在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
2012年2月
在イタリア日本国大使館
イタリアは、日本に比べ、必ずしも治安の良い国とは言えません。その原因は様々ですが、犯罪組織(マフィア)の存在、違法薬物の蔓延、不法移民の増加といった問題が挙げられます。従って、イタリアで生活する場合には、日本にいる時以上に安全に対する意識を高めることが重要です。
ローマ、ミラノ、ヴェネチア、フィレンツェ、ナポリなどの観光地を中心にスリや置き引き、ひったくりなどの犯罪に遭う日本人が後を絶ちません。こうした被害は皆様一人一人が防犯意識をしっかり持つことにより、ある程度、予防することが可能です。
この手引きは、主としてローマで生活される方を対象に作成したものですが、そのほかの各都市で生活される方々や、観光等の目的で短期間滞在される方々にも参考にしていただければ幸いです。また、外務省の海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp)のイタリアの項でも防犯対策等について案内していますので併せてご覧下さい。
この手引きに関するご意見等がございましたら、当大使館領事班までご一報頂ければ幸いです。
安全な海外生活を送るためには、まずその国の事情をよく理解する必要があります。生活習慣、国民性、社会環境はもとより、政治、経済情勢、対日感情、文化などについての理解が不足していたために誤解や摩擦が生じることがあり、ひいてはこれが犯罪被害につながることもあります。しかし、これら諸事情を理解するということは一朝一夕にできることではありません。長い期間当国に在住されている方々の意見に耳を傾け、出来るだけ早く当国事情を理解するよう努めていただきたいと思います。
イタリア人は人間関係を大変重要視する国民であるといわれています。アパートの上下左右等の隣近所の人たちや管理人等と日頃から良好な関係を維持しておくことは、万一の事態に際し、大変心強いものです。
どんな国でも、人気のない暗い通りや薬物中毒者等の集まるような場所など日常生活で危険と考えられる場所や時間帯がありますが、このように「危険」と言われている場所などには、特別の用事がない限りは「君子危うきに近寄らず」の言葉に従うべきと思われます。
まだまだ無防備の方々が散見されます。日本の生活感覚のままでいることなく、常に周囲に気を配り、自己防衛意識を持つことで被害を未然に防ぐことができると思われます。
安全対策には万全ということはないかもしれませんが、特別の事情が無い限り、対策がより厳重であればあるほど犯罪被害は減少すると言えます。また、十分な安全対策を講じているということが第三者からわかるようにしておくことも肝要でしょう。犯罪者も、罪を犯す際の危険度を最小にしようとするものです。自分が犯罪者だったら、どのような人を狙うかを考えてみることも防犯対策上有益であると思われます。
治安の良い地域を選ぶことは言うまでもありませんが、通勤、通学の途中に治安の悪い区域を通過しなければならないようなところは避けるべきでしょう。
また、入居した後では、不都合な面があっても家主が簡単に応じてくれないことがあります。契約前に十分なチェックを行いましょう。
例えば、
洋服や靴の試着中に、傍らに置いたバッグを盗まれるケースも多く見受けられます。店員がいるからといって気を許してはなりません。混雑した市場やのみの市などへは、最小限必要な金額以外は持参しない方が良いでしょう。
食事中にバッグを背もたれに掛けたり足元に置いたりするのは、グループであっても禁物です。上着やコートのポケットに貴重品を入れたままコートかけに掛ける、或いはセルフサービス等では、座席に貴重品を置いたまま食事を取りに行くなどは厳に避けるべきです。
また、ホテル内レストランにおいても、油断はできません。友人1人に貴重品を預け、トイレや食事を取りに行った際に、後方から声をかけられ振り向いた瞬間に他の仲間により荷物を持ち去られるケースも多くあります。
有名ホテルといえども、ロビーや廊下は屋外と同じと心得るべきです。チェックインやチェックアウトの際に足元やカウンターに置いたバッグ等を置き引きされるケースは後を絶ちません。また、部屋の中も決して安全とは言い切れません。誰かがドアをノックしても、相手が誰であるかを確認するまでは決してドアを開けないようにしましょう。従業員になりすました泥棒がベルを鳴らし、いろいろな理由(空調やバスルームのチェック等)を付け部屋に入り、堂々と泥棒を働くケースもあります。この様な場合、フロントに電話をかけ事実確認をすることをお勧めします。
また、ホテルの部屋にあるセーフティーボックスも安全とは言えません。セーフティーボックスに貴重品を入れておいたところ、セーフティーボックスごと盗まれてしまった、セーフティーボックスを開けられて貴重品を盗まれてしまったというケースも発生しています。セーフティーボックスが堅牢であるか、簡単に持ち去られるものではないか、確認されることをお勧めします。
