在留邦人向け安全の手引き 在モロッコ日本国大 使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き 込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記 載されています。


安全の手引き

モロッコ在留邦人向け安全対策マニュアル

平成24年4月1日
在モロッコ日本国大使館

目次

  1. はじめに
  2. 防犯の手引き
    1. 防犯の基本的な心構え
    2. 最近の犯罪発生状況
    3. 防犯のための具体的注意事項
    4. 交通事情と事故対策
    5. テロ・誘拐対策
    6. その他の留意事項
  3. 緊急事態対処マニュアル
    1. 平素の心構え・準備
    2. 緊急時の行動
    • 別紙:緊急事態に備えてのチェックリスト
  4. おわりに
    • 別添:安全関係資料

 

 

I はじめに

「天災は 忘れた頃にやって来る」
皆様もよくご存知のこの言葉は、災害に対する平素からの備えを怠 らないよう私たちを戒めるための素晴らしい格言ですが、皮肉なことに普段はあまり思い出されません。
「テロリストは 忘れた頃にやって来る」
2007年に発生した自爆テロ未遂事件以降、モロッコ国内に平穏な日々が訪れましたが、昨年2011年4月、観光客でにぎわうマラケシュ・フナ広場にて、死者17名、負傷者20名以上を出した爆破テロが発生し、国内中を震撼させました。テロリストたちは今も国内外に潜み、私たちの記憶が薄れていくのをじっと待っているのかもしれません。
「盗っ人は 忘れた人のところにやって来る」
モロッコは比較的安全な国だと言われていますが、金銭目的のスリ 、強盗、空き巣等の犯罪は相変わらず多発しています。しかし、犯人も多くの人間の中から無作為にターゲットを選 んだりはしません。ターゲットとして選ばれるのはもちろん、警戒の弱そうな人(家)です。

モロッコは雄大な自然、エネルギッシュな文化、そして純粋で陽気な人々と接 することのできる素晴らしい国です。そんなモロッコでの生活をより安全に、そして快適に楽しんで頂くため、この マニュアルを作成しました。まだこのマニュアルに目を通されたことのない方は、ひととおり読んでみてください。 皆様のモロッコでの滞在がより快適で素晴らしいものとなることを、心からお祈り申し上げます。

 

II 防犯の手引き

1.防犯の基本的な心構え
(0) ここは日本ではない!

モロッコに住み始めた時には当たり前に思っていたことなのに・・・住めば都、滞在から3ヶ月も過ぎれば、ついつい日本と同じ気分になってしまいがち。
「夜中に小腹が空いたので、ちょっとコンビニでお買い物」、「友達とたのしく飲んで午前様」、「人混みが多いから脇道に入って近道」日本では当たり前のように、よく見る光景です。しかし海外で同じことをやったらどうでしょう・・・。
日本であれば犯罪など起こらないような状況で、多くの日本人が被害に遭っています。

(1) 日本人は目立つ

モロッコで東洋人に遭遇する機会は多くありません。それ故に日本人は他の外国人に比べて非常に目立つ存在です。多くのモロッコ人はとても親日的で、日本人は「親切で誠実である」と見られている反面、「裕福で警戒心が希薄である」とも思われています。特に日本人女性は控えめでおとなしい印象が強く、強盗、窃盗事案以外にもセクハラ事案などが多く発生しています。ご自分が犯罪の標的にされやすいことを自覚し、犯罪者の目を引くような言動は避けるように心掛けましょう。

(2) 親切を疑う

疑うことは、自らの身を守るための最も基 本的な心構えです。多くのモロッコ人はとても親切なので、そんな彼らを疑うのは日本人にとって後ろめたいことか もしれません。しかし、モロッコにおける犯罪の多くは、親切を装って私たちの警戒心を解くところから始まります 。「この人に盗まれても文句は言うまい」と思えるようになるまでは、どうか心の隅に警戒心を残しておいてくださ い。

(3) 自分の安全は自分で守る

最近では犯罪に凶器が用いられることが多 くなったためか、犯罪の現場に居合わせたモロッコ人が被害者を助けてくれることは稀だそうです。また、警察も頻 発する一般犯罪を防ぐことは困難です。したがって、犯罪予防には皆様の自発的な取り組みが不可欠です。

(4) ツボを押さえた対策を

警戒の姿勢を常に保つことは防犯対策にお いて非常に重要なことですが、反面、過度の警戒は快適な日常生活を損ない、ストレスの原因となります。防犯対策 が原因でこのような状態となっては本末転倒です。大切なことは、生活の中で特に警戒する必要があるのはどの様な 場面なのかを考え、防犯努力をその要点へと向けることです。

(5) 犯罪者になったつもりで考える

ご自分が犯罪者になったつもりで考えてみ てください…

  • 「この(自宅のある)通 りで空き巣に入るとしたら、どの家を狙うか?」

  • 「自分の家に侵入するこ とは可能だろうか?」

  • 「侵入するとしたら、何 時頃、どのような方法を用いるのが良いか?」

効率良く犯罪を防止するためには、この様 な考え方が有効です。闇雲に対策を立てても、努力や費用に見合う効果は得られませんし、長続きもしません。犯罪 を行う側の視点からご自身(ご自宅)を観察してみましょう。どこに対策を講じるべきか自ずと見えてくるはずです 。

(6) 「命」だけは守る

大使館に寄せられる邦人被害報告の中では、生命の危険を感じるような被害は極めて稀です。しかし、内務省の公表によれば、モロッコの犯罪件数は増加傾向にあり、凶悪犯罪も増えています。
特に最近では若者による刃物などを用いた犯罪が増えているようですので、不意に脅迫を受けた場合でも、むやみに抵抗したり急な行動をとったりせず、少なくとも身体の安全だけは守るように心掛けてください。

 

2.最近の犯罪発生状況
(1) 日本人の犯罪被害例
 モロッコでは殺人や誘拐などの凶 悪犯罪は比較的少ないと見られていますが、金銭目的の犯罪は頻繁に発生しています。また、複数犯による非常に計 画的で手の込んだ犯行や、刃物などの凶器により被害者が負傷する例もしばしば報告されています。
 これからご紹介するのは、近年、 大使館に報告のあった犯罪被害例です。犯行の手口を学びそこから防犯対策を講じることも重要です。

●邦人犯罪被害例

《事例1》市内を歩いていたら後ろから来た2人乗りのバイクに、バッグを引ったくられた。(特にカサブランカに多いようです。)(主に観光客)

