在留邦人向け安全の手引き 在カタール日本国大使館
在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
安全の手引き
平成23年12月20日
在カタール日本国大使館
Ⅰ 序言
このパンフレットは、カタールでの生活において自分自身と家族の安全を確保する上で必要と思われる事項につき取りまとめたものです。カタールで生活を始めるに当たり一読いただければ幸いです。
これまで、カタールの治安情勢は比較的良好でしたが、近年の経済発展に外国人労働者の大量流入等により、窃盗等を中心として犯罪発生件数は増加傾向にあります。邦人の中にも犯罪被害に遭われた方がいます。
カタールにおける安全な生活のためにこのパンフレットが少しでもお役に立てることを願うとともに、御意見、要望等をお気軽に当大使館まで御連絡いただくようお願いします。
平成23年12月20日
在カタール日本国大使館
Ⅱ 防犯の手引き
1.防犯の基本的な心構え
- 自分と家族の安全は自分たちで守るとの強い心構えが極めて大切です。
- 事件、事故、災害に巻き込まれてしまってからでは手遅れです。予防が最良の危機管理であることを肝に銘じ、予防のために必要な努力と経費は惜しんではいけません。
- 常に最悪の事態を想定し、物心両面から準備を行い、万全の対策を講じた上で、日々の生活を注意深く過ごしましょう。
- 現地に到着した当初は安全に気を配っていても、長期間現地で生活し慣れが生じてくると、当初注意していたことを忘れがちになり思わぬ被害に遭うことがあります。長い滞在生活の中では、時々気持ちを引き締める機会を持つことが必要です。
2.最近の当地犯罪発生状況
カタールは、内務省等の治安機関が中心となり治安維持に関して厳しい体制をとっていることに加えて、狭い国土の大半が人の住めない砂漠地帯であるため、居住エリアが首都ドーハ市を中心とする一部地域に限定されているという地理的要因もあり、治安機関による監視の目が行き届きやすく、治安は比較的良好に保たれています。また、当地のアラブ人の部族的連帯の強さも治安の良さにつながっていると考えられています。
しかし、カタールの全人口の7割近くは、主としてアジア及び近隣諸国からの単身出稼ぎ労働者が占めており、近年、一部労働者による犯行とみられる窃盗、強盗などの犯罪が増加傾向にあります。過去に、空き巣や置き引き等の被害にあった邦人の方もいます。
3.防犯のための具体的注意事項
(1)住居
住居は生活の基盤であり、その安全を確保することは安全対策の中でも最優先事項です。住居の選択には十分すぎるくらいの時間や労力をかけることが必要です。当地での住宅は一戸建ての他、コンパウンド(塀を巡らせた敷地内にある住宅街)とビル形式のアパートに大別されます。
- ア 住居選択
- 住居を選ぶ時には安全確保を最重要点として、他人任せにせず、自分で物件を調査し、安易に妥協しないで選ぶことが大事です。業者を利用する時は、業者の言うことを鵜呑みにしないことが大切です。
- 住居を選ぶ時は、まず市街地の地図を入手し、危険地帯、在留邦人の分布状況、警察署、病院、勤務場所、学校、スーパーマーケットなどの所在地、住居からのそれぞれの場所に行くルートなどにつき図上研究を行うことをお勧めします。当地の在留邦人や信頼できる取引先の関係者などから助言を得ることも参考となります。
- 住居を借りる場合、家主が安全対策に積極的であるか否かは重要です。余り積極的でない場合は、こちらが必要とする安全対策上の設備を設置することを受け入れず、入居後にトラブルが生じる可能性があります。
- また著しい経済発展と再開発により、ドーハ市内の環境は2~3年で大きく変化しますので、都市開発も念頭においた住居選択が必要となってきます。
- イ 住居の安全確保
- (ア)セキュリティー
- 警備がどのように行われているのか入居前に確認することが重要です。アパート等への出入りについてもアパート側が配置しているガードマンによって24時間体制で厳重に管理され、居住者以外の者が勝手に出入りできないようになっているか注意しましょう。
- 当地では、受付・警備員室等に警備員がいても来客に注意を払わない場合が多々見受けられますので、警備員の対応にも注意しましょう。
