在留邦人向け安全の手引き 在ポーランド日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が,事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他,(必要に応じて)戦争,暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成24年2月
在ポーランド日本国大使館

目次

Ⅰ 序言

Ⅱ 防犯の手引き

  1. 防犯の基本的な心構え
    • (1)「必要な時」に「警戒心を呼び起こし」,「適切に対処する」
    • (2)「必要な時を知る」-情報収集を怠らない
    • (3)「警戒心を呼び起こす」
    • (4)「適切に対処する」
  2. 最近の犯罪発生状況
    • (1)「必要な時」に「警戒心を呼び起こし」,「適切に対処する」
    • (2)「必要な時を知る」-情報収集を怠らない
    • (3)「警戒心を呼び起こす」
    • (4)「適切に対処する」
  3. 防犯のための具体的注意事項
    • (1)スリ
    • (2)引ったくり
    • (3)置き引き
    • (4)ニセ警官詐欺
    • (5)こん睡強盗
    • (6)車輌窃盗
    • (7)屋外での強盗
    • (8)侵入盗
    • (9)クレジット・キャッシュカードのスキミング
    • (10)法外な料金を要求するタクシー
    • (11)子の親権問題
  4. 交通事情と事故対策
    • (1)交通事情
    • (2)事故対策
  5. テロ・誘拐対策
    • (1)テロ対策
    • (2)誘拐対策
  6. 緊急連絡先
    • (1)万が一犯罪被害に遭ってしまったら
    • (2)緊急連絡先
    • (3)緊急時のポーランド語

Ⅲ 在留邦人用緊急事態対処マニュアル

Ⅳ 結語

Ⅰ 序言

ポーランドの治安情勢は,2003年以降,5年連続で改善傾向が続いていたものの,2009年から2011年まで,犯罪認知件数は3年連続で前年より増加しました。

日本に比べて犯罪発生率は高いものの,欧米主要国と比較して著しく高いという状況にはありません。

日本人が普通に生活する範囲内で,生命の危険を感じることは極めてまれですが,スリ,置き引き,空き巣等,金銭の搾取を目的とした犯罪被害に遭うケースは依然として多くみられます。

近年,在留邦人,ポーランドを訪れる日本人旅行者・出張者は増加傾向にあります(在留邦人:2000年654人→2011年1,131人(10月現在),日本人訪問者:2000年2万6,410人→2010年約5万500人,日系企業:2000年約80社→2011年268社(10月現在))。これはすなわち,犯罪者にとっても日本人を意識する機会が増えているということです。

「ここは日本ではない。外国である」との意識を持ち,ある程度の緊張を保ちつつ,ポーランド旅行・滞在を楽しんでください。

この手引は,ポーランド関係当局から入手した最新の犯罪事情や日本人の皆様からの情報提供に基づき,犯罪被害に遭わないための心構え,対策などを取りまとめたものです。皆さまのポーランド滞在をより安全で快適なものとするための一助となれば幸いです。

Ⅱ 防犯の手引き

1 防犯の基本的な心構え
(1)「必要な時」に「警戒心を呼び起こし」,「適切に対処する」

海外では,自分の身は自分で守り,用心を怠らないことが基本です。しかし,四六時中,常に緊張感を持って生活し,目に入る人をすべて悪人と疑ってかかる必要はありません。重要なことは,「必要な時(場所)」に「警戒心を呼び起こし」,「適切に対処する」ことなのです。

(2)「必要な時を知る」― 情報収集を怠らない

まず,「必要な時」を知るためには,滞在地の犯罪事情を可能な限り詳しく把握しておく必要があります。

起こりやすい犯罪の特徴,手口,危険な場所や時間帯等を知っていれば,より効果的な防犯対策を講じることが可能となります。後述の「最近の犯罪発生状況」及び「防犯のための具体的注意事項」,外務省海外安全ホームページ(http://www.mofa.go.jp/anzen/),在ポーランド日本国大使館ホームページ「領事・医療・治安」(http://www.pl.emb-japan.go.jp/konsulat_j.htm別ウインドウが開きます)に掲載されている情報をチェックしてください。

また,在ポーランド日本国大使館では,ポーランドの政治,経済,社会などの諸情勢をメールマガジンでお届けするサービスを行っています(登録方法については,http://www.pl.emb-japan.go.jp/konsulat/j_100514.htm別ウインドウが開きますをご覧下さい。)。

ポーランドにお住まいの皆様の場合は,他の在留邦人の方と情報を共有するほか,地元ポーランド人からの情報も参考にしてみてください。

大規模災害・事故等の緊急時にはJSTV(欧州地域向け日本語衛星テレビ放送),NHK短波放送,BBC,CNN,VOA等の国際放送も貴重な情報源となります。

(3)「警戒心を呼び起こす」

「自分だけは大丈夫」,「犯罪が起きたら起きたで仕方がない」という考えを捨て,「自分も犯罪被害に遭う可能性がある」という事実を認識しておくことが大切です。

①自分がいる場所の“雰囲気”を感じるよう努め,「何かがおかしい」と思ったら,即座に警戒する。②どこかにある“注意信号”を見逃さない。③一人の時も複数でいる時も油断しない。④“外国人”として,常に目立つ存在であることを意識する。

