在留邦人向け安全の手引き 在モンゴル日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


モンゴルと日本の国旗

安全の手引き

在モンゴル日本国大使館

はじめに

ようこそモンゴルへ!

在モンゴル日本国特命全権大使の清水武則です。モンゴルに滞在される皆様に,ご挨拶を申し上げます。

現在,海外で生活している在留邦人数は114万人を超えています。(平成22年統計)また,観光等で海外に渡航される方の数も,年々増加しています。海外で活躍する邦人が増加するに伴い,邦人が事件や事故に巻き込まれる事例も増加しています。

昨今では,海外における邦人に対する危険も多様化しており,殺人,強盗,誘拐や窃盗等の犯罪被害を始め,航空機,自動車等による事故,テロ,クーデターのほか,津波,ハリケーン,地震等の大規模自然災害,疾病の流行等我々が直面する可能性のある脅威は決して少なくありません。

2010年に世界各国の我が国在外公館及び財団法人交流協会が取り扱った海外における事件・事故等に関わる邦人援護件数は,17,515件(対前年比3.25%増)で,援護対象者数は19,882名(同5.51%増)に上っています。

また,2010年の日本人海外渡航者数が約1,664万人となっていますので,海外渡航者約837人に1人が何らかのトラブルで在外公館の援護を必要としたことになります。

犯罪被害の状況ですが,被害に遭われた邦人数は5,589件,5,989人であり,最も多いのが窃盗被害(4,394件,4,674人),次いで,詐欺被害(429件,461人),強盗被害(428件,488人)となっています。

交通事故の当事者となるケースも多く(187件,332人),うち35人が尊い命を落とされています。

また最近では,海外において邦人が犯罪の加害者となる事例も増加しており,その多くは出入国・査証関係犯罪,麻薬関連犯罪,傷害・暴行,道路交通法違反などとなっています。

ここモンゴルでも,日本とモンゴルとの二国間関係の飛躍的な発展を背景に,当地に長期滞在する邦人数が年々増加するとともに,短期滞在に係る査証免除により,旅行者数も増加しており,これに伴って,残念ながら犯罪被害などに遭われる邦人の方の数も増加しています。

この小冊子は,モンゴルに長期,短期を問わず滞在される皆様に,モンゴルにおける犯罪発生状況,滞在中の防犯に対する基本的な心構え,具体的注意事項などをご紹介することを目的に作成したものです。是非ご利用いただければと思います。
皆様のモンゴルにおける滞在が有意義なものとなりますよう祈念します。

2012年4月
駐モンゴル日本国特命全権大使 清水 武則

Ⅰ 防犯の手引き

1 防犯の基本的な心構え

モンゴルでは,1990年の民主化・市場経済への移行期,移行後の経済的混乱を乗り越え,ここ数年来急速な経済発展を遂げています。その反面,貧富の差が拡大しており,国民の実に3割以上が貧困層であると言われています。このことが治安悪化の要因の一つになっていると考えられています。特に首都ウランバートルでは近年,治安の悪化が顕著となっており,強盗,窃盗等の犯罪が増加し,地域によっては昼間でも一人歩きが危険な場所が存在します。

モンゴルでは,一般的に日本人を含め外国人は「金持ち」と見られていますので,「外国人は犯罪者のターゲット」という意識を持ち,常に警戒を怠らないことが重要です。

2 モンゴルにおける犯罪発生状況

(1) モンゴル警察当局によると,2011年の犯罪認知件数は19,197件で,対前年比3.2%の減少でした。
犯罪種別では,強盗,暴動など公共の安全に関する犯罪や,性犯罪,福祉犯など子供,家族及び風俗に関する犯罪,道路交通に関する犯罪などが増加しています。
首都ウランバートルでの犯罪認知件数は10,773件で,総認知件数の56.1%を占めており,昼夜を問わず窃盗や強盗等の事件が発生しています。
また,地方では,西部のザブハン県,北部のフブスグル県,中央部のトゥブ県,ウブルハンガイ県,東部のヘンテイ県などにおいて犯罪認知件数が増加しています。

(2)同警察当局の統計によれば2011年中,モンゴルで事件・事故の被害を届け出た外国人は111名にのぼり,残念ながら日本人もその中に含まれています。モンゴル警察庁は,外国人観光客やモンゴルで長期滞在している外国人に対し,犯罪等の被害を防止するために,以下の事項を呼びかけています。

