることも有効ですが,逆に通行人に脅かされるというケースもあり,絶対という対処方法はありません。
万が一,偽警察官からナイフ等の凶器等を示された場合や,その場から離脱できないと判断した場合は,残念ですが抵抗せず,身の危険を避けることを第一として下さい(もちろん,警察への通報のため,被疑者の人着等,参考となる情報の収集に努めて下さい)。
2 住居の防犯対策
(1)住居の選定及び防犯設備等の留意事項

日本でも,錠前を工具でこじ開ける「ピッキング」,「サムターン回し」と言われる侵入盗被害が,相変わらず発生しています。

日本より堅牢なドアや錠前も少ない当地では,なおさら自分と家族の安全は,まず自分達全員で守る心構えが必要です。「予防」こそが最良の危機管理であることを肝に銘じ,必要な努力及び経費を惜しんではなりません。その結果,何事もなく家族全が安全な生活を送れれば,十分な価値のある投資であったと考えられます。

住居を選ぶときは,安全確保を最重要点とし,慎重に物件を調査し,安易に妥協しないことが大切です。

  • 集合住宅か独立家屋か(防犯対策上,集合住宅で3階以上が比較的に安全)
  • 立地条件(周辺の治安状況(周辺に警戒を要する政府関係施設,大使館等が存在するか),通勤・買い物等の安全なルートの確保等)
  • 建物構造・設備(管理人,侵入の難易度,来訪者の確認方法,照明,屋内駐車場等。なお,ルーマニアは,ヨーロッパでは珍しい地震国であり,しっかりした構造や耐震構造を持つ物件を選ぶ
  • 居室(鉄扉,二重錠,ドア・スコープ,インターフォン,窓鉄格子,照明,警報装置)
  • 民間警備員の有無(入口等にガードマンがいるか。場所によっては,付近に治安警備隊員の配置がある場合もあります。ただし,民間警備員自体に疑いが持たれた事例もありますので大使館,知人の在留邦人等への御相談をお勧めします)
  • 所有者・管理人等の信頼性(防犯のための協力が得られるか)

満足できる住居を選ぶことは難しいことですが,安全対策について平素から点検,検討し,不十分な箇所はその都度改善する必要があります。そのためには,所有者・管理人の理解と協力が必要になります。