病気になって初めて健康の有り難みが分かるように,これは簡単なように思えて意外と難しく,反対にこの意識がしっかり頭に入っていれば,防犯対策の8割方は終わったようなものと言えます。

特に下記の場面では,「今,自分がどのような犯罪に遭う可能性があるのか」と考えることを習慣付けましょう。

  • 電車,トラム,バス,地下鉄,車で移動中
  • 自宅で就寝している時
  • 旅行などで慣れない土地に行った際,友人等とおしゃべりを楽しんでいる時
  • 携帯電話が鳴った時
  • レストランや喫茶店で飲食している際
  • 夜遅くなってしまった場合
  • アルコールが入っている時
  • 買物途中
(4)「適切に対処する」

最後に,「適切に対処する」すなわち「犯罪に遭わないための対策」を考え,実行します。

例えば,バス内でスリが多発しているのであれば,最も簡単な対処策は,なるべくバスに乗らない(犯罪が発生しやすい環境に自分を置かない)ことです。やむを得ずバスに乗る場合は,

  • 混雑する時間帯を避ける
  • 周囲の不審者の有無に気を配る
  • 手荷物は少なく,自分の目の届くところに持つ
  • 運転手や比較的信頼できそうな客の近くに立つ

などの対策をとるようにします。

犯罪者にとって「仕事」がし難い状況を作り出し,標的にされないよう工夫します。この工夫こそが具体的防犯対策です。日ごろから自分の行動と犯罪の実情を照らし合わせ,防犯対策を検証してみてください。

2 最近の犯罪発生状況
(1)概況

ポーランドの治安情勢は,悪化のピークであった2003年以降,5年連続で改善傾向が続いていたものの,2009年の犯罪認知件数は6年振りに前年を上回り,2010年,2011年も連続して前年より増加しました。

こうした中,窃盗、詐欺等の金銭目当ての犯罪が増加傾向にあり,侵入盗及び薬物犯罪の犯罪件数も依然として多い状況にある。

(2)犯罪発生件数と傾向

2011年の犯罪認知件数は115万9,554件で,対前年比0.7%増と2009年,2010年に引き続き3年連続で前年を上回る数値となった。人口10万人当たりの犯罪認知件数は2010年の約3,013件から,2011年は約3,034件に増加しました。一方,治安当局の能力を測る検挙率は68.7%(前年比+1.2%)と,12年連続で上昇しています。

類型別にみると,2011年は2010年と比較して,詐欺罪(36,179件,+12.8%)が大幅に増加した一方で,銃器類を用いた強盗罪(1,539件,-17.4%)が大幅に減少しました。件数が多いのは,窃盗(23万247件,+4.4%),侵入盗(13万5,611件,-3.2%)など金銭目当ての犯罪です。そのほか,傷害(1万6,447件,+4.8%),暴行(1万2,008件,+1.1%)といった暴力犯罪,薬物犯罪(7万4,535件,+3.0%)も増加傾向にあります。

2011年の犯罪発生件数
類型 件数 前年比
殺人 662 -2.6%
傷害 16,447 +4.8%
暴行 12,008 +1.1%
強姦 1,498 -4.4%
窃盗 230,247 +4.4%
強盗 26,231 -3.6%
銃器類を用いた強盗 1,539 -17.4%
侵入盗 135,611 -3.2%
薬物犯罪 74,535 +3.0%
詐欺 36,179 +12.8%

日本と比較した場合,2011年の人口10万人当たりの犯罪発生件数は,ポーランドにおいては約3,034件で,日本の約1,159件に対し約2.6倍となっています。

人口10万人当たりの犯罪発生件数
日本との比較 ポーランド(2011年) 日本(2011年)
人口 約3,822万人 約1億2,773万人
犯罪認知件数 115万9,554件 148万765件
10万人当たりの犯罪件数 約3,034件 約1,159件
(3)犯罪多発地域

首都ワルシャワや他のクラクフ,グダンスク等の大都市においては,世界の大都市と同様,特に犯罪発生件数が多く,ちなみにワルシャワでは,下記の場所での犯罪発生が目立っています。

  • 中央駅を始めとする公共交通機関周辺及び公共交通機関の車内
  • ヴィスワ川東岸のプラガ地区
  • 飲食店が立ち並ぶ憲法広場周辺(特に夜間)
  • 旧市街などの観光スポット
  • ハイパーマーケット周辺
3 防犯のための具体的注意事項

