在留邦人向け安全の手引き 在ロンドン日本国総領事館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


在ロンドン日本国総領事館在エディンバラ日本国総領事館
(※)
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安全な英国滞在のために
[防犯ガイド]

平成22年10月

在ロンドン日本国総領事館

在エディンバラ日本国総領事館



はじめに

英国の治安は比較的良好と言われておりますが、2009年4月から2010年3月にかけての犯罪統計によれば、事件として警察等に記録されただけでも英国(イングランド、ウェールズ、スコットランド及び北アイルランド)において約479万件の犯罪が報告されています。
上記件数は、対前年比では、7.7%の減少となっておりますが、2009年(暦年)の日本の刑法犯罪認知件数が年間約170万件であること、更に、日英の人口比を勘案すれば、英国の治安情勢は日本に比べれば相当程度悪いものと考えられます。
観光・出張等の目的で当地を訪れる邦人も年々増えておりますが、これら短期滞在者の他、当地での生活に慣れている長期滞在者でさえ窃盗、強盗等の犯罪に巻き込まれるケースも少なくありません。被害状況は悪質な手口は別として比較的類型化されており、日頃から注意して対策を考えておけばかなり予防できると思われます。
とかく日本人は海外における安全意識が欠如(無防備、無警戒)していると指摘されております。海外において犯罪の被害に遭わないためには当局の防犯対策のみに依存することなく、皆様一人一人が日頃から防犯意識をもって行動されることが何よりも必要なことと考えます。
本ガイドでは、海外に長く在留される方々にとっては当たり前のことかも知れませんが、特に邦人の方々が被害者となり易い犯罪について防犯上の一般的な心構えと対策を記し、皆様のご参考に供したいと思います。


1.英国での犯罪発生状況

   英国内務省等の統計によると、2009年4月から2010年3月にかけて警察に記録された犯罪件数は約479万件 (日本の2009年刑法犯罪認知総数は約170万件)で、その数は対前年比7.7%と減少しております。同期間中の犯罪発生率(人口10万人あたりの犯罪発生件数)は、約7,857件 (日本の2009年犯罪発生率は約1,383件)で日本の約6倍あり、他の先進諸国と比べても相当に高い犯罪発生率といえます。
なお、上記犯罪件数はあくまで被害届等から警察が認知した数だけであり、未届等の犯罪も含めると、実際の犯罪総数はその約数倍とも言われておりますので、犯罪の被害に遭わぬよう充分な注意が必要です。