  • 夜間は一人歩きをしない。
  • 市場(ザハ),スーパーマーケット等の人混みで多額の現金,貴重品等を持ち歩かない。ひったくり,すり,強盗などに十分注意する。
  • タクシーを利用する場合は車の色,型,ナンバー等を確認し,運転手以外に人が乗っている場合は,そのタクシーは利用しない。
  • 滞在又は居住している地区の警察機関の位置や連絡先を確認しておく。
  • 見知らぬ人に住所,電話番号等の個人情報を渡さない。

(3)モンゴルの人口あたりの犯罪発生件数は,世界でも有数の安全な国である日本よりも遙かに低く,モンゴルは「安全な国」との印象を受けます。しかし,犯罪統計と私たち在留邦人の体感治安との間には大きなギャップが生じており,モンゴル警察庁の統計には表れていない相当の暗数があると考えられます。

(4)幸いにして,誘拐事件や銃器等の凶器を使用した事件の発生は多くはありません。薬物の蔓延等も今のところないようですが,いずれも予断を許さない状況にあります。また最近では,海外からのマフィア等の犯罪組織の流入等も懸念されています。

(5)モンゴル人の中国人に対する感情には複雑なものがあります。このため中国人が関わる犯罪が数多く発生しています。過去には日本人が中国人に間違えられて襲われる事件も発生しており,このことには注意を払っていく必要があります。

(6)2005年ころから,「ダヤル・モンゴル運動」,「フフ・モンゴル」といった過激な民族主義的団体が外国人排斥運動等を行っており,中国,韓国系の商店等が襲撃される事件も発生しました。また最近では,これらの団体が日本企業に対し,寄付金を要求する事件も発生しています。

【ここでのポイント】
  • 治安悪化の背景には貧困層の存在あり。その日の暮らしにも困っている人がたくさんいることを認識する。
  • 日本人をはじめ外国人は一般的に金持ちと見られており,犯罪者のターゲットになっている。
  • モンゴル人の中国人に対する感情は非常に複雑。もし中国人(モンゴル語で「ヒャタド」あるいは「ホジャー」(蔑称))に間違えられたことで,被害に遭うようなことがあったら,日本人(モンゴル語で「ヤポン」)であることを訴え,第三者に助けを求める。
  • 過激な民族主義運動団体等のメンバー及び活動には「関係を持たない・参加しない・近づかない」
  • 民族主義運動団体等からの寄付の要求等があった場合は「相手の人定・要求を正確に把握する・いわれのない要求には従わない・必ず警察又は当館に連絡する」
3 防犯のための具体的注意事項
(1)住居及びホテル等における注意事項

モンゴルでは,住居はアパート等の集合住宅が一般的ですが,特にウランバートル市内では空き巣などの侵入窃盗犯罪が多発しており,市内全域で,これらの犯罪の発生が報告されています。

当地のアパートの玄関扉は2重の施錠ができるようになっているものが多く,一見すると防犯設備は堅固な印象を受けますが,当地で一般的に使用されている鍵は信頼性が低く,バール等の大型工具によって容易に破壊できるようです。

