在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年1月16日
在ルクセンブルク日本国大使館
ルクセンブルクは、近隣諸国の中でも比較的治安のよい国と言われています。しかし、人口比率から見る犯罪発生率は日本より高くなっています。ルクセンブルクでの犯罪の特徴は、ルクセンブルク人以外の外国人によるものが約60パーセントを占める点です。近隣諸国からの犯罪集団の流入も容易ですので、犯罪にまきこまれる可能性はいつでもあります。注意を怠らないことが重要です。
駅周辺や公園内等では置き引き、ひったくり、すり等の被害が発生しており、また、薬物関連の犯罪も地元警察の大きな関心事項となっています。他の国へ旅行する時と同様の防犯意識を持ち続ける事が大切です。
この手引き書を参考にして頂き、ルクセンブルクに滞在の日本人の皆様に、安全で快適な日々をすごしていただきますよう、切に願っています。
当国内での事件・事故の処理や原因究明・捜査等はルクセンブルク政府の責任により行われます。大使館は、邦人保護の観点から必要な支援措置をとります。
一旦犯罪被害にあってしまうと被害の物的な原状回復は不可能に近く、心に深い傷を負うことにもなりかねません。その意味で、常日頃から、自分の身近で犯罪が発生した場合や、更には事件報道等を目にした場合、そのことを「他山の石」として、自らが被害にあわないよう防犯意識を高める気持ちが必要です。皆様御自身が安全確保に関する問題意識を持ち、防犯に対する工夫を凝らし、犯罪にあうことを未然に防ぐことが何よりも大切です。
一人ひとりが安全に対する意識を高めることが重要です。
予防こそ最良の危機管理です。安全確保に気を配り、インターネットやテレビによる安全情報の収集に努めましょう。
「備えあれば憂いなし」を実践しましょう。
時には初めて海外に出たときの緊張感を思いだし、初心にかえって行動することをおすすめします。
海外における「行動の三原則」を励行して下さい。
ア 不必要に目立たないこと
イ 行動のパターン化を避けること
ウ 用心を怠らないこと
長期滞在の方は、先ずは住居の安全対策から始めましょう。
風通しの良い近所付き合いをすることで、相互の防犯意識を高めましょう。
会社関係、邦人関係、知人や信頼できる近隣者等とのネットワークを作っておき、いざという時の緊急体制を確立しておくことが安全確保の有効な手段です。
近隣諸国に比べ治安は良いといわれていますが、近隣諸国との行き来が自由であるため、外国犯罪集団等の流入も容易です。隣国等から窃盗団、麻薬密売集団等が入国しているのが現状です。
2010年のルクセンブル国内の犯罪認知件数は、3万530件です。人口1万人あたりの犯罪件数でみると、ルクセンブルクは約610件、日本は約122件ですから、この数字を見る限り必ずしも当国の治安が良いとは言えません。
当国警察は内務省の管轄下にあり、警察本部及び地方毎に設置された6つの地方警察により運営されています。
日本の110番に該当するのは113番です。被害届等の手続きをするのは地方警察(LES CIRCONSCRIPTIONS REGIONALES)、又は、それに属するいわゆる交番(LES COMMISSARIATS DE PROXIMITE)です。
近年、邦人が直接被害にあった事件は少なくなっていますが、過去の事件のうち何件かを紹介します。
※いずれも被害品は戻っていません。
※ルクセンブルク警察は、「当国のように比較的安全な国においても、旅行者が払うべき当たり前の注意は当然必要です」と、注意を促しています。
ルクセンブルクで発生する犯罪の6割以上は、空き巣、車上狙いや置き引きなど市民生活に密着した犯罪です。
屋内外の盗難に対する一般的な予防策と当国並びに近隣諸国で見られる主な犯罪とその予防策について紹介します。
屋外での被害で最も多いのは、置き引き、ひったくり、すり等、所持品を狙った盗難です。
この種の事件は、当国内各地で発生しています。防犯対策として、次のようなことに注意して下さい。
空き巣、忍び込み等他人の住居に侵入して行われる窃盗犯は、凶器(侵入用具、刃物、銃器等)を所持しているケースが多く、居直れば強盗や傷害、更には殺人につながる危険を伴いますので、日頃から十分な対策が必要です。防止対策として、次の二つに大別されます。
いかに防犯対策を講じても、相手がプロの場合、被害を防止できない場合もあります。被害にあった時に取るべき基本的な措置を心得ておきましょう。
ア 犯人と直面した場合はむやみに抵抗せず、出来る限り早く犯人から離れる
イ 帰宅時、自宅の異変に気づいたら、中に入らず警察に通報し、その到着を待つ
ウ 被害後直ちに警察に通報するとともに、キャッシュカード類は悪用されないよう発行元に早急に連絡する
エ 被害にあった室内・車内等は、指紋採取等に備え必要以上に触らない
オ 犯行を目撃した場合、記憶が新鮮なうちに、犯人の特徴、使用車両のナンバー等をメモに残す
当国でも過去起きたことのある犯罪で、今後も発生が予想される犯罪を以下に紹介します。
空港等で食事、ホテル等を提供すると声を掛けられ、他人名義の偽造クレジットカードと偽造パスポートを使って、高額な商品の買い付けを要求される手口です。これは仮にだまされたとは言え、使った人が罪に問われる重大な犯罪ですから、甘い言葉にだまされないように注意して下さい。