2.一般犯罪に対する対策

(1) スリ・置き引き
2009年中にパスポートが盗まれ、在ロンドン及びエディンバラ日本総領事館に届け出があった数だけでも196件にも及んでおり、更に、これに本人の過失による遺失等を含めるとパスポートの紛失・盗難は333件にも上ります。これは、パスポートがからまない金銭のみの盗難被害を含んでいませんから、邦人がいかに被害にあっているか分かります。
英国はクレジットカードや小切手での精算が一般的で、英国人は通常数十ポンド程度の現金しか携行しないのに対し、日本人旅行者は多額の現金を持ち歩いていると思われていることなどから、犯罪者の格好のターゲットとされやすくなっています。スリ・置き引きについては、少しの注意を払うだけで予防できるものですので、次の諸点に注意してください。
  • 空港や駅及びPiccadilly Circus、 Oxford St、 Knightsbridge、 Camden Lock、 Victoria駅周辺等のショッピング街、バッキンガム宮殿正門前広場や大英博物館における被害が多発している。人混みでは特に貴重品に注意を向ける。
  • 現金はできるだけ内ポケットに入れ、しかも分散(大小2つのサイフを併せ持つなど)して身につけるように心掛ける。
  • 肩掛け式のハンドバッグやデイバッグは身体の正面に位置するようにして持ち歩く(デパート、地下鉄の中でも同じ)。
  • 空港、駅等で座っているとき、ホテルでのチェックイン・チェックアウト時、デパート、土産品店での買い物、或いは観光先での写真撮影の際も、常に荷物を視界内に置いて、かつ、身体から離さぬようにする。
    写真を撮影している人が、撮影中に貴重品をスリとられる事案が多く発生している。
  • レストラン等で食事をする際には、ハンドバッグ等イスにかけたり、床に置かない又は、置いたままで席を離れない。また、現金やパスポートを入れたままで上着等をコート掛けに掛けない。
  • ロンドン市内地下鉄におけるスリによる被害が多発しており、中心部の乗降客の多い駅(Victoria、 Leicester Square、 Oxford Circus、 Kings Cross、 Piccadilly Circus等)で多く発生している。なお、スリに関しては、単独犯だけでなく、複数人(子供を含めたグループのときがある)による犯行が多く、1人が注意を引きつけている間に別のものがスリとるという手口をとる。従って、地下鉄の中では互いの身体等が触れるほどに混み合った車両は避けるよう心掛ける。
  • スコットランドでは、特に夏の観光シーズンやクリスマスから年末にかけてエディンバラ等の市内でスリや置き引きが多発しているので、貴重品の入ったバッグ類は体から離さない。
(2) 路上強奪・ひったくり等
路上での強盗やいわゆる「ひったくり」は、特に人気のない通りや夜道での被害例が圧倒的に多く、その手口は駅の出口等の人が多いところから被害者をつけて行き、やがて、人気のない夜道等に入った時点で駆け寄り、(時には被害者を突き倒す等しながら)強引にバッグを奪って走り去るなどの方法で行われています。特に近年日照時間が短くなる冬場の被害例が目立っており、比較的安全と言われる地域でも発生しています。また、最近は携帯電話や携帯音楽プレーヤーを狙った犯行も多発しています。
  • ハンドバッグ等は常時正面に位置させて手を添えながら持ち歩いたり(肩掛けのあるものはたすき掛けにする)、あるいは、先にバッグを肩へ掛け、その上からコートやジャンパー等を着用し、外見上バッグがあまり見えないようにする。
  • 夜間外出する際は周囲に注意を払い、人気のないところは歩かず、可能な限りタクシーを利用する。
  • 夜間、あるいは人通りのない道を歩くときは、肩越しに振り向いてつけてくる者がいないかを確認し、怪しい者が後方にいる場合には道を渡るあるいは速やかに人目につく場所に移動する。
  • 可能であれば、貴重品や鍵等の盗まれた場合の損害が大きいものに関しては、事前に安全な場所で鞄の中から服のポケットなどに移し替えておく。
  • 深夜に自家用車等で帰宅した際は、車内で家の鍵を取り出しておき、付近に不審者がいないことを確認した上で降車し、素早く玄関内に入るようにする。
  • パーティーの帰りなどに夜遅くに帰宅する時は、高価な指輪、ネックレス、時計等は事前にはずしてポケットなどに隠しておく。また、このような時には電車、バスはできるだけ利用しない。
(3) 空き巣及び自動車関連窃盗について
空き巣及び自動車関連窃盗の発生件数は非常に多く、多数の日本人が被害に遭っていますので、しっかりとした防犯対策が望まれます。
空き巣
空き巣被害に遭わない為に最も重要なことは、留守である兆候(新聞、郵便物がたまっている、家中の電気が消えている等)を見せないこと、また、英国内務省によると空き巣の4分の1は施錠を忘れた窓や玄関から侵入している由につき、たとえ昼間の短時間の外出でも戸締りを励行してください。
なお、英国内務省の調べでは、空き巣の半数以上が夕方及び夜の時間帯に発生しているとのことですので防犯対策の参考にしてください。
  • 通りに面したゲートを閉める。
  • 侵入が容易な窓を閉める。
  • はしご等を庭などに放置しない。
  • 郵便受けや玄関マット下に玄関扉の鍵を置かない。鍵には名前、住所等を書かない。
  • 外部から見える場所に貴重品を置かない。
  • 長期間の旅行や夜間の外出時は家中を完全に消灯しない(タイマー付き照明装置の使用も良策)。また、旅行に出かける際は、留守を察知されないよう、新聞、牛乳等の配達を停止したり、近所の人に駐車場を使用させる。
  • 帰宅時に家の様子がおかしいと感じられた場合は、家の中での鉢合わせを避けるため、すぐに中に入らず、近隣や警察に助けを求める。
  • 家の玄関の施錠は二重以上にし、ドアチェーン、覗き穴を取り付ける。
  • 防犯アラームを設置し、外出時はもとより、在宅中でも必ずセットする。
  • 被害に遭った時のためにも家財の盗難被害を補償する保険(海外旅行保険、家財保険等)には必ず加入しておく。
  • 一度盗難にあった家には、再度空き巣が入る例が多いので特に警戒すると共に家主と交渉して防犯措置(格子窓、照明、鍵の強化等)の増設を検討する。
  • 警察署等公的機関が関与している盗難監視隣組組織(Neighborhood Watch Schemes)があれば加入するのも良策。
  • 旅行に際して空港等までの送迎にミニ・キャブを呼ぶ場合には、知人等の信頼できる人から紹介を受けた実績のある業者を利用する。
自動車関連の窃盗
自動車本体や装備品、車内に置かれた品等が盗まれるので、いつも注意を欠かさないことが必要です。
  • 自動車用盗難警報装置(アラーム)を設置する。
  • 短時間の駐車でも、必ずドアをロックし、車内に携帯型カーナビゲーションシステムや荷物(バッグ、箱、上着等の貴重品が中に入っていると他人に思わせるもの全て)を放置しておかない。
  • 人目に付きにくい場所には駐車しない。
  • 夜間の路上駐車はできるだけ避け、やむを得ず駐車する時でも明かりの下に駐める。
  • 駐車場内であっても、できるだけ係員の目が届く場所に駐車する。
  • 盗難をカバーする保険に加入しておく。
  • 車検証及び免許証は、コピーを車内に置いておきオリジナルは別途保管する。
  • 乗車中はドアをロックし、また、助手席等の窓を開けたまま車外から手の届くところにバッグを放置しないこと(信号待ちで停車中に車外から窓越しに荷物を奪われることがある)。
(4) 強盗(電気メーター確認業者、建築業者、庭師等を装った強盗)について
最近では電気メーター確認業者、建築業者、庭師等を装った強盗が増加しているので次のとおり注意が必要です。
  • 裏口のドアは鍵がかかっているか確認。
  • 身分証の提示を求める等訪問者がどういう人か確かめる。
  • 面識のない人を家に入れない。
  • 不審に感じたら後日出直してもらうように言う。(後日近所の人等と確認する。)
  また、一軒家などでは、深夜の就寝中に侵入する強盗も発生しているため、次のような防犯対策が必要です。
  • 防犯アラームは、警察への通報がなされる契約とする。
  • 在宅中もアラームをONにしておく。
  • 予め家族で退避する部屋を決めておき、部屋の内側から施錠できるように整備し、いざという時には、その部屋に逃げ込み警察の到着を待つ、又は、携帯電話で助けを呼ぶ。
(5) 薬物関連犯罪
英国において、マリファナ(大麻)、ヘロイン、コカイン、覚醒剤、MDMA(一般に錠剤型をしていて、“エクスタシー”、“E”等とも呼ばれる。)、シンナー等の薬物犯罪が社会問題化しているため、税関や警察が取締を強化しており、違反者は法律に基づき厳罰に処されます。
これまでも、薬物使用で警察当局に逮捕されたり、薬物中毒で精神障害に陥った日本人の犯罪の事例もありますので、決して手を出さないでください。また、「麻薬の運び屋」に仕立てられる危険性もありますので、親切心から他人の荷物を安易に預かったり、搬送を引き受けたりしないよう心掛けてください。