- また火災報知器が適正に設置されているか、非常階段が設けられているか、死角となるような場所はないか(ある場合は監視カメラが設置されているか)、扉や窓は堅牢なつくりになっているかといった点についても、入居前に確認することが重要です。
- (イ)外塀等
- コンパウンド住宅の場合、外壁に接した家屋よりも、コンパウンド内側の外壁に接していない家屋の方が安全といえます。また四方のうち三方は別の住居に囲まれている方が望ましいといえます。例えば、隣や裏が空き地や公園である場合、犯罪者はそこから暗やみにまみれて住宅に忍び込むことも家の中の様子を伺うこともできます。
- 外塀は容易に破壊されたりよじ登ることができないような堅ろうなものが理想的です。また外塀から屋根や2階に忍び込むのに利用できる箇所(例えば、外塀周辺や庭に樹木があるか否か)についても注意しなければなりません。防犯灯が設置されているかどうかも重要なポイントです。
- (ウ)門扉
- 玄関門扉や通用口には頑丈な鍵を付け、必要であれば二重に鍵を付けると良いでしょう(ワンドア・ツーロック)。門扉には来訪者と外の様子を確認する手段として、インターホン、テレビ監視装置、来客確認スコープを設置しましょう。また門扉近辺には必ず照明設備を設けましょう。
- (エ)駐車場
- 駐車場は家屋の敷地内にあり、車両を監視しやすい場所に位置していることが望まれます。アパートの場合、駐車場が地下や屋外に設けられており居住者の監視の目が行き届かない場合が多いことから、アパート側によって自動車盗難や車上荒らしを防ぐ対策が十分に講じられているかどうかも確認しましょう。
- (オ)庭
- 庭と建物外周に照明設備を設け、庭に犯罪者が身を潜めやすい暗がりを作らないこと大事です。また室内から庭全体が見渡せるようにしておくことも望ましいことです。2階や屋根などへの犯罪者の侵入の助けとなるような足場(例えば、塀、ガレージの屋根、高い樹木など)の有無についても注意し、梯子などを放置しないようにしましょう。
- ウ その他
- (ア)鍵の扱い
- 鍵は防犯対策上の基本であり、その取扱いには細心の注意を払います。住居の鍵はもちろん、勤務先、車の鍵についても厳重な注意が必要です。
- 鍵は常時携帯し、自宅内でも机の上や誰もが見つけやすい場所に放置することがないようにしましょう。
- 前の居住者がスペア-キーを持っていることもありますので、入居するときはドアの重要な鍵は新しいものに交換する用心が必要です。鍵を紛失した時は、必ず錠前を交換しなければいけません。
- (イ)空き巣対策
- 空き巣犯人は、ターゲットとなる家を探して徘徊しています。そして、鍵をかけていない家を見つければ、すかさず家に入り込みます。ガラス破り(窓ガラスを割って鍵を開ける)のときは、塀に囲まれたり、植木で周りから見えにくい窓から侵入します。足場があれば、2階のベランダからも軽々と室内に侵入します。
- 空き巣の被害を防ぐためには、ドアに補助錠を取り付けることが効果的です。補助錠は犯罪者が侵入するまでの時間を長引かせる絶好の防犯具です。空き巣ねらいは、これがついている開口部からの侵入を嫌います。
- 玄関などの出入口は防犯性能の高い錠前にしたり、ガラス窓は破壊に強い合わせガラスにし、補助錠を付け複数の鍵をかけましょう。人が近づくとライトがついたり音が出るものや、ガラスが割れたりドアを開けると音が出る防犯センサーを取り付けることも効果的です。1階の窓には鉄格子を設置するのも一案です。
- 見知らぬ人が、留守の家の周りをうろつくなど不審と思ったら、迷わず警察に連絡しましょう。
- (ウ)休暇などの際の措置と対策
- 長期間不在とする場合、特に独立家屋はその間全く無防備となります。信頼の置ける警備会社のサービスを利用できるのであれば最善の対策となります。
- 不在の間のみ、信頼できるガードマンを雇用することも考えられますが、この場合、ガードマンは日ごろから雇用している者に限ることが望ましく、不在の間だけ雇用することは適切ではありません。
- 使用人などを不在の間住居に住まわせるのは、使用人がよほど信頼できる場合のみとすべきでしょう。
