在留邦人向け安全の手引き 在パナマ日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


パナマ在留邦人
・安全の手引き

平成24年4月1日改訂
在パナマ日本国大使館

はじめに

パナマ共和国の2011年中における犯罪総件数は、暫定数値でありますが66,264件と記録され、2010年中の総件数と比較すると5,000件以上の減少が認められました。当国は中南米諸国の中でも比較的治安は安定しているとの見方もありますが、2011年末における世論調査結果によると、治安状況が悪化していると回答した意見は約5割に及んでおり、パナマ国民は国内の最も主要な問題として、常に「治安」を上位に掲げています。

当国では、南米から北米、欧州に向けた麻薬の中継拠点として大量の麻薬が密輸され、近隣諸国の麻薬組織が国内に浸透してきています。また、中米の犯罪グループの影響を受けたパンディージャス(14歳前後から20歳前後の少年及び成人男女で構成され、殺人、強盗、麻薬売買、窃盗等の様々な犯罪を行う組織)が凶悪事件を引き起こすケースも見られます。
そのほか、以前から労働組合や学生組織がその時々の社会問題等を取り上げ、デモや道路封鎖等の抗議行動を頻繁に行っています。

このようなことから、当地での生活では、事件・事故等不測の事態に巻き込まれるのを避けるため、日頃から防犯対策に努める必要があります。

パナマの警察組織としては、大きく分けて「国家警察(POLICIA NACIONAL、日本の警察に相当、捜査部門を担当するのが司法捜査局(DIJ:DIRECCION DE INVESTIGACION JUDICIAL)」、「航空海上保安隊(SERVICIO AERONAVAL、航空、海上及び運河を管轄する保安部隊)」、「国境警備隊(SERVICIO DE FRONTERAS)」があり、各部門が担当分野における治安維持の一翼を担っています。

当国の治安は、中南米諸国の中でも比較的安定しているとはいえ、日本と比較すれば、殺人事件の発生は人口比で約27倍、強盗事件の発生は約93倍にも及ぶ現状(2010年統計)から、防犯対策抜きに生活することは考えられません。

また、首都圏での交通事情は極めて悪く、パナマ国内の交通事故死亡者数は、日本国内と比較した場合、人口比で日本の約3倍に達するため、日頃より交通事故に対する心構えが必要です。

こうした状況に鑑み、当大使館では、有事の際に迅速・的確な対応ができるように日頃から治安当局との良好な関係維持に努めるとともに、在留邦人の皆様に対して、治安に関する情報提供を行っています。

この度、「パナマ在留邦人安全の手引き」の内容を更新しました。本手引きが皆様方の日常生活の安全を確保する一助になれば幸甚です。

平成24年4月

在パナマ日本国大使館

第1章 防犯の手引き

1.基本的心構え

(1)パナマに在留する邦人の皆様の安全確保は、パナマ政府が第一義的責任を負っていますが、日本に比べ警察の能力・装備が十分とはいえず、依然として、殺人事件や強盗事件等の犯罪が多発しています。常日頃から邦人の皆様が「自分の身は自分で守る」というセルフディフェンスの心構えで、それぞれ安全対策に留意することが肝要です。

(2)緊急時に確実に連絡が取れるように、大使館への在留届の提出を励行して下さい。また、邦人の皆様相互間、あるいは企業内や家族内における連絡方法を事前に定めておくよう努めて下さい。

(3)可能な限り事件事故に巻き込まれるのを防ぐため、ニュース等によりパナマの治安事情等を把握するほか、パナマ人との良好な関係維持に配慮して下さい。良好な関係は、緊急事態が発生した際にも必ず役立ちます。

