在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成23年1月1日
在レシフェ出張駐在官事務所
はじめに
当地の治安状況は、改善の兆しが見られず、都市別の人口10万人あたりの殺人事件の発生率もブラジル全土で常に上位となっています。また当地では、特に銃火器を使用した一般犯罪が多発しており、近年犯罪の手口も凶悪化していますので、「自分の身は自分で守る」との心構えを持って十分注意し、渡航・滞在の目的に合わせた情報収集や安全対策に努めて下さい。
今般、皆様が当地におかれましてより安全な生活を送るための一助となるように、留意事項をまとめた「安全の手引き」を作成し、随時改訂しております。本冊子が、当地で過ごされる皆様の安全確保のご参考に少しでもお役に立つようでしたら幸いです。また、お気づきの点がございましたら、ご意見等をお聞かせ下さい。
| 2008年 | 2009年 | ||
|---|---|---|---|
| 殺人 | 4,523件 | 2,100件(54%減) | |
| 傷害 | 13,014件 | 12,754件(2%減) | |
| 強盗 | 48,026件 | 40,573件(16%減) | |
| 窃盗 | 31,789件 | 35,744件(12%増) | |
| 強姦 | 394件 | 341件(14%減) | |
2009年の統計によると、数字上ではレシフェ大都市圏の殺人件数は減少傾向にありますが、市内では依然としてけん銃を使用した凶悪犯罪が後を絶たちません。当地では被害者側もけん銃を所持している場合があり、犯人と被害者との間で銃撃戦となり、その流れ弾を通行人が被弾し死亡する事件も発生しています。
| 2008年 | 2009年 | |
|---|---|---|
| 殺人 | 1,732件 | 1,733件(1%増) |
| 傷害 | 10,638件 | 11,335件(7%増) |
| 強姦 | 281件 | 386件(28%増) |
| バス強盗 | 2,201件 | 1,676件(24%減) |
| 商店強盗 | 1,778件 | 1,643件(8%減) |
| 住居強盗 | 278件 | 313件(12%増) |
| 歩行者強盗 | 23,895件 | 21,094件(12%減) |
ブラジル国内でも有数の観光地であるサルバドル市には、国内外から多くの観光客が集まり、年間約2,500人の邦人も訪れています。同地は観光客の移動手段であるバスを標的にした強盗事件が多く、2009年統計によると一ヶ月約140件のペースでバス強盗事件が発生しています。
※レシフェ市、サルバドル市を含むブラジル国内の主要都市では、身代金目的の「短時間誘拐」(或いは「電撃誘拐」、「稲妻誘拐」と呼ばれている)が発生しており、大半が勤務先及び自宅からの帰宅・出勤途中や空港からの移動中で発生していることから、帰宅及び出勤時間を意識的にずらしたり、目的地までのルートを何通りか考え、毎日違うルートで出社及び帰宅するなどの対策が必要です。
外出時の所持品の携行には、細心の注意が必要です。当地の人がハンドバッグ等をタスキ掛けしている姿をよく見かけますが、これはひったくりの被害を避けることが狙いです。
財布を一目で分かるようなズボンの後ろポケットに入れたり、バッグを体の背後に回すような持ち方は避け、自分の目が届くようにします。貴金属類についても、特にネックレス等の装飾品は、ひったくりの標的になりやすいので、不用意に着用しない方が良いでしょう。後述するとおり犯人がネックレスをひったくろうとしたがなかなか奪えず、首から出血するまで引っ張られるという例もあります。
日本人の場合、こうした不注意から被害に遭ってしまうことが多いので、外出する際には常に警戒することが重要です。
華美な装い、或いは一目で外国製とわかる衣服等は犯罪者の目を引きやすくなります。服装全般に気を配り、目立つ服装で街頭を歩かないようにしたり、周囲と同化するような服を着用するようにしましょう。また、パーティー出席等、止むを得ずフォーマルな服装や装飾品を身につけなければならない場合には出来るだけ車(ラジオタクシー等)を利用し、ドア・ツー・ドアで移動するよう心がけましょう。
ひったくり等の犯罪であっても犯罪者は基本的には一人で行動しておらず、必ず回りに見張り役の仲間が待機しています。犯人が子供の場合、追いつくことも、取り押さえることも簡単なので、つい油断して跡を追いがちですが、抵抗する者に対しては容赦なくけん銃若しくはナイフ等の凶器で攻撃してくるので、万一盗難等の被害があった場合は、絶対に抵抗はせず素直に所持品を渡しましょう。抵抗して犯人が逆上し殺人事件になるケースが人通りの多い市内でも多発しています。