- 住居の鍵を信頼できる人に預け、時々住居の状況を点検してもらったり、カーテンをあけてもらったりする事は、家人が留守であることを確認できないようにする上で効果があります。自動タイマーや感光式スイッチで住居内外の証明が作動したりするようにしておくことも同様の効果が得られます。
(2)外出時
外出時には必要以上に華美な服装、装飾品をつける、現地ではあまり見かけないような目立つ車に乗る、公共の場(レストランなど)で大きな声で現地の悪口を言う、政治、宗教、文化、習慣、生活環境などの批判をすることは、目立つばかりでなく狙われる原因になるので差し控えましょう。
- ア タクシーの利用
- 現在のところ当国には、バス、電車等の公共の交通手段は普及していないので、自家用車を持たない場合には、移動手段はタクシーに頼ることになります。タクシーはメタリックブルーの国営カルワ・タクシーと各ホテルに常駐しているリムジンタクシーの2種類があります。通常、町中で利用するのはカルワ・タクシーになります。
- カルワ・タクシーは、国営ムワーサラート社の管理センターで無線により集中管理されており、比較的安心して利用できます。このタクシーを呼び出すには、同社の管理センターの直通電話「44588888」で24時間受け付けられていますが、時間帯等によって対応が遅くなることがしばしばあります。
- なお、カルワ・タクシー及びリムジンタクシーの運行台数の不足等が原因となって、当地においては、特に首都ドーハ市において違法タクシー(いわゆる白タク)が多数走行しています。こうした違法タクシーに関しては、「乗車後に高額な料金を請求する」、「女性の乗客を人気のないところに連れ込む」などの悪質な行為がしばしば報告されていますので、絶対に利用しないで下さい。
- イ 置き引き等に対する警戒
- 近代的な大型ショッピングセンターやドーハ国際空港において、置き引きの被害が多数報告されています。
- 被害者がショッピングセンターで商品を選んでいる隙に、カートに乗せたバッグが持ち去られたり、空港で両替をしている間に足下においたバッグが持ち去られたりしています。置き引きの被害に遭わないためには、以下のような点に注意して下さい。
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- ショッピングセンター等では、バッグは必ず手に持つか肩から掛けて、カートに乗せたり引っ掛けたりしない。
- 空港で両替等を行う場合は、不用意に手荷物を足下に置いたりしない。
- ターゲットとなる人物を物色している犯行グループが存在していると見られることから、周囲に不審人物がいないか注意する。
- 公園等のベンチにおいても、手荷物を不用意に放置しない。
(3)一般生活
- ア 引越し後
- 自宅周囲の環境、道路事情、地形などに早く慣れることが大事です。緊急時に備え、警察、病院、消防機関などの位置や連絡方法・利用方法なども確認しておきます。
- 入居後、安全対策の面から自宅を再点検し、弱点があればその弱点を補うべく検討することが大切です。
- イ 訪問者に対する注意
- 訪問者があっても(特にあらかじめ約束のなかった訪問者)、すぐに扉を開けず、のぞき窓やインターフォンで訪問者の身元を確認することが重要です。また、身元を確認した後も、扉を開けるときには安全チェーンをかけたまま細めに開け、再度確認してから扉を開けるように心がけましょう。
- 物売りや電話、水道、電気、ガスなどの工事人などは、不用意に住居の敷地内に入れてはいけません。頼みもしない工事人が来た場合には、インターフォンなどで、事務所の名前と電話番号を聞き、身分証明書などによる確認を行い、さらに事務所に電話で確認をするくらいの用心が必要です。
- ウ 使用人(ドライバーを含む)に対する注意
- 使用人は家族と1日のうち長い時間を一緒にすごし、家族に関する多くの情報に接する立場にあります。したがって、信頼できる使用人を雇用できるか否かは外国で安全に生活を送るための重要な鍵となります。
- 使用人を雇う際には、可能な範囲で、使用人の経歴、家庭環境、財産状況などの情報を得ておくことも重要です。また旅券などの公的機関が発行した身分証明書の写しを入手する必要があります。