2.犯罪発生状況等

当地においては、2010年(平成22年中)、年間71,997件(人口約340万人)の犯罪が発生しました。同時期の日本では、年間158万5,856件(人口約1億2千752万人)の犯罪(刑法犯)が発生しています。犯罪統計の取り方は一律ではありませんので、あくまでも参考となりますが、単純に人口当たりの犯罪発生件数で比較すると、パナマは日本の約1.7倍という数値であり、これのみをとらえると犯罪が若干多いという程度で、治安水準は大きく異ならないように見えます。しかし、治安のバロメータと言われる殺人と強盗について日本と比較してみると、殺人は日本の約27倍、拳銃強盗を含めた強盗は日本の約93倍に上っております。新聞報道等の一部情報によると、2011年中に発生した殺人事件は704件に及び、前年と比較すると若干減少はしているものの、依然として高い数値であることには間違いありません。

当地の犯罪の傾向を見ると、組織化された犯罪集団による犯行が増加していると指摘されています。組織集団としては、コロンビア人、メキシコ人等が関与する組織犯罪グループ、パンディージャスと呼ばれる犯罪グループ及び中国人マフィアの存在が知られています。犯罪組織は、麻薬や銃器の密輸・密売、銃器等で脅して銀行の現金自動引き下ろし機等で下ろさせた現金を強奪した後、被害者を解放するいわゆる短時間誘拐、クレジットカードやキャッシュカードの偽造による現金窃盗等の事件を引き起こしており、また、組織間や組織内の対立抗争等に絡んで殺人も行っています。犯罪グループは、主としてパナマ市のカリドニア地区、クルンドゥ地区、エル・チョリージョ地区、サン・ミゲリート市及びコロン市全域で活動しています。そのほか中国人マフィアも浸透していると見られています。

我々邦人は通常の健全な生活を営んでいる限りは、こうした犯罪集団に関与することはありません。ただ、ちょっとした好奇心から麻薬を購入したり使用したりした場合、厳罰に処せられるほか(麻薬の運搬8~15年、不法所持(使用含む)1~3年の禁固刑)、凶悪な犯罪に巻き込まれる可能性も増大しますので、麻薬には絶対手を出さないことが肝要です。麻薬や覚醒剤などの犯罪については、特に中南米地域において、日本人が拘束される事案が数多く報告されています。その中には、見知らぬ人から荷物を預けられたために、麻薬の運び屋にされ空港等で逮捕される事案もありますので、十分注意することが必要です。このほか、犯罪被害に遭わないための注意事項の詳細については、次項をご参照下さい。

3.一般的注意事項
(1)当地における行動の基本

一般的に、犯罪の被害に遭わないための要諦は、

目立たないこと
「日本人は金持ち」とのイメージを持たれないように留意
不必要に高価な服、貴金属類、時計を身につけない
人前で財布を開かない、多額の現金、貴重品を持ち歩かない
行動のパターン化を避けること
通勤のみならず、買い物、外食等の時間、経路等のパターン化を避ける
用心を怠らないこと
危険な場所には近付かない
慣れている場所でも夜間の外出、一人歩きを避ける
見知らぬ人を無条件で信用しない
不審な兆候の有無について常にチェック
「直感」「虫の知らせ」を大切に

の3点と言えます。

一般的には、着任直後の不慣れな時期に被害に遭遇することが多いので、各企業又は駐在員事務所の責任者の方は、その点にご配慮いただきたいと考えています。

(2)自宅における防犯対策
(イ)住居を選定する際の防犯対策上のポイントは次の通りです。
  • 警備会社のガードマンが配置(24時間)されている。
  • 高層アパートの上階を選定する。
  • 玄関ドアはマルチロックシステムが設置されている。
  • 寝室とリビングの間の扉は施錠設備がある。
(ロ)日常生活を営む上での防犯対策上のポイントは次の通りです。
  • 住居には多額の現金、貴重品を置かない。
  • 見知らぬ者は、絶対に家に入れない。
  • 使用人等の身元を良く調査し、また、使用人等に旅行計画、仕事の詳細等を話さない。
  • 犯罪者は予めセールスマン、集金人等を装い目標とする者について事前調査を行うことが多く、不審電話、自宅周辺での不審者がいないか常に周囲の異常に気を配る。
  • 自分や家族の行動・所在を見知らぬ者に知らせない(ゴルフ、食事、ドライブ旅行等)。
  • 発送人不明の郵便物、小包等が配達された場合は注意する。
  • 自動車の乗降時に犯罪に遭う可能性が高いので、特に注意する。
  • 夜間におけるキャッシュカードによる自動現金引き出しは差し控える。
(3)通勤・旅行等の外出時における防犯対策