銀行又はキャッシュ・ディスペンサー(ATM)で高額のお金を引き出した場合、近くにたむろしている人物に注意しましょう。銀行内にはガードマンがいるから大丈夫と思っていると、外へ出てから後をつけられ、車の乗降やアパートの入り口で鍵を開けるときなどの一瞬の隙をついて鞄ごと引ったくられるというケースが少なくありません。またキャッシュ・ディスペンサー(ATM)を利用する際にも、背後から話しかけられ、気を取られた瞬間に現金を抜き取られるケースもあります。
なお、キャッシュ・カードによるキャッシュ・ディスペンサー(ATM)の利用は、カードが機器内に吸い込まれ、戻ってこないトラブルがしばしば起こります。銀行へのクレームができる銀行の営業時間内の利用が無難です。
また、キャッシュ・ディスペンサー(ATM)から預金を引き出した旅行者や在留者が、カード情報や暗証番号を読み取られ、預金を不正に引き出される事件が相次いでいます。この種の犯罪の手口は、何者かがキャッシュ・ディスペンサー(ATM)に小型の機械を取り付けカード情報を読み取り、クローンカードを作成すると共に、暗証番号を入力する際の手の動きを小型カメラで撮影して暗証番号を盗みとるなどといったものです。予防策としては、近くに人がいなくても暗証番号を入力する際には手元を完全に隠し番号を読み取られないようにする、現金を引き出す際はキャッシュ・ディスペンサー(ATM)周辺に不審な機械が取り付けられていないか十分確認する、なるべく銀行建物の中にあるキャッシュ・ディスペンサー(ATM)を利用する等です。特に大金を引き出す際は、セキュリティーのしっかりした銀行内のキャッシュ・ディスペンサー(ATM)を利用するようにしましょう。
空港や駅は旅行者が多いため、彼らを狙う人物が、両替所付近や荷物の引き取り所等にたむろして、スリや置き引きの機会を狙っています。タクシーはタクシー乗り場で容易に見つかりますので白タクは絶対に避けて下さい。走り出してから法外な料金を強要したり、荷物を持ち逃げする、或いは不良ホテルに乗り付けて無理やり宿泊させる例もあります。
ローマでもっともスリに遭う危険が高い場所の一つが地下鉄やバスなどの交通機関です。日本人が被害に遭うのは、A線のテルミニ駅からスペイン広場駅の間、B線ではテルミニ駅からコロッセオ駅の間で特に多く発生しています。地下鉄に乗り込む際に、後ろから子供達が押し込む様に電車に乗り、その際にポケットから財布等をスリ取る事件も発生しています。また、カッターでバッグを切り、中の貴重品だけを盗るケースもあります。混雑している車内、特にドア付近が危険です。混み合っている車両は避け、止むを得ず車内が混み合っている車両に乗車した場合には、必ず手荷物を自分の前に抱え、常に注意する必要があります。
列車内では、コンパートメントで荷物棚に鞄を載せたまま眠ってしまったり、座席に荷物を置いたままトイレに立っている間に被害に遭っています。寝台列車で枕元に貴重品袋を置き、目が覚めたら無くなっていたという例もあります。車両の部屋に個別の鍵があっても信用はできません。また、座席から離れた荷物置き場に置いた荷物が出発前に消えていることもあります。最近では大きな荷物を車内に運び込むのを手伝うように見せかけて、手荷物から貴重品を抜き取るという手口もあります。出発間際に列車の外から声をかけられ、注意をそらされている間に、列車の中にいる仲間に貴重品を盗まれる事案も多く発生しています。
交通マナーについても、日本と比べて良いとは言えません。車が方向指示器を点灯させずに行う無理な割り込みや追い越し、突然の右左折・突然の停車などが日常的にみられます。車・二輪車・歩行者ともに信号を守らないこともあり、また、車や二輪車が一方通行の道を逆行してくることもまれではありません。高速道路で、出口を間違えた車がバックしてくることもあります。また路上駐車が非常に多く、回りを確認しないまま急にドアを開けることもあります。運転又は歩行の際には、常に細心の注意が必要です。
鉄道、地下鉄、バス、タクシーなどの公共交通機関は、しばしばストを行います。また、ガソリンスタンドがストを行うこともあります。これらの情報は、新聞やローマ市交通局(atac)のホームページ上等で得ることができます。
車同士や車と二輪の出会い頭の事故が多く、原因としては、優先通行や一時停止のルールが守られていないことが多いようです。事故が発生したら、被害者を病院に運ぶ、警察に連絡する、保険会社に連絡する等、迅速に対応する必要があります。
なお、レンタカーはほとんどがマニュアル車です。保険制度は発達しており、加入も容易です。
ローマ市内中心では車両通行規制が行われています。月~金曜日の06時30分~18時00分及び土曜日の14時00分~18時00分の間などの規制時間にこの規制ゾーンに侵入すると、後方から監視カメラで車両番号の写真が撮られ、後日罰金の支払い請求が送られてきます。これを知らずにレンタカーを借り、何度も通過したために、後に多額の罰金の支払いを請求されるケースが発生しています。