(6) テロリズム
これまでに、英国内において日本人及び日本企業等を直接のターゲットとしたテロ事件は確認されていません。
しかし、2005年には、ロンドンで死者52人を出す連続爆弾テロが発生しました。その後も、イスラム過激派による国際テロの脅威は高いままで、2010年10月現在、英国における国際テロの脅威度は「深刻(severe)」とされています。(英国では、5段階の脅威度が設定されており、「深刻」は、上から2番目に当たります。テロが発生する可能性が極めて高い(Highly likely)ことを意味します。)
また、北アイルランドでは、宗教的対立や英国からの分離をめぐる対立により長年北アイルランド紛争が続いてきましたが、近年、平和プロセスが進み、自治政府も再開されました。しかし、一部の過激派はテロ活動を継続しており、2010年10月現在、アイルランド関連テロの北アイルランドにおける脅威度は、「深刻」(上から2番目)、英本土における脅威度は「相当(substantial)」(上から3番目)で、テロの発生する可能性が強い(strong possibility)を意味します。
したがって、日頃から新聞やテレビ等を通じ、関連情報に関心を払うとともに、公共交通機関を含めて公共の場では不審な人物や荷物に安易に近づかないなどの注意が必要です。
また、テロ事件等の発生現場に遭遇したり、巻き込まれて被害に遭うなど、不測の事態に遭遇する可能性も考えられることから、英国政府作成の対処要領(下記参照)等を十分活用するとともに、家族、職場、日本の留守宅等と常に連絡がとれるよう平素から心掛けてください。