(イ)犯罪者は多くの場合、犯行前にその目標とする者の行動を下調べするので、外出及び帰宅時に自宅周辺の状況に注意を払うとともに、通勤や買い物の際は、その経路や時間を変更する。

(ロ)金持ちのような身なりをしないこと。また、ネックレス、指輪あるいは高級腕時計を身につけない。

(ハ)現金支払い時には周囲の人に見えないように注意する。

(4)車で走行する際の防犯対策

海外での生活において、車と運転に関する防犯対策は、自宅における防犯対策と同様に極めて重要な課題です。交通事故防止のための安全運転の励行はもちろんのこと、車で移動中の犯罪被害防止のため、次の点にご留意下さい。

  • 尾行車両の有無に注意し、尾行されていたら最寄りの警察署又は警察官等のいる場所に避難する。
  • 走行の際、出来る限り広い幹線道路を利用し、なるべく中央車線を走り、デモや抗議集会の場所等混乱が予想される場所は避ける。
  • ドアは必ずロックし、窓を開ける場合は僅かしか開けない。
  • ヒッチハイカー、見知らぬ人等を同乗させない。
  • 駐車時には短時間でもドアをロックし、また車内に貴重品を置かない。
  • 遠出をする場合には、出来る限り2台以上で行動する。
  • 自動車盗難が多いので、駐車の際は、周囲が明るく、人通りの多い場所を選ぶ。また、盗難防止のため車両防犯ブザーを設置する。
  • 危険とされる地域周辺には、昼夜を問わず立ち入りを控える。
(5)タクシー、路線バスの利用について

タクシー運転手による強盗事件は、以前より少なくなったといわれていますが、時折発生が見られます。利用する際は無線タクシーを利用するようにし、流しのタクシーには乗車しないのが賢明です。

また、路線バス(通称:ディアブロ・ロホ)についても、車内でスリ、強盗の被害が発生しているほか、その運転の荒さから事故が頻繁に発生しています。可能な限り利用しないことをお勧めします。

この1~2年で普及してきた路線バス(メトロ・ブス)について、旅行者を含めた邦人が被害に遭遇したという報告は、現在まで当館にはありません。運転手のマナーも全体的に見て、ディアブロ・ロホと比べると格段に良い方だと思われます。しかし、時間帯によっては相当な混雑が見られることから、利用する際は所持品の管理に注意する必要があります。また、運行範囲によってはディアブロ・ロホと運賃が変わらないことから、利用者についてもディアブロ・ロホと然程変わりがないことを認識して、利用する場合には警戒心を怠らない事が肝要です。

4.事案別発生時の対応

犯罪被害に遭遇しないように平素から努力することが何よりも大切ですが、万一、犯罪に巻き込まれた場合は、皆様ご本人及び家族の生命の安全と身体の保護を基本原則として、状況に応じた臨機応変な対応をしなければなりません。邦人が被害に遭う頻度の高い犯罪への対応は次の通りです。