(2)住居生活面での防犯対策
ア 訪問者に対する注意
  • ドアスコープやインターフォンで,訪問者の身元を確認する。身元が判らない場合は,ドアを不用意に開けてはいけません。
    相手がルーマニア語だけで話す場合(理解できない場合)は,使用人に対応させることも一つの方法です。
  • セールスマン等については応対せず,集金人については,支障無ければ職場に来させるようにするのも一方法です。
    工事・点検等称するものについては,管理人等から事前に連絡が無ければ,電話で家主に確認をとることが必要です。
  • チェーン錠があるからといって,安易にドアを開けると危険です。
    強盗目的(押し入り)の賊であれば,事前に用意している工具で簡単にチェーンを切断されてしまいます。不用意にドアを開けない方が得策です。
イ 使用人に対する注意
  • 使用人の雇用は,信頼できる筋(在留邦人等)から紹介を受けるのが一番です。
  • 事前面接を必ず行うほか,候補者の経歴,家族構成,家庭環境,財産状況などの情報を得ておくことも重要です。
  • 家族同様しっかりした安全対策の心構えを植え付けておくことが必要です(来訪者への警戒,電話応対時の注意,家人不在時の問い合わせに対する応対要領等)。
  • 家人不在時の緊急連絡先は教えても,行動予定を伝える必要はありません。
  • 隙を見せず,貴重品や現金を放置しないようにして下さい(犯意を起こさせてしまう結果ともなりかねません)。また,貴重品等を置いた主寝室には立ち入らせないことも一つの方法です。
  • プライドを傷つけたり,恨みを買うような言動や行為をしないで下さい。
  • 給料の前借りをする使用人には注意して下さい(いかなる理由でも断ることが大事です)。
  • 公私のけじめをつけさせるほか,待遇,解雇条件等について明確にしておくことも重要です。
ウ 家族の安全と協力
  • 家族の安全は,家族全員が一致協力して守るという心掛けが必要です。
  • 家族に対して,日頃から安全に関する教育(本紙等を参考として下さい。)を徹底しておくとともに,家族での話し合いの機会を定期的に設けて下さい。
  • 子供が遊ぶときは,常に親等が側にいて目を離さないで下さい。
  • 家族各々が全員の行動,居場所を常に把握し,必要なときに連絡が取り合えるようにしておきましょう。
エ 貴重品の保管場所
  • 職場等に重厚堅牢な金庫があれば,ここに保管しても良いでしょうが,泥棒は必ず金庫に目を付けます。
  • 住居では,屋根裏,床板の下,冷蔵庫の氷の中,水槽の中などが考えられますが発見されない保証はありません。
  • 貴重品は一か所に隠そうとせず,比較的見つかり難いとご自分で得心のいく複数の場所に隠すのが妥当と思われます。
  • 面倒ですが,多額の現金の保管は避け,必要とされる分だけその都度,銀行から引き出すのが無難と思われます。
オ 外出時、長期旅行時の注意事項
  • 言うまでもなく外出する際は,戸締まり,火の元を再度確認し,ドアスコープなどにより,周囲の状況,安全性を確認してから扉を開けるよう習慣づけ,帰宅時も開錠されていないか等以上の有無を確認します。
    一人暮らしの女性については,外出の際,ドア外側の見えづらい箇所にセロハンテープ等の小片を貼る等して,外出中に侵入者がなかったか分かるようにしておくことも効果的な方法です。
  • 仮にドアが開錠されたりしていた様な場合は,安易に室内に入ることなく,管理者を呼ぶ・近隣に居住する友人を呼ぶ・状況によっては警察に通報する等して,単独又は家族だけの対応は絶対にしないで下さい。
  • 自宅内にセンサーを取り付け,異常があった場合に保安要員が駆けつけるシステムを信用できる警備会社と契約することも一つの方法です。
  • 長期不在にする場合は,自宅の鍵を信頼できる知人等に預け,
    • 郵便物が溜まらないよう処理して貰う。
    • 時々自宅内の様子を点検して貰う。
    • 夜点灯したり,昼カーテンを開けてもらったりする。
    など留守宅でないように見せかけるのも効果的です。
カ 鍵
  • 鍵はむやみにメイド等の使用人に所持させることは危険です(メイドに所持させる場合でも,全ての鍵を渡さず,ダブルロックの内一つだけの鍵を渡すことをお勧めします)。
  • 当地の即席合鍵屋で複製できない,先進国の錠前を取り付けるのも良いでしょう。
  • 入居時には,玄関扉などの重要な錠は新たに付け替えるぐらいの用心が必要です。
  • 鍵を紛失した場合は,経費を惜しまず錠前を交換することをお勧めします。
  • 錠前の取り付けは信頼できる業者に依頼し,予備鍵を作る場合でも,必要部数以上作らず,必ず自分で業者に出向いて作成して下さい。

Ⅳ被害に遭ってしまったときの措置

被害に遭われた場合には,本章(1)以下の措置をとって下さい。

なお,お手数をかけしますが,大使館にも被害の届出(申告)をして頂くようお願い致します。大使館では,届け出を基にルーマニア当局にパトロールの強化の依頼等を行うとともに,手口等を分析し,今後の皆様の防犯のお役に立てるよう情報を還元しています。