- 使用人には、家族同様しっかりした安全対策の心得を教え、教育することが必要です。来訪者に対する警戒、電話対応時の注意、特に家人が不在の場合の外部からの問い合わせに対する対応要領などを確実に教えておきます。使用人が無用心ではいくら警備対策を実施しても全く意味がなくなります。
- 使用人に対し、家人不在時の緊急連絡先を教えておくことは必要ですが、行動予定を伝える際は十分注意しましょう。
- また使用人に対し、すきを見せないようにすることも大切です。貴重品や現金を不用意に放置しないようにします。また使用人のプライドを傷つけたり、恨みを買うような言動や行為も慎みましょう。
- 日本人の場合、外国で初めて使用人を雇うことが多く、不慣れなこともあり、管理や指導が極めて甘くなったり、逆に厳しすぎて恨みを買ったりする場合があります。現地事情に詳しい知人宅での例を参考にするなどするとよいでしょう。
- エ 家族の協力、家族の注意
- 家族の安全は家族全員が一致協力して守るとの心掛けが必要です。そのためにも家族に対しても安全に関する教育を徹底しておきます。家族一人一人が何か異常を発見した場合などの行動を知っていなければなりません。子供の安全については、当然のことながら日本にいるとき以上に注意を払います。
- 緊急事態はいつ起こるかわかりません。家族全員の行動、居場所を常に把握し、いざというときはお互いが直ちに連絡を取り合えるようにしておきます。各人の予定の行動や計画が変わった場合には連絡を取り合っておくようにすることも大事です。
(4)その他
宗教や文化、習慣、政治などに関し最低限の知識を得ておくことも安全に暮らすために必要です。
- ア 写真撮影
- 軍事施設、空港、首長府等の政府関係施設の撮影は、特別の許可がない限り禁じられています。撮影禁止区域でカメラを持っていると、カメラや記録媒体を没収されたり、警察に連行されることもあるので注意が必要です。またモスクや女性を撮影することも避けた方が無難でしょう。
- イ イスラムの戒律
- 当国はイスラム教を国教としてます。イスラムの戒律が異教徒に強制されることはありませんが、イスラムの教えが法律として施行されている場合もあります。
- 女性は肌の露出の多い服、体型がはっきり現れる服などを避けることが望ましく、男性も半ズボン、ランニングなどを避けるようにします。
- 女性の水着姿等の肌の露出度の高い写真の持込みや所持は禁止されています。賭博はイスラム教で禁止されています。
- 飲酒やアルコールの購入には制限が設けられています。ごく一部ホテル内のレストランにおいてのみ酒類のサービスが受けられます。また許可を取得すれば、ドーハ市郊外にある国内唯一の酒類販売店である「カタール・ディストリビューション・カンパニー」において酒類やポーク製品の購入が認められています。
- 食料品については、豚肉や、みりん等のアルコールが含まれている物品を国外から持ち込むことは許されていません。
- 麻薬と銃器の持込みは厳禁です。特に麻薬の密売等に関しては死刑、終身刑を含む厳罰が科されます。
- また、イスラム歴のラマダン月(断食月)においては、日の出から日没までの間は、公共の場においては飲食や喫煙を控えるという配慮が必要です。
- ウ 喫煙
- 当国では喫煙防止に関する法律が施行され、公共の場での喫煙が禁止されています。公共交通機関、教育施設、医療関係施設、政府関連施設、ショッピングセンター等の産業施設、映画館、レストラン等食品を販売している場所等公共の場所での喫煙は罰金の対象となりますので注意してください。
4.自動車に関する注意
(1)車の購入
車を購入する時には、性能やスタイルよりも頑丈で馬力のあるものを選び、現地ではあまり見かけない「目立つ」もの(車種、色)は避け、故障があっても現地で修理や整備が容易にできるものを選ぶほうが無難です。また、万が一に備えて保険への加入をしてください。その際、対人損害については搭乗者を含め十分な支払額を確保でき、かつ、対物損害や盗難などすべてをカバーできる保険へ加入することをお勧めします。
(2)運転手の雇用
運転手を雇う場合には、日ごろから十分な安全運転教育を行うとともに、運転手自身がガードマンであるとの自覚を持たせるようにしましょう。外出中は、運転手には常に車の側にいることを命じましょう。
(3)交通規則と事故防止