人の親切心を利用した犯行手口です。見知らぬ人には簡単に気を許さないようにしましょう。話しかけてくる人には、充分間合いを保ち、目を離さないことが重要です。特に日本人は、話しかけられるとつい親切に対応してしまいがちであるので注意しましょう。
路上駐車が可能な場所であっても、周囲の安全と時間帯を考える必要があります。監視員のいる有料駐車場が近くにあれば、そちらを利用する方が安全です。
また盗難防止装置を装備し盗難に備えることも重要となります。一般的には、自動車のハンドルを固定する錠や、三角窓のこじ開け防止用の補強器具などがあります。しかし、これらを使用していても盗難に遭う場合が増えていることから、最近では、正しい鍵を使わなければクラクションが鳴る警報装置や、燃料が流れなくなる仕組みなど、新たな防犯装置が発売されていますので、これらを備えておくと一層安心です。
クーラー設備のない自動車では暑い夏に不用意に窓を開けているとこのような被害に遭います。停車中は窓を閉め、手を入れられない程度に小さく開ける等、注意を怠らないようにしましょう。
怪しい人物が近づいてくる場合に備えて、信号待ち等で停車した際には周囲に気を配り、いつでも発進できるよう心がけておきましょう。
自動車の乗降の際は、特に周囲に注意が必要です。パンク等の修理をする時も、場合によっては人通りのある場所やガソリンスタンド等の適当な場所へ移動しましょう。また、強盗だけでなく誘拐の危険性もありますので、駐車中の自動車の車内にいることは避け、自動車から離れて待つようにした方が良いでしょう。
駐車場等で車に乗車したらすぐに発進しましょう。乗車前に鍵を準備し、車に乗ってから鞄の中の鍵を探すことが無いように事前に準備をしておきましょう。
親切そうに振舞ったり、相手の親切心を利用した手口です。ブラジル人は親切で正直な人も多く、実際に故障を教えてくれたり、手伝ってくれたりする場合もありますが、相手が見知らぬ人である限り、一定の警戒心を持って接した方が無難です。
歩行中と同様に注意が必要です。日本の通勤電車の中のように、居眠りをしたり、雑誌等に読みふけることは、隙ができるので控えましょう。また、自分の位置についても出入口付近は避けましょう。
このようなバスの中での強盗事件はサルバドル市内で頻発しており、バスの中も外出の一場面ということを忘れず、注意を怠らないようにしましょう。
万が一強盗に遭ってしまった場合、周囲の状況を冷静に判断する必要があります。命の安全が最優先であり、100%の確信がない限り、逃走を図ったり抵抗することは危険と言えます。
料金の受け渡しは車内で行うことが大原則です。その上で、降車時には周囲の様子を確認しましょう。
こちらが街に慣れていないことを察すると、口先でごまかしたり、強引に遠回りをして高額な料金を請求される場合もあります。
特に女性単独で乗車する場合に被害が多いので、十分注意する必要があります。
店員や行員の接客は、日本のような丁寧さはありませんが、これがこちらの常識です。不慣れなうちは、こうした些細な日常の場面で、注意が別方向へ向いてしまいがちですが、安全への配慮は常に怠らないようにしましょう。
銀行で多額の現金をおろした客の跡をつけ、人通りの少ない場所で現金を奪うとする手口が多発したことがあります。複数犯によるものでは、狙った客の背中に気づかれないようにシール等を貼り、外で待ちかまえる仲間の目印にするパターンもあります。外部から見通せない造りの店舗内でも、こうした手段を取られる場合がありますので、常に周囲の状況に十分注意しましょう。第3者から見える形で、多額の現金を引き出したり、派手な買い物をすることは、当然ながら被害の可能性を高めます。
時間帯としては、その日の売り上げ金が最高になる閉店間際がもっとも強盗に入られやすいようです。防御方法がないため、万一遭遇した場合に備えての心得が必要です。
例えば、強盗の多くは、何よりもまず、ガードマンを制圧又は殺害を考えますから、ガードマンの近くにはなるべく近寄らない方がよいでしょう。
強盗が押し入ってきた時は、全般の状況判断が大切です。奇襲時は、店内の客の混乱状態を強盗はすぐに制圧します。十分な公算なしに、逃走を図ったり、或いは冷静さを失って大声を発したりすることは危険です。目立たないように無抵抗が原則です。
常に戸締まりに注意することは当然ですが、一戸建て、アパートのいずれも、地上階以外の窓も空き巣の侵入口になる可能性があります。これらの窓に格子を設置する等の補強についても考えましょう。また、戸締まりを充分に行っても、住人の不在を知ると、扉に鍵をこじ開ける等、乱暴な手口を使う場合があります。外出時には注意し、特に長時間の不在を悟られないようしましょう。
訪問者に対して、不用意にドアや門を開けないようにしましょう。ドア・スコープやチェーンロック等を備え、ドアを開けなくとも、相手と外の様子が確認できるようにしておくことが必要です。