(注)英国政府は、「緊急事態への備え-知っておくべきこと(Preparing for Emergencies - What You Need to Know)と題する緊急事態への対処要領を作成しました。同要領は、関係各政府機関の専門家により作成されたもので、以下のような内容となっています。
  • 緊急事態発生時に一般的になすべきこと。
  • 火災、爆発、CBR(化学、生物、放射能兵器)テロ事案等が発生した際にすべきこと。
  • 基本的な応急救護措置。
  • 緊急事態に備え日頃から心掛けておくこと。
  • テロを防止するために国民の一人一人ができること。
(7) 性犯罪
2009年4月から2010年3月にかけての強姦(レイプ)事件は15,165件発生しています。2009年に在ロンドン日本総領事館が情報を入手した被害は2件ありました。犯罪の性質から被害届を提出しないケースも相当数あるとも言われています。女性の夜間の一人歩きや良く知らない人からの言葉巧みな誘いには特に注意を欠かさないことが必要です。住宅の広告をおとりにして部屋に連れ込む等の手口も見られます。
  • 夜間の外出、深夜の地下鉄・ミニキャブの利用はなるべく避けた方が無難。
  • 夜間外出するときには出来るだけ正規に許可されたブラックキャブ等のタクシーを利用する。
  • 片言の日本語を使って用事もないのに近寄ってきたり、馴れ馴れしくする人がいたらおかしいと思った方がいい。
  • 見知らぬ人、初対面の人の誘いには軽々しく乗らず、人気のないところには決してついていかない。
  • 住宅の下見には複数でいく。
  • 住宅の賃貸は不動産屋を通して行う。
  • 予期しない訪問者があった場合はドアの覗き穴や窓からどういう人か確かめ、絶対にドアを開けない。業者を名乗る人にはドア越しにID提示を求める。
  • 言葉、地理、習慣に不案内な外国にいることを忘れず、日本にいた時よりも用心する。
(8) 誘拐
当国では過去、邦人に絡む営利誘拐事件は把握されていませんが、我が国の存在感が高まるにつれ、海外に居住する邦人に対するこの種の犯罪の発生が常に懸念されるところです。対象者の通過時刻や行動を予測しやすいことから、誘拐事件の大半は通勤通学途上の自宅もしくは勤務先等の近くで発生し、また、犯人は通常、誘拐を実行する前に被害者の行動パターンなどを十分に下調べ(犯行予定場所の下見・被害者の監視・情報収集等)したうえで実行します。参考までに日常心がけておいた方がよいと思われる注意事項として次のような点があります。
また、英国では子供だけでの留守番(ホームアローン)自体は法律により禁じられてはいませんが、万一子供だけの留守番中に子供が危害を加えられたり、怪我をしたりした場合には、両親が罪に問われる可能性がありますのでご注意ください。
  • 自宅近辺等で、一見何でもないが、毎日起きていることとは違う事柄がないかどうか注意する習慣をつける。
  • 自宅等の周囲における不審人物・不審車両の有無に注意する。
  • 追尾する不審車両に気づいたら一旦停車するか、又は徐行する等して確認する。
  • 毎日決まった時間(経路)の出勤、帰宅、外出等は被害者として選定されやすいので時々変更する。
  • 自宅の電話番号、住所はむやみに他人に知られないよう心がける。
  • 子供のみでは通学させない。
  • 子供のみでは外で遊ばせない、また、買い物にもやらないこと。
  • 車両を駐車する際、子供のみを車内に取り残さない(児童虐待になることもある)。
  • ドアをノックされたときは、必ず覗き穴等で相手を確認してからドアを開ける。
(9) 交通情報等
英国運輸省の統計によると、2009年中の交通事故による死傷者は222,146人で、うち死亡者は2,222人です。
英国は日本と同じく車は左側通行ですが、一般的な法定速度は30マイル(約48キロ)から70マイル(約112キロ)と、日本より高速での走行が認められており、ラウンド・アバウトや横断歩行者用ビーコン等の日本と異なるシステムもあります。また、必ずしも歩行者優先という考えはなく、道路の通行や横断等には充分な注意が必要です。
  なお、英国の交通法規である『THE HIGHWAY CODE』はインターネットから閲覧できますし( www.highwaycode.gov.uk別ウインドウが開きます)、書店や郵便局などで購入できます。
鉄道、地下鉄、バス等の公共交通機関は概ね安全ですが、深夜の利用、また、人が少ない車両に乗車することは避けた方が無難です。また、日本と違って乗越し精算は認められず、乗越しが見つかると罰金を取られるので注意が必要です。
ロンドンの正規タクシー(ブラックキャブ)の運転手になるには、厳しい審査(犯罪歴の有無等)や試験が必要であり、正規タクシーは安全と言えます。一方、ミニキャブや白タクは、交通事故時の補償などに問題があるといわれているので注意が必要です。
ロンドン市内中心部は「混雑課金(Congestion Charging)」エリアに指定されており、平日の午前7時から午後6時までの間に同エリアで自動車を運転する場合、1日につき10ポンド(2011年1月現在、以下同じ)を事前又は当日にオンライン(www.cclondon.com別ウインドウが開きます)、電話、指定された商店やガソリンスタンド等で支払う必要があります。支払いが遅れた場合、翌日(又は翌課金日)中は12ポンド、14日以内は60ポンド、28日以内は120ポンドで、それを過ぎると180ポンドと支払額が増加します。また、主要道路にはバスレーン(赤色の車線)が設置されており、指定時間内(一般に平日のラッシュアワー時ですが、場所により規制が異なります)にこの車線を一般車で走行すると120ポンドの罰金が課されますので注意してください。
エディンバラ市内等の主要道路にはバス・タクシー・自転車用の専用レーン「Green Way(緑色の車線)」が設置されています。この車線では一般車の運転は禁止(但し、時間帯によっては走行可能な場所もあるので標識をよく確認すること)されていますので注意してください。
運転中の携帯電話の使用は禁じられています。ボイスメールに切り替えておく、またどうしても通話する必要がある場合は道路脇に停車してから使用するようにしてください。