また,合い鍵を預けた知人による窃盗事件や,ホテルの従業員による犯行等も報告されています。

【住居・ホテル等における被害防止のポイント】
  • 防犯設備の整った住居を選定する。(ガードマンによる常駐警備付がベスト。最低でも共用部分に不審者が侵入できないよう建物の入口にもロックが付いた物件を選定することが望ましい。)
  • 地方行きのバスが発着するバス停やザハなど,人が多く集まる場所付近の物件は避けたほうが無難。
  • 玄関や窓の防犯設備は厳重なほどよいのは当然。複数かつ堅固な施錠設備,鉄格子があることが望ましい。
  • 前に住人がいた物件に入居する場合は,必ず鍵を交換させる。
  • 1階,最上階は避けた方が無難。
  • たとえ親しい知人でも,安易に合い鍵を預けない。
  • 長期間不在にする場合は,知人や大家等に定期的に鍵が破壊されていないか等の確認を依頼するのも一つの方法。
  • 外国人が居住していると外部からわからないような工夫を。
  • ホテル等に滞在中は,たとえ短時間の外出などでも必ず施錠する。貴重品は,ホテルのフロント等に預ける。
  • パスポートの盗難,紛失には要注意。
    (万が一パスポートを紛失したり,盗難にあった場合,大使館においてパスポートの再発給または帰国のための渡航書の発給手続が必要となり,所要の日数がかかります。)
(2)外出時における注意事項
《スリ》
犯罪者にとって,最も捕まる危険が少なく容易に敢行できる犯罪がスリです。
言い換えれば,日本人が当地で被害に遭いやすく,かつ最も気をつけなければならない犯罪とも言えるでしょう。
自由市場(ザハ),ノミン(旧国立)デパート及びその周辺,中央郵便局,バスの車内,ウランバートル駅,チンギス・ハーン国際空港など人が多く集まる場所では,当然のようにスリ被害が多発しています。特に空港やノミンデパート等は比較的裕福な人が利用する場所ですので,それをターゲットにする犯罪者が集まってくると考えられます。一方,モンゴルにおいて特徴的なのは,人の混雑する場所でのみスリが発生するわけではない,ということです。歩道を歩いている最中や,道路横断中に被害に遭うケースも多数報告されています。
また,ほとんどのスリが集団で犯行に及んでいる上,最近では,犯行に気付き抵抗しようとした被害者に暴行を加えて逃走するなどの悪質な事件も発生しています。
特に上着の外ポケットや胸ポケット,ズボンの後ろポケットに貴重品を収納していた方の被害例が多いことから,外部から容易に触れられるポケット等には貴重品を収納しないことが大切です。また,リュックやバックの外ポケットに入れておいて知らない間にチャックを開けられていた例や,リュックをナイフ等で切られて財布を盗まれた例も報告されています。これらの事例は,昼夜を問わず発生しているようです。
【スリ被害防止のポイント】
  • 当地に来てから日の浅い方(当地の実情を把握されていない方)と滞在が長期にわたる方(当地の生活に慣れた方)は,特に注意。
  • 人が多く集まる場所のみならず,外出時はどこでも注意が必要!
  • 外部から容易に触れられる箇所,リュック等に貴重品を入れて携行することは厳禁!
  • 挙動不審者や集団を見たらスリと疑え!決して近づかないこと。
  • 貴重品や多額の現金は持ち歩かない。
  • 他人の面前では財布を見せたり現金を数えたりしない。
  • バッグなどを所持する場合,以下の要領で所持するよう心掛ける。
    • 手提げバッグを持ち歩く場合は,ひったくりに遭わないよう,脇の下に抱えるようにして所持する。
    • リュックサックを背負って行動する場合は,ファスナーを開けられたり切られたりする可能性があるため,貴重品は入れない。
    • ウエストポーチを腰に着用する場合は,ポーチが体の前面に位置するよう着用する。
《置き引き》
レストランでの食事中やホテルのシャワー室等で被害にあった例が報告されています。いずれも手荷物等を放置し,目を離した隙に被害に遭っています。
20秒程度のごく短時間に被害に遭っている例もあり,身の回りの所持品からは目を離さないこと,体の一部が常に所持品に触れていること等を実践することが大切です。また,貴重品はできるだけ持ち歩かない等の配慮も必要です。
【置き引き被害防止のポイント】
  • 貴重品は可能な限り信頼できる場所(ホテルや職場の金庫等)に預け,持ち歩かない。
  • 例え短時間であっても,手荷物等を放置しない。決して目を離さない。体から離さない。
  • 周囲に人がいない場合であっても,決して油断しない。
《強盗》
多人数に囲まれた上,殴る蹴る等され金品を奪われるケースが報告されています。また,タクシーを拾ったところ人気のない場所に連れていかれ,待ち受けていた集団に金品を強奪される事件も発生しています。拳銃等を使って脅されたケースの報告はありませんが,過去には石等で殴る蹴るの暴行を受けた上,身ぐるみ剥がされた事例も報告されています。
これらの事例は比較的裏通りで発生していますが,平和大通りやソウル通りでの発生も散見されており,市内のどこでも発生する可能性があります。夜間一人歩きの時に襲われたケースが多数ですが,中には昼間複数で行動している時に発生した例も報告されており,いつでも発生する可能性がありますので注意が必要です。
また,自宅の玄関ドアを開放した隙に,ドア陰から室内に侵入された事例も報告されています。
【強盗被害防止のポイント】
  • 夜間の一人歩きは避け,タクシー等の交通機関を利用する。
  • 知らない人とのタクシーの相乗りは避ける。すでに人が乗っているタクシーは利用しない。
  • 昼夜を問わず,できるだけ人通りの多い通りを利用する。
  • 可能な限り複数で行動する。
  • モンゴル人が集団でいる場合には,決して近づかない。
  • 自宅の玄関ドアを開ける際は,必ず上下階に不審者がいないかを確認する。不審者がいる場合は,決してドアを開けない。
  • 過度に華美な服装や装飾品の着用は避ける。
  • どうしても被害が防げない場合もあり。その際は身の安全を第一に考え,決して無理な抵抗はしない。
  • 後日の捜査に備え,できるだけ犯人の身体的特徴を覚えておく。
  • 犯人は徒歩で逃走する可能性が大。被害に遭ったらすぐに警察への通報と大使館への連絡を。
《車上狙い・自動車の部品盗難など》
車上狙いは,裏通り,人通りの多い大通りともに発生しています。車内にカバン等が放置されていることが外から確認できる場合は,被害に遭う危険性が大です。窓ガラスを割られ,車内の荷物等を盗まれるケースが多く報告されています。また,駐車中の車から,ヘッドライトやサイドミラー等の部品が盗まれる被害も頻繁に発生しています。昼夜を問わず発生していますので,車両利用の場合は注意が必要です。
【車上狙い・自動車の部品盗難などの被害防止のポイント】
  • 長時間の路上駐車は避け,監視者を置くか管理人のいる駐車場を利用する。
  • 車外から見える場所に荷物を放置しない。
  • スモークフィルム,盗難防止装置等を活用する。
  • 警察では指紋を採取する等の捜査はせず,犯人検挙は期待できない。被害品は返ってこない可能性大。
《暴行・傷害など》
理由もなく,酔っぱらいに殴る,蹴る等された事案やストリートチルドレンに石を投げられるといった事案が報告されています。
モンゴルでは,飲酒に起因した暴行・傷害事件が多発しており,バーやカラオケ等の盛り場では,特に注意が必要です。
【暴行・傷害被害防止のポイント】
  • 当地でも飲酒の際に多く発生しているようである。昼夜を問わず,酔っぱらいには決して近づかない。
  • 特に夏期はストリートチルドレンから金銭を要求されるケースが散見される。子供と言えども決して油断しないこと。
  • 当地の労働者等が利用する酒場の利用は避ける。
  • 飲酒の際は,誤解を生むような言動に注意。
4 交通事情と事故対策

