在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成25年1月1日
在イスラエル日本国大使館
この安全の手引きは、「自分の安全は自分で守る」という基本的な心構えの下、イスラエルで生活される日本人の皆様が知っておかれた方が良い諸点を示したものです。もちろん、これで十分というものではありませんが、防犯対策として、事件事故に巻き込まれないために、少しでもお役に立てば幸いです。
また、地震等の自然災害、戦争等の緊急事態発生の際には、皆様の安全のために、大使館は全力で対応に当たります。そのような状況に備えて、皆様各人が自己の安全対策に万全を期するように努力されること、またそのような状況が実際に発生してしまった際に的確な対応をとられることも極めて重要です。第Ⅲ章では、皆様の平素の心構えと必要な準備、緊急時の行動について必要な諸点をまとめてみました。本手引きを参考として十分な準備を行うとともに、緊急時に落ち着いて対処できるように心がけていただければと思います。
平成25年1月1日
在イスラエル日本国大使館/領事班
自分と家族の安全は自分達全員で守る当国の治安は、その時々の政治情勢に大きく左右されます。依然としてテロの危険が存在するほか、武力紛争が発生する可能性もあります。また、一般犯罪の発生率は日本に比べ高くなっています。そのような状況の中では何よりも、自分とご家族の安全は自分達全員で守るとの強い心構えが極めて大切です。
事件、事故、災害などに巻き込まれないように、予防こそが最良であることを肝に銘じ、予防のために必要な努力と経費は惜しむべきではありません。安全対策のための経費は価値ある投資です。
「備えあれば憂いなし」という古い諺がありますが、常に最悪の事態を想定し、物心両面から準備を行い、万全の対策を講じた上で、日々の生活を注意しながらも楽観的に生活することが重要です。
安全のための三原則とは、「目立たない」、「行動を予知されない」、「用心を怠らない」のことです。この三原則を守って生活することはそう簡単なことではありません。家族全員で気持ちを引き締める機会を定期的に持つことが必要です。
住宅は生活の基盤であり、その安全を確保することは安全対策の中でも最優先事項です。住居の選択には十分な検討時間を費やすことが必要です。
普段より、隣人、コミュニティ、在留邦人等との付き合いを通じ、個人や組織との間で役に立つネットワーク作りを心掛けることが大切です。いざという時に隣人の助けも得られますし、様々な情報が入手しやすくなります。
精神と健康のバランスを図ることが重要であり、適度な運動、外食等、自分なりにリラックスできる方法を見出すよう努めることが大切です。油断が生じないよう必要な時に緊張を持続し得るのも精神と健康のバランスが保たれてこそと言えます。
2011年度国家警察統計による当国の犯罪発生件数は364,730件で、約1分に1件の割合で事件が発生しています。
犯罪発生率を人口比を基に日本と比較した場合、殺人は2.2倍、強盗は6.9倍、性犯罪は7.7倍発生しており、凶悪犯罪の発生率が近年高くなりつつあるのが特徴と言えます。
日本人の犯罪被害のほとんどは、旅券や現金等の盗難被害(スリ、置き引き等)であり、ちょっとした隙に被害に遭っています。なお、凶悪犯罪については、日本人の被害件数は少ないものの、国内ではかなりの件数が発生しているので、被害に遭わないよう注意を怠らないことが大切です。
エルサレム旧市街や死海近辺のホテルなどの観光地において、荷物から目を離した隙に、貴重品を盗まれるなど、盗難被害が多く報告されています。
当国での一般住宅に対する侵入盗の発生率はかなり高いため、住宅を選ぶ時には、安全確保を最重要点とし、物件[立地条件、家屋の形態(集合住宅か独立家屋か)、防犯上の問題点]を調査し、安易に妥協しないで選ぶことが大事です。住宅を新たに選定する場合は、次の点にご注意下さい。
最後に、住宅の安全対策にこれで十分ということはありません。可能な範囲で防犯設備の充実を図るとともに、常に「鍵のかけ忘れ」がないか等防犯意識を持ち続け、自己防衛に努めて下さい。
また、住宅の選定に当たり業者に仲介を依頼する場合は、複数の業者の中から信頼のおける業者を選ぶことが大切です。物件を直接自分の目で見て、居住性ばかりでなく防犯面での確認を怠らないよう努めて下さい。
当国では、自動車盗が多発しており、一方でその検挙率は低く被害の回復は容易ではありません。