~対策~
慣れない国(町)を歩くと、周囲の景色や建物に気が行ってしまいがちです。そこが狙われどころです。被害にあわれた皆さんは、後ろからのバイクには全く気付かなかったといいます。背後に迫る危険にはなかなか気付きにくいものです。歩行中は、時々後ろを振り返る、後ろからバイクの音が聞こえたら警戒する、車道側にバッグを持たないなどの配慮が必要です。また引ったくられた時に無理に抵抗したために大怪我をされた方もいますので、時には諦めることも必要になります。貴重品を分散して持つことも対策の一つです。

《事例2》市内を自転車で走行中、後ろか ら来たバイクにの男にカゴの中に入れていたバッグを盗られた(在留邦人)

~対策~
特に自転車に乗っているときは、後 ろからくるバイクに気付きにくいかもしれません。モロッコ在住の皆様の中には、自転車を利用されている方も多い と思いますが、カゴの中には貴重品を入れないようにしましょう。ウエストバッグ等を利用するのもお勧めです。

《事例3》深夜自宅で就寝中、何者かがベランダから侵入し貴重品を盗まれた。(在留邦人)

~対策~
住居に対する防犯対策については、別の項で紹介しますが、一般的にアパートメントタイプの住居を選ぶ場合、1階と屋上階は避けた方がよいと言われています。もちろん全てに該当するわけではありません。もし既に住んでいる場合は、侵入される可能性がある場所に防犯対策(鉄格子の設置、ダブルロック等)を施しましょう。

●ナイフを用いた凶悪な犯行
最近では、ナイフを突きつけられ脅された、ナイフで斬りつけられたという凶悪な犯行も報告されています。

《事例4》大型のスーパーマーケットで買 い物を終え、駐車場で車に荷物を積んでいたら、背後からナイフを持った男に脅かされ、持っていたカバンを奪われ た。(在留邦人)

~対策~
通常、大型のスーパーには警備員が います。一見、安全そうに見えますが、場所が広ければ広いほど、警備員にも死角ができます。スーパーに限らず大 型の駐車場に車を止める場合は、警備員が見える場所や、人気の多い場所に停めるようにしましょう。

《事例5》早朝、市内を歩いていたところ、背後から来た男に腹部を殴られたうえに、ナイフのようなもので脇腹を切りつけられ、所持していたバッグを奪われた。(観光客)

~対策~
慣れた道とはいえ、早朝や深夜など人気が少なくなれば危険が倍増します。
ナイフを突きつけられた場合は、無駄な抵抗をせず、小銭などの現金をばらまいて逃げるのも一つの策です。

《事例6》市内を歩いていたところ、前から来たフーリガングループに殴る蹴るの暴行を受けた上、カッターのようなもので斬りつけられ、負傷した(在留邦人)

~対策~
最近、フーリガンによる犯罪は暴動が増加しています。特に用がない場合は、競技場周辺(特に試合終了後)に近づかない等の配慮をしましょう。
フーリガンに関わらず、風貌や態度の悪いグループが近づいてくる等、身の危険を察知した場合は、道を変える、近くの店内に逃げ込むなどのして、一時様子を見る事も重要です。

万が一、犯罪被害に遭われた場合には、最 寄りの警察署に被害届(Declaration de vol)を提出し、被害届受理書(Récépissé de declaration de vol)を受け取ってください。この受理書は、一般に損害保険の請求時に必要となります。また、旅 券の盗難・紛失の際の再発給手続きにも必要となります。

なお、上記の被害届及び被害届受理書の名 称は警察署によって異なることがあります。領事部では、日本語で作成した「被害届支援フォーム」を準備していま す。FAX等でも送信可能ですので、必要な場合は領事部窓口までご一報ください。

(2) 犯罪の発生傾向

現在、モロッコ政府は犯罪統計を公表して いないため、犯罪の実態を正確に把握することは困難です。そこで、大使館に寄せられた過去5年の被害報告を基に以 下のような統計を作成しました。

■ 被害に遭った(または犯人と知り合った) 地域
グラフ: 被害に遭った(または犯人と知り合った)地域

※空港があるカサブランカが特に多くなって います。入国したその日に犯罪に合うケースが多いためだと思われます。

■ 被害に遭った場所
グラフ:被害に遭った場所

※被害に遭われた方の半数は路上です。また 列車の中で居眠りをしている隙に盗まれたケースも多いので注意が必要です。

■ 犯罪の種類
グラフ:犯罪の種類

※犯行の半数は窃盗ですが、ナイフ等を用い た強盗も多く発生しています。

■ 被害に遭った時間帯
グラフ:被害に遭った時間帯

※日中の犯罪は主に窃盗ですが、16時以降か ら早朝にかけてはほとんどが強盗です。不明の16%は主に窃盗で、いつ盗られたのかわからなかったというものです 。

■ 被害者の旅行形態
グラフ:被害者の旅行形態

※犯罪に遭われた方の7割以上が単独行動でし た。

(3) テロ情勢
2011年4月、観光都市マラケシュの中でも特に観光客が多く訪れる旧市街地ジャマエル・フナ広場にて欧米観光客を狙った遠隔操作による爆破テロが発生しました。
この事件で死者17名(ほとんどが欧州人でした)負傷者20名以上の被害となり、2007年以降続いた平穏なモロッコを震撼させました。この他、2011年には、イスラム・マグレブのアルカイーダ(AQIM)のメンバーを含むテロ組織が摘発されるなど、未だモロッコ国内にはテロの可能性が潜んでいます。
■過去に発生したテロ事件・テロ未遂事件■
発生時期 事件概要
2003年5月16日 カサブラ ンカ市内のレストランやホテルなど計5カ所で自爆テロが発生し、実行犯を含む45人が死亡、およそ100人が負傷した 。
2007年3月 11日 カサブラ ンカのインターネットカフェで爆弾を隠し持っていた犯人が偶発的に自爆して死亡した。
2007年4月 10日 カサブラ ンカにおいて捜査当局に追いつめられた自爆犯3人が自爆し、警官1人が死亡した。
2007年4月 14日 カサブラ ンカの米国総領事館前及びアメリカ言語センター前の路上で、自爆犯2人が自爆し、市民1人が軽傷を負った。
2007年8月 13日 メクネス において停車中の観光バスを狙ったと見られる自爆未遂事件が発生し、犯人1人が負傷した。
2011年4月 28日 マラケシ ュ旧市街ジャマエルフナ広場に面したカフェ「アルガナ」において,欧米人観光客を狙ったとみられる遠隔操作によ る爆破テロが発生し,外国人観光客を含む17名が死亡,およそ20名が負傷者した。