モンゴルでは,近年の自動車保有台数の急増に伴い交通事故も年々増加しており,地方において邦人が当事者となった死亡事故,邦人の団体が乗車した観光バスの路外逸脱・横転事故も発生しています。

交通量の増加に反し,道路の整備や信号機の設置等,交通安全対策は遅れています。モンゴルの道路は,大きな通りでも信号機のない交差点や通行区分表示のない区間が多い上,道幅も随所で変わるため,突然,道路中央に緑地帯や遊歩道が現れる等,戸惑うことが少なくありません。また,横断歩道以外の場所で横断する歩行者も多く,急な人の飛び出しには十分な注意が必要です。ウランバートル市内の幹線道路には街灯が整備されていますが,薄暗く,また街灯自体が点灯していない場合も多々あります。一歩市街地を出れば,街灯は整備されていません。

また,路面が陥没していたり,マンホールに蓋がないなど交通上の障害が多い上,何よりもモンゴル人の運転マナーは最悪の部類に入ることから,よほど運転に熟達しており,道路状況を熟知していない限り,自ら運転することは危険だと言えるでしょう。

特に9月中旬から3月頃までは気温が氷点下になり,いったん路面が凍結すると日陰ではなかなか溶けないなど,さらに劣悪な道路状況になります。また,タイヤチェーンやスタッドレスタイヤが普及していませんので,追突事故も多発しています。無理なハンドル操作や急発進,急ブレーキは避け,ゆとりを持った運転が必要です。厳冬季には,氷点下数十度の中,突然の横殴りの猛吹雪で視界不良となり,吹きだまりにタイヤをとられ車が横転した事故も発生しており,特に注意が必要です。なお,モンゴルでは,車は右側通行です。

車を運転される際は,次の事項を参考に事故防止に努めてください。

【交通事故防止のポイント】
  • 歩行者用信号が「青」であっても,車両は歩行者の横断に関係なく突進して来る場合もあるので,注意が必要。
  • 万一,交通事故の当事者となった場合は,車を動かさずに直ちに警察に通報すること。警察官の指示を受けずに事故車両を動かすと処罰の対象に。
  • パッシングは日本とは逆で「自分が先に行く」という意味になるので十分な注意が必要。
  • 運転者及び歩行者ともに,信号無視,急な飛び出し,無理な割込み等,交通マナーが悪いため,注意が必要。
  • 地方で事故が発生した場合,電波通信網が充実していないため携帯電話で連絡を取ることや,交通量が少ないことから通りすがりの車に救助を求めることも困難。地方に行かれる場合は,不測の事態に備え,衛星電話の携行(レンタルが可能)や,単独車両での移動を避け,複数車両での移動が好ましい。
  • 特に地方の医療機関が整備されていないため,万一地方で交通事故等により重大な怪我等をした場合,地方の病院等で医療行為を受けることは困難であり,首都ウランバートルまで移送の上,治療を受ける必要がある。この場合,舗装されていない道路が多いことから陸路での移送が困難なことも多く,ヘリコプター等をチャーターする必要が生じることもあるので,移送に対応する保険への加入等の備えが必要。
【モンゴルにおける自動車運転免許制度】