(10) 子の居所の移動が犯罪になる場合
Child Abduction Act 1984は、親権を持つ片方の親を含む「子と関連する者(a person connected with a child)」が、他に親権を持つ者の同意なしに16歳未満の子を英国外に連れ出した場合は刑法上の罪(子の奪取:child abduction)を構成すると規定しています。たとえ両親が離婚していたとしても、通常もう片方の親も引き続き親権を有していますので、「子の奪取」が成立する可能性があります(裁判所が子を国外に連れ出すことについて許可している場合はこの限りではありません)。
「子の奪取」で有罪とされた場合、略式手続による場合は6ヶ月以下の拘禁刑若しくは罰金又はその両方、正式手続による場合は7年以下の拘禁刑に処されます。
例えば、英国に住んでいる日本人親が他方の親の同意を得ないで子を日本に一方的に連れて帰ると、たとえ実の親であっても英国刑法に違反することとなり、英国に再渡航した際に犯罪被疑者として逮捕される場合がありますのでご注意ください。

(11) その他
ロンドン市内の繁華街であるSOHO地区等では法外な料金を請求するいわゆる『ぼったくりバー』が極めて多く、概して女性が接客を行う同地区のバー等には注意が肝心。法外な料金表を見にくいところに掲示してあるなど、警察に訴えても取り締まれない巧妙な手口が目立ちます。
英国は武器の携行には厳格な措置を講じており、催涙スプレー、スタンガン、特殊警棒、メリケンサック、ナイフ等の無許可携帯は全て違法です。それと知らずに護身用具として携行し、空港などで逮捕された邦人の事例もあるので注意してください。
自動現金引き出し機で現金を引き出している最中に背後から声を掛けられ、振り向いた隙にカードを機械から抜き取られ、被害者がカードを盗まれたことに気付かない(機械の故障と思い込んでいる)うちに他所の引き出し機へ移動して多額の現金を引き出すという手口に遭うこともあります。利用時には周辺に変な人がたむろしていないか注意をし、更に暗証番号を入力する際には、周囲や背後を確認して他人に暗証番号を知られないようにしてください。
最近邦人学生を狙った寸借詐欺事件が発生しているので、見ず知らずの者に金銭を貸さない等の注意が必要です。
バッキンガム宮殿前などには、観光客をターゲットとするインチキ写真屋、物売り、スリが出没していますので、御注意ください。
偽装警察官によるカード等窃取が多発しています。犯行の手口は次のとおりですので、見知らぬ人物が近づいてきた場合には、可能な限りかかわり合わないようにする。また、人気のない場所には絶対に付いて行かない。警察官が、クレジットカードの提示を求めたり、暗証番号を聞くことはありませんので、不審に感じられた場合には、周囲にいる人に助けを求める。本件犯罪に巻き込まれた場合には、速やかに警察へ通報するとともに、カードの停止措置を行うようにしてください。