■ 2011年以降に摘発された組織等(報 道ベース)■
報道時期 事件概要
2011年1月 「イスラム・マグレブのアルカイーダ」のメンバー1名を含む27名で構成されるテログループを摘発し、同時に大量の武器、爆薬を押収した。
2011年9月 インターネットを通じて結成された3名のグループを摘発し、警察及び軍から武器を強奪し、権力者の殺害、銀行及び現金輸送車への攻撃計画があったことが明らかになった。
2011年9月 インターネットを通じて結成された5名のグループを摘発し、欧米大使館に対する爆破計画及び国内欧州各国の権益施設、モロッコ政府高官及びその他の権力者に対する攻撃を計画していたことが明らかになった。
2010年10月 モロッコ政府高官に対する爆弾テロを計画したとして、テロリスト1名が逮捕された。

(4) 民衆暴動等
2011年1月に起きたチュニジアの政変を発端として、中東・北アフリカ地域の情勢は一転しました。エジプト、リビア、シリア、イエメン等では死傷者が多数出る事態にまで発展しています。
当地モロッコは、同地域の中では民主化が進んでおり、これらの事態が起きている国々とはやや状況が異なり、比較的平穏な状態が続いています。
しかし、「高い失業率」、「貧困格差」、「報道規制」といった問題を抱えているのも事実です。
モロッコでは、事前に当局からの許可を得られれば、デモ、集会の活動が認められており、恒常的に労働団体等を中心とした小規模なデモが、治安当局の監視下のもとで行われています。無届けによるデモ、集会に対しては、治安部隊との間で小競り合いが発生し、一部では負傷者も出ています。
昨年、2月20日運動を中心として国内各地においてデモが行われましたが、現在では高学歴失業者によるデモ等の一部抗議活動得については、未だ活発に行われているものの、縮小傾向にあるようです。
これは、国民(とりわけ若い世代)が、新政権の発足により生活環境の改善に大きな期待を寄せているためであると思われますが、今後、新政権による活動によって何ら改善が見られない場合は、これまで以上に抗議活動が過激化する可能性も否定できません。


3.防犯のための具体的注意事項

既に「防犯の基本的な心構え」の項で述べたとおり、闇 雲に対策を講じることは多くの無駄を生むだけでなく、心身へのストレスの原因となります。ここでは具体的な注意 事項について述べますが、これらの全てを実行することは困難ですし、またその必要もありません。基本的な心構え を踏まえた上で以下の具体策を参考にし、ご自身の生活環境に合った対策を立ててください。

(1) 外出・旅行時の着意事項
一般
  • 華美 な服装、貴金属、高級ブランド品の着用を避ける。
  • 現金 は複数に分けて保持する。
  • 身体 が広く露出するような服装を避ける。(女性のみ)
  • 手荷 物は常に見える所、できれば身体から離さないようにし、やむを得ず荷物から手を離さなければならない場合は、目 の届くところに置くようにする。
  • パス ポートのコピー、クレジットカードの番号などを控え、別に保管しておく。
列車、バ ス、タクシーを利用するとき
  • お住 まいの地域によってはプチタクシーの料金メーターが作動していない場合があります。
    ※マラケ シュの例では,空港から市街地までタクシーを利用する際,メーターを動かす運転手はほとんどおらず,200dh(約 2,000円)を要求されることが多いようです。値段交渉により利用する場合は,降車する際にトラブルになることもあ るようなので,交渉価格をノートなどに記録しておくと良いでしょう。
  • 停車 時・発車直後は混雑に乗じた盗難に注意する。
  • 車内 で眠らないよう注意する。(どうしても眠い場合は、盗られたら絶対に起きるような場所に荷物を置く。)
  • 列車 内で声をかけてくるモロッコ人(特に自称スペイン人)には注意する。
    ※特にフ ェズ行きの電車内に多く出没するとの情報があります。
屋外を歩 くとき
  • 夜間 や早朝、および人通りの少ない場所での一人歩きを避ける。
  • 貴重 品は肌身離さず、懐中に入れて保持する。
  • 周囲 の注意を引くような事態(モロッコ人同士の言い争い、小銭のばらまきなど)に遭遇したときでも、所持品への注意 を怠らない。
  • とき どき周囲(特に背後)を目で確認し、警戒心をアピールする。
    ※人通りの少ない 場所はもちろん、メディナ等の混雑した場所でも有効な防犯対策ですので活用してください。
観光をす るとき
  • 「ガ イドをしてやる」と相手が自ら持ちかけてきた場合、トラブル防止のためにきっぱりと断った方が良い。ガイドを雇 う場合は公認ガイド(3つ星以上のホテルで頼めば紹介してもらえる)を雇い、事前にコースと料金の確認を行う。
  • モロ ッコ人やその所有物を撮影するときは、撮影前に許可を求める。チップを要求されることもあるので、金額は事前に 交渉しておく。
    ※観光地(特にマ ラケシュ)で民族衣装を着た人や大道芸人の前で写真を撮ると、被写体になっているかどうかに関わらずチップを要 求されることが多いので注意しましょう。
買い物を するとき
  • 代金 を支払う際に、周囲の者に所持金を見られないように注意する。
    ※不用意に財布を 出したり、人前でお金を数えるといった行為は慎みましょう。
  • 特に 高額の買い物をした後は、不審な人物が付いてこないか時々確認する。
レストラ ン、カフェなどで食事をとるとき
  • 手荷 物は足下に置いたり椅子の背もたれにかけたりせず、常に目の届く場所に置いておく。
ホテルで 宿泊をするとき
  • 部屋 を留守にする際は、テレビや照明を点けておく。
  • 短時 間であっても、部屋を離れるときには貴重品を放置しない。特に連泊中の外出の際には、貴重品を持って出かける。
    ※安宿の場合、金 庫型の貴重品入れも安全とは言えません。
  • ドア の施錠を確実に行う。(一般的な錠は、鍵を2回転させるこ とによって確実な施錠ができる構造となっている。)
  • ドア を施錠後、鍵は内側から差したままにしておく。(こうすることで外側からの解錠を防止できるものが多い。)
銀行を利 用するとき
  • ATM( 自動現金支払機)を利用するときには、カードの暗証番号を見られないよう、周囲に不審な人物(知り合ってから間 もない人物を含む)がいないことを確認する。
レンタカ ー、自家用車を使用するとき
  • 荷物 はトランクや座席の足もとなど、外部から見えにくい場所に置く。また、車から離れる際は、たとえ貴重品が入って いないとしても、袋やカバン等の荷物を置き去りにしないよう心がける。やむを得ず置き去りにする場合は、見張り がいる通りを選ぶ。
  • 信号 待ちで停車するときには、全てのドアをロックし窓を全閉にする。
  • 駐車 するときは、極端に人通りの少ない場所を避ける。路上に駐車する場合は、見張りがいる通りを選ぶ。
  • 車に 乗り込むときや車から降りるときには、周囲に不審な人物がいないことを確認してからドアを開ける。
  • ヒッ チハイカーは絶対に乗せない。

