在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
在カザフスタン日本国大使館
今日,海外に居住する日本人は80万人以上,海外に渡航する日本人は年間1,700万人を超え,不幸にして日本人が海外で様々な事件や事故に巻き込まれる案件が増加の一途にあります。その為,在留邦人,旅行者の皆様にとってその安全をいかに確保するかということは益々重要な課題になってきています。
防犯の見地からカザフスタンにおいても決して例外ではありません。
このため在カザフスタン日本大使館では,日本人の皆様が当地において少しでも安全に暮らす為の参考になるよう,「滞在安全マニュアル」を作成しており,皆様にますます御活用頂ければ幸いと存じます。
内務局の発表によれば,2009年にカザフスタン共和国において発生した犯罪発生件数は,2008年同期に比べ4.9%減少とのことです。
また,殺人等の重大・凶悪犯罪は総じて減少し,犯罪組織の首領55人を検挙した旨発表しています。
しかし,内務局の公表には具体的な発生件数はなく,数字以外に犯罪が潜在しているものと思料され,これらの数字から治安状況が改善しているとは判断出来ません。
日本人が巻き込まれる事件も発生しています。2010年は,窃盗や複数の被疑者による強盗事件が発生しました。一歩間違えれば自分も凶悪犯罪の被害者になりうるという危機感を持ち,当地においても防犯意識を維持していくことが極めて重要となります。他の発生事件については,古典的な落とした財布を装った窃盗事件,モラルの低い現地官憲からの職務質問に伴う所持品検査に際し現金を抜き取られる事件や賄賂要求,安易に白タクを利用し法外な現金を取られる事件及び言葉が通じないことからトラブルに巻き込まれる事案等,数的には多くありませんが依然発生しており,特に旅行者の方々が巻き込まれているのが現況です。
海外では,安全な日本とは違った危険な国や地域が沢山あるとの認識をもち,意識を「海外モード」に切り替え「自分と家族の安全は自分達で守る」という心構えをしっかり持つことが大切です。ここカザフスタンも例外ではなく緊張感を維持した生活が大切です。
事件・事故などに巻き込まれてしまってからでは遅いのです。常日頃からの防犯意識が最大の防御になります。
安全の為の三原則とは「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」ということです。これらは当然のように思われますが,海外でこの三原則を守って生活することはそう簡単なことではありません。日本での行動形態・生活様式をそのまま海外に持ち込むと,本人の意識しないところで大変目立ってしまい,自らを危険に晒す事にもなります。
居住場所の選定は防犯対策上最も重要な問題となります。商業繁華街地区やカジノ等,素行不良な人々が集まる可能性が高い地域や,車や人通りが少ない地域等は避け,警備員等がいてセキュリティがしっかりした住宅を選ばれるのが最良と思われます。住宅の防犯対策としては空き巣,強盗などが考えられます。狙われるフロアーは1階・2階,最上階の順になります。ここ数年,在留邦人宅で発生した侵入事件はいずれも1階及び2階及び最上階の住居です。
日本でも同様ですが,侵入盗犯は犯行前に何らかの下見をするのが常ですので,家屋の防犯を強固にし,犯人に「この家は入りにくい」と思わせることが大切です。
ア アパートであれば,1階・2階・最上階を避けて中層階が良いと思われます。
イ 独立家屋であれば,敷地外周壁が堅牢な造りで,人目を遮ったり,犯行の足場となる樹木が近くにある住宅は避けて下さい(2.5メートル以上の壁若しくはフェンスがあり忍び返しが施されているのが望ましい)。
ウ 入口扉は,閂錠(シリンダー3本以上)を複数個設置した金属製の扉が良いでしょう。侵入盗犯は,短時間で侵入を試みるため,複数扉となっている家屋は嫌う傾向にあります。
エ 扉には覗き穴,安全チェーンを取り付け,来訪者を確認してから扉を開けるよう心掛けて下さい。又,警官の制服を着た偽警官もいますので,訪問の際は,必ず身分証明書等の提示を求め,身分の確認が出来るまで絶対に扉を開けないことが大切です。
オ 窓は,侵入盗犯にとって格好の進入経路です。対策としては,防弾ガラス及び鉄格子を設置することが考えられます。構造及び素材は簡単に曲げられたり切断されない強度を有することが重要です。
カ その他,窓・扉等に防犯センサーを取付け,不法侵入が起きた場合に威嚇サイレンが吹鳴・フラッシュライトが点灯する機能なども有効な方法です。
現実に強盗に直面してしまった場合,たとえばピストル・ナイフ等を突き付けられて金品を強要されたような場合,金品を出し渋ったり手向かったりすることは極めて危険です。このような状況に陥ってしまった場合には,自分の生命と身体の安全を第一に考え,財物は二の次と考えることが基本です。予め現金を別にポケットに入れ準備しておくことも生命・身体を守る意味で重要なことです。