当国では、車は右側通行です。交差点の中には信号機を使わない「ラウンドアバウト」と呼ばれるロータリー方式のものがあり、ラウンドアバウト内を走っている車が優先です。速度制限は街中で時速80キロ前後、郊外では時速100~120キロに設定されています。かなりの高速に設定されていますので十分に気をつけて運転してください。
運転マナーについては、車線を守らない、ウインカーを出さずに曲がる、無理な割り込み追越し、制限速度を超えての運転などが普通に見られ、日本に比べて非常に悪い状況であるため十分に注意をする必要があります。
安全速度を守る、交差点・ロータリーでは必ず安全を確かめる、飲酒運転は絶対にしないなど安全な運転に必要な決まりを遵守することが大切です。
交通取締りは、主要交差点でのレーダー自動監視装置による信号無視の取締り、移動式レーダーによるスピード違反の取締り、市街地での駐車違反取締り等が行われています。
そのほか車の運転に当たっては次のことに注意をすることも必要です。
- 運転手及び助手席は常時シートベルトを締めることが義務付けられており、違反者は罰金の対象となります。
- 10歳未満の子供は後部座席に着席させることが義務づけられており、違反した運転手には罰金が科されます。
- 運転中にハンズフリー装置を用いずに携帯電話を使用することは禁止されており、違反者は罰金の対象となります。
- 夏季、日中は路面が高温になっている影響で、タイヤがパンクしやすくなっています。特に高速運転を行う場合には注意が必要です。
- 郊外を走る場合には、単独行動は避け、必ず複数の車で出かけるように心がけ、夜間はなるべく一人で運転しないようにしましょう。
- 軍事施設、工業施設等に入るためには事前の許可が必要です。軍事施設等の立入禁止区域の標識は、アラビア語でのみ表記されているケースが多いので、郊外のドライブは十分注意する必要があります。
- 夏季は猛烈な酷暑のためにクーラー等を多用することから、バッテリーが上がり やすくなっておりますので、注意が必要です。
(4)交通事故
交通事故に巻き込まれてしまった場合、負傷者がいる場合は、救急車などが到着するまでの間、可能な限りの応急手当を行うことが必要です。警察や救急(電話番号は共に999)に、事故の発生場所、負傷者の数や負傷の程度、事故の状況など報告し、指示を受けてください。
事故を起こした車については、負傷者がなく車両の損傷程度も軽い「軽微な物損事故」を除き、警察官が現場検証に来るまで、交通の障害になったとしても動かしてはいけません。したがって、事故車を移動させずに、その状況に応じ臨機応変に事故の続発を防止する措置をとることが望まれます。(「軽微な物損事故」の場合は、交通の妨げにならないように車両を移動させる必要があり、これに違反すると罰金が科せられます。)
なお、事故現場で、処理に当たった警察官からアラビア語しか書かれていない書面に署名するよう求められるケースがありますが、記載された内容が確認できない場合は、絶対に署名しないようにして下さい。もし、警察官がどうしても署名を強いるような場合は、大使館までご一報願います。
5.テロ等に対する注意
2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以後、世界的にテロの脅威が高まっています。カタールにおいては、2005年3月19日にドーハプレイヤーズ劇場で自爆テロ事件が発生し、英国人1人が死亡、他12人が負傷しました。また2011年10月には、サウジアラビアにおいて逮捕されたアル・カーイダ構成員の中に複数のカタール人が含まれており、カタール国内の西側権益に対してテロ攻撃を計画していたことが明らかになっております。
カタールにはアメリカ空軍基地が存在していること、アル・カーイダの幹部がイスラム過激派のウエブサイト上で、カタールを含む湾岸地域におけるテロ攻撃を繰り返し警告している、中東各国での民主化運動に伴う騒乱の影響等の理由により、今後も、当地におけるテロ事件発生の可能性は排除できません。
テロ事件や不測の事態に巻き込まれないようにするために
- 最新の関連情報の入手に努める
- テロの標的となる可能性のある施設等危険な場所には近付かない
- ホテルやショッピングセンター等多数の人が集まる場所では周囲の状況に十分警戒するとともに極力近づかないよう心がける