(2) 日常生活での着意事項(長期滞在の 場合)
  • 出勤・帰宅時刻、通勤経路を毎 日変更する。
  • 使用人に対しても、行動予定( 留守期間)を安易に口外しない。
  • 日頃から信頼できる近隣者との コミュニケーションを密にし、地域事情に関する情報を収集しておく。
  • 面識のない人物が訪問してきた ら、安易にドアを開けない。
  • 面識のない者から電話がかかっ てきたら、話の内容を安易に信用しない。
  • 留守にするときは、たとえ短時 間であっても確実な戸締まりを行う。
  • 不審な郵便物(差出人に心当た りがない、差出人が不明、消印がない、見た目より重い、宛先の綴りに間違いがあるもの)が届いたら安易に開封し ない。
  • 家の鍵は、ガラス窓や玄関の近 くには置かず、人目に付かない場所に保管する。
  • 就寝時には寝室のドアに鍵をか け、鍵を内側から差しておく。(こうすることで外側からの解除を防止できる場合が多い。)
  • 長期間自宅を留守にする場合は 、ときどき家の様子を見てもらうよう、信頼できる知人に頼んでおく。

(3) 住居への恒常的な対策
  • 警備員が常駐している物件を選 ぶ。(アパートの場合)
  • 塀が高く、忍び返しなどの障害 物があり、また塀を乗り越えるための足掛かりとなる物(塀に近接した外灯など)がない家を選ぶ。(一戸建ての場 合)
  • 入居後、全ての錠を新品に交換 する。
  • 窓には鉄格子や鎧戸を設置する 。(過去、格子の間をすり抜けて進入した事案がありましたので、格子の間隔も考慮すべきです。)
  • 屋外灯を取り付ける。
  • 寝室のドアに錠を取り付ける。
  • 真面目な警備員を雇う。
  • 優秀な番犬を飼う。
  • 留守中でも生活感を出す。(犯 罪が多い地域に居住している場合は、ちょっとした外出時もラジオや電気を付けたり、タイマー機能等を利用して音 楽や証明などをつけたりして、留守にしていることを悟られないようにすることも効果的です。)

 

4.交通事情と事故対策

日本に比べモロッコの道路交通事情は非常に悪く、交通事故による死亡者数(自動車1台あたり)は日本の20倍を超えます。郊外の一般道では車が猛スピードで疾走し、見通しのきかないカーブでも果敢に追い越しをかけてきます。2010年にモロッコ道路交通法が改正され、各種違反に対する罰則の強化等がなされましたが、未だに無謀な運転、マナー違反、交通ルールの無視が散見されています。ここでは、モロッコと日本の道路交通事情の違いや着意すべき事項を紹介します。

(1) 車両は右側通行
モロッコでは車は右側走行です。車を運転す る際はもちろんですが、徒歩で車道を横断する際にも左右の状況をよく確認してください。日本の道路と同じ感覚で 確認していると、思わぬ所(つまり左側ではなく右側の車線)を車が走っていてビックリする、ということがしばし ば起こります。

(2) 右側優先
特に標識などで示されていない限り、自分か ら見て右側にいる車が優先です。ただし、これが厳格に守られているわけではないので注意が必要です。

(3) 制限速度
制限速度は標識で表示されています。一般道 路での制限速度はだいたい時速40~60km、高速道路では時速120kmですが、速度違反は日常的に行われています。著し い速度超過による長距離バスやトラックの横転事故、正面衝突事故などがしばしば重大な被害をもたらしています。

(4) 道路標識
モロッコの道路標識の多くは日本のものと似 ているので、全く意味の判らないものは少ないと思いますが、よく見かけるものをご紹介します。



(5) 交差点
円形交差点(ロンポワン)が多く見られます 。優先権は原則として右側、つまり交差点に進入しようとする側にありますが、交差点の手前に一時停止や非優先の 標識がある場合には、ロンポワンで回っている車のほうが優先となります。

(6) 横断歩道
横断歩道は信号機が設置された比較的大きな 交差点にしかなく、モロッコ人の歩行者は横断歩道の有無や交通量に関係なく車道を横断します。また、横断歩道上 であってもドライバーが歩行者に道を譲ることはほとんどありませんので、横断歩道を渡るときにも常に周囲の状況 に気を配ってください。

(7) 信号機
信号機が常に点灯しているとは限りません。 故障している信号も日光の当たり方しだいでは点灯しているように見えることがあります。また、特に夜間、交通量 の少ない交差点では信号を無視する車が多いので、たとえ青信号であっても必ず自分の眼で左右の状況を確認してく ださい。
歩行者、自転車、ミニバイクは時間帯や交通 量にかかわらず信号を無視します。

(8) 路面の状態
主要道路は地方部まで舗装されていますが、 日本の道路に比べて表面がツルツルしています。路面が濡れると非常に滑りやすくなり、また逆光時には日光が反射 してドライバーの視覚を奪います。特に濡れた路面、早朝や夕刻の運転の際には細心の注意が必要です。
市街地には速度抑制のためのハンプ(路面を カマボコ型に盛り上げたもの)が設置されているほか、アスファルトの劣化による凹凸も多くあります。
郊外の幹線道路は基本的に片側一車線ですが 、道幅はあまり広くなく、そのうえ路肩に大きな段差があります。特に大型車とすれ違う場合には緊急回避のための スペースはほとんどありませんのでご注意ください。

(9) 高速道路
高速道路上でも住民や羊が頻繁に横断します 。道路を横断するための歩道橋も増えてきましたが、いまだその利用が徹底されていません。また、照明が全く設置 されていない区間も多いので、夜間の走行では特に注意が必要です。