住居内に万が一侵入盗犯が侵入してきた場合,絶対に抵抗せず,犯人を刺激しないよう心掛けて下さい。また,侵入盗犯の顔をじっくり見ることも大変危険なことです。両手を上げ無抵抗の意思を示しながら,予め準備しておいた現金をゆっくりと冷静に渡し,犯人を逃走させることが,海外生活において生命・身体を守る意味で重要な防犯対策になります。
(注意)上記対応策は,強盗・窃盗等の盗犯行為を目的とする犯人に襲われた際に,その二次的被害を最小限に食い止めるための一般的な注意事項を多くの事件の教訓を基にまとめたものですが,結論から言えば,異常な事態の被害者にならないよう,日頃から安全意識を持って行動するとともに,可能な限り防犯対策を講じておくことが重要です。
外出するときは戸締まり・火の始末を今一度確認し,覗き穴から周囲の状況・安全を確認してから扉を開ける。帰宅時も外出時と同様,自宅周辺に不審者が潜んでいないか,特に深夜帰宅する場合は運転手などに付き添ってもらい,安全を確かめてから自宅に入るよう注意することが大切です。
車両の盗難は,車両本体だけでなく,ワイパー・サイドミラー・タイヤといった付属部品も盗難の対象になります。車両の保管については,ハンドルとペダルを固定させる安全ロック,車両盗難防止装置等の取付け及び施錠可能な車庫を使用することが望ましいと思います。また,万一の盗難に対して,車両内には貴重品・重要書類は置かないよう心掛け,事故に遭遇した場合に備えて保険に加入しておくことも必要です。
ア 昼夜問わず白タクの利用は危険です。白タクを利用し強盗に遭った日本人被害者がおります。
イ 「カザフスタン共和国における外国人滞在の規則第3項」の条文の中に「外国人は常にパスポートを携帯し官憲当局から要求があった場合は提示しなくてはならない」と規定されています。外出時は必ずパスポート(コピー不可)を携帯して下さい。ホテル周辺・バザール,駅,バスターミナル等では,外国人の不法滞在取締りの為,頻繁に警察官による職務質問が行われており,身元が確認できないと拘束される場合もありますのでご注意下さい。
その際,所持品検査と称し財布から現金を抜き取る悪質な警官もいます。財布等貴重品は相手に渡すことなく自分で示すことが重要です。又,警官の制服を着た偽警官もいますので,必ず身分証明書等の提示を求めましょう。
道路環境は年々良くなってはいますが,幹線から枝道に入るといたるところに穴があいているのが現状です。また,白線が引かれた道路が少なく斜線が分かりづらいことと,運転マナーが極めて悪い為,慎重に防衛運転を心掛ける必要があります。冬期は道路が積雪化,アイスバーン化するので更に危険ですので,新しいスノータイヤを履いて車間距離を十分とることが必要です。
交通事故が起きた場合は直ちに交通警察へ連絡し現場臨場を求め,事故調書を作成してもらいます。尚,調書内容が不明な場合は,署名しないで下さい。又,交通警察が現場に臨場するまで事故車両は移動させず,現状のままにしておかなくてはなりません。また,自動車保険の手続きの観点から次の事に留意することが必要です。
事故に際しては,警察通報と同時に速やかに保険会社に連絡して下さい。それにより保険会社が鑑定人を派遣して実況見分を行い,それに基づいて損害額の査定が行われます。
(1)緊急時等に電話回線が断絶した際の連絡手段として,大使館にFM放送設備を設置し,情報を提供出来るようにしており,携帯ラジオやカーラジオで受信できるようになっております。その為常に携帯ラジオは使えるよう準備しておいて下さい(乾電池の予備も含め準備しておいて下さい)。
(2)アルマティではケーブルテレビ会社経由にて,NHK国際放送(プレミアム)が受信可能な地域もあり,外務省の海外安全情報等も放送されております。
警察:102番
火事:101番
急病:103番
日本大使館(アスタナ):(7172)98-78-43
開館時間:9時00分~18時15分
※夜間・休日の緊急時(緊急携帯電話)8-777-211-9802
在アルマティ出張駐在官事務所:(727)298-0600
開館時間:9時00分~17時45分
インターナショナルSOSクリニック:(727)258-19-11
アルマティVIP病院:(727)261-44-93、(727)261-12-88(緊急時)
※医療についての緊急相談等(医務官携帯電話) 8-777-225-4691
在留届とは,外国で滞在する際の命綱と考えて下さい。旅券法により外国に住所又は居住を定めて3ヶ月以上滞在する場合,氏名・住所・連絡先等を網羅した「在留届」を日本大使館に提出するよう定められています。在留届が提出されていないと,当大使館としても「あなた」の当地居住事実を知り得ません。その為,自然災害発生時や事件・事故発生時の安否確認やご家族等からの問い合わせにも迅速な対応ができず,ご家族に対し大変な心配をかけることとなります。また,在外選挙登録,旅券の切替,戸籍・国籍関係事務,各種の証明事務等を受ける際にも,在留届は有効に活用されます。
転居や家族の異動など変更事項が発生した場合や帰国時には,必ず大使館にご連絡下さい。
在留届の提出につき,皆様のご協力をお願い致します。詳細は領事関連→在留届をご参照願います。