ご面倒でも,未遂で済んだ場合や財産的実害がなかった場合でも,犯罪に遭われた場合には情報をお寄せ下さるようお願いします。

1 犯罪被害に遭われた場合の一般的措置
(1)警察への通報

まず身近の警察署に届け出て下さい。管轄する警察署がわからない場合でも「112番」に電話すれば教えてくれます。

英語も通じない場合もありますので,使用人や運転手等に電話を掛けてもらうなどして助けてもらうのも良いでしょう。

(2)指紋,犯人の遺留品の保全

空き巣被害などは,犯人に結びつく指紋等が残っている場合がありますので,むやみに現場に立ち入る,物を動かす等して現状回復することのないようにして下さい。

(3)被害にあったクレジットカードの会社等への連絡

末尾の「緊急連絡先」の電話番号を参照のうえ,被害に遭ったクレジットカード会社に被害にあった旨連絡して下さい。

(4)大使館への被害の届け出

末尾の「緊急連絡先」の電話番号を参照のうえ,被害状況等を当大使館にも連絡をお願いします。

(5)旅券等の再発給

日本旅券が盗まれた場合には,当大使館で再発給の申請をして下さい。

この際,警察署の発行する被害届の証明書が必要となりますので,予め管轄警察署で証明書の発行を受けておく必要があります。

当国政府発行の身分証の場合,警察署からの証明書が必要となることもありますので,事前に発行元に確認しておいて下さい。

(6)警察署での被害証明の発行申請

何らかの被害に遭われ,保険等の請求をされる場合は,上記同様,警察署からの被害届証明書の発行を受ける必要があります。

しかし,警察が,明らかに犯罪による被害であると認定しない限り発行しないのが原則のようですので,とりあえず証明書が必要な方は申請してみて下さい。

例えば旅券と現金が被害に遭った場合,警察で発行するのは旅券のみの被害届証明書の発行になることがあります。

2 警察等への通報

前記のとおり,犯罪被害にあった場合は,犯人の人相・着衣や自動車等に乗っていたらナンバーをメモしておくことが重要です。

警察に届け出る際に活用でき,被害品が回復されることもあります。

これまでに以下の事例がありました。

  • 警察から被害にあった旅券が発見されたという連絡を受けた。
  • 邦人旅行者が警察に偽警察官の被害(ストリートチルドレンによるひったくり,傷害被害)を届け出たところ,警察から写真帳を見せられ,その中に犯人に酷似した人物がいたので,指示したところ,数日後に犯人が検挙され,被害品が返還された。
  • 別の場所で犯人が捕まり,警察から被害品の確認を求められ,被害品が返還された。○メモした車両のナンバーから犯人が判明し,被害品が返還された。

Ⅴ交通安全

1 交通事情

ルーマニア全体,特にブカレストでは年々車両台数が増加し,交通事故件数も増大しています。日本の道路交通法規のような車両の通行方法に関する詳細な規定が無く,運転マナーも悪く,道路標識が少なく,通行帯・停止線等の道路標示も薄くて見えない等最悪の交通事情です。