ここでは,最近のポーランドの犯罪実情等を日本人被害の実例とともに紹介し,基本的な対処策を述べていきます。

(1)スリ

スリは日本人旅行者が最も被害に遭いやすい犯罪です。被害は主に交通機関(電車,バス,トラム(路面電車)等)及びその周辺(駅,バス停等),観光客の利用する飲食店で頻繁に発生しています。交通機関(バス,トラム,地下鉄)付近のスリは,乗車待ちの人々の中から標的を探します。特にワルシャワでは,空港から中央駅,旧市街を結ぶ「175番」のバスは要注意です。

典型的なスリの手口は,乗降時や車中で1人の標的を3~4名で囲み,もみくちゃにしている間に金品を強奪するので,スリというより強盗に近いものです。

被害例1:ワルシャワ中央駅構内のエスカレーターに乗っていたところ,前の男性が寄りかかってきて押され,背後の男性と密接する形となり,その2,3秒間でズボンの後ろのポケットから財布をスリ盗られた。

被害例2:長距離列車に乗り込んだ際,狭い通路で前後から体格のよい男性数人に挟まれ,クレジットカードと現金の入った財布を強引に盗られた。(バスでも同様の事例が起きています。)

被害例 3:新世界通りを歩いていたところ,少女2,3人から慈善事業に関する署名を求められ,立ち止まって署名をしている際にバッグから財布をスリ盗られた。

被害例 4:ショッピングセンターの駐車場で車を停め,店内で買物をしていたところ,上着のポケットに入れていた車の鍵をスリ盗られ,車を盗られた。

被害例 5:レストランで飲食中,自分が座っていたイスに掛けていた上着から財布をスリ盗られた。

他にも,長距離列車で荷物を網棚に載せようとして苦労している際に,手伝うふりをして荷物の中身や財布をスリとる犯罪者が多いので注意が必要です。ワルシャワからクラクフ,クダンスク等の各都市へ鉄道を利用してお出かけの際は十分注意してください。特にクダンスクでは,国際列車でも各駅に停車する区間があり,そうした駅ではスリ犯が列車に乗り込み標的を物色することが多いので注意が必要です。

スリは,夏のバカンスシーズンには人が多く集まる海岸方面に移動しますし,大みそかなど大勢の人が広場などに参集する際や,国際的なスポーツ大会の会場周辺でも出没するので注意してください。

それでも万が一,自分の周囲に“不自然な人ごみ”を感じたら,直ちに現場を離れる,大きな声をあげて周囲の人の注意を引くなど,スリに“仕事”をさせない工夫をしてください。

  • 目立つ服装やアクセサリーを避ける。
  • 両手がふさがらないようバッグ等荷物の数量を工夫する。
  • ウエストポーチやリュックサックは狙われやすいので避ける。
  • 自分の周りの不審人物に注意する。
  • 多額の現金や貴重品を一か所にまとめて持ち歩かない。
  • 多数の荷物を携行しているときは無線タクシーを利用する。
(2)引ったくり

引ったくりは,ワルシャワ中央駅周辺,旧市街など観光客が多い場所や繁華街近くの路地裏で昼夜を問わず発生し,女性やお年寄りが狙われやすい犯罪です。バッグ等を引ったくられると,転倒して骨折など思わぬ怪我をするおそれもあります。

被害例 1:母親と一緒に観劇して帰宅する途中,背後から走ってきた少年にバッグを引ったくられた。

被害例 2:バス停のベンチに座りバスを待っていたところ,少年2,3人から時間を尋ねられ,自分の時計に目を移した途端,たすき掛けにしていたバッグを強引に奪われた。

被害例 3:昼間,ワルシャワ中央駅周辺を友人と二人で歩いていたところ,複数名の男性に歩道に押し倒され,たすき掛けにしていたバッグを強引に奪われた。

引ったくり犯は,若い男性グループであることが多く,犯行前に標的を尾行します。また,犯行直前に標的に話し掛けて時間を尋ねたり,煙草の火を借りるなどし,標的に警戒心が無いと感じるやいなや犯行に及ぶので,見知らぬ者から話し掛けられた際はまず警戒した方が無難です。「怪しい人間が後をつけてくる」,「怖そうな人たちがたむろしている」などの兆候がある場合は,「家まであと少しだから」などと,その可能性を放置してはいけません。

  • 人目に付きやすいバッグは持たない。持つのであれば,コートの下にたすき掛けにする。
  • 複数で歩行している際は,同行者側にバッグを持つ,また,車道側にはバッグを持たない。
  • カメラ等貴重品は人目にさらさない。
  • 遠回りであっても明るく人の多い通りを歩く。
  • 閑散としたところは通らない。
  • 必要があれば友人等に連絡して迎えに来てもらう。

(3)置き引き

置き引きは,主に長距離列車の中や,ホテル・飲食店など人の多く集まる場所で発生します。長距離列車(含む国際列車)の中では,就寝中や列車が駅に停まっている間に荷物を盗られることがあります。夜行の国際列車を利用する際は,個室に鍵がかかり,車掌が同乗する寝台車(スリーピングカー)を利用されることをお勧めします。

