在留邦人向け安全の手引き 在ラトビア日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


防犯及び安全対策の手引き

平成24年2月
在ラトビア日本国大使館

Ⅰ.はじめに

ラトビアは人口約220万人、北海道とほぼ同じ大きさの国土をもつ、バルト海に面した国です。1991年にソ連邦から独立を回復し、2004年3月にNATO、また同年5月にEUに加盟しました。

首都リガの旧市街はユネスコの世界遺産に指定されており、歴史的建物が多く残る町並みが美しく、夏(6月~8月)の観光シーズンともなると多くの外国人旅行者で溢れます。

以下の各項目では、当国の治安状況並びに安全の心構えなどについて案内しています。皆様の当国での滞在をより安全なものとするために、参考としていただければ幸いです。

Ⅱ.ラトビアの治安・犯罪発生状況

2008年の急激な経済悪化の際には,警察官の削減等の影響により犯罪件数が一時的に増加した時期もありましたが、その後の経済回復に伴い治安も回復しており,現在は治安上の大きな問題は見受けられません。

また、薬物に関する犯罪事件も増えています。ラトビアでは、薬物の所持・使用はいずれも法律にて厳しく罰せられます。

<ラトビアの犯罪発生件数および内訳>
犯罪の種類 2009年 2010年
総数 56748 51108
殺人 109 82
傷害 188 181
強姦 69 79
窃盗 27067 25659
窃盗(家宅侵入) 4133 4194
強盗 1516 1072
フーリガン犯罪 582 429
(出典:ラトビア中央統計局)

Ⅲ.防犯の手引き

1.防犯の基本的な心構え

防犯及び安全対策の基本は、常に「自分の身は自分で守る」という心構えと、自分自身で色々な情報を入手するよう努めることです。

ラトビアはヨーロッパの他の国より安全だというイメージが先行するようですが、窃盗、スリ等の一般犯罪はどこにでもあり、ラトビアでも、日本人を含む外国人の被害が発生しています。ちょっとした気の緩みが被害を招くことになりますので、周囲の目を引くような格好や行動は慎み,身の回りに常に注意しておくことが肝心です。また、興味本位で手を出すような行為も絶対にしないで下さい。

2.防犯のための具体的注意事項
(1)住居

住宅の選定には様々な条件がありますが、防犯上の観点から、より好ましいと思われる選定条件をご紹介します。これらの諸条件に個人的な好みを加味し、検討されることをお勧めします。

(イ)建物の1、2階はなるべく避ける。

(ロ)窓やベランダ近くに木立や電柱など、侵入の足場として利用できる物がある部屋は避ける。

(ハ)居住者以外の者が自由に出入りできないよう、建物の入り口に、しっかりした施錠設備がある住宅を選ぶ。暗号式解錠装置が設置されていれば望ましい。

(ニ)玄関ドアにチェーンロックがある。

(ホ)玄関ドアに覗き窓やインターフォンがある。

(ヘ)ドアや窓の鍵が二重鍵となっている。

その他、知人との連絡体制や近所との協力関係を確立することに努め、知らない人が訪ねてきた際に安易にドアを開けない、などに心掛けることも重要です。

(2)外出時

(イ)一般に治安が悪いといわれる地域、例えば中央市場の裏や、中央駅周辺などを訪問する際は、特に気を付けて下さい。

(ロ)人混みの中に入るときは、持ち物に注意を払って下さい。

(ハ)リュックサックなど体の後にある鞄は、背後からナイフで切り裂かれたり、ジッパーを開けられて中の物を盗られたりすることがあります。また、ジッパーや紐でしっかり閉めることができないようなタイプの鞄は、容易に中に手を入れられ、中の物を盗られる可能性がありますので、注意が必要です。

(ニ)リガ旧市街地は、ユネスコの世界遺産に登録されている観光地ですが、同市街には細い路地があり、人通りの少ない所もありますので、このような場所はなるべく避けるようにしましょう。また、このバーやカジノもあり、酔っぱらい、若者等がたむろしていることがありますので、夜の一人歩きは避けて下さい。日本人の被害の多くは旧市街で発生しています。

(ホ)バスや路面電車の中で見知らぬ人から声をかけられ、話に気をとられている隙に所持品を盗られることがあります。見知らぬ人から声をかけられた際には、持ち物に十分注意を払って下さい。

(ヘ)当国ではアイスホッケーが国民的なスポーツであり、試合も頻繁に行われます。このため、時々、熱狂的な若者ファンが興奮状態となり、建物のガラス窓を割ったり器物を壊したりする事件も発生しますので、これらの集団には近づかないよう注意して下さい。