道路自体も,徐々に良くなってきていますが,道路に穴が開いているなど舗装状況も悪く,道路交通を取り巻く環境はまだまだ劣悪なものです。

歩行中でも自動車事故に巻き込まれる可能性も十分ありますので,注意が必要です。

特に,幼いお子様を連れている場合などは,手を離さないようにして下さい。

以下,当地の交通状況の危険な点をいくつか列挙しておきますので,自動車の運転時及び,自転車・歩行者等としての通行時の安全等のため参考にしてください。

(1)防犯装置・事前準備・心構え関係
  • 窓を開けなくてすむためにも,エアコンを取り付ける。
  • 通勤時等の経路は,時々ルートを変え,常に同じルートを使わない。
  • 車に,盗難防犯アラーム・ハンドルロック等の機材を取り付ける。
  • 出発する前に,異常の有無を確認する。
  • 飲酒運転は,絶対にしない。
  • 私用運転手による交通事故が多発しています。運転手を雇用する際には,試験期間をおくなどして,運転技術,運転時の性格等を把握し,雇用すること。また,正規雇用後も他の一般ドライバーと同様の交通ルールを無視した運転をさせないよう,日頃から安全運転の指導をすること。
  • 運転手については,車両の運転のみならず,ボディーガードという認識を持たせること。
  • 走行中は,窓を閉め,ドアをロックすること。シートベルトも忘れずに。
(2)自動車走行時
  • 右左折時に,前後左右物理的に可能なところから追い抜く直進車又は,右左折車がいる。
  • ブカレストでは,割り込みは当たり前。
  • 先行するゆっくり運転の車を回避したり追い越したりする際は,後方の車がこちらの進路や意思に関係なく追い越しをかけてくるので,特に注意が必要。
  • 信号待ちで,赤信号のまま見切り発車する車両が多い。
  • 直進優先を守らないドライバーが多い。
  • 一方通行を平気で逆走してくる車両がいる。
  • 歩行者優先が徹底されているため,大通り,且つ信号が青でも,先行車が歩行者を渡らせるため急停止することがある。
  • 交通信号,横断歩道関係なく道路を横断する歩行者がいる。
  • 暗色系の衣服を着た通行人が多く,特に冬季・降雨時及び夜間は,視認が難しい。
  • 信号機の故障が多い。また,信号機が道路端にあり,見落とす場合がある。
  • 車線が明確でなく,時には片側が2車線、3車線となったりする(路面電車の線路上を平気で走行する車両が多くいる)。
  • 道路の陥没及び段差が多い。また,当地のドライバーは,それを避けるため急に進路変更したり,急激に減速して徐行したりする。
  • 直ぐに回避行動がとれるよう,走行時・停車時を問わず車間距離を十分に保つ。
  • 整備不良の車が多い(大通り・交差点等で完全に止まってしまっている車がある)。
  • 石畳の道路では,降雨時・降雪時非常にスリップしやすい。
  • 運転者だけでなく同乗者も周囲の状況に注意を払い,運転者に助言すること。
(3)駐車・乗降時
  • 駐車する場合,通行人がいない場所,人気のない場所等はできるだけ避けること。
  • 駐車中・運転中を問わず,貴重品・バッグ・書類等を外から見える場所に置かない。
  • 乗降時に狙われる危険性が高いため,乗り降りの際は,周囲の安全を確認する。
(4)歩行者・自転車として通行時
  • 歩行者と接触しそうな間隔でも,スピードを落とさない車両が多い。
  • 路上・歩道駐車が多く,時には歩道を通行できずに,車道を歩行者が通行しなければならないことがある(子供連れ時には,特に注意が必要)。
2 交通事故時の措置

不幸にして交通事故を起こしてしまったら,以下のように対処して下さい。

(1)軽微な事故(物損事故)の場合

管轄する警察の軽微事故室に当事者双方で出向きます。そこで書類を記入作成して,警察官がどちらの当事者に責任があるか判断し,車両の「修理許可」を発給します。

この際,事情聴取等の時間はそう長いわけではないのですが,順番待ちの時間が非常に長いと言われていますので,事故後当日のスケジュール調整等にはご配意下さい。

また,ルーマニアにも強制保険があり,事故責任がある当事者の保険で相手方の修理費用を支払うことになります。場合によって罰金を科されたり,運転免許の停止や免許の取消し措置もあります。なお,日本のように交通安全の講習を受講すれば期間が短縮されるということはありません。詳細は,下記(3)を参照してください。