- 日常のパターン化した行動を避ける
など安全確保に十分注意を払ってください。
また、テロ事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し、状況に応じて適切な安全対策を講じることができるように心掛けてください。
6. 緊急連絡先
(1)在カタール日本国大使館・・・・電話(代表):4484-0888
電話(領事班直通):4484-0804
※ 執務時間外及び休館日には、上記代表電話にて録音音声で担当館員の連絡先(直通携帯電話)をお知らせしています。
(2)警察・救急・消防・・・・・・・電話:999
(3)国立ハマド病院・・・・・・・・電話:4439-4444
(4)内務省首都警察署・・・・・・・電話:4452-1111
(5)ドーハ国際空港・・・・・・・・電話:4465-6666
Ⅲ 在留邦人用緊急事態対処マニュアル
1.平素の心構え・準備
(1)連絡体制の整備
- 在留邦人の皆さんは大使館に在留届を提出して下さい。また引っ越しや転勤など電話番号等記載事項に変更が生じた場合及び帰国の際にも必ずご連絡下さい。
緊急事態発生時や発生の蓋然性が高まった際にカタールを一時的に離れる場合にもその旨大使館までお知らせ下さい。
- 緊急事態発生時には、大使館は皆様が在留届に記載された緊急連絡先に対して、各種情報の連絡や安否確認を行います。また大使館は日本人会と協力して緊急連絡網を作成しており、日本人会に加入されている皆さんについては、同連絡網に基づいて緊急連絡を実施する場合もありますので、緊急の連絡は誰から来て誰に取り次ぐのかなど、平素より確認しておいて下さい。
- 緊急事態はいつ起きるかわかりません。緊急事態に備え、家族間、企業内で緊急連絡方法につきあらかじめ決めておいて下さい。また、お互いの所在を平素より明確にするようにして下さい。
- 緊急事態発生の際には、大使館より連絡網を通じて情報を提供するとともに必要な措置の案内を行いますが、電話回線等が使用できなくなる場合には、大使館FM放送機あるいはNHK海外放送により必要な連絡を行うことがありますので、短波、FM波が受信可能なラジオ(予備電池の準備もお忘れなく)を備えておいて下さい。
(2)一時避難場所及び緊急時避難先
- ア 一時避難場所の検討
- 内乱、騒乱、テロなどに巻き込まれる可能性がある時は、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し危険な場所に近づかないように心がけて下さい。
- こうした場合における、一時的な避難場所について常日頃から頭に入れておくことが重要であり、自分がどこにいるか(勤務先、通勤途上、自宅等)、自分がどのような事態に巻き込まれそうかなどいくつかのケースをあらかじめシミュレーションして、各自の一時避難場所(外部との連絡可能な場所が望ましい)を検討しておいて下さい。
- イ 緊急連絡先
- 緊急事態発生時の状況に応じて、大使館より避難先への集結を指示することがあります。大使館が指定する緊急時避難先は当館(在カタール日本国大使館)ですので、当館の位置を確認し、ここに至るルートにつき幾つかのケースを想定して検討しておいて下さい。
(3)緊急事態における携行品等、非常用物資の準備
- 旅券、現金、貴金属等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるようあらかじめまとめて保管しておいて下さい。
- 緊急時には一定期間自宅での待機をせざるを得ない場合が発生することもありますので、非常用食糧、医薬品、燃料等を最低限10日分準備しておいて下さい。
- 準備しておくべきチェックリストは別紙の通りです。
2.緊急時の行動
(1)心構え
- ア テロ攻撃に遭遇した場合
- 爆発や銃声等を認知した際には、まず第一に避難することを考え、不用意に現場を確認するなどの行為は絶対にしないで下さい。「テロリストは無抵抗でも殺害する」ということを念頭に置き、冷静に避難することを考えて下さい。
- なお、避難に際し不用意に逃げまどうと、逆に攻撃に巻き込まれたりパニックに陥る危険性が高くなりますので、日常の生活の中で各自が、身を隠す場所、退避できる通路等を把握し、避難方法をシミュレーションしておく必要があります。