(1)窃盗事件
(イ)スリ
  • 周囲に自分を注視している者がいないか注意
  • 口の大きいポケット等盗まれやすいところには貴重品を所持しない
  • 人混みの中で体が不自然に押されたり、触られたりしたときは、すぐに所持品を確認
  • 貴重品は可能な限り分散して所持する。
(ロ)置き引き
  • どんな時でも持ち物から目を離さない
  • 持ち物はいつも手から離さないようにし、離した場合でも体に触れるようなかたちで置く(両足で挟むなど)。
  • レストラン等で食事や話に夢中になっても、置き引きされることのないように置き方を工夫
(ハ)ひったくり
  • ひったくりは背後から襲ってくる場合が多い(肩に掛けていたバックの紐の部分をナイフで切りひったくるケースもある。)
  • 道を歩くときは車道側を避け、荷物は車道側と反対の手で体の前方に来るように持つ
  • 被害に遭った場合、引き倒させることや、ナイフ等の凶器を持った犯人ともみ合いになるなど、二次被害に遭う可能性があるので、抵抗せず荷物から手を離す
  • 冷静に行動し、十分安全を確認した後に周囲に助けを求める
(二)車上狙い
  • 路上駐車をしない。特に人通りの少ない場所、暗い場所に駐車しない
  • 貴重品、鞄等を車内の見えるところに放置しない
  • 可能な限りアラーム等を設置し予防に努める
(2)強盗事件

犯行時、犯人は興奮して異常な精神状態にありますし、被害者は極度の恐怖心から、双方とも突飛な行動をとってしまうおそれがあります。取り返しのつかない惨事を引き起こすことのないよう、負傷することや命さえ失わなければ良しとするくらいの気持ちで、次の点に留意して対応して下さい。

  • 場合によっては生命に関わる危険な犯罪であり、予防のため常に不審な兆候がないか注意
  • 不幸にして強盗にあった場合、被害を大きくしないためにも決して抵抗しない
    • 銃、刃物を突きつけられた場合は、両手を上げ抵抗する意志のないことを示す
    • 金品を要求された時は、黙ってそれに従う
  • 犯人の顔を直視しない
  • 相手の神経を刺激したり、誤解を招いたりするような行為を取らない(例えば、財布を出そうと素早く内ポケットに手を入れようとすると、武器を取り出そうとしていると誤解されるおそれがある)
5.誘拐・脅迫事件対策

誘拐・脅迫事件の未然防止、発生時の対策についての留意事項は以下の通りです。  なお、日本大使館には、誘拐・脅迫に関する防犯ビデオがあり、随時貸し出しを行っています。

(1)誘拐事件の被害に遭わないよう、平素から次の点に留意して下さい。
  • 犯人は、出勤・帰宅時を狙うことが多いので、出勤・帰宅時には通勤経路を複数設定し、自宅の外の様子に変化がないかいつも注意を払う(特に、時間帯がある程度一定している出勤時に狙われることが多い。)。
  • 自動車を乗り降りする場所を時々変え、特定されないように注意する。
  • 企業内で緊急連絡体制(特に日曜、祝祭日における緊急連絡体制)を整備する。
  • 誘拐事件が発生した際、犯人との交渉の際に役立つと思われる個人の情報(本籍、家族構成、家族の氏名、趣味・特徴、父母の氏名、生年月日、出身の学校名等)を企業単位で予め保管する。
    なお、万一誘拐事件に遭遇し人質となった場合、犯人が身代金等の要求のためには、人質の生存が必要であるとの認識に立ち、決してあきらめることなく、忍耐強く解放されることを信じ、次のように対応することが肝要です。
  • 犯人の指示には出来る限り従い、挑発したり刺激したりしない。
  • 苦しい拘禁生活の下でも、健康に留意しつつ冷静沈着に行動する。
  • 一般的に、逃亡はまずチャンスはないと思わなければならないので、注意深く計算し、成功のチャンスが余程ない限り逃亡を図らない。
  • 犯人に関する容貌、性格、動作や言葉の特徴、外界の動き(音、声、臭い等)に注意し、記憶に留める。
(2)脅迫事件

脅迫事件は金銭の支払い、その他個別の具体的要求を行い、これを拒否すれば殺人、爆破、誘拐等を行うと脅迫する場合と、特別の具体的要求もなく、単にテロ行為を行うと脅迫する場合とに大別できますが、事後の治安当局の捜査活動も念頭に置いた対応は次の通りです。