掃除婦や洗濯等の補助として使用人を利用する場合、この採用に当たっては、十分検討する必要があります。可能であるなら、信頼のおける人の紹介を得た身元の確かな者が望ましいでしょう。
この種の職業は、教育を受ける機会に恵まれない人が就いていることが多く、たとえ本人に盗癖や強盗仲間との関係はなくても、ふとしたことで盗みを働くことも多く、出来心を起こさせないように現金や貴重品の管理には気を配りましょう。また、慣れてくるといろいろな意味でつけ込まれます。日本人は、使用人を雇うのに不慣れなため、つい優しく対応しがちですが、採用後も十分な監督と教育が必要です。来訪者との応対や戸締まり等一般的な注意事項は、十分教育しましょう。
現地に精通している使用人は、信頼関係を築けば、家庭の安全確保の大切な一員として、大いに役立ってくれるものです。一方不信を感じることがあれば、被害に遭う前に早期に解雇に踏み切るべきでしょう。解雇に当たっては逆恨みを買わないよう、十分な配慮、手当等を考えることも大切です。
ブラジルでは「自分の身は自分で守る」ことが第一です。基本的な安全責任はブラジル側当局にありますが、万一の場合は在レシフェ出張駐在官事務所が可能な限り支援致しますのでお気軽にご相談ください。
(主な緊急連絡先)
内乱、クーデター、暴動に備えた日本人心得 |
| (1) | 連絡体制の整備
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| (2) | 一時退避場所及び緊急時避難先
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| (3) | 緊急事態における携行品等、非常物資の準備
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| (1) | 心構え 緊急事態の発生、又は発生する恐れのある場合に、当事務所は邦人保護に万全を期するため、所用の情報収集、情勢判断及び対策の策定等を行い随時通報致します。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に惑わされることのないよう注意してください。 |
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| (2) | 情勢の把握 当事務所からの連絡は、電話利用の可能な場合と不可能な場合に分けて随時通報致しますので、FM放送等の受信が常に受けられるようにしてください。 |
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| (3) | 当事務所への通報等
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| (4) | 国外への退避
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| 緊急時に備えてのチェックリスト |
| (1) | 旅券等 旅券については常時6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください。旅券の最終ページの「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。下段に血液型(Blood Type)「何型」と記入しておいてください。なお、当国における外国人登録証明書等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。 |
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| (2) | 現金、貴金属、貯金通帳、クレジットカード等 これらのものは旅券同様にすぐ持ち出せるよう保管しておいてください。現金は家族全員が10日間生活できる程度の外貨及び現地通貨を最低予め用意しておく事をおすすめします。なお、出国する場合の出国税及び空港使用税の用意も必要です。 |
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| (3) | 自動車の整備等
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| (4) | 携行品の準備 避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記(1)~(3)に加え次の携行品を備えておいて、すぐに持ち出せるようにしておいてください。
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