キャッシュ・ディスペンサーにカードを入れても機械が正しく作動しないように仕掛け、その機械を使おうとした被害者が困っているのに乗じて近づき、暗証番号の再入力をアドバイス、被害者が再入力する暗証番号を読みとり、被害者が「機械の中にカードが吸い込まれた」と諦めて立ち去った後、カードを機械から引き出し、預金を降ろすという手口があります。また日本でも発生しましたが、小型カメラをキャッシュ・ディスペンサー上に仕掛けて、暗証番号を盗撮する手口があります。
以下の点に注意して下さい。
ア キャッシュカードを使用する際は、犯罪に巻き込まれる可能性があることを考えながら行う
イ 暗証番号の入力は絶対人に見られない状況で行い、また他人の前で暗証番号は入力しない
ウ 事件が起きた場合は、まずカード会社に連絡し、不正使用を防ぐ
ヨーロッパ一円で多発していた犯罪で、様々な手口があります。
その代表的なものは、サクラ(共犯者)が観光客に対し二言三言、話しかけて立ち去り、その後警察官を装った複数の犯人が近づき、「今話していた人物は麻薬容疑で捜査中の者だ。捜査のため貴方の所持品を検査する」等と口実をつけ、被害者の所持品を検査する振りをし、その隙を見て財布から紙幣やクレジットカードを抜き取ったりする手口です。
また、最近発生した事件の一つに、偽の身分証明書を提示して、「お宅の裏庭に不審な者がいたので念のために調べさせてもらう」等と偽って、家の中に入ってしまった事件があります。
以下の点に注意して下さい。
ア 見ず知らずの人からの問いかけは無視する
イ いわれのない所持品検査はハッキリと断る
ウ 相手が警察官と称する場合は、身分証明書の提示を求める(警察官の身分証明書のサンプルを、当館ホームページに掲載しています)
エ その場での所持品検査には応じず、警察署等での所持品検査には応じる旨を主張する
ルクセンブルク市中心部から駅周辺及び公園内にかけて発生しています。また公園で置き引きの被害に遭うケースもあります。
ルクセンブルク駅周辺の裏通り界隈は、麻薬の密売人が活動しているほか、売春、高額な料金を請求するバーの類があり、国内では治安の悪い地区と言われています。特に、夜間の通行には注意が必要です。
麻薬は、当国でも違法です。どんなことがあっても決して手を出してはいけません。
旅先の安全確保は出発前から始まっています。行先に関する観光情報だけでなく、治安情報の収集は極めて重要です。旅行先の治安情報は、以下のホームページ等にわかりやすく説明されていますのでご利用下さい。
ア 各国日本大使館(総領事館)ホームページ
イ 外務省海外安全ホームページ
旅行者は、いかにその場に溶け込んでいるように振る舞っても、そこに暮らしている人達との違いが出て目立ちがちです。
旅行者は、いざ被害にあっても言葉の問題等から助けを求めることや警察への通報もできず、泣き寝入りするケースも考えられます。
「日本人旅行者は金持ち」という認識が一般的になっていますので、次のことを励行するように心掛けて下さい。
ア 貴重品(旅券、現金、クレジットカード等)は体から離さない。バッグ類は原則としてたすき掛けにする
イ 人前で財布を出して現金を数えたりしない。店内で支払うときも、店外から財布をどこに入れるかを、見られているかもしれないことに注意する
ウ 駅、空港、ホテル、レストラン、路上等どのような場所でも警戒を怠らない
エ 夜は勿論のこと昼間でも出来るだけ一人歩きを避け、不用意に路地に入らない
車輌の右側走行をはじめ、法規や習慣面で日本とは異なる点が多々あり注意が必要です。
市内や高速道路では、法定速度を超える速度で走行する車両が多くみられますが、周囲の速度に惑わされて、スピードを出しすぎると危険です。スピード違反には厳しい罰則が設けられています。
また、当地では食事やパーティー等で飲酒した後、車を運転して帰宅する人が多く見られますが、飲酒運転にも厳しい罰則規定が設けられています。
人身事故の場合、まずは人命救助が第一です。救急車を呼び、警察に連絡するとともに、必要があればその場で応急措置をとってください。
軽い怪我の場合でも、後日容態が悪化したり、保険手続きが必要となる場合もありますので、警察に通報し、病院に行っておいた方が賢明です。
物損事故の場合、通常警察は介入せず、当事者間で事故調書(保険請求用)を作成しますが、双方の言い分が食い違う場合等、状況によっては警察を呼んだり、保険会社に連絡する必要がでてきます。
また、事故の相手を身分証明書等で確実に確認すると共に、用心のために相手の車のナンバーをメモするようにして下さい。
当国では、過去20年以上テロと呼べる事件は発生していません。しかし、テロは、何時、何処で発生するかわかりません。万が一、テロの発生現場に遭遇した場合は、まずは現場から離れて下さい。誘拐事件等の不法監禁事件は発生していますが、これはいずれも金銭貸借のもつれや家族間の揉め事に端を発したものです。
犯罪や事故等で警察を呼ぶ場合には113番に、救急車、消防等の救援を求めたいときは112番に電話して下さい。
特に緊急医療処置が必要な場合は、負傷者を自分で病院に連れて行くよりは、救急車を要請した方が、費用はかかりますが、早く処置を受けることが出来ます。
また112番では当番医、当番薬局の案内も行っています。
「泥棒!」=オー・ヴォルール!(Au voleur!)