- イ 内乱や国外からの武力侵攻等が発生した場合
- 大使館は、所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い、FM放送や緊急連絡網等を通じて随時通報いたします。平静を保ち、流言飛語や群集心理に惑わされないよう心がけて下さい。
(2)対応要領
- テロの現場に居合わせた場合は、上記のとおり、現場から避難することを考えて行動して下さい。身を隠した方がよいか、その場から脱出した方がよいか等は、その場の状況に応じて対応方法が異なりますので、普段からその場の状況に応じた退避方法をシミュレーションしておく必要があります。
他の場所でテロ、内乱等が発生したと認知した場合、不用意に移動することによって非常に危険な状況を招く可能性もあります。あわてて飛び出すことなく、状況が判明するまでの間、職場、自宅等に待機することも必要です。
自らの所在や安否の状況について、大使館や日本人会へ随時連絡するよう心がけて下さい。みなさんの安否情報は、大使館が緊急時に際して適切な対応を行うための重要な判断材料になります。
また子供を学校に行かせている場合、学校側が学校敷地内に待機させるなどの措置を取るよう定めているケースが多いので、学校側と連絡を取って子供の安否を確認してください。
- 大使館からの連絡は、電話利用の可能な場合と不可能な場合とで連絡方法が異なります。電話の利用が可能な場合には、緊急連絡網等を通じて随時連絡します。電話連絡が不可能な場合には、FM放送で行いますので、FM放送の受信が受けられ
るようにしておいて下さい。
FM放送の周波数88.5メガヘルツ
定時放送午前10時、正午、午後2時
(状況により随時追加放送を実施します)
なお非常用の放送機ですので、音声は商業放送に比べ劣ります。
- 緊急事態発生の際、可能であれば、海外放送、衛星テレビ等の視聴による情報収集を各自心がけて下さい。
(3)大使館への通報
- 道路封鎖や建物の損壊、群衆の状況等、他の在留邦人にとって重要な情報となるべき事柄は、随時、大使館又は日本人会へ通報して下さい。
- 自分や自分の家族又は他の邦人の生命・身体・財産に危害が及んだり、又は及ぶ虞がある時は、すみやかにその状況を大使館に通報して下さい。
(4)国外への退避
- 事態が悪化し各自又は派遣先の会社等の判断により自発的に帰国、第三国へ退避する場合、その旨を大使館へ通報して下さい。
大使館への連絡が困難である場合には、避難先の日本国大使館又は総領事館、あるいは日本の外務省邦人安全課へ通報するようお願いします。
- 外務省の渡航情報で「退避を勧告します」又は「『渡航の延期をお勧めします』(退避に関する情報を含む)」が発出された場合には、一般商業便が運航している間に、可能な限り早急に国外へ退避することを検討して下さい。
なお一般商業便の運航が停止した場合、あるいは搭乗が著しく困難となった場合等にはチャーター便を手配、状況によっては、陸路、海上のルートを利用して退避することが必要となってくることもあり得ますので、大使館と連絡を取れるようにしておいて下さい。
- 事態が切迫し、退避又は避難のための集結が必要となる場合には、大使館に集結して下さい。その際、避難先で待機する必要がある場合も想定されますので、可能であれば飲料水、食料等の非常用物資を持参するようにお願いします。
また緊急時には自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、携行荷物は必要最小限にするようお願いします。
緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることも必要になります。そのため、大使館から在留邦人の方々にも種々の助力をお願いすることもありますのでよろしく御協力下さい。
別紙
緊急事態に備えてのチェックリスト
1 旅券等
旅券(パスポート)については常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておいて下さい。6か月以下の場合は大使館に再発給の申請をして下さい。