旅行者風の人物が突然話しかけてくる。間もなく警察官と称する人物(私服)が現れ、まず、初めに話しかけてきた人物(旅行者風の人物)に身分証明書やクレジットカード、財布等の提出を求め、同人物はそれに従う。次に警察官と称する人物は被害者にも同じ要求をすると共に、クレジットカードの暗証番号を聞いてくる。その後、被害者が提出したものは返却されるが、カードや現金の一部を巧みに抜き取られている。クレジットカードを抜きとられた場合には、その後それを不正使用される。
 最近エディンバラ総領事館に、人通りの少ない場所での嫌がらせ(横断歩道で待っている間に野次られ背中を押される、通りすがりに頬を叩かれる等)に関する相談が寄せられています。前もって通学、通勤路周辺の情報を入手し、近道を選ばず、人通りの多い通りを歩く、バスやタクシーを利用するなど工夫が必要です。
親族、友人等と電話がつながらない、連絡が取れない、行方が不明であるとして、何らかの事件や事故等に巻き込まれているのではないかと案じた本邦又は当地関係者よりしばしば総領事館に安否の照会があります。幸い、ほとんどのケースが転居、旅行中などが連絡がつかない原因であり、ご本人の安全が確認されていますが、親族、友人等に無用な心配をかけない為にも、転居先や旅行先、連絡先等を必ず連絡し、普段から所在を明らかにしておくよう是非心がけてください。
また、英国に3ヶ月以上滞在する場合には、総領事館へ在留届を提出してください。
当国においては、犯罪から身を守るためのハンドブックとして、英国内務省や警察より各種の資料が作成、配布されています。これらの資料は、最寄りの警察署又は内務省よりとり寄せることで入手可能ですから、御一読されることをお勧めします。主な資料は次の通りです。
  • YOUR PRACTICAL GUIDE TO CRIME PREVENTION
  • STAY SAFE
  • PARTNERS AGAINST CRIME


3.緊急事態への対策

 テロ、大規模災害、自然災害などの緊急事態は、いつ、どこで、どのような形で起こるか予想がつかないことから、平素から緊急事態に備えた心構えをご家族、職場で話し合い、必要な準備を進めておくことが重要です。