(10) ラマダン期間中の注意事項
ラマダン期間中、イスラム教徒は日没まで食 べ物、水はもちろんタバコも吸えなくなりイライラしているドライバーが多くなります。この期間中、空腹によるイ ライラのためか、自動車の運転が荒くなり事故も多くなりますので注意が必要です。
また、日没時刻から一斉に夕食を開始します ので、日没直前には多くの人が急いで帰宅します。この時間帯に外出する場合には特にご注意ください。

(11) 車両の整備・修理
自動車を修理したとしても、パンクなどの単 純なものを除いて故障が再発する可能性は高いと考えた方が良いでしょう。また、修理の際に別の箇所が故障するこ ともあります。日常的な点検は、できるだけご自分の目で行うようにし、修理に出す場合には、車内の荷物を全て撤 去したうえで、正規ディーラーの修理工場に持ち込むか、信頼できる修理工を探しましょう。

(12) モロッコ人の運転
日本ではどのドライバーも一定のマナーを共 有しながら運転しており、交通の流れを予測することはそれほど難しいことではありません。またこれによって安全 性と円滑性を確保していると考えられます。しかし、モロッコにおいては日本と文化が異なるだけでなく、モロッコ 人ドライバーの技術的・意識的な個人差が非常に大きいため、交通の流れを予測することは困難です。モロッコで安 全に運転するためには、予測することよりも周囲の状況を目で見て確認することが重要となります。参考までに、モ ロッコ人ドライバーの常識をいくつか挙げておきます。
早い者勝 ち
モロッコでは「早 い者勝ち」が原則です。少しでも隙があれば、至る所から車が進入してきます。危険を感じたら、ムキにならずに進 路を譲りましょう。
赤信号
交通量が少ない交 差点では信号無視が日常的に行われています。また、赤信号で停止していると後続車からクラクションを鳴らされ、 なぜか自分が悪者であるかのような雰囲気に包まれることがありますが、無視してください。
クラクシ ョン
クラクションの使 い方で、使用頻度が高いものは次の3パターンです。いずれの場合も、他者への攻撃的な意味はほとんどないようです 。
  • 自分 の存在に気付いていない(と思われる)他ドライバーへの注意喚起
  • 「信 号が青に変わったよ」という助言(発進の催促)
  • 渋滞 時のストレス解消
パッシン グ
パッシングは原則 として「道を空けろ」あるいは「そこで止まれ」の合図として使われます。クラクションと同様に攻撃的な意味はほ とんどないようです。
車線
モロッコ人ドライ バーは車線をまたいで走ったり、状況を確認しないで対向車線にはみ出してきますので注意してください。
ウィンカ ー(方向指示器)
数百メートルも手 前からウィンカーを点滅させることがあります。また、単なる点け忘れ、消し忘れなども多く、さらにウィンカーと は反対に曲がることもあります。ウィンカーによって車の動きを予測することはほぼ不可能です。

 

5.テロ・誘拐対策
(1) テロ対策
一般的にテロリストは、テロ実行のために周 到な準備(現地調査など)をするため、テロ発生前には何らかの兆候が見られると言われています。したがって、常 に一定の警戒心を持ち、生活環境の僅かな変化を見逃さないことが重要です。また、新聞やテレビを定期的に確認し 、最新のテロの傾向(発生場所、方法など)を把握しておくとともに、可能な限りテロの標的となりそうな場所に近 づかないことが重要です。
一般的に標的になりやすいのは次のような場 所です。
  • 混雑する時間帯のスーパーマー ケット
  • ユダヤ、欧米(特に米国)に関 連した施設、飲食店
  • イスラム教の教義に反する施設 (バー、ディスコ、カジノ、酒類売場)
  • 上記のうち、特に大通りに面し 多人数が集まる場所
  • 大規模デモ、宗教的な祭り
  爆弾テロでは、爆発による直接的な被害の他、爆風によって割れた窓ガラスなどが甚大な被害をもたらします。近く で爆発が起こったら、速やかに頭をバッグや手で覆い、その場に伏せるなどして積極的に身体を防御するようにして ください。ビル内で爆発があった場合は、出口に殺到する人々を標的とした第2弾の爆弾テロ(最初の爆発をおとりと したもので、インドネシアでのテロが典型的な例)が行われる場合がありますので、周囲の雰囲気に流されることな く冷静に状況を把握し、安全に脱出するよう心掛けてください。屋外においても付近で爆発物らしき閃光を見たり、 大音響を耳にしたりしたときは躊躇せず、直ちにその場に伏せるようにしてください。
 また、スーパーマーケットやレス トラン等に、不自然に置き去りにされたカバンや段ボール箱など不審物を見かけた際には、決して近づかず、速やか にその場を離れるようにしてください。

(2) 誘拐対策
新聞等の報道から見る限り誘拐事件はほとん ど起きていませんが、パターン化した生活を避け、自身の行動についてはむやみに口外しないことで、計画的な誘拐 を防ぐことができます。

 

6.その他の留意事項
(1) 麻薬について
麻薬に関する警察当局の取り締まりは非常に 厳重です。麻薬の使用や売買に関与した場合、厳罰に処せられます。興味本位で少量の大麻を購入しようとしたら、 大量に売りつけられ、警察に売人として逮捕されたケースもあります。

(2) モロッコで逮捕された場合について
モロッコで逮捕された場合は,原則としてモ ロッコの法律によって裁かれることになります。
逮捕者は,裁判が行われるまでの間 も刑務所に入れられます。
刑務所内は衛生環境や治安が著しく 悪く,1週間程度の入所でも精神的,肉体的に追いつめられることになります。
大使館は,ご家族との連絡支援(本 人がご家族と連絡を取ることができない場合,ご家族に連絡をする等)や弁護士,通訳の情報提供等の支援は行いま すが,釈放,減刑要求や通訳等の支援はできません。

(3) モロッコの王室、政治体制に関して
モロッコでは、国王及び王室の批判はタブー です。従って、これに関する出版物等をモロッコに持ち込むことはトラブルの原因となりますので、注意する必要が あります。また、モロッコ人の前でモロッコの政治体制及びイスラム教を批判することも控えるべきです。

(4) 風俗取り締まりについて
ポルノ雑誌等わいせつ物の持ち込みは禁止さ れています。また、婚前交渉も禁止されています。

(5) 西サハラへの立ち入りについて
旧スペイン領西サハラの帰属をめぐり、モロ ッコとポリサリオ戦線との間で約17年間にわたり軍事衝突が繰り返されました。現在は停戦状態にありますが、西サ ハラには停戦以前に相当数の地雷が敷設されたと推定されており、しばしば地雷の爆発による事故が報じられていま す。できるだけ同地域への立入は避けてください。