(ト)日本人を含めアジア系人種は非常に少ないため,周囲の人に注目されやすいことを自覚し,目立つ格好や行動に十分注意してください。

3.交通事故と事故対策

(1)一般的にラトビアの運転マナーは良いとは言えず、例えば歩行者優先が徹底されていません。道路を横断する際は、必ず横断歩道の標識がある箇所を、左右をよく確認して渡るようにして下さい。飲酒運転らしき車や、動きがおかしい車を見かけたら注意して下さい。なお、統計によると、2010年のラトビアの交通事故犠牲者数は、住民10万人当たり9.77人であり、欧州の中でもかなり高い水準にあります。

(2)事故に遭った際には、現場で相手との交渉に応じることなく、車を動かさずに直ぐに警察に連絡して下さい。

(3)駐車場付のアパートは数が少ないので、路上駐車をするか、近くの駐車場を借りるのが一般的です。このため、当地では車の盗難や車上荒らしが頻繁に発生していますので、車には必ずアラーム・システムを設置するようにして下さい。

(4)市内に車を駐車する場合、道路脇の指定された場所に駐車するのが一般的です。この場合、荷物は車のトランクの中に入れるなどして車の外から見えないようにしてください。また、パーキングメーターが設置されている場所では、必ず駐車予定時間を確認のうえ、それに相当する料金を事前に支払って下さい。有料駐車場では、監視員による巡回が頻繁に行われており、料金を支払ってない車は強制的にタイヤをロックされ、車が移動できなくなります。

(5)警察による交通違反の取り締まりや検問は頻繁に行われていますので、スピード違反や駐車違反等に充分気を付けて下さい。また、飲酒運転にも厳しい取締りが行われていますので、絶対行わないで下さい。

(6)当国では、車を運転する際、日中でもヘッドライトを点灯することが義務付けられています。

(7)冬期は路面が凍結するため、12月から翌年3月までの間は冬タイヤ(スタッドレス、スパイクタイヤ等)の着装が義務付けられています。また、冬期は午後早くに日が暮れ、歩行者が見えにくくなりますので、この点にも注意する必要があります。

(8)ロシアやベラルーシとの国境を陸路で通過する場合は、必ず国境審査の検問所のある道を利用して下さい。万が一、検問所のない国境を通過しそうになった場合は必ず検問所のある道まで引き返して下さい。国境付近は、必ずしも鉄条網等が張り巡らされているわけではなく、徒歩等にて森林地帯を通り抜けると越境してしまう危険性もあります。国境では厳しい取り締まりが行われており(特にロシアやベラルーシとの国境)、無用なトラブルを避けるためにも興味本位で国境付近に近づかないようにして下さい。

4.テロ・誘拐対策

ラトビアにおいては、国際的なテロ組織の活動は確認されておらず、テロの脅威は概して低いと見られています。また、身代金目的のものも含め、国内での誘拐事案は近年報告されていません。
しかし、国際情勢等の変化により状況が大きく変化する可能性もありますので、最新の情報の入手に努め、また、自分の身は自分で守るとの意識で、常に注意を怠らないようにしてください。

5.医療等
(1)病院

ラトビアは1991年まではソ連の一部であったため、多くの医師はロシア語で教育を受けており、受診の際は、ラトビア語又はロシア語で行うことになります。英語が通じる医療機関は少ないため、ラトビア語やロシア語を話すことができない場合は、受診の際に通訳を同伴されることをお勧めします。

なお、薬局は一般的に平日9時~18時、土曜10時~16時に開業し、日曜は閉業しています。薬は医師の処方箋により購入しますが、薬の種類によっては医師の処方箋がなくても購入できるものもあります。

リガ市内には以下のような病院、診療所がありますが、いずれも受診の際には予約が必要です。

Dr. Livija Caune(診療所)(英語可)
住所:Elizabetes iela 2a (WTC内)
電話:67321980
Diplomatic Service Medical Centre(診療所)(英語可)
住所:Elizabetes iela 57, 4F
電話:67229942, 67280352
Ars Medical Company(診療所)
住所:Skolas iela 5
電話:67201006, 67201009
Stradinš Hospital(大学病院)
住所:Pilsonu iela 13
電話:67069600, 67069280
Gailezera Hospital(総合病院)
住所:Hipokrata iela 2
電話:67042424, 67042444
(2)海外(旅行)傷害保険への加入

保険に加入してないと入国の際や滞在中に困る場合があります。入国前に保険に加入の上、保険加入証明書(英文表記)を携行した方が良いでしょう。また、クレジット・カードに付帯されている保険は、治療費の補償が充分でないことが多いため、契約内容をよく確認のうえ、必要に応じて別途保険に加入することを検討して下さい。

6.緊急連絡先

消防・総合緊急連絡先:01(固定電話のみ) 112(固定・携帯電話両方対応)
*24時間英語対応あり

警察:02(固定電話のみ) 110(固定・携帯電話両方対応)

救急:03(固定電話のみ) 113(固定・携帯電話両方対応)

在ラトビア日本国大使館
電話: (+371)67812001 又は (+371)67812002
FAX:(+371)67812004
*開館時間外の緊急連絡先 (+371)26335731