(1) 平素の準備と心構え
ア 連絡体制の整備
  • 家族内、企業内での緊急時の連絡方法を平素から決めておき、確認する。また、平素から所在や行き先を家族や同僚に知らせる。
  • 緊急時には、携帯電話や固定電話が不通になる可能性があるので、予め代替連絡手段を考えておく。
  • 緊急連絡先を携帯電話のメモリー機能に頼ると、携帯電話の電池が切れた場合に利用できなくなるため、メモにして常時携帯する。
  • 所属している企業や団体などがある場合には、その中で独自に連絡網を作成する。
  イ 携行品及び非常用物資の準備
  • 英国では、緊急事態が発生した場合でも物資が不足する事態は基本的に想定されないが、買物が一時的に困難になったり、一定期間自宅待機を余儀なくされる可能性もあるので、食料、飲料水、乾電池などは、日頃からある程度買いそろえておく。(具体的なリストは下記(3)を参照)
(2) 緊急時の行動
ア 基本的心構え
 パニックにならずに、平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれない。
イ 情報の把握
 大使館や総領事館からの情報発出手段は、ホームページや電子メールに限られているため、現地報道やJSTV(日本語放送)、インターネットなどにより各自で情報収集するように心掛ける。
ウ 大使館や総領事館への通報  本人、家族又は同僚等の生命、身体、財産に危害が及んだ場合、又は、及ぶ恐れがあるときは、可及的速やかにその状況を大使館及び総領事館に通報する。
(3) 緊急時に備えてのチェックリスト
空き巣及び自動車関連窃盗の発生件数は非常に多く、多数の日本人が被害に遭っていますので、しっかりとした防犯対策が望まれます。
パスポート、身分証明証
有効期限を確認する。パスポートは、有効期限が1年未満になると更新可能です。
現金、クレジットカード、有価証券等
自動車の整備
*常時整備をし、ガソリンは常に十分いれておく。
*車内に懐中電灯、地図、ティッシュペーパー等を常備する。
*自動車を持っていない方は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連携を取り、必要なときに同乗できるよう相談しておく。
携行品の準備
*衣類や着替え
*履き物
*洗面道具
非常用食料
*自宅待機に備え、米、ミネラルウォーター、長期間保存の利く食料品を備蓄し、自宅から他の場所へ移動(避難)する際は、その中からインスタント食品、缶詰類、飲料水(水筒)等を携行する。
医薬品(常用薬や最低限の救急薬品)
ラジオ(電池使用のもの)
その他
*懐中電灯、ライター、ろうそく、ナイフ・フォーク、缶切り、栓抜き、紙又はプラスティックの食器、簡単な炊事道具、固形燃料等


4.緊急連絡先

(1) 「999」
イギリス国内では、警察・救急車・火事の際の緊急の電話番号は、いずれの場合でも「999」(ナイン・ナイン・ナイン)です。
999をかけると(公衆電話からでもかけられコインは不要)交換台が出ます。警察なら“Police, Please”、救急車なら“Ambulance, Please”、火事なら“Fire Service, Please”と言えば、それぞれの部署に繋いでくれるので、住所、氏名、電話番号、状態等尋ねられたことを落ち着いてゆっくり話してください。

(2) その他の連絡先
●邦人医療機関
 ○日本クラブ北診療所
Nippon Club Medical Clinic
Hospital of St.John’s & St.Elizabeth
60 Grove End Road, St.John's Wood, London NW8 9NH
Tel:020-7266-1121
 ○日本クラブ南診療所
Nippon Club Medical Clinic
Parkside Hospital
53 Parkside, Wimbledon, London SW19 5NX
Tel:020-8971-8008
 ○ロンドン医療センター
London Iryo Centre
234-236 Hendon Way, London NW4 3NE
Tel:020-8202-7272
 ○ジャパン・グリーン・メディカルセンター・シティ本院
Japan Green Medical Centre Ltd.
10 Throgmorton Avenue, London EC2V 2DL
Tel:020-7330-1750
 ○ジャパン・グリーン・メディカルセンター・アクトン診療所
Japan Green Medical Centre Ltd.
Unit 7, Acton Hill Mews,
310-328 Uxbridge Road, London W3 9QN
Tel:020-7330-1750
 ○ドクター・オカジマ・プラクティス
Dr. Okajima Practice
1 Harley Street,
London W1G 9QD
Tel: 0779-912-4302
 ○セントラル・ロンドン・ジャパニーズ・クリニック
Central London Japanese Clinic
14 Harley House,Brunswick Place
London NW1 4PN
Tel: 020-7935-0523
 ○Dr.伊藤クリニック
Dr.Ito Clinic
17 Harley Street,
London W1G 9QH
Tel: 020-7637-5560
 ○丁子 清 医師
Foscote Private Hospital
2 Foscote Rise, Banbury
Oxfordshire OX16 9XP
Tel: 078-9979-4646
又は
The Saxon Clinic
Chadwick Drive, Saxon Street
Milton Keynes
Buckinghamshire MK6 5LR
Tel:078-9979-4646

●在外公館
 ○在ロンドン日本国総領事館 (在英国日本国大使館)
Consulate-General of Japan at London (Embassy of Japan)
101-104 Piccadilly, London, W1J 7JT
Tel:020-7465-6565 (020-7465-6500)
http://www.uk.emb-japan.go.jp/
 ○在エディンバラ日本国総領事館
Consulate-General of Japan at Edinburgh
2 Melville Crescent, Edinburgh, EH3 7HW
Tel:0131-225-4777
http://www.edinburgh.uk.emb-japan.go.jp/

 

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