ローマ市内の詳しい規制区域や規制時間は、atac(ローマ市交通局)のホームページ上に掲載されていますので確認下さい。(http://www.atac.roma.it
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近年、イタリア政府は、犯罪組織(マフィア)の取締りの強化、不法移民問題の解消等を中心にした総合的な治安対策に取り組んでおり、イタリア内務省の統計によると、2010年の犯罪認知件数は約262万件と、前年との比較で-0.3%、2008年との比較では-3.3%となっています。しかしながら、人口比で見た場合、我が国の約3.5倍に相当する犯罪が認知されており、とりわけ、強盗や性犯罪の発生率が高いといえます。また、近年、ローマを始めとする都市部において、公共工事入札等に伴う利権の獲得を狙うマフィアの進出が著しいほか、近隣諸国の犯罪組織が浸透し、大量の薬物の密輸、路上売春等を行っていることが確認されており、これに伴う、犯罪組織間の抗争事件が発生するなど、治安状況の悪化が懸念されています。
イタリアには、南部諸州を基盤とするマフィアといわれる犯罪組織が存在しており、社会の各層に浸透しつつ、薬物取引、売春、賭博、企業・商店に対する恐喝、高利貸しのほか、密輸、不法入国の手引きなどの違法行為により巨額の違法収益を得ているといわれています。最近、マフィアは、イタリア各地、とりわけ、首都ローマや、北部の大都市部周辺に勢力を拡大させており、治安当局も警戒を強化しています。他方、2010年には、取締りの強化に反発したマフィアが、司法・警察関係施設を狙った爆弾テロ等を引き起こすといった事件も発生しています。
このほか、最近では、周辺国の犯罪組織が、イタリアマフィアと対立、あるいは連携するなどしてイタリア国内で勢力を拡大し、都市部を中心に様々な犯罪を行っているとみられており、治安当局も警戒を強めています。
イタリアへは、中央アジアや南アメリカなどからの違法薬物が、大量に流入していることが確認されていますが、最近は、若年層に対しても急激に蔓延しており、深刻な社会問題となっています。都市部では、薬物購入資金の入手を目的とした強盗事件等も多発していますので、薬物の密売が行われているとされるエリアや盛り場などには、近づかないようにしてください。
密入国や不法残留によりイタリアに不法滞在する外国人が大きな社会問題となっています。不法滞在外国人の中には、職が得られないなどの事情により、比較的安易に犯罪行為に関与するものも多く見られることから、注意が必要です。
イタリアでは、イスラム過激派グループの活動も確認されています。これまでのところ、同組織が関与したとみられる大規模テロ事件は発生していないものの、最近、イラクやアフガニスタンにおけるテロ活動を支援するための資金獲得、偽造旅券の製造、テロリストのリクルート等を行う組織が相次いで摘発されているほか、2011年には、欧州における国際テロの脅威が高まる中、国際テロを謀議していた容疑でイスラム系外国人が逮捕される事件も発生しています。
(イタリア大使館及びミラノ総領事館は時間外や休館日に緊急の案件がある場合は、24時間対応できる体制になっています。)
大規模災害やテロの発生などの緊急事態発生時には、日頃からの安全対策、心構えが肝要です。以下に平素の準備と心構え、緊急時の行動について必要な諸点をとりまとめましたので参考にされ、緊急事態発生時には落ち着いて行動されるよう心掛けてください。
平時の準備と心構え
「助けて」 Aiuto!(アイウート)
「泥棒」 Al ladro! (アル ラードゥロ)
「火事だ」 Al fuoco! (アル フオーコ)
「警察を呼んでください」 Chiamate la polizia!
(キャマーテ ラ ポリツィーア)
「救急車を呼んでください」 Chiamate un'ambulanza!
(キャマーテ ウナンブランツァ)
「病院に連れて行ってください」Mi porti all'ospedale.
(ミ ポルティ アッロスペダーレ)
「緊急事態です、急いでください」 Faccia presto, c'e un emergenza.
(ファッチャ プレスト チェ ウン エメルジェンツァ)
「誰か英語を話せますか」 Qualcuno parla inglese?
(クアルクーノ パルラ イングレーゼ)
住所:Via Quintino Sella, 60 00187 Roma
電話:06-487-991
FAX:06-487-3316
ホームページ:http://www.it.emb-japan.go.jp![]()
(日本語)http://www.it.emb-japan.go.jp/index_j.htm![]()
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