モンゴルで自動車等を運転するには,交通警察においてモンゴル政府の自動車運転免許証の発給を受ける必要があります。(3ヶ月以上在留される方のみが対象となります。)

  • 日本の自動車運転免許証での運転は認められていません。
  • 日本とモンゴルでは批准している国際条約がそれぞれ異なるため,各都道府県公安委員会で発給される国外運転免許証(通称国際免許)では運転できません。
【自動車運転免許の切替手続】
1 必要書類
①切替申請書1部(様式は定まっていません。交通警察本部宛に,日本の自動車運転免許
証をモンゴルの自動車運転免許証に切り替えて欲しい旨の文書をモンゴル語で作成します。仕事でモンゴルに滞在されている場合は,職場からの申請となります。)
②パスポートのコピー1部(あわせて原本の提示が必要です。)
③日本国内の自動車運転免許証のコピー1部(あわせて原本の提示が必要です。)
④日本国内の自動車運転免許証の翻訳文(モンゴル語のみ。要公証。)1部
⑤所属機関,企業,学校等からの依頼書(モンゴル語)1部(個人滞在等の場合を除く。)
⑥写真2葉(縦4.5センチメートル×横3.5センチメートル程度のもの)
※日本国内運転免許証のモンゴル語訳文については,ウランバートル市内各所にある民間の翻訳所に依頼する方法が,安価で短期間で作成できるため一般的です(公証まで行えます。)。また,当館でも運転免許証抜粋証明書を扱っておりますので,詳しくは担当までお問い合わせください。
※自家用自動車以外の運転免許の切替をご希望される方は,交通警察本部までお問い合わせください。
2 交通警察本部における切替手続
場所:オリンピック通りとナルニーザム(通称太陽通り)の交差点角ガソリンスタンド隣の水色の建物。まず,2階の会計課で手数料を支払い,その領収書と必要書類を,東側入口から入った3番窓口に提出してください。)
時間:月曜日~金曜日午前10時~午後6時(午後1時~2時は休憩時間)
期間:受付から発給まで,通常5日程度。
手数料:25米ドル
連絡先:93021901,99089808
※上記の手続は,予告なく変更される場合があります。必ず事前に交通警察本部に確認してください。
5 テロ・誘拐対策
(1)テロ

幸い,当地ではイスラム過激派等によるテロ事件は発生していません。また,治安当局によれば,当地ではイスラム過激派等の存在は確認されていないとしています。その他宗教上の過激団体等の存在も確認されていません。

しかしながら,国内にはカザフ系イスラム教徒が存在することや,モンゴルがアフガニスタンに派兵していることなどからも,当地においてテロが発生しないという確証はありません。Ⅲ章を参考にしていただき,万が一の場合の備えをしておくことをお勧めします。

(2)誘拐

当地では,身代金等の奪取を目的とした誘拐事件は,今のところ発生していません。また,誘拐を行うような犯罪者集団の存在も確認されていません。

しかしながら,今後,在留邦人等を対象とした誘拐事件が発生する可能性は,ないとは言えません。

誘拐事件は,ビジネス上のトラブルや怨恨,不満等が遠因となる場合が多く,事前に脅迫を受ける等の「兆し」がある場合がほとんどです。

万が一このような「兆し」が確認された場合は,早めに当地警察及び大使館にご相談ください。

Ⅱ 医療事情

1 環境,医療事情,海外旅行保険

モンゴルは,高地で気圧と湿度が低い等,身体に負担がかかりやすい環境にあり,近年は大気汚染が深刻化しています。心臓や肺,高血圧,糖尿病等の治療中の方,免疫が低下している方,乳幼児や妊娠中の方などは,特に注意が必要です。渡航について主治医とよくご相談下さい。日本の医療水準とは大きく異っており,滞在中の病気や発作で病状が悪化したり,交通事故や落馬で大きな怪我をした場合に安心して受診できる医療機関はありません。航空機で国外へ搬送する以外に方法がないこともあります。1000万円を超える費用は,クレジットカード付帯の保険ではカバーされず,多額の自己負担が必要になります。海外旅行傷害保険の加入の際には,医療費だけでなく,緊急移送の限度額についても,よく確認してください。