(2)人身事故の場合は

車両を移動させずに警察に通報し(112),警察官が現場に到着するまで待って下さい。

警察官到着後は,現場の警察官の指示に従って下さい。なお救急車は,日本のように警察が呼んでくれないので,事故当事者等が呼ぶ責任があります。

(3)交通事故の場合の連絡先
ア ブカレスト市内での物損事故の場合
後述 エ 参照。
なお,人身事故の場合は112番へ電話してください。
イ ブカレスト市外の地方都市における交通事故の場合
ブカレスト市外については,同市内の場合と異なり各地方都市を管轄する警察署で処理することとなります。
(ア)死者・負傷者がある場合や,車両が自走不能なまでに破損した事故の場合は,112番へ電話して指示を仰ぐ。
(イ)物損のみの場合は,各地方都市の警察署に出頭して処理を受ける。おおむね,各都市とも,その中心地に行けば「POLITIA」の表示が出ている。
ウ 高速道路上の交通事故の場合
管轄は高速道路警察となりますが,ここでの事故の場合は全て112番に電話を掛け,先方の指示に従ってください。
エ 手続・持参物・ブカレスト市内における物損事故の場合の連絡先及び出頭先
(ア)ブブカレスト交通警察事故処理事務所(Biroul Pentru Accidente Usoare)について
ブカレスト交通警察事故処理事務所は,ブカレスト市内の6つの区(セクター)におおむね一つずつあり,管轄区内で発生した物損交通事故を処理するための事務所で全て24時間対応です。
なお,交通事故を起こした者は,両者とも,48時間以内に交通警察事故処理事務所に出頭しなければなりません。
これを怠ると,事故証明書の発給が受けられないほか(こうなった場合,ルーマニアでは,保険支払いで修理することができなくなるだけでなく,そもそも修理工場が修理できない),罰則の適用を受けることになります。
(イ)交通事故処理事務所へ持参する物
  • 事故車両
  • パスポート及びIDカード
  • ルーマニア政府発行の運転免許証(※日本の免許を持っていかないように注意!)
  • 車検証
  • 強制保険の保険証
  • (加入していれば)任意保険の保険証またはそのコピー
(ウ)交通事故処理事務所に於ける事故処理のおおまかな内容
  • 事情聴取による調書作成
  • 飲酒検知検査(多くの場合呼気によるもの)を受けることも予想されます。
  • 事故車確認及び事故報告書(ルーマニア語書式)への記入
(エ)その他
  • 有責者の強制保険保険証の写しの交付義務
    もし,我々の側の交通違反や注意義務違反がある程度以上大きく,事故に有責とみなされた場合は,当方の強制保険保険証のコピーを相手方に交付しなければなりません。
    逆に,もし相手方の交通違反や注意義務違反がある程度以上大きく,事故に有責とみなされた場合は,相手方が当方に強制保険保険証のコピーを交付しなければならないことになります。
  • 事故の相手方の氏名・連絡先等の確認及び記録の徹底
    事故の相手方の逃走・証拠隠滅・補償代金支払い義務逃れ等々を防止するため,くれぐれも事故の相手方の氏名・連絡先等について問いただし記録しておいてください。
(オ)ブカレスト交通警察事故処理事務所(Biroul Pentru Accidente Usoare)の所在地,電話番号等
セクター1交通事故処理事務所
管轄 : セクター1(大学広場を中心に,おおむね10時~12時の方向)
所在地: Centrul de Daune Omniasig Bucuresti, Calea Grivitei nr. 355-357
電話 : 021-323-3030(※1~6の本部線兼用)から、内線22176,22190)
セクター2交通事故処理事務所
管轄 : セクター2(大学広場を中心に,おおむね12時~3時の方向)
所在地: Str. Pantelimon nr. 450
電話 : 021-323-3030 内線28940
セクター1交通事故処理事務所
管轄 : セクター1(大学広場を中心に,おおむね10時~12時の方向)
所在地: Centrul de Daune Omniasig Bucuresti, Calea Grivitei nr. 355-357
電話 : 021-323-3030(※1~6の本部線兼用)から、内線22176,22190)
セクター3交通事故処理事務所
管轄 : セクター3(大学広場を中心に,おおむね3時~4時半の方向)
所在地: Calea Vitan nr. 242
電話 : 021-304-5189
※ 021-323-3030へかけた場合は,内線22151
セクター4交通事故処理事務所
管轄 : セクター4(大学広場を中心に,おおむね4時半~6時の方向)
所在地: Brigada de Politie Rutiera, Str. Splaiul Unirii, nr. 311
電話 : 037-410-2361
※ 021-323-3030へかけた場合は,内線22807、22831
※ 下記のセクター5事故処理事務所と共同運用です。
セクター5交通事故処理事務所
管轄 : セクター5(大学広場を中心に、おおむね6時~8時の方向)
※ 議会宮殿及び大統領府付近は大学広場から9時の方向であるが,ここに含む。
所在地: Brigada de Politie Rutiera, Str. Splaiul Unirii, nr. 311
電話 : 037-410-2361
※ 021-323-3030へかけた場合は,内線22807、22831
セクター6交通事故処理事務所
管轄 : セクター6(大学広場を中心に,8時~10時の方向。但し,議会宮殿及び大統領府付近は含まない
所在地: Bd. Iuliu Maniu nr. 594(COM NICO SERV社内)
電話 : 021-323-3030 内線25437,22253