ホテルや飲食店では,所持品をイスに放置したままトイレに行ったり,料理を取りに行った隙や,フロントなどで荷物から目を離した隙に盗まれることがあるので,大事な物は常に自分の影響下に置いておくことが大切です。

被害例 1:駅に停車中の列車で,車外の外国人に窓越しに話し掛けられ,対応に苦慮している間に座席脇に置いてあったバッグを何者かに盗まれた。(窓の外から注意をそらす役と車内にいて荷物を盗む役の連係)

被害例 2:駅に停車中の列車に乗り込み,スーツケースを網棚に乗せている間に,座席に置いていたポーチが盗まれた。

被害例 3:夜行列車で移動中うたた寝をしたところ,目が覚めたら自分のバッグが刃物で切られ,中の貴重品を盗まれていた。

被害例 4:地方都市のレストランで,自分の隣の席に鞄をおいて食事をしていたところ,気がついたら鞄がなくなっていた。

被害例 5:ワルシャワ中心部のホテルのレストランで食事をしていたところ,隣席においていたポーチがなくなった。団体旅行でもあり,周辺には日本人しかいないと油断していた。

(4)ニセ警官詐欺

クラクフやワルシャワの中央駅周辺等において,ニセ警官詐欺による犯罪被害が報告されています。

手口:欧米系旅行者を装った犯罪者が「両替したいので銀行の場所を教えてほしい」等と話しかけてきます。これに対応していると,警察官(私服)を自称する男が現れ,ニセの警察IDを素早く見せ,「不法に両替していないか」「偽札を所持していないか」あるいは「麻薬を所持していないか」等と言い,欧米系旅行者と日本人の双方に対してパスポートと財布を見せるように指示し財布を預かります。そして,男は現金やクレジットカードを確認しますが,そのすきにそれらの何枚かを抜き取ります。また,この際,クレジットカードの暗証番号を聞き出します。その後,男と欧米系旅行者は立ち去りますが,その数十分以内に,抜き取られたカードが不正利用されます。


警察IDカード

こうした犯行は,付近に制服を着用した警察官がいる状況下でも行われる場合があるので注意が必要です。ニセ警察官グループは,言葉巧みに対象者を地下道等人気のない場所へと誘導し,金品を強奪する可能性もあります。くれぐれも人気のない場所について行かないよう注意してください。対応としては,私服警察官を名乗る者が「財布の中身を確認する」とか,「偽札確認を行う」といった場合,相手にしないことが一番ですが,相手の身分証の提示を求めるか,「警察へ行く」「大使館へ連絡する」などと主張してください。

(5)こん睡強盗

観光名所付近において,旅行者に「日本人か」などと話し掛け,「日本に興味がある」,「親戚が日本で働いていた」などと親しげに振る舞い,意気投合したところで飲食に誘い,ウォッカなど慣れない酒を飲ませ,泥酔したところで所持品等を奪うものです。過去には,暴力を振るわれたり,被害者が急性アルコール中毒で入院した事例があります。

(6)車輌窃盗

車輌窃盗には,車本体の盗難,ホイール等部品の盗難,窓ガラスを割ってのカーステレオの盗難,助手席等に載せていた荷物の盗難などが挙げられます。日本人は比較的高価な車に乗っていることが多いので注意してください。

  • アラーム,ペダルロック,ギアロック,ハンドルロック等の防犯器具を用いて防犯・抑止効果を高める。
  • 駐車する際は警備員が常駐する場所を選び,やむを得ずこれ以外の場所に駐車する場合は,暗がりや人通りの少ない場所を避ける。
  • 運転中や駐車する際には外部から見えるところに鞄や買物袋を放置しない。
  • 自宅以外の場所で車を駐車した場合,再度出発する前に車の各部を点検する。
  • 運転免許証,車両登録証,損害保険証,カーパスポートは車の中に保管せず,常時携帯する。
(7)屋外での強盗

歩行中の強盗に関しては,その被害事例の大半が深夜に繁華街又は人気のない場所を一人で歩いていたところ,突然,複数の若い男性に襲われ負傷し金品を奪われるというケースです。

被害例 1:深夜,繁華街のバーからホテルへ徒歩で帰る途中,バーで知り合いになった男性2名に囲まれ,殴る蹴るの暴行を受けた上,所持金を奪われた。

被害例 2:夕方,買物を終えて帰宅途中,背後から若い男に首を絞められ,別の男に顔面を殴打され,所持していたバッグを奪われた。

日本と同様,深夜の繁華街や人気のないところを一人で歩くのは危険です。「あと少しの距離だから」と思っても,時間が遅い場合はタクシーなどを利用した方が良いでしょう。深夜の公共交通機関の利用は避けてください。

電車での強盗に関しては,コンパートメント内で発生することが多く,犯罪者は突然銃を突き付けたり,催涙スプレーを吹きかけたりするので,できるだけ「コンパートメントに一人きり」という状況は避け,安心できそうな他の乗客と一緒にいることをお勧めします。