2 渡航前および滞在中の注意
  • 短期間でも,旅行前に肝炎や破傷風などのワクチンを接種しておく
  • 持病のある方,乳幼児や妊婦の方は,主治医とよく相談する
  • 常用薬と痛み止めなどの救急薬品を多めに携行する
  • 寒さ(冬だけに限らない),乾燥,紫外線への準備と対策
  • のどの乾きを感じなくても,こまめに水分を摂る
  • ペットボトルのミネラルウォーターを飲用し,氷・生水は口にしない
  • 手洗いを励行し,生野菜,生卵や生焼けのものは食べない
  • むやみに動物(家畜も含む)には近づかない
  • 乗馬の際のヘルメット,乗車中のシートベルトを必ず使用する
  • 体調がすぐれないときは,スケジュールを変更する
3 注意すべき病気・けが

下痢・嘔吐・腹痛(胃腸炎),のどの痛みや咳(かぜ),落馬,交通事故,〈頻度は少ないが危険な病気〉狂犬病(動物),ペスト(タルバガン),ウイルス性肝炎(水など[A型],医療行為や性交渉[B,C型]),ブルセラ症(乳製品)

4 病気になったり,けがをしてしまった場合

可能であれば,日程を短縮して帰国し,本邦の医療機関の受診を勧めます。

移動できなかったり重症であったりして必要な場合は,最寄りの医療機関で救急処置を受けた後,できるだけ本邦医療機関で診断と治療を受けられるよう,手配してください。

※ 緊急連絡先
《在モンゴル日本国大使館》

(開館時間:祝祭日を除く月~金曜 9時00分~17時45分)
代表電話 11-320777
ファックス 11-313332
夜間・休館日用緊急電話(事件・事故など緊急の場合)99112741
ホームページ http://www.mn.emb-japan.go.jp/index_j.htm別ウインドウが開きます

《消防》

101 (モンゴル語のみ)

《警察》

102 (モンゴル語,英語,ロシア語)

《救急》

103 (可能であれば,自力で移動し受診した方が早いことも)

《ウランバートル市内の主な医療機関》
  • SOSクリニック 11-464325
  • Songd 病院 70129000
  • 国立外傷病院 70180136,11-687791
  • 国立感染症センター 11-450491,100

※当館では,ご希望される方にメールマガジンをはじめ,安全情報等の各種情報をメール配信しています。大使館からのメール配信を希望される方は,大使館でメールアドレス登録用紙を提出していただくか,下記アドレスまでメール配信を希望する旨ご連絡下さい。(個人情報の管理につきましては万全を期しております。大使館からの情報配信等の目的以外の理由で,お知らせいただいた情報を利用することは一切ありません。)

Ⅲ 緊急事態の手引き

1 平素の準備と心構え

航空機事故,テロ,クーデター,内乱,地震等の大規模災害,疾病の流行等の緊急事態は,いつ,どこで発生するか予測ができません。

モンゴルでは,今のところ幸いにして上記のような緊急事態は発生していませんが,いざという時に備え,緊急事態が発生した場合どのように対処すればよいのかを知っておくこと,また食料等の備蓄や旅券・外貨等の準備など,緊急事態に対する備えをしておくことが大切です。

また,在留届は大使館がモンゴルに滞在されている方と,必要な連絡や安否確認などができる唯一の手段となります。3ヶ月以上当地に滞在する場合は,必ず大使館に在留届を提出してください。また,在留届提出後の転居,帰国等についても,必ず大使館までお知らせください。

(1)旅券

常時6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください。(6ヶ月未満の場合には,当館に切替発給の申請をしてください。)

旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。下段には血液型を記入しておいてください。なお,当地におけるID等の各種証明書,許可証等は,いつでも旅券と一緒に持ち出せる状態にしておいてください。滞在許可等は,常に有効なものとしておくことが必要です。

(2)現金,貴金属,貯金通帳,有価証券,クレジットカードなど

これらのものは,緊急時に旅券同様すぐに持ち出せるようにしておいてください。現金は,家族全員が10日間程度生活できる当地通貨(トグログ),航空券の購入及び帰国途中にかかる経費(ホテル数泊分及び当座の生活費)の外貨(米ドル等)を予め用意しておくことをお勧めします。

(3)自動車の整備

自動車をお持ちの方は,常時良好なコンディションを保つよう整備を心がけるとともに,燃料は常に十分入れておくようにしてください。また,車内には懐中電灯,地図,ティッシュペーパー,冬期であれば予備の防寒着等を備え置きください。

自動車をお持ちでない方は,近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を取り,必要な場合に同乗できるよう相談しておいてください。