(6) 母子のみの出国について
モロッコ人男性と結婚された方で、母親が未 成年のお子様をつれて海外へ行く場合、空港等で父親からの出国同意書を求められますのでご注意ください。同意書 の偽造や嘘の供述などにより出国した場合は犯罪となります。
なお、父親も一緒に出国する場合は、同意書 は必要ありません。
(7) 運転免許証について
日本で運転免許証を取得して、モロッコ国内 で運転することは可能ですが、有効期間は1年です。そもそも国際免許には更新という概念が無く、短期渡航者が旅行 先で使用するためのものです。モロッコの運転免許証を取得することをお勧めします。

 

III 緊急事態対処マニュアル

 2011年1月に始まった一連の中東・北アフリカにおける騒乱では,一部の国 において在留邦人や日系企業関係者が国外退避する事案にまで発展しました。
 モロッコでは暴動や内乱は起こらないとの見方を示す専門家がいるよ うですが,当地モロッコも争乱が起こった国と同様の問題を抱えているのが実情であり,他の国で次々と争乱が起き ている以上,モロッコでも同様の事態に発展する可能性は否定できません。
 一方,地震等の大規模自然災害は,いかなる国・地域においても起こ りうるものです。当国でも2004年にアルホセイマで大規模な地震災害が発生し,多数の死傷者を出していることも忘 れてはなりません。
 緊急事態が発生した場合,大使館として全力でその対応に当たります が,同時に各人が責任を持って自己の安全対策に万全を期することが必要です。
 そこで,緊急事態発生時に皆さんが的確かつ迅速に対応できるよう, 平素の心構えと必要な準備,緊急時の行動等に関して必要な事項をまとめました。

1.平素の心構え・準備
(1) 退避するタイミング
① 外務省は、海外安全ホームページの中で4 段階のカテゴリーによる「安全対策の目安」をお知らせしています。「危険情報」には、それ自体には強制力はあり ませんが、このまま滞在するか又は一時的に安全な地域へ退避するかの判断材料として活用してください。

安全対策の4つの目安(カテゴリー)
「十分注意してください。」 その国・地域への渡航、滞在に当たって 特別な注意が必要であることを示し、危険を避けていただくよう、おすすめするものです。
「渡航の是非を検討してください。」 その国・地域への渡航に関し、渡航の是 非を含めた検討を真剣に行っていただき、渡航される場合には十分な安全措置を講ずることをおすすめするものです 。
「渡航の延期をお勧めします。」 その国・地域への渡航は、どのような目 的であれ延期されるようおすすめするものです。また、場合によっては現地に滞在している日本人の方々に対して退 避の可能性の検討や準備を促すメッセージを含むことがあります。
「退避を勧告します。渡航は延期してく ださい。」 その国・地域に滞在しているすべての日 本人の方々に対して、滞在地から、安全な国・地域への退避(日本への帰国を含む。)を勧告するものです。この状 況では、当然のことながら新たな渡航は延期することが望まれます。

② ご自身の周りに「生命・身体」に危害を及 ぼす事案が存在する場合や、周辺の治安状況が著しく悪化した場合には、上記「カテゴリー」に関わらず退避の検討 を行ってください。

(2) 連絡体制の整備
長期滞在 者の方は大使館に在留届を提出して下さい。また,大使館からの連絡が滞りなくできるよう,引越しや電話番号の変 更等があった際には速やかに大使館の領事部へご連絡ください。(連絡は電話またはファックスでも差し支えありま せん。)
緊急事態 発生時の家族間,企業間等の連絡方法について決めておいて下さい。また,常にお互いの所在を明確にしておくこと が重要です。
緊急事態 発生の際には,電話を利用して邦人の安否確認,重要な情報の提供などを行いますが,電話が使用できない場合には ,NHK海外放送(短波)やFM放送(89.5MHz)(真にやむを得ない場合のみ使用)により必要な連絡を行うことが ありますので,これらの放送が受信可能なラジオ(及び予備電池)を準備しておいて下さい。

(3) 「一時避難場所」及び「緊急時避難 先」
「一時避 難場所」の検討
緊急事態発生時に は暴動等に巻き込まれる可能性があるので,常に周囲の状況に注意を払い,情報を収集し危険な場所に近づかないこ とを心がけて下さい。そのような危険に巻き込まれそうになった際の避難場所について,常日頃から検討しておくこ とが重要です。その時自分がどこにいるか(勤務先,通勤途上,自宅等),どのような事態に巻き込まれそうか等に ついていくつかケースを想定し,各自が「一時避難場所」を検討しておいて下さい。なお,その避難場所としては外 部との連絡が可能な場所を選定して下さい。
「緊急時 避難先」
緊急事態発生時の 状況に応じて,「緊急時避難先」について大使館より連絡する場合があります。ラバト及びラバト近郊に居住されて いる方の場合は,緊急避難先として大使館及び大使公邸を想定しております。避難先の位置を確認し,そこに至るル ートを幾つか想定しておいてください。
 なお,ラバト周 辺が緊迫した場合などで,大使館及び大使公邸が緊急時避難先として適当ではないと判断された場合には,別の地域 のホテル等を避難先に指定する可能性があります。その際は,大使館の指示に従って行動してください。
 ラバト以外の地 域に居住されている方の場合は,発生した事案やその時の状況に応じて大使館が緊急時避難先を定めることとなりま す。(基本的にはお住まいの地域にあるホテル,政府関係機関等を想定しています。)
 住んでいる地域 だけでなく近隣の主要都市の地図を準備しておくと,緊急時に役立ちますので可能な限り入手しておくと便利です。 (一部の主要都市(観光局)やホテル等で無料にて入手できる場合があります。)

緊急時避 難先
(i) 日本大使館: Ambassade du Japon
39, Avenue Ahmed Balafrej, Souissi, Rabat
Tél 0537-63.17.82 ~ 85(85:領事部直通)
Fax 0537-63.95.60
(ii) 同大使公邸: Résidence de l’Ambassadeur du Japon
55, Avenue Mehdi Ben Barka, Souissi, Rabat


(4) 緊急事態における非常用物資の準備 等に関する注意事項
緊急事態に備えた普段からの非常用 物資準備は非常に大切なことですが,保管場所等の関係でなかなかできないのが実情かも知れません。
チュニジア,エジプト等で発生した 政変の例を見ると,デモ隊が特定の場所に集結してから数日以内に大規模な暴動に発展し,非常に僅かな期間内に退 避勧告が出されています。大規模デモの呼びかけや,国全体で政変に繋がると思われるような何らかの状況変化が見 られる等の予兆を察知したら,速やかに準備を始めることを推奨します。