トラム(路面電車)での強盗に関しては,ポーランドのトラムはその多くが2両編成で前後の車両が独立しており,乗客が前後の車両を行き来できなくなっています。そのため,後部車両では,運転手の目が行き届かず,強盗だけでなくスリの被害にも遭いやすいので,運転手の乗っている前部車両を利用するよう心がけてください。
また,日ごろから不審者に尾行されていないか注意する癖を付けておきましょう。

(8)侵入盗

侵入盗の手口は午前3時~5時ころ,閑静な住宅街を狙い,テラスに面するガラス扉,施錠されていない窓や勝手口,あるいは簡単に開錠できるルートから家屋へ侵入し,家人が寝ている間に車両(車両登録証,車の鍵も同時に盗む),現金,電化製品などを盗む例が多く,一夜の内に近隣数軒が一度に被害に遭うことも珍しくありません。過去には,日本企業の事務所への侵入事件が発生しています。

被害例 1:日本人が居住する一戸建て住宅の両隣と裏側の家に賊が侵入。日本人宅は防犯灯や警備カメラ,堅固な錠,鉄格子が完備してあったため難を逃れた。

被害例 2:周りを塀で囲まれたコンパウンド内の住宅に住む日本人が帰宅すると,パソコンが盗まれていた。警備装置(侵入警戒センサー)は設置されていたものの,当時は解除されていた。

住宅を選ぶに当たっては,物件周辺の治安情勢のほか,「建物自体のセキュリティー度の高いこと」を選定要件に入れることが大切です。通常,一戸建て住宅よりも警備員が常駐しオートロック玄関になっている集合住宅の方が安全です。

加えて,自宅玄関には複数の錠やドアスコープが付いていることが最低条件です。一戸建て住宅であれば,玄関扉に複数の錠やドアスコープが付いているか,地上階の窓など侵入可能な箇所に鉄格子が設置されているかなどを,泥棒になったつもりで細かく検証し,可能な限り警備会社と契約して侵入警戒センサーを設置してください。

  • 犯罪者にとって「仕事」をし難い建物であることを示すこと。警備会社と契約してセンサー等を設置するとともに表から見える箇所に警備会社のシールを掲示しておく,侵入されやすい一階窓などは鉄格子を備える,庭は明るく照らすか,人の動きを感知して点灯する防犯ライトを設置する。
  • 犯罪者は下見をすることが多いので,日ごろから自宅周辺の不審人物等に注意する。
  • 行動パターンを第三者に不用意に把握されないよう努める。
  • 鍵周り,警報装置の定期点検を欠かさない。
  • 自宅に家族がいる場合であっても必ず施錠する。
    また,万が一侵入された場合,最悪の事態として犯罪者と鉢合わせになり,怪我をしたり命を落とす可能性があります。
  • 就寝時は寝室の扉も施錠し,携帯電話を枕元に置いておく。侵入警戒センサーが設置してあればセンサーを作動させる。
  • 夜中に家の中で物音がした場合は,不用意な捜索を避け,外部へ助けを求める。
  • 朝や昼間の強盗に備え,同居家族にも「不意の訪問者に対し不用意にドアを開けない」ことを十分理解してもらう。
(9)クレジット・キャッシュカードのスキミング

飲食店等で客が代金を支払う際,クレジットカードを店員に渡すと,それを預かった店員が,客から見えないところでカード情報読取装置を使用しつつカード情報を窃取し,その後被害者の銀行口座から多額の現金を引き出すという事件が発生しています。被害者は外国人で,数か月後にカード会社から多額の請求書を受け取って初めて犯罪に遭ったことに気づくというものです。

  • 支払の際,自分でカード決済端末の傍まで行くか,カード決済端末を自分の目の前に持って来るようウェイター等に依頼して,決済が自分の目の届くところで行われるように注意することが肝要です。
    また,何者かが銀行のATMの上部に隠しカメラを取り付けたり,カード挿入口に特殊なカード情報読みとり装置(いわゆるスキマー)を仕掛け,ATM利用者の暗証番号やカード情報を詐取し,銀行の近くに停めた車の中で偽造カードを作成し,即座に現金を引き出してしまうという犯罪が発生しています。
  • 銀行のATM付近に不審な車両(外部から車両の内部が見えないようになっているワンボックス車やワゴン車などで,アンテナが複数取り付けられていることが多い)が停車している場合は,そのATMの利用を避ける。
  • 銀行ATMにおいて現金を引き出す際には,周囲から見えないよう覆い隠しながら暗証番号を入力する。
(10)法外な料金を要求するタクシー

空港の到着ロビーに出ると,「タクシー?」などと旅行者に声をかけて客引きを行うタクシー運転手がいますが,そのほとんどは法外な料金を要求する個人営業のタクシー運転手(無許可営業含む)です。

特にワルシャワ・オケンチェ空港から市内までタクシーを利用される際には,空港出入口付近にある正規のタクシー乗り場から利用されることをお勧めします。

(11)子の親権問題

一般的な防犯の対象となる問題ではありませんが,ポーランドにおいては,親権を持つ親であっても,他の親権者の同意を得ずに15歳以下の子の居所を移動させること(親が日本へ帰国する際に子に同行させる場合を含む。)は,子を誘拐する行為として重大な犯罪となる可能性がありますので,御注意ください。