Ⅵ テロ・誘拐・爆弾対策

ルーマニアでは、政治思想的背景を持った固有のテロ組織は存在しておらず、また、具体的なアル・カーイダ組織メンバー等のイスラムテロリストの国内の存在,及び潜入を示唆する情報はありません。しかし,ルーマニア政府は米国等によるテロ対策への支持を鮮明にし,アフガニスタン支援等を行っており,また,最近,米国のミサイル防衛システム配備の一端を担う迎撃ミサイルの配備受け入れを決定し,二国間協定を発効したこと等から,ルーマニアがイスラム過激派組織等の攻撃目標となる可能性は十二分にあり,テロや爆弾の脅威は存在しています。

また営利誘拐については,報じられている範囲では当国での発生は殆どありませんが,一般的に言って,ルーマニア人は日本人ビジネスマンは金持ちであるという強いステレオタイプを持っており,営利誘拐のターゲットとなる危険性は低いとは言えません。

まず第一には「自分の身は自分で守る」姿勢を身につけ,日常生活での注意等を怠ることのないように心掛けることが極めて重要です。

1 情報の収集

最近のヨーロッパのテロ事件で注目すべきは,ノルウェー連続テロ事件で見られるように所謂イスラム過激派組織によるものではなく,対極にある反イスラムの拝外主義者による多数の一般市民を巻き込んだ無差別テロ事件が発生したことです。逮捕された犯人は原理主義的な右派思想を主張しており,また,「イスラム教の侵略からノルウェーやヨーロッパを救うため」等と供述したようです。

このようにイスラム過激派組織のみならず,極右や極左勢力にも注意を払わなければなりません。ですので,新聞・テレビ等の報道で,国際情勢に注意を払い民族,宗教等々の問題で対立する国や「アラブの春」のような民主化運動の動きのある国等を把握しておき,ルーマニアにそれらの国の権益,団体の事務所があるのなら,そのような場所には近づかないといった用心深さも必要です。

国外に出張等に行かれる場合でも,訪問国の治安情報を入手することをお奨めします。
また,外務省より退避勧告・渡航延期が出されている国,地域への渡航は、基本的には取りやめることが,自分自身の生命を守ることになるとの認識をお持ち下さい。

2 兆候の発見

普段とは違う何かを感じ取ったときは要注意です。誘拐,テロ等の兆候かも知れません。

テロリスト等は,ターゲットを選択する場合に,複数の候補者の中から数か月といった期間をかけ,通勤・通学等の経路,行動パターンを観察し,その人物に関する情報を集め,テロの実現可能性の高い対象者を選定し,攻撃場所、時間を設定するといわれています。尾行や張り込み等を長期間行っていれば,こちらが何らかの兆候を感じ取れる可能性があります。

それを発見するために,職場や家庭の周辺,移動中などに少しでも普段と違う点(見慣れない人物が乗った車両が自宅等周辺に駐車している。徒歩又は車両で移動中に後方から同一人物や同一車両が付いてきている。)等がないか注意を怠らないことが重要です。

3 行動をパターン化させない

兆候を感じ取ることは難しいことですが,平素の行動(通勤・通学・買物等)の経路,時間を一定させないことは,比較的容易ですので必ず実行して下さい。

4 爆弾テロ対策

当地でも新聞等で悪戯の爆破予告事件の記事が散見されます。しかし,実際にこの様な場合面に遭遇しても,悪戯と決めつけることは危険です。

ルーマニアを始め,世界各国で何時,爆弾テロ事件が発生してもおかしくない状況であると言うことを,強く認識して下さい。

  • 常に,住居(事務所)内外の整理整頓に心掛け,目の届かない場所は見回りをし,爆弾を設置されにくく,また,すぐ不審物を発見できるようにする。
  • 不審物を発見した場合は,爆発物である可能性を念頭に,不審物件を「触れない。」,「踏まない。」,「蹴飛ばさない。」ことを肝に銘じ,警察に通報し避難して下さい。
  • 平素から,避難のため避難方法の確認や訓練を行っておくことも必要です。また,不審物発見時等,緊急時の連絡先(下記,Ⅶ参照)を直ぐ確認できるよう工夫しておくことも必要です。
5 その他