旅券
 平素から有効期限の確認 をしておいてください。現旅券が有効で,有効期間の1年前以降であれば戸籍謄(抄)本が無くても更新可能です。
※ 騒乱が発生してから旅券の有効期限切れに気付き,再発給手続きを依頼しようとしたが,写真屋が全て閉店して おり旅券申請に必要な写真が手に入らなかった例があります。
現金
情勢が緊迫してきた場合に は,一部を外貨に換金しておくことをお勧めします。
食料、飲 料水、医薬品、燃料等の消耗品
 緊急時には一定期間自宅 での待機が必要となることもありますので,非常用食料,飲料水,医薬品,燃料等を最低10日間分は常備しておき ましょう。
 ※騒乱が発生した場合, 商店のほとんどは閉鎖されることが考えられます。また,営業している店があったとしても,多数の人が押し寄せる ため十分に購入できない可能性があります。また日本では緊急事態が発生した場合でも,規則正しく並びますが,当 地では略奪や強盗が行われる可能性があります
航空機チ ケット
 情勢が緊迫してきた場合 には,出国のための航空機のチケットを早めに準備されることをお勧めします。
 暴動発生に伴い,国内全 土が緊迫してくると一般の航空便がスケジュール通り飛ばなくなる可能性があります。この場合,チャーター機の利 用が考えられますが,観光国であるモロッコでは,短期の邦人旅行者が多数いる事が予想され,チャーター便になか なか搭乗できずに空港で足止めされる可能性があります。
 当館としては,チャータ ー機による退避先として,フランスを予定していますが,依頼先の航空会社によっては到着地が変わる可能性があり ます。
 またチャーター便を利用 した場合,原則として運賃は利用者負担になります。 在留邦人の皆様に置かれましては,商用便が飛んでいる内に国外へ退避することをお勧めします。
その他、 別紙「緊急事態に備えてのチェックリスト」を参考にして、物資の準備をしてください。

 

2.緊急時の行動
(1) 心構え
緊急事態が発生し、または発生する恐れがある場合、大使館は邦人保護に万全を期するため、所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い、当館ホームページの他、電子メールまたは電話等を用いて皆さんに随時ご連絡します。
平静を保ち、流言飛語や群集心理に惑わされることのなよう注意してください。

(2) 情勢の把握
大使館か らの連絡(情報提供)は原則として電話、電子メールにより行います。ただしこれらが不通となった場合にはNHK海外 放送(短波ラジオ)またはFM放送(大使館から発信)を利用します。
※エジプトにおける騒乱の 際、固定電話は使用できましたが、携帯電話、インターネットの使用ができなくなりました。当国でも通信規制が行 われる可能性がありますので、ご注意ください。
NHK海外放送
放送時間、周波数に関する最新情報は下記のウェブサイトでご確認ください。
「NHKワールド」http://www.nhk.or.jp/nhkworld/japanese/別ウイ
 
ンドウが開きます
FM放送
周波数:89.5MHz
聴取可能範囲:大使館から半径50km程度(ラバト近郊のみ)
緊急事態 発生の際には,情報が錯綜することが予想されるため,大使館から皆様に発信する情報は正確性等を確認した後発信 されることとなり,情報が伝達されるまでに時間がかかることがあります。したがって,大使館からの情報以外でも ,現地・海外報道,衛星放送等の視聴により積極的な情報収集に心がけて下さい。

(3) 大使館への通報等
現場の状 況のうち通報する必要があると認められるものについては、随時、大使館に直接通報してください。他の日本人の方 々への貴重な情報となります。
自分やご 家族または他の日本人の生命・身体・財産に危害が及びまたは及ぶ恐れがある時は、迅速かつ具体的にその状況を大 使館に通報してください。できる限りの支援をいたします。
緊急事態 発生の際には、大使館から皆様に助力をお願いすることもございますので何とぞご協力をお願いします。

(4) 国外への退避
事態が悪 化し各自または派遣先の会社等の判断により、あるいは当大使館の勧告により自発的に帰国、第3国へ退避する場合、 その旨を大使館へ通報してください。
大使館への連絡が 困難である場合には、日本の外務省領事局海外邦人安全課(外務省代表電話 +81-3-3580-3311)へ通報してください 。
大使館が 「退避勧告」を発出した場合,一般の航空便や船舶が運航している間はそれを利用して可能な限り早急に国外へ退避 して下さい。(現地に残ることを希望される場合は,その旨ご連絡下さい。)
一般の航空便の運 航が停止した場合,あるいは満席の場合等には,臨時便あるいはチャーター便,さらには状況に応じて陸路や海路の ルートにより退避することが必要となってくる場合もあります。そのような場合には大使館の指示に従って行動して 下さい。
事態が切 迫し,自力での出国が困難となった場合には,大使館より退避または避難のための集合場所を指定します。(ラバト 近郊の方は,集結を指示された場合には,上記1(3)②で指定した「緊急時避難先」に集結して下さい。)
避難の際,状況に より,同避難先で待機する必要も想定されますので,可能な限り上記1(4)の非常用物品をご持参下さるようお願いし ます。ただし,緊急時には自分及びご家族の生命,身体の安全を第一に考え,非常用物品以外の携行荷物は必要最小 限にしていただくようお願いします。なお,状況により大使館にて同避難先への交通手段を用意することもあります 。
チャータ ー便を使用する場合は,基本的にカサブランカ空港からの退避を想定していますが,空港の状況や航空会社の状況に よって変更される可能性もあります。その際は,大使館の指示に従って下さい。

 

別紙

緊急事態に備えてのチェックリスト
 旅券等
 有効期 限の余裕を十分に(6ヶ月以上が望ましい)確保するよう心掛け、期限が迫っている場合には大使館にて再発給の申請 を行ってください。(期限の1年前から申請が可能です。)
 旅券の 最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記入しておいてください。
 モロッ コ政府発行の滞在許可証等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。

 貴重品
 旅券、 現金、クレジットカード、預金通帳などは、緊急時にすぐに持ち出せるようにしておいてください。(現金は家族全 員が10日間程度生活できる程度のユーロと、国内に足止めされた場合に使用できるよう、ある程度のディルハムを用 意しておくことをお勧めします。)

 自動車
 定期的 な整備・点検の実施
 必要に 応じ、タイヤ、バッテリーの他、各種消耗品の交換
 燃料の 確認(常時半分以上は入っているようにしておく。)
 いざと いうときの交通手段の確保の検討(長距離バス・タクシー乗り場、行き先等の確認)