  • 電話で脅迫を受けた場合は、相手の声の特徴、脅迫の内容等を可能な限り書き留める。(録音にも努める。)
  • 手紙で脅迫を受けた場合は、その封筒、便箋等を出来るだけ汚さず、指紋をつけないように保存する。
  • まったく時間の余裕がなく、直ちに危害が及ぶおそれのあるような内容で、要求のない脅迫、例えば「10分後におまえの会社を爆破する。」等の場合は、とりあえず避難して治安当局に通報し、爆発物の有無を大至急調査してもらう。
6.事件・事故等発生時の連絡先

一般犯罪の被害に巻き込まれた際の連絡先については、別添①「犯罪被害に遭遇した際の措置」の通りです。

また、一刻の猶予も許されないテロリストの襲撃、誘拐事件、暗殺等の脅迫事件、爆破予告等爆弾関連事件及び交通事故の際の24時間体制の緊急連絡先は、別添②「緊急事態発生時の連絡先」の通りです。

万が一これらのような事態に遭遇した場合は、必要に応じ担当部署に直接電話連絡の上、その後大使館の下記連絡先あて連絡をお願いします。

  • 大使館
    電話:263-6155
    時間外緊急電話:6674-6836
    所在地:Calle 50 y Calle 60E, Obarrio, Panama1
  • 領事担当:携帯電話 6679-0604
  • 警備担当:携帯電話 6679-0603
7.交通事情と事故対策
(1)交通事故発生状況

当地において交通事故が原因による死亡者は、2010年中で422人に及び、人口比で日本の交通事故死亡者数の約3倍に至っております。特に首都圏では、地方に比べると圧倒的に車両台数が多いため、死亡事故までには至らずとも、頻繁に衝突や追突事故が発生しています。また、地方においてもスピードの出し過ぎが原因による転倒事故等が発生するなど、相当厳しい交通事情にあることが窺えます。

(2)事故対策

当地の運転マナー(特にタクシー、バス)は極めて悪く、また、パナマ市首都圏においては、朝、昼、夕と渋滞が発生し、交通事情も良好ではありません。したがって、自動車を運転する際は、常に細心の注意を払って安全運転を心掛け、交通事故(被害遭遇)の未然防止に努めて下さい。

なお、2011年3月3日付けで施行された「交通事故による交通渋滞緩和を目的とした交通事故処理に関する政令」により、運転者は交通事故報告書を車両に備えることを義務づけております。

もし、事故の当事者となった場合の措置として、一般的には、次の対応が考えられます。

  • 現場保存
    交通事故を起こした場合、交通事故報告書(交通陸上輸送局で無料配付しています。その他、保険会社等で入手できるので、車両に備えておいてください。)をそれぞれ事故当事者が記入の上、交通の妨害にならないよう速やかに事故車両を安全な場所に移動してください。
    (事故現場の証拠写真を撮影するため、常にカメラを携行してください。)
    但し、次の場合は移動を禁止しています。
    ① 衝突したものが固定物(ガードレールや電柱、塀等)である場合。
    ② 怪我人が発生した場合。
    ③ 事故車両が自走できない場合。
  • 警察への通報、救急車の手配
  • 負傷者の救護
  • 相手方の人定確認(できれば免許証を確認)
  • 目撃者、参考人の確保(できれば名前と電話番号)
  • 保険会社への連絡

が必要です。

現場では、警察官が事故調書を作成します。当事者の署名後、警察官が実況見分内容を記載、署名します。

また、裁判所への出頭通知を渡されますので、日時を確認の上、内務司法省交通陸上輸送局(ATTT:Autoridad de Transito y Transporte Terrestre)に後日出頭することになります。(別添③「交通事故措置マニュアル」PDFが開きますもご参照下さい。)