(4)携行品の準備

避難場所への移動を必要とする事態に備え,上記(1)~(3)に加え,次の携行品を備えて,すぐ持ち出せるようにしておいてください。

衣類・着替え
長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で,ことさら人目を引くような華美なものでないもの。防寒性に十分配意する必要があります。
履き物
行動に便利で,靴底の厚いじょうぶなもの。耐寒性のあるもの。
洗面用具
タオル,歯磨きセット,石鹸等
非常用食料等
しばらく自宅待機となる場合も想定して,米,調味料,缶詰類,インスタント食品,粉ミルク等の保存食品及び飲料水等,家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいてください。一時避難の目的で自宅から他の場所へ避難する際には,この中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルク,飲料水等を携行するようにしてください。
医薬品
家庭用常備薬のほか,常用薬,外傷薬,消毒用石鹸,衛生綿,包帯,絆創膏等。
ラジオ
電池使用のもの(NHK海外放送,BBC等の短波放送が受信できるものが望ましい。)。電池の予備も忘れないようにしてください。
その他
懐中電灯,ライター,ろうそく,マッチ,ナイフ,缶切り,栓抜き,紙製の食器,割り箸,固形燃料,簡単な炊事用具,可能であればヘルメット,防災頭巾など(応急的に椅子に敷くクッションでも可。)。
特に冬期の場合は,毛布,厚手の上着等の防寒用具を十分に準備する必要があります。
 
2 緊急時の行動
(1)基本的な心構え

緊急事態発生時は,通信の途絶や当地政府による報道統制等により,事実に基づかない噂が流布することが予想されます。また,一時的な無政府状態となり,暴動や略奪等が発生することも考えられます。

このため,まず落ち着いて,冷静に行動することが重要です。噂を安易に信じてはいけません。

(2)情報の把握

大使館では,可能な限り情報の収集に努めるとともに,可能な通信手段を使用して治安情勢,当地政府の措置,通信・交通等公共サービスの現状,滞在に当たっての注意事項等の情報発信に努めます。

緊急事態発生時には,大使館からのメール配信・電話連絡,NHK海外放送及びNHK海外向け短波放送など,その時点で使用可能な通信手段により各種情報を伝達することとなりますので,ご配意いただきますようお願いいたします。

(3)大使館への通報等

大使館は,情報の提供,被災地等にお住まいの方の安否確認,退避支援などについて最大限の努力を払います。

皆様におかれましても,可能な限り電話等により大使館へ所在情報,安否情報等をお寄せ下さい。

しかしながら,通信網の遮断などにより連絡が取れなくなる事態も想定されます。もし,このような事態が発生し,皆様の住居が失われるなど緊急に退避が必要となった場合には,大使館からの通報を待たずに,自主的に大使館まで退避していただくようお願いいたします。

(4)国外への退避

当地での滞在の継続が困難となることが予想される場合,国外への退避をお勧めする場合があります。(退避勧告)

3 避難場所

緊急事態発生時における退避場所は,在モンゴル日本国大使館です。大使館が損傷等により退避場所として使用不能となった場合には,付近に退避場所を確保することとなりますので,まず大使館を目指して退避していただくようお願いします。ウランバートル以外にお住まいの方は,まず身の安全を確保した後,大使館にご連絡いただくようお願いします。

この場合,暴動や略奪等に備えるため,お近くにお住まいの方同士が誘い合わせ,複数で行動するように心がけてください。また,前記非常用持ち出し品を携行してください。なお,大使館では,敷地内における車両の駐車,保管等は行えませんので,予めご承知置きください。

おわりに

犯罪被害や天災などの緊急事態は,いつ我が身に降りかかるか分かりません。一度発生してしまえば,外国では日本のような行政サービスを受けることは望むべくもなく,被害の回復や身の安全の確保などは難しいと言えるでしょう。