4 交通事情と事故対策
(1)交通事情

2004年のEU加盟以降,中古車流入等により自動車の台数が大幅に増加したことなどから,2007年には,それまでの改善傾向が一転して,交通事故件数(+5.9%)・死亡者数(+6.9%)・負傷者数(+6.1%)の全てが増加に転じました。

この結果を受け,政府は,事故防止のインフラ整備や警察の取締を強化するなど交通事故対策に取り組んでおり,2008年以降,交通事故事情は年々大幅に改善したものの,2011年には再び交通事故件数が前年を上回る等交通事情の悪化がみられます。

また,ポーランドでは任意保険未加入者が多いため,軽度の接触事故等の場合,警察・救急に通報せず示談で処理する傾向があり,実際は統計を上回る件数・負傷者が発生していると思われます。

交通事故件数
交通事故件数 死亡者数 負傷者数
2011 3万9,935件 4,171人 4万9,341人
2010 3万8,776件 3,902人 4万8,872人
2009 4万4,196件 4,572人 5万6,046人
2008 4万9,054件 5,437人 6万2,097人
2007 4万9,536件 5,583人 6万3,224人
2006 4万6,876件 5,243人 5万9,123人
2005 4万8,100件 5,444人 6万1,191人

2011年の統計について日本と比較した場合,ポーランドの交通事故件数は3万9,935件で,日本の69万1,932件の約17.3分の1であるのに対し,死亡者数については,ポーランド4,171人,日本4,611人と両者の間にそれほど大きな差はありません。事故100件当たりの死亡者については,日本の0.67人に対し,ポーランドは10.44人と約16倍となっています。

日本とポーランドの交通事故件数
日本との比較 ポーランド(2011年) 日本(2011年)
交通事故件数 3万9,935件 69万1,932件
死亡者数 4,171人 4,611人
負傷者数 4万9,341人 85万4,489人

注意すべき交通法規は次のとおりです。

  • 速度制限は,市街地50キロ,郊外90キロ,郊外の片側2車線道路及び1車線の自動車専用道路100キロ,片側2車線の自動車専用道路120キロ,高速道路140キロ
  • 免許証,自動車登録証,強制保険証を常時携行
  • 信号がない交差点(優先道路標識もない)では右方向から来る車に優先権(右方優先)
  • ロータリーではロータリー内の車が優先
  • 信号下に緑の矢印が点灯中は,赤信号でも歩行者に注意して右折可能
  • シートベルト,チャイルドシートの着用義務
  • 運転中の携帯電話使用は禁止
  • 年中24時間点灯
  • 飲酒運転の厳罰化が進んでおり,初犯でも免許取消になるおそれ
(2)事故対策

ワルシャワなどの大都市では平日の交通量が多く,朝夕は交通渋滞が発生します。また,道路事情は概して良くなく,運転マナー,歩行者のマナーともに悪いので,急ブレーキ,急な車線変更,歩行者の飛び出しなどに十分注意して運転してください。

冬場は路面の凍結にも用心が必要です。冬場でなくとも,橋の上では路面が凍結していることがありますので十分に減速してから進入してください。

5 テロ・誘拐対策
(1)テロ対策

ポーランドでは特定の政治目的をもって継続的に暴力主義的破壊活動を行う組織や反政府組織,イスラム過激派組織は把握されていません。少数の極右組織やチェチェン人難民が存在していますが,これらの組織や関係者がテロ行為に及ぶ兆候はみられていません。治安当局は,現在のところ,当国における差し迫ったテロの脅威は低いと認識しています。

一方,ポーランド政府がこれまで,国際社会によるテロとの戦いに積極的に関与してきたことで,過去にはアル・カーイダ幹部とされる者の声明によりテロ攻撃の標的と名指しさたほか,パキスタンでポーランド人技師が地元タリバン勢力に拉致・殺害されるという事件が発生しており,ポーランドがイスラム過激派勢力のテロ攻撃の標的とみなされていることが明らかとなっています。また,シェンゲン協定の実施に伴い,域内からの入国が比較的容易になったことから,これらイスラム過激派勢力関係者が当国へ入国し,何らかのテロ行為を起こす可能性も否定できず,ポーランドには潜在的なテロの脅威が常に存在しているといえます。

なお,ポーランドは2012年にはウクライナとの共催により欧州サッカー選手権大会が開催されるため,こうした時期にテロの脅威が高まることも想定されます。

テロに遭わないよう,次の対策を取りましょう。

  • 外務省や大使館ホームページ等を利用して情報収集に努めましょう(Ⅱ 1(2)参照)。
  • 不特定多数の人が集まる場所(空港,駅,観光名所,ハイパーマーケット等の大型商業施設,宗教施設等)には長時間留まらない。
  • 欧米諸国の関連施設にはできる限り近づかない。
  • 不審な人物,車両,荷物等を発見した場合,速やかにその場を離れる。
(2)誘拐対策