(3)特異な場合の措置等

当地においては「我々日本人が狙われる」可能性が常に存在することに留意する必要があります。即ち、誘拐や強盗等の凶悪事件を犯すため、故意に交通事故を起こす者がいる可能性があることを念頭に置きつつ、時間的、場所的条件等を勘案して対応することが肝要です。

例えば、運転時間が深夜である、場所が郊外で人通りが少ない、あるいは尾行してきた車が追突してきたといったケースでは、現場で停止することなく警察詰所に駆け込むなどの適切な対応をとる必要があります。

今までに、夜間、高速道路(コレドール・スール)において、トクメン国際空港からパナマシティに向かう外国人の乗車した車両が武装グループに襲撃され、殺害されたり、金品を強奪されたりする事件が断続的に発生しています(特にパイティージャ地区にあるトンネル内で何件かの事件が発生しています。)。こうした事件を未然に防止するためには、周囲の状況を確認しながら運転する必要もさることながら、深夜の時間帯や事件発生多発地帯での運転は可能な限り避けることが重要です。

8.治安情報等の提供

大使館では、下記のとおり、邦人の皆様に各種方法で治安情報等の提供を行っていますので、ご確認ください。

Eメールアドレスをご連絡頂いた方には直接メールで情報提供を行っています。

上記の他、緊急事態発生時には、電話、FAX、Eメール等で各種情報を伝達しますので、いつでも連絡が取れるように在留届の提出をお願いします(第2章3.(1)参照。)。

第2章 在留邦人用緊急事態対処マニュアル

1.予想される緊急事態

当国では、政情は一応安定しており、現在の情勢下にあっては当面大規模な暴動等の緊急事態の発生は予想されません。しかし、パナマ市やコロン市などをはじめ、国内各地をあわせて年に数回、暴動に発展する可能性のある抗議行動も発生していることから、いざという時のために緊急事態を想定し、常日頃から皆様各自が責任を持って自己の安全対策に万全を期するよう、その準備を怠らないことが肝要です。

2.平素からの準備
(1)基本的心構え

当地での生活は、治安も良好で情報等も容易に入手できる日本とは異なるということを念頭に置いて、常日頃から家族とともに新聞・テレビ等のニュースを見るように心掛け、現在パナマに何が起こっているかを知る必要があります。

(2)旅券等の保管

万が一国外へ緊急避難する必要が生じた際に携行すべきもの(旅券、米国等行き航空券を購入できる程度の現金、貴重品、衣類等)をまとめて保管しておき、いつでも持ち出せるようにしておくと安心です。

(3)食料等の備蓄

緊急時には、当館から一定期間自宅での待機を指示することもありますので、少なくとも1週間~10日程度生活できる非常用の食料を常時用意しておくことをお勧めします。食料としては、米、缶詰等の保存食、塩、飲料水等が考えられます。

(4)その他の非常用品の用意

移動を要する場合に備え、上記(2)、(3)のほか、最小限必要なものを普段から用意しておくことが重要です。

(イ)衣類等
  • 行動に便利で、寒暑に十分耐えることができるもの。
  • 下着類を含めた着替え。
(ロ)その他の携行品
救急医薬品、トランジスターラジオ(短波とFM放送が受信できるもの)、懐中電灯、ライター又はマッチ、水筒、洗面具、調理器具、ちり紙、毛布、携帯電話、メモ帳(緊急連絡先等を記載したもの)等。
(5)自動車の整備

避難時の移動や邦人間の連絡等に際し、自動車が不可欠になります。常日頃より次のことを心掛けて下さい。

  • 自動車は常時整備しておくこと。
  • 燃料は常に十分に入れておくこと。
  • 自動車を所有していない人は、普段から所有している人と連絡を取り必要な場合に同乗できるようにしておくこと。
  • 車内には、懐中電灯、地図、連絡先リスト等を常備しておくこと。
(6)一時避難場所の検討