そのためにも,平時からの防犯・緊急事態に対する意識や備えが重要です。この小冊子が,少しでも皆様のご参考となれば幸いです。

おわりに,以前,在留邦人の皆様に防犯に関するアンケートをお願いしましたところ,参考となるご意見を多々お寄せいただきましたので,抜粋をご紹介します。

【防犯対策全般で気をつけていること】
  • 2人連れで何かを尋ねられたら注意。(盗まれる可能性あり)
  • 満員のバスや人混みでは,すりに注意。
  • 同伴者と日本語で会話をしながら歩くと(特に夜間),人目を引き危険だと思う。
  • すり被害は,モンゴルに来て以降,半年の間がほとんどであった。防犯知識が足りなかったと思う。
  • 服装はある程度モンゴルに合わせ,日本的なものにならないようにしたほうがよいのではないか。
  • 被害に遭ってからは,ナイフでカバンを切られても直ぐに盗られないように,貴重品を小さいバックに入れ,それをリュックに入れ紐を付けている。
  • 一人ではなくモンゴル人と一緒に歩く。できるだけ振り返る。
  • 現金を多く持っていることを見せないよう気を配る。
  • 現金は分散して持つ。
  • 携帯電話は,ポケットではなく紐等で結束して身につける。
  • 背後に人がついたら,先に行かせる。
  • 空港では,常時2~3人のすりが様子を伺いながら行ったり来たりしている。
  • 危険な場所には近づかない。
  • 多額の現金は持ち歩かない。カードと現金は別に携行。
  • ザハでは,モンゴル人もバッグを体の前で押さえる等自衛をしている。
  • 明らかに高級品が入っていると分かる買物袋は持ち歩かない。
  • 被害に遭ったときは,大声で泥棒(デーレムチン)と叫ぶ。
  • 外出する時は,余計な物は持たず,現金も必要な分だけ持つようにしている。
  • 変にキョロキョロせず,堂々と歩く。
  • 時々振り向いたりして,周囲に注意する。
  • いつも同じ換金所を利用しないようにする。
  • 多人数の時こそ注意が散漫になり,目立ちやすいということにも注意する必要がある。
【住居における防犯対策で気をつけていること】
  • 自宅の扉を開ける時が肝心。周りに知らない人がいないことを十分に確認する。
  • 鍵を開ける時は,もたもたしない。
  • 戸外の電球が切れていたら,すすんで自分で交換するよう心がけている。
  • 近隣住民や掃除人とも挨拶を交わすよう心がけている。
  • 門番や掃除人に気軽に声をかけることで,ホームレスが入り込まないよう気を配ってくれている。
  • 少しの外出でも,家や事務所には鍵をかける。泥棒はいつも徘徊している。
  • 空き巣被害に遭ったとき,扉が破壊された際は大きな音が出たはずなのに,近隣住民は無関心であった。大家に何らかの方策を義務付けた方が良いのでは。
  • セキュリティを最優先して住居を選ぶ。
  • 常に施錠の確認を怠らない。
【防犯意識を高めるための自己啓発】
  • 情報を入手するだけでなく,対策を実行することが大切。
  • 色々と対策を考えていただいて感謝しているが,最終的には自分で気をつけるしかないと思っている。注意を怠らないよう心がけたい。
  • 外出時は,常に狙われているとの意識が必要。
  • モンゴルでは,1万トグログは大金。
  • 予期せぬ被害に遭った場合は抵抗しない。まずは命を守るため,無抵抗主義を貫くことが重要。
  • ここは外国であるという意識を持つこと。
  • 滞在が長くなると,当初は気をつけていたものが,気の緩みで「このくらいはいいだろう,大丈夫だろう。」という気になりがち。いつも気を緩めることなく生活する必要がある。
  • モンゴルの現状を認識し,いかに,被害に遭わないようにするかというセルフディフェンスの意識を持ち続けるかがポイント。
  • タクシーに乗る時,自宅に入る時などは,予め携帯電話に友人等の番号を出しておき,何かあったら直ぐに電話できるようにしている。
  • ここでは,自分は外国人であるということを常に忘れないこと。
  • 安全はセルフディフェンスが基本で,誰かに守ってもらおうと思っていること自体,認識が甘い。自分なりの自己防衛策を考え実行している。
  • 自分の情報を外部に漏らさないよう通訳や運転手等に指導する。
  • 安全に関わることは,どんなに小さな事でも手を抜かない。小さな気の緩みの積み重ねが大きな事件・事故に繋がるので,日常生活から細かな事に気をつける。
  • 邦人間での情報交換が大切。絶えず危機意識を持つ。
  • 自分で毎朝安全チェック。(どこに何を入れ,どう注意するか等。心のチェックが必要。)
【移動時における防犯対策で気をつけていること】
  • タクシーに乗る際,相手を見て選ぶ。
  • 夜は流しのタクシーには乗らない。
  • できるだけ白タクには乗らない。運転手が気分を害し,怒鳴られたことがある。
【交通安全上気をつけていること】
  • 最近は赤信号でもスピードを出して走り抜ける車が急増。横断歩道では信号ではなく車を見る。十分に注意が必要。
  • 道路を横断する時,右・左の確認を声を出して行う。
【その他】
  • たとえ少額でも,現金の貸し借りはトラブルの元。
  • 酒の飲み過ぎは厳禁。

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