また旅券の最終ページの「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいて下さい。当国における滞在許可証(レジデンス・パーミット)等についても有効な物を保持するよう注意しておいて下さい。
2 現金、貴金属、貯金通帳等の有価証券、クレジット・カード
これらの物は旅券同様にすぐに持ち出せるよう保管しておいて下さい。現金は家族全員が10日程度生活できる程度の外貨及び当座の必要のため現地通貨を最低限あらかじめ用意しておくことをお勧めします。
3 自動車の整備
- 自動車をお持ちの方は常時整備しておくよう心掛けて下さい。
- 燃料は常時十分入れておくようにして下さい。
- 車内には、常時、懐中電灯、地図等を備え置き下さい。
- 自動車を持っていない人は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を取り、必要な場合に同乗できるよう相談しておいて下さい。
- 緊急時には、多数の車両が道路にあふれて大渋滞となり、容易に移動できなくなる可能性があることにご留意下さい。
4 携行品の準備
避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記1~3に加え次の携行品を備えておいて、すぐに持ち出せるようにしておいて下さい。
- 衣類・着替え(長袖、長ズボン。行動に便利で人目を引かない物。麻・綿等吸湿性や耐暑性に富む素材が望ましい。)
- 履物(行動に便利で底の厚い頑丈なもの)
- 非常用食糧等
しばらく自宅待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員で10日間程度生活できる量を準備しておいて下さい。自宅から他の場所へ避難する際にはこの中から適宜携行するようにして下さい。
- 医薬品等
家庭用常備薬のほか、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、ばんそうこうなど。
- ラジオ
NHK海外放送(ラジオジャパン)、BBC、VOA等の短波放送が受信できる電池仕様のもの(電池の予備も忘れないようにして下さい)。
- その他
携帯電話、懐中電灯、予備のバッテリー、ライター、マッチ、ろうそく、ナイフ、缶切、栓抜、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、洗面用具、可能であればヘルメット、防災頭きん(応急には椅子用クッション)など。
関係連絡先一覧
●警察・消防・救急 999
●在カタール日本国大使館
所在地:P.O.Box 2208, Diplomatic Area, West Bay, Doha
電話:974-44840888(代表)
FAX:974-44832178
メール:eojqatar@eoj.com.qa
緊急連絡先:堤領事携帯 974-5842181
●外務省
本省代表(24時間対応) 81-3-3580-3311
領事局海外邦人安全課 81-3-5501-8160
外務省海外安全相談センター 81-3-5501-8161
●近隣公館
在アラブ首長国連邦日本国大使館
所在地:P.O. Box 2430, Abu Dhabi, United Arab Emirates (U.A.E.)
電話:971-2-4435696(代表)
在ドバイ日本国総領事館
所在地:28th Floor, Dubai World Trade Center Building, Dubai,
United Arab Emirates (U.A.E.)
電話:971-4-3319191(代表)
在サウジアラビア日本国大使館
所在地:P.O. Box 4095
A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, Saudi Arabia
電話:966ー1-4881100(代表)
在ジッダ総領事館
所在地:Al-Islam Street No.32, Jeddah 21431, Saudi Arabia
電話:966-2-6670676(代表)
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