騒乱に巻き込まれる可能性がある、あるいは自宅にいては危険だと思われる場合には、取りあえずの避難場所としてどこが適当かを、常日頃から頭に入れておくことが重要です。日常生活での自分の立ち寄り先、事態に巻き込まれる可能性のある事態など、いくつかのケースを想定して、各自の避難場所を検討し決めておいて下さい。

例)在パナマ日本国大使館、日本人学校、自分の所属する企業の事務所、ホテル等

3.緊急時の連絡体制

緊急事態が発生した際の情報の伝達は、下記の方法等により行います。

(1)緊急連絡網
緊急時には、大使館より、日本人会会員に対しては、日本人会の緊急連絡網等を通じて、その他の日本人については、直接電話又はFAX、Eメールにて連絡します。
そのため、連絡がとれるように、必ず在留届を大使館に提出して下さい。また、住所が変更になった場合は、住所変更の通知を忘れずに行って下さい。なお、日本人会緊急連絡網以外にも家族間や会社内でも他の連絡方法について決めておいて下さい。

(2)事態が刻々と変化するような場合や電話回線が不通になった場合には、大使館より一定時間帯にFM放送にて現況等を連絡しますので、これらの放送が受信できるように準備をお願いします。周波数は87.70メガヘルツです。日本で購入したラジオの場合、当地で同周波数を受診できない場合がありますので注意願います。
放送開始時期は、原則として電話回線が使えなくなった時からです。放送時間帯は、毎日正午より10分程度を予定しています。ただし、電話利用が可能であっても情勢によってはFM放送を併用する場合があります。その際は、予め日本人会連絡網やEメールにて連絡を行います。

(3)短距離無線機
大使館では、短距離無線網を構築しています。緊急事態の際には、下記周波数に設定可能な無線機を保有されている方々は、この周波数を利用して大使館との連絡が可能になります。
使用周波数は466.3875メガヘルツです。

(4)大使館連絡先
大使館に直接連絡する必要が生じた場合の連絡先は、第1章8.の通りです。

4.緊急時の心構え及び取るべき措置
(1)緊急時の心構え

大使館は、緊急事態が発生するおそれがある、又は、発生した場合には、パナマ日本人会、日本人学校等と緊密な連絡を保ちつつ、所要の情報収集と情勢判断を行うとともに対策を立て、これらを日本人会緊急連絡網やFM放送等を通じ皆様に随時連絡するよう最大限努力します。

邦人の皆様は、平静を保ち、単独行動は避け、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれたりすることのないよう十分注意して下さい。

内乱、暴動等による戦闘、騒乱に巻き込まれる可能性がある場合には、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し危険と思われる場所に近づかないことを心がけて下さい。

緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることが最も重要と考えます。大使館から在留邦人の皆様に種々ご協力をお願いすることもございますので、よろしくお願い致します。

(2)大使館への通報

(イ)現場の状況等について知り得た情報のうち、邦人社会に知らせる必要があると思われる時は、随時、大使館に直接、又は日本人会、日本人学校へ通報して下さい。

(ロ)自己又は他の在留邦人の生命、身体、財産に危害が及ぶ場合又は及ぶおそれがある時は、管轄警察署に通報し救援を求めるなどの措置をとるとともに、迅速にその状況を大使館に通報して下さい。

(3)情勢の把握

邦人相互間の緊密な連絡、現地新聞・テレビ等のニュースの視聴、大使館等への問い合わせにより、正確な情勢を把握するよう各自心がけるとともに冷静な対応に努めて下さい(当地ではNHK国際放送の視聴が可能。)。

(4)緊急事態発生の伝達

(イ)緊急事態が発生した場合には、大使館から「日本人会緊急連絡網」等を通して関連情報を発するところ、日本人会に属さない場合等、各連絡網に搭載のない方々には直接連絡を実施します。