外務省では,邦人旅行者や海外へ進出する日本人・企業の方々に対するテロ・誘拐対策等の資料として海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html)に掲載し,各種安全対策に必要な情報を提供しております。

こちらの情報もインターネットでご覧になれますので,是非ともお役立てください。

Ⅶ 緊急連絡先

1 緊急電話

(1)警察:112

(2)消防:112

(3)救急車:112
(民営SANADOR:021-9699(但し,BUCHARESTILFOV地区のみ))

(4)救急病院:021-318-0519、0520、0521
:021-599-2300

(5)病院:021-599-2300(フロレアスカ病院)
:021-200-6800(ユーロクリニック)

(6)翻訳家《ルーマニア法務省認定通訳》

翻訳家連絡先
名称 電話番号
Emil POP (021)321-3987、 0723-607-567
Florin POPESCU 0729-959-099
Ruxandra RAIANU (021)231-1681、 0722-498-884
Adrian IVANA 0772-078-942
Madalina MANOLE 0771-255-724
Simona MICLOS (021)222-2152、 0722-700-567
Ligia JIDIUC 0722-677-849
Florina JANTA 0742-191-201
Mac&Ali Translations (021)310-5354、 0746-266-325

(7)内務省外国人局《滞在許可》
全ての日本人(ルーマニア人配偶者を有する日本人も含む。)

名称
Serviciul pentru cetateni state terte Bucuresti
所在地
Str. Eforie nr. 3-5, corp A, parter, Bucuresti, sector 5 
※ 大学広場付近
電話
021-310-1324(FAX:021-311-1827)
なお,ブカレスト以外:各県の県庁所在地に上記事務所の地方支部があります。
事務取扱日・時間帯
月曜・火曜・木曜:8時30分~13時30分
水曜:12時30分~18時30分
  • 申請の際には,申請者本人が必ず行く必要があります(生体認証情報の提供)。
    事前に,申請に必要な書類の確認と手数料の確認をして下さい(但し、電話での確認でも良いのですが,上記電話に繋がる可能性は低いです)。
    申請の際は,申請者本人が窓口に赴き必要書類を提出し,生体認証の情報(顔画像と両人差し指の指紋画像)提供及び署名を行い,同申請を受理してもらいます。
    この生体認証の情報の提供は,2011年9月にルーマニアの移民法が改正されたことにより義務化されたものです。
  • 滞在許可の種類によって手数料が異なりますが,CECという銀行で支払いを行います(CEC銀行であればどの支店でも支払いが可能です)。手数料を支払い受領した領収書は,必要書類となりますので他の必要書類と共に窓口に提出してください。
  • 滞在許可の延長・更新のための申請書の記入や手続きについては,言葉の問題等ありますのでルーマニア人の知人(同僚,メイド,運転手等)と一緒に行うことをお勧めします。
2 在ルーマニア日本国大使館

開館時間:8時30分~12時30分、13時30分~17時15分(土曜,日曜,祝祭日は閉館)
電話:(021)319-1890~1
夜間17時15分~翌8時30分、及び土曜,、日曜,、祭日は留守番電話
FAX:(021)319-1895~6
緊急電話:0722-60-1090

3 FMラジオ放送機・短距離無線機

当大使館には大規模自然災害発生時等の対策用として、FMラジオ放送機及び短距離無線機を設置しています。

FMラジオや短距離無線機をお持ちの方におかれては、周波数を合わせることにより緊急時に同ラジオで当館からのお知らせを聞いたり、ネットワーク内での通話をしたりすることが可能となりますので、緊急時に使用することを計画している周波数をそれぞれご案内します。

(1)FMラジオの周波数

95.10(急行ひとま(ず)) 95.10MHz(メガヘルツ)
※周波数の覚え方:ひとまず急行!