「警察!」=ポリス!(Police!)
「助けて!」=オー・スクゥール!(Au secours!)
「事故だ、救急車!」=アクシダン、アンビュランス!(Accident!ambulance!)
犯罪や事故にあった場合には、大使館にもご連絡下さい。必要な措置を助言します。 緊急な場合は、夜間でも、祝祭日でも大使館に連絡して下さい。
大使館電話番号 46 41 51 1
FAX番号 46 41 76
Eメール embjapan@lx.mafa.go.jp
大使館住所 62, Avenue de la Faïencerie, L-1510 Luxembourg
盗難にあった場合、ただちに警察に届け出て下さい。保険金を請求する場合には警察が発行する盗難証明書が必要ですので、警察に請求して下さい。
大使館へ「紛失一般旅券等届出書」を申請して下さい。上記の盗難証明書の他、ご本人の写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm)が必要です。万一のために、あらかじめ旅券のコピーをとり、旅券とは別の場所に保管しておいて下さい。
ア 在留届は、緊急時の連絡先を把握する資料として非常に役立ち、皆様のためになるものですので、必ず提出してください。また、ご家族の帰国、転居等在留届の記載内容に変更があったときは、必ず大使館に届出てください。
イ 平素から緊急事態の発生に備え、家族間、企業内での緊急連絡方法等を決めておく必要があります。
ア 旅券、住民登録証明書のほか、最低限必要な現金は、直ちに持ち出せるようしておく必要があります。
イ 緊急時には一定期間自宅での待機を余儀なくされることもあります。非常用食品、医薬品、燃料などを家族構成にあわせ、平素から準備しておくことが望まれます。
平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないように注意してください。
ア 大使館からの情報は、メールや日本大使館ホームページを通じて提供します。
※在ルクセンブルク日本大使館のホームページ
http://www.lu.emb-japan.go.jp/![]()
イ 緊急事態発生の際には、当地報道、JSTV、インターネットなどによる正確な情報収集を心がけてください。
ご自身や家族又は他の在留邦人の生命・身体・財産に危害が及んだとき、または及ぶ虞れがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を大使館にお知らせください。
旅券は、常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください(6か月以下の場合には当大使館に再発給の申請をしてください)。旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。下段に血液型(blood type)何型と記入しておいてください。なお、当国における滞在許可証はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。
これらのものは、緊急時には旅券同様すぐ持ち出せるよう保管しておいてください。現金は家族全員が10日間程度生活できる外貨及び当座必要な現地通貨を予め用意しておくことをお勧めします。なお、出国する場合の出国税及び空港使用税(これらが必要な場合)の用意も必要です。
ア 自動車をお持ちの方は常時整備しておくよう心掛けてください。
イ 燃料は十分入れておくようにしてください。
ウ 車内には、常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備えおきください。
エ 自動車を持っていない方は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を取り、必要な場合に同乗できるよう相談しておいてください。
避難場所への移動を必要とする事態に備え、次の携行品を備えて、すぐ持ち出せるようにしてください。
ア 衣類・着替え(長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で、殊更人目を引くような華美なものでないもの、麻、綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。)
イ 履き物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの)
ウ 洗面用具(タオル、歯磨きセット、石鹸等)
エ 非常用食料等
しばらく自宅待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいてください。一時退避の目的で自宅から他の場所へ退避する際にはこの中からインスタント食品、缶詰類、粉ミルクを、また、ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい)を携行するようにしてください。
オ 医薬品
家庭用常備薬の他、常用薬、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏
カ ラジオ
NHK海外放送、BBC、VOA等の短波放送が受信できる電池使用のもの(電池の予備も忘れないようにしてください)
キ その他
懐中電灯、予備の強力バッテリー、ライター、ローソク、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、防災頭巾(応急的に椅子に敷くクッションでも可)