(ロ)大使館では、上記の他、Eメールを活用した連絡網を整備しています。

(5)避難等

(イ)緊急事態が発生した場合、情勢によっては自宅に留まった方がより安全なこともあります。また、信頼できるパナマ人宅に避難することが安全な場合もあります(このためにも普段から周囲の人々との良好な関係を作っておくことが重要です。)。

(ロ)事態が切迫し、大使館から、避難又は国外退避のため緊急時避難先への集結を指示する場合があります(電話、FAX、Eメール等を利用)。その場合、旅券及び前記2.(3)及び(4)に記載した食料、衣類等を携行して緊急避難先に急行して下さい。

大使館が指定する緊急避難先は次の通りですので、同避難先位置の確認とルートについて幾つかのケースを想定しておいて下さい。

大使館事務所
電話263-6155
eメール:taiship2@cwpanama.net
Calle 50 y Calle 60E, Obarrio
大使公邸
電話269-2867
Calle Masayoshi Ohira No.46, Punta Paitilla
日本人学校
電話223-7782
No.31/32 Urbanizacion Marbella
その他大使館が指定する場所

(6)国外への退避

(イ)事前引き上げの通報
事態が悪化し、各自又は所属会社等の判断により、本邦又は近隣諸国に引き上げ又は一時避難する場合には、その旨を逐次大使館に通報するとともに、日本人会会員の方であれば、日本人会緊急連絡網の前後に報告し、同連絡網に「穴」を生じさせないように措置して下さい。当大使館への通報が困難な場合には、日本の外務省海外邦人安全課(直通電話:81-3-5501-8160)に通報するよう努めて下さい。
(ロ)大使館による「退避勧告」
当大使館が「退避勧告」を発出した場合、一般商業便が運航している間は、それを利用して可能な限り早急に国外へ退避して下さい。一般商業便がなくなった場合や、座席確保できなくなった場合には、当大使館の指示に従うようにして下さい。 その時の状況に応じて、空港からチャーター機、海港から海路又は陸路等の中から利用可能で安全な方法を採用し退避します。

第3章 その他の留意事項

1.外国人を含む当国居住未成年者(18歳未満)の出国に必要な書類

近年のグローバル化に伴う国際結婚が急激に増加していますが、海外に居住していた
日本人が配偶者の同意無しに子供を連れ帰ったことで、外国において犯罪とされた実例があります。これは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」において、その締結国は国内法上、一方の親のみによる子の居所移動について違法行為と定めている、または何らかの制約が課されている場合があると言われ、当国もこの条約を締結しています。

当国の場合は、2008年8月26日に新たに施行された移民法以降、人身売買禁止条約及び国際組織犯罪防止条約人身取引議定書等に基づく人身売買防止のために、政府は国際結婚に関係なく、外国人を含む当国居住未成年者(18歳未満)が出国する際には、下記の書類を携行するように義務付けておりますのでご留意下さい。

(但し、両親と出国する場合や外交・公用査証を付与されている方は対象外です。)

(1)両親のうち、どちらか一方の親と出国する場合

(イ)同行しない一方の親が発出する出国許可レター(公証人による認証付き)

(ロ)既に一方の親が他界している場合は、他界した親の死亡証明書

(ハ)上記(ロ)を除き、その他一方の親が発出する出国許可レターによらない場合は裁判所の許可書

(2)両親以外の第三者、もしくは未成年者のみで出国する場合

両親が発出する出国許可レター(公証人による認証付き)

なお、移民法では直接明記されておりませんが、上記それぞれの場合において親子関係を裏付けるために、未成年者の「出生証明書」(出国日直近に作成されたもの)の携行が慫慂されています。上記以外及ぶ具体的な案件が生じた際は、事前に弁護士等にご相談下さい。

2.感染症対策

当国では主な感染症としてマラリア及びデング熱の発生が見られます。それぞれの感染症に対する感染防止策を正しく理解した上で、健康管理に努めて下さい。

(参考:パナマ保健省ホームページ http://www.minsa.gob.pa別ウインドウが開きます

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