FMラジオ放送機で大使館から発出する電波は、当館から約13キロメートル離れているヘンリ・コアンダ国際空港(オトペニ空港)でも鮮明に聞き取ることができますが、最長で当館から20キロメートル圏内が受信の限度と想定しています。

自家用車のラジオやFM放送を受信出来る携帯電話機に予め周波数を登録しておくことも緊急時に有効です。

(2)短距離無線機の周波数
短距離無線機の周波数
チャンネル 受信 送信 優先順位 備考
周波数[MHz] T[Hz] 周波数[MHz] T[Hz]
CH7 450.2750 151.4 450.2750 151.4 2 直接波
CH8 450.2500 151.4 450.2500 151.4 3 直接波
CH9 455.1000 151.4 450.1000 151.4 1 中継機

緊急時には通常9チャンネルとして設定している周波数を使用し、9チャンネルに通信障害がある場合は、7チャンネルの周波数を使用します。

皆様が設定する場合は必ずしも9チャンネルや7チャンネルとして設定する必要はありません。

最長で当館(基地局)から4キロメートル圏内での双方向通話を通信の限度と想定していますが、同圏内でもビルや住宅密集地等の障害物が多い場所では通信が困難な場合もあります。

4 ブカレスト市内のその他

(1)電話番号案内 118-932(ルーマニア国内の登録済みの全ての電話番号が対象です。)

(2)フライト案内(国際線):(021)201-4000(オトペニ空港)
(021)204-1000(オトペニ空港)
※ ホームページ http://www.otp-airport.ro別ウインドウが開きます
(国内線):(021)232-0020(バネアサ空港)

(3)タクシー:021-9444(MERIDIAN),021-9451(COBALCESCU)、
021-9425(LEONE),021-9477(SPEED
021-9450(MAVI),021-9461(CRISTAXI
021-9499(APOLODOR)

5 日本国内カード会社盗難連絡先(24時間無休)

以下に記載されている各社の電話番号に直接電話をする方法のほか,ロムテレコムの電話機から,「KDDI」080ー803ー0081(ジャパン・ダイレクト,日本語オペレーター対応)を経由したコレクトコールにより,盗難手配に限り,料金無料で連絡することが可能です。

なお,各カード会社の連絡先電話番号が不明であったとしても「KDDI」のオペレーターが,全てのカード会社の連絡先電話番号を把握しているとのことで,直接ご相談して下さい。なお,下記は平成23年4月のものです。

これら番号は,カード会社により時折変更されますので,インターネットが利用できる方は,インターネットで電話番号等事前に確認されることをお勧めします。

  • AMEX (052)-249-1468(コレクトコール)
  • Diners Club (045)-523-1196(コレクトコール)
  • JCB (0422)-40-8122(コレクトコール)
  • 三井住友VISA (03)-5392-7314(コレクトコール)
  • 三菱UFJニコス (03)3514-4091(コレクトコール)
    ※ (旧)日本信販も含みます。
  • DC (03)3770-1818(コレクトコール)
  • UC (03)5996-9130(コレクトコール)
  • セゾン (03)5992-8300(コレクトコール)
  • 三菱東京UFJ (03)3770-1818(コレクトコール)
    ※ DCカードと同じです。

Ⅷ 緊急時のルーマニア語

  • 「助けて!」=アジュトール
  • 「泥棒!」=ホッツー
  • 「警察」=ポリツィア
  • 「警察を呼んでくれ!」=ケマツィ・ポリツィア
  • 「病院」=スピタル
  • 「救急車を呼んでくれ!」=ケマツィ・サルバーレア
  • 「気分が悪いのです。」=ミィェ・ラウ
  • 「消防車を呼んでくれ!」=ケマツィ・ポンピエリ
    ※ 日本語の「火事だ」に相当する端的な言葉はありません。
  • 「誰か英語を話す人はいますか?」=エステ・チネヴァ・カレ・ヴォルベシュテ・エングレザ
  • 「はい/いいえ」=ダー/ヌー
  • 「日本大使館はどこですか。」=ウンデ・エステ・アンバサーダ・ジャポニエイ
  • 「日本大使館へ電話して。」=スナツィ・ラ・アンバサーダ・ジャポニエイ

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