近年発生した外国人の誘拐事件の例としては,2006年10月に中国人ビジネスマンが誘拐され,後日,無事解放されたという案件があります。

自分や家族が誘拐被害に遭わないために最も大切なことは,誘拐の標的に選定されないよう積極的に努力することです。誘拐犯の多くは,標的の行動を監視して,犯行が成功する確率と失敗する確率を秤に掛け,より容易な標的を選択しますので,日常的に次の習慣を身につけましょう。

  • 行動パターンを一定にしない。
  • 自宅周辺や通勤通学経路上の些細な変化を見逃さない。
6 緊急連絡先
(1)万が一犯罪被害に遭ってしまったら

最寄りの警察署へ赴き,旅券の再発給や保険請求などのために必要な「被害届受理証明書」を入手してください。

言葉の問題がある場合は,警察署で契約している法廷通訳を手配してくれます。週末や夜間は警察署側が通訳の手配を渋る事例が散見され,中には「明日来てくれ」,「自分で通訳を見つけてきてくれ」などと言われることもありますが,通訳の手配は警察の義務となっております。ご不明な点はご遠慮なく大使館までお問い合わせください。

(2)緊急連絡先

在ポーランド日本国大使館(ワルシャワ市)
代表電話:22-696-5000(日本から+48-22-696-5000)
領事部: 22-696-5005(日本から+48-22-696-5005)
住所:ul.Szwolezerow 8, 00-464 Warszawa, Poland
(ウリツァ シュフォレジェルフ オシェム)
開館時間:午前8時30分~午後5時(土日及び祝祭日除く)
領事窓口受付:午前9時~午後12時30分,午後1時30分~同5時
夜間や土日祝祭日は上記代表電話におかけください。代表電話から緊急連絡担当者に自動転送されます。

警察:997

救急車:999

消防:998

(いずれも携帯電話からかける場合は112)

(3)緊急時のポーランド語

ポーランドでは,近年,英語学習が盛んになっていることから,若者を中心に英語が通じることが多くなっています。しかしながら,40歳台以上の世代に英語が通用することはまれです。万が一に備え,助けを呼べる程度のポーランド語を覚えておくと安心です。

  • 助けて! 「ポモツィ!」(Pomocy !)
  • 警察をお願いします(呼んでください)「プロシェ ポリツィエン」(Prosze policje)
  • 救急車をお願いします(呼んでください)「プロシェ ポゴトヴィエ」(Prosze pogotowie)
  • 日本大使館 「アンバサダ ヤポニィ」(Ambasada Japonii)
  • 警察 「ポリツィア」(policja)
  • 病院 「シュピタル」(szpital)
  • パスポート 「パシュポルト」(paszport)
  • 現金 「ゴトゥフカ」(gotowka)
  • クレジットカード 「カルタ クレディトヴァ」(karta kredytowa)
  • 日本語「ヤポンスキ」(japonski)
  • 英語 「アンギェルスキ」(angielski)
  • 電話 「テレフォン」(telefon)

Ⅲ 在留邦人用緊急事態対処マニュアル

1 平素の準備と心構え

緊急事態発生時にあわてず,迅速かつ適確に行動するためには,連絡体制を整備し,非常用物資を準備するなど,常日頃から緊急事態に備えておくことが肝要です。

(1)連絡体制の整備
イ 緊急連絡網の整備
緊急事態発生時の情報伝達及び安否確認等のため,自身が所属する組織(会社・学校等)において,あらかじめ緊急連絡網を作成しておく必要があります。また,連絡を確実なものとするためには,複数の連絡手段による連絡網の整備が必要です。
ロ 在留届の提出
当地に3か月以上滞在する方は,旅券法により当館への在留届の提出が義務づけられています。緊急事態発生時,当館では在留届を基に在留邦人への情報提供・安否確認を行いますので,ご自身の身を守るためにも在留届の提出を励行しましょう。
(2)退避場所の検討

常日頃から,起こりうるいくつかの緊急事態を想定し,避難ルート及び避難場所をあらかじめ設定した上で,それらを頭に入れておく必要があります。避難場所の一つとして大使館も想定されることから,大使館の場所・道順も覚えておく必要があります。