7.緊急時の言葉

助けて!
Palīgā!(パリーガー)

泥棒!
Zaglis!(ザグリス)

~を呼んで下さい
Lūdzu, izsauciet ~(ルーズ、イズサウチィエットゥ)

警察
policija(ポリチヤ)

盗難に遭いました
Mani apzaga.(マニ アプザガ)

病院
slimnīca(スリムニーツァ)

救急車
ātrā palīdzība(アートラー パリージィーバ)

気分が悪いのです。
Es jūtos slikti.(エス ユートス スリクティ)

英語を話せる人はいますか?
Vai kāds prot runāt angliski?
(ヴァイ カーツ プルゥァトゥ ルナートゥ アングリスキ)

日本大使館に連絡してください。
Lūdzu, piezvaniet Japānas vēstniecībai.
(ルーズ、ピエズバニエットゥ ヤパーナス ヴェースティニィエツィーバ)

Ⅳ.緊急事態に備えて

1.平素の準備と心構え
(1)在留届けの提出

大使館からの緊急連絡・安否確認は、原則として、当館に提出された「在留届」に基づいて行われます。在留届は領事サービスを提供する際の基礎となる貴重なデータですので、当地に3ヶ月以上滞在される方は必ず在留届を提出してください。住所や連絡先に変更があった場合や、帰国・転勤する際にも忘れずに当館までご連絡をお願い致します。

(2)連絡体制の整備

(イ)携帯電話や固定電話が長時間使用困難となりうることを考慮した上で、家族間、職場内で緊急時の連絡方法を決め確認しておきましょう。

(ロ)緊急連絡先などは、携帯電話などに登録するだけではなく、紙に書き留めて常時携帯するようにしましょう。

(ハ)緊急事態が発生した場合、大使館ホームページ上や緊急メール等によって情報を発出しますので、それらの情報も参考にしてください。

(3)避難場所

自宅や学校、職場から避難する事態となった場合の避難場所(ホテルや大使館等)についてあらかじめ確認し、家族間、職場内で共有しておきましょう。

(4)非常用物資の準備

買い物が一時的に困難になる、また、一定期間自宅待機を余儀なくされる事態に備え、保存の利く食料、飲料水等を10日分程度常備しておきましょう(物資の具体的な内容については以下3(4)をご参照下さい)。

2.緊急時の行動
(1)情報の把握

流言飛語に惑わされず、当館からの連絡やテレビ・ラジオ等を通じて最新情報の入手に努めてください。

(2)大使館との連絡の確保

緊急事態が発生した際には、当館からも情報提供に務めますが、皆様からもご自身・ご家族の安全や知り得た情報について当館へ通報してください。他の在留邦人への情報ともなります。

(3)緊急連絡・避難先

在ラトビア日本国大使館(Japanas Vestnieciba
所在地:Vesetas iela 7, Riga LV-1013
電話: (+371)67812001 又は (+371)67812002  
FAX:(+371)67812004
*開館時間外の緊急連絡先 (+371)2633 5731

3.緊急事態に備えてのチェックリスト
(1)パスポート

残存有効期間が6ヶ月以上であることを確認しておきましょう。残存期間1年未満となった時点で切替発給の申請が可能です。また、最終頁の「所持人記載欄」を必ず記載しましょう。

(2)現金、クレジットカード、預金通帳等の有価証券

緊急時にすぐ持ち出せるように保管場所等に留意しましょう。

(3)自動車の整備等

必要な場合にいつでも利用できるよう、常に整備点検を怠らず、日頃からガソリン残量が十分あるように気を配りましょう。車内に懐中電灯や地図、新聞紙等を備えておくと良いでしょう。

(4)携行品の準備

避難場所への移動を必要とする辞退が発生した場合、以下のような携行品が必要となることが予想されますので、普段から準備しておきましょう。

(イ)衣料品
衣類:行動しやすく、寒暑に対応しうるもの
履物:履き慣れて動きやすく、丈夫なもの
その他:帽子、軍手、毛布 等

(ロ)食料品:乾パン、缶詰、レトルト食品、粉ミルク、ミネラルウォーター
簡易調理器具、缶切り、栓抜き、軽量の食器 等

(ハ)その他:乾電池、懐中電灯、ラジオ、ライター、ろうそく、ゴミ袋、タオル、医薬品(常用内服薬、外傷薬、石鹸、包帯、絆創膏 等)生理用品、おむつ 等

Ⅴ.終わりに

ラトビアの国内情勢は安定しており、治安についても大きな問題はなく比較的良好と言えます。しなしながら、私たちにとってラトビアはあくまで「外国」であり、事故や事件の当事者となった場合、言葉の問題をはじめとして、日本で起こった場合と比べて二重三重に大変な思いをすることになります。

快適な滞在は安全の上に成り立つことを忘れずに、「万が一」に備えた防犯対策・安全対策を常に心がけることが大切です。

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