 非常用携行品
避難場所への移動を必要とする事態に備え、 上記に加え次の携行品を備えておき、すぐに持ち出せるようにしておいてください。
 衣類( 長袖、長ズボン)、靴(底が厚く丈夫なものが良い)、帽子、手袋
 洗面用 具(タオル、歯磨きセット、石鹸など)
 非常用 食料
米、調味料、缶詰 類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーター(自宅待機用に家族全員が10日間程度生活でき る食料を常備し、自宅外に避難する際にはこの中から缶詰類、インスタント食品、粉ミルク、ミネラルウォーターを 携行する。)
 医薬品 等
家庭用常備薬のほ か、常用薬、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏。
 ラジオ
短波放送及びFM放 送が受信できるラジオ(乾電池式)、及び予備の電池
 その他
懐中電灯、ろうそ く、ライター、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、使い捨て食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘ ルメットや防災頭巾(椅子用のクッションで代用可)

 

IV おわりに

安全対策の基本は予防的措置であるため、私たちがその効果を実感する機会は ほとんどありません。そのためか、安全対策は一般の方々には軽視されがちです。しかし、払い渋った僅かな労力が 、いつか大きな代償となって私たちの身に返ってくるかもしれません。初めからお金をかける必要はありませんので 、まずは簡単なことから始めてみてください。必要なものは、お金ではなく皆様の心構えです。

本マニュアルの作成にあたっては、「多くの皆様に関心を持って頂くこと」そ して「実際に役に立つマニュアルであること」を目標としました。誰もが容易に入手できるような一般情報は重要な 点だけに絞ってページ数を削減する一方、モロッコの実情を反映した実用的な事柄をできるだけ多く盛り込むように 心がけました。
日々刻々と変化するこの国において、安全対策の全てをこのマニュアル で網羅することはできませんが、少しでも良いマニュアルとなるよう今後も改訂していく予定です。そのためには、 在留邦人の皆様からの情報提供が欠かせません。些細なことでも構いませんので皆様の身の回りで起きた不安全な出 来事、本マニュアルに対するご意見、ご要望などを、是非お気軽にお知らせください。このマニュアルがより良いも のとなり、皆様の生活が少しでも安全で快適なものになれば幸いです。

 

別添 安全関連資料

緊急電話番号
 公共機関
警察 190   憲兵隊 177   救急・消防 150

 救急(民間企業)        (2012 年4月1日現在)
都市名 企業名 電話番号
ラバ ト Samu de Rabat 0537- 73.73.73
カサ ブランカ Mondial Assistance 0522-95.93.00
0522-44.44.44
Semu (Service Médical d’urgence) 0522- 90.50.50
Samu de Casa
(SOS Médecin Service Ambulance)
0522-25.25.25
0522-98.98.98
【注意】 民間の救急車の要請は有料となりますが、
迅速性や衛生面では一般的に民間企業のほうが良好で す。

 病院(24時間)           (2012年4月1日現在)
都市名 病院名 電話番号
ラバ ト Clinique Agdal 0537-77.77.77
Clinique Tour Hassan 0537-72.22.32 / 33
Clinique des Nations Unies 0537-67.05.05
0537-67.17.59 / 52 / 20
カサ ブランカ Clinique Achifaa
(d’Esthetique et des Specialites)
0522-86.22.86
Clinique Val d’ Anfa 0522-36.87.87
Clinique Dar essararm 0522-85.14.14
0522-80.00.00
マラ ケシュ Polyclinique du SUD 0524-44.79.19
Clinique KOUTOUBIA 0524-43.85.86 / 87
フェズ Clinique RYAD des specialties 0535-65.65.65
アガディール Clinique Agadir des specialties 0528-84.84.84
タン ジェ Clinique du Croissant Rouge(循環器を除く。) 0539-94.69.76
Institut Cardio- Vasculaire(循環器のみ) 0539- 33.45.75
【注意】上記病院は24時間対応ですが、電話が繋がら ない場合があります。

 国内電話番号案内:160(有料)

 コレクトコール 日本へ ( KDDI ) : 002 -11-0081(モロッコ国内通話料は課金されます)
日本以外の国へ:120

 在モロッコ日本国大使館
TEL: 0537-63.17.82 ~ 85(85:領事部直通) FAX: 0537-63.95.60

業務時間外には、FAXを除く全ての回線で緊急連絡先の 番号を案内しております。
なお、緊急連絡先番号は予告なく変更されることがあ りますのでご注意ください。



緊急時の表現
基本表現
日本語 アラビア語 フランス語
すみません(呼びかけ) スマヘリア パルドン
ハイ エーまたはイエー ウイ
イイエ ノン
ありがとう シュクラン メルスイー
日本 イヤバン ジャッポン
日本人(男) イヤバニ ジャポネ
日本人(女) イヤバニア ジャポネーズ

犯罪
日本語 アラビア語 フランス語
助けて! サーイッドニー オースクール
泥棒! シュファール! ヴォルール!
警官 ボリス ポリス
警察署 コミサリア コミサリア
○○を盗まれた ソレカミンニ ○○ オンマ ヴォレ ○○
○○をなくした アダーチョ ○○ ジェ ペルデュ ○○
パスポート ジャワーザ サファリ ル パスポー
お金 フルースィ ラルジョン
クレジットカード ベターカティ バンキーヤ カルト ドゥ クレディ

病気・ケガ
日本語 アラビア語 フランス語
救急車 ランベロンス アンビュランス
病院 ムスタシュファ オピタル
痛い ユ リモニ ジェ マル
苦しい アッチャアッラム ジュ スフル

その他
日本語 アラビア語 フランス語
○○に電話したい オリード アン アチャセラ ビ ○○ ジュヴ テレフォネ ア ○○
○○に行きたい オリード アン アダハバ ○○ ジュヴ アレ ア ○○
日本大使館 スィファーラッ ツァッリヤバン ランバサッド デュ ジャポン
空港 マタール ラエロポール
トイレ メルハード トワレット
公衆電話 ハーティフ ウーモミ ラテレブティック

【注意】
アラビア語の「サー イドニー」は、「手伝ってください。」という表 現もあるので、呼び止める際にも使えます。
なお、ここに記載されたものは、カタカタ読みによってモロッコ人に意 志を伝えられるように言葉を選んでおります。
そのため、上記表現の中には文法的に正しくない部分があります。ご了 承ください。

 

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