(3)携行品及び非常用物資の準備
イ 全般
即座に避難しなければならない場合に備え,非常袋を準備しておく必要があります。また,最初に持ち出す一次非常袋と,その後一時的に帰宅が可能な場合に持ち出すための二次非常袋を用意しておくと,状況に応じた持ち出しが可能となります。
ロ 非常袋準備のポイント
(イ)一人一袋の非常袋を用意
家族で一人一袋の非常袋を用意すれば,より多くの物が持ち出せ,分担した分,重量も軽くなります。また,日ごろから各自が自分の非常袋の管理に責任を持つことで,家族全員の危機意識が高まります。
(ロ)定期的な中身の点検
半年に1回程度,定期的に中身をチェックし,その都度,期限切れの物は新しいものに入れ替えましょう。
(ハ)非常袋を分散して保管
地震等により家が崩れ,非常袋が取り出せないといった場合も想定されることから,家の中だけでなく庭やベランダ,車のトランク等,非常袋は分散して保管しましょう。
ハ 緊急事態に備えてのチェックリスト
非常袋を準備する際は,以下のチェックリストを参考にしてください。
緊急事態に備えてのチェックリスト
確認 品名 備考
  旅券
  • 旅券については,常時6ヶ月以上の有効期間があることを確認(6ヶ月以下の場合には,大使館に旅券の新規切替申請を行うことが望ましい)。
  • 旅券の最終ページの「所持人記載欄」は,漏れなく記載し,下段には血液型(Blood Type)記入。
  当国発行運転免許証 その他身分証(滞在許可証)。
  通帳(含むカード)類・証書類・印鑑・現金
  • 預貯金通帳,健康保険証など。
  • 住所録のコピーもあると便利。
  • 現金は紙幣だけでなく,公衆電話用の硬貨も用意。
  携帯ラジオ
  • 小型で軽く,FM・AM・短波が聴けるものがよい。
  • 予備用電池も必要。
  懐中電灯・ろうそく
  • 予備の電池も必要。
  • ろうそくは,太くて安定のよいもの。
  ヘルメット(防災ずきん)
  • 建物の破片等の落下物から頭部を守るため。
  • 避難路は転倒事故も多いので必ず用意。
  生活用品 ライター(マッチ),軍手(革手袋),紙皿,紙コップ,ナイフ,缶切り,栓抜き,ティッシュ,おしぼり(ウエットティッシュ),ビニールシートなど。赤ちゃんがいる場合は哺乳びんなども。
  衣類
  • 下着,上着,靴下,ハンカチ,タオルなど。
  • 赤ちゃんがいる場合は紙おむつなど。
 
  • 3日分の場合,1人1日3リットルを目安として9リットル程度。
  救急薬品・常備薬 ばんそうこう,ガーゼ,包帯,三角巾,体温計,消毒薬,解熱剤,胃腸薬,かぜ薬,鎮痛剤,目薬,マスク,とげ抜きなど。持病のある人は常備薬も忘れずに。
  非常用食料
  • 少なくとも3日分は用意したい。
  • 火を通さないで食べられるものが便利。
  • 赤ちゃんがいる場合は粉ミルクなども。
  自動車の準備
  • 況が許す場合,自動車を使用できるように,常時整備しておくよう心掛ける。
  • 燃料は,常時十分入れておく(半分以上が望ましい)。
  • 車内には懐中電灯,地図等を常備。
  • 上記持ち出し品のうち,必要な物を常備。
2 緊急時の行動
(1)基本的心構え

緊急事態が発生あるいは発生する恐れがある場合,あわてず,平静を保ち,テレビ,ラジオ,インターネット等あらゆる手段を活用して,正確な情報の収集に努めましょう。この際,流言飛語にまどわされたり,群衆心理に巻き込まれることがないよう注意する必要があります。

(2)国外への退避

イ 事態が悪化し,各自や会社等の判断により,あるいは,大使館の勧奨により帰国,もしくは第3国に退避する場合,その旨を大使館に連絡しましょう。大使館への通報が困難な場合には,日本の外務省(代表電話:0081-3-3580-3311)へ連絡しましょう。

ロ 大使館が「退避勧告」を出した場合,一般商業便が運航している間はそれを利用して可能な限り早急に国外に退避しましょう。臨時便やチャーター便が手配される場合には,大使館の指示に従いましょう。

ハ 大使館より退避あるいは避難指示が出た場合,緊急避難先を指定することがありますので,その場合は大使館の指示に従いましょう。

Ⅳ 結語

2004年のEU加盟以降,減少傾向にあった犯罪発生件数は,2009年から2011年まで3年連続で前年を上回り,ポーランドの治安情勢は先行き不透明な状況にあります。こうした中,我々がこの国に不慣れな“日本人”である以上,犯罪者には“容易な標的”として認識され続けることでしょう。

まして,“ニッポン人”は世界でもカネ持ちとみられています。同じ程度の防犯対策を施していても,ポーランド人と日本人ではどちらが狙われやすいでしょうか?

大事なことは,“ソフト”と“ハード”です。

“ソフト”とは,我々自身の意識であり,“ハード”とは,警報装置や鍵などの防犯装置のことです。どちらが欠けても機能しません。

これを御覧になった方には,「何をおおげさな」と思われるかもしれません。そうかもしれませんが,犯罪とは“偶然と必然の混合物”です。今まで運が良かっただけなのかもしれません。

この「安全の手引き」をお読みになり,“必然”を下げるよう,防犯を再考していただければ幸いです。

ページの先頭へ戻る

<< 安全の手引き INDEX