明らかな犯罪行為ではありませんが、エルサレム旧市街の土産品店での強引な客引きや、土産品購入を巡るトラブルが散見されます。
| 2009年 | 2010年 | 2011年 | |
|---|---|---|---|
| 総数 | 31,837 | 28,084 | 27,482 |
| 死亡者 | 314 | 352 | 341 |
| 負傷者 | 31,523 | 27,732 | 27,141 |
当国の交通事故発生件数は、2011年では減少しているものの、15分に1件、19時間に1名が事故で死亡しており、決して事故が少ない国とはいえません。
国内の主要交通手段は自動車(自家用車、バス、タクシー)であり、車の通行は右側通行です。また、市内の道路は一方通行が多く、駐車場は少なく、路上駐車が一般的です。運転マナーは悪く、運転技術も優れていません。例えば、携帯電話で話しながらの運転(法律上は禁止されていますが)、直前での割り込み、方向指示をしない車線変更、車線をまたいだままの走行、交差点時での急停車等、後続車や周囲の車の動向には無頓着な場合が多く見られます。高速道路以外の一般道路でも時速100㎞以上で走行することが多く、運転の際は勿論、歩行の際も注意する必要があります。
交通事故から身を守るためには、周囲の交通環境に腹を立てることなく、車全体の流れに配慮した安全速度を守り、防衛運転に徹することが必要です。
(4)万が一交通事故を起こした場合、物損事故のみの場合は警察は相手にしてくれません。相手の氏名、住所、電話番号、運転免許証番号、自動車保険(強制、任意)番号、車検証番号、車両登録番号を確認し、保険会社に通報します。事故車両は、保険会社指定のガレージで査定を受けた後、修理を開始します。これを怠ると、保険金の支払いを拒否されることもありますので注意して下さい。
また、人身事故に至った場合は、警察に連絡するとともに、負傷の程度に応じて救急車の手配など、必要な救護処置を行い、到着した警察官の指示に従います。人身事故の場合、被害者にかかる経費はすべて強制保険でまかなわれます。
物損、人身事故いずれの場合でも、確実に相手を確認し必要な情報を記録し、保険会社に通報することが大事です。不用意に現場で相手方に謝ったり、内容の分からない書類に署名しないことが重要です。
当国を取り巻く複雑な歴史、政治環境から、多くのテロ事件が発生してきました。現在は、治安当局の取締り強化等により以前より減少傾向にはあります。テロによるイスラエル側死亡者数の推移を見ると、2005年56人、2006年30人、2007年13人、2008年36人、2009年15人、2010年9人と減少傾向にありましたが、2011年は22人と増加しました。特に自爆テロ事件の発生件数は、2005年8件、2006年6件、2007年1件、2008年1件で,2009年から2012年まで0件と推移しています(出典:イスラエル保安庁)。
当国でのテロ事件は、基本的にイスラエル対パレスチナの対立によるもので外国人を直接の標的としていませんが、これらの事件に巻き込まれる可能性を最小にするよう日頃から十分注意して下さい。
海外安全ホームページに掲載している渡航情報をご確認下さい。
(別添1:各種重要連絡先をご参照下さい)
「警察」=ミシュタラー
「消防車」=カバイット
「救急車」=アンブランス
「泥棒」=ショデッド
「日本大使館」=シャグリルット・ヤパン
「警察を呼んで下さい」=ナー・リクロー・ラ・ミシュタラー
「日本大使館に連絡して下さい」=ナー・トディウ・レ・シャグリルット・ヤパン
「助けて下さい」=ハツイルー
「ありがとう」=トダ
当国では一般的に英語が通用しますので、必ずしもヘブライ語を使用する必要はありません。
万が一、在留邦人の皆様が事件・事故や思わぬ災害に遭った場合には、大使館は「在留届」をもとに皆様の所在地や緊急連絡先を確認し援護活動を行います。しかし、在留届が提出されていない場合は、大使館は皆様が滞在していることを知り得ず、迅速、円滑な救援活動を行うことができません。「在留届」はあなたのための物ですので、提出をお忘れなくお願いします。
外国に住居又は居所を定めて3ヶ月以上滞在する人は、旅券法第16条により、その地を管轄する日本国大使館等に在留届を速やかに提出するよう義務づけられています。
在留届用紙は、大使館に備えてつけてある他、遠隔地にお住まいの方には、用紙を郵送しています。返信用封筒に切手を貼ってお申し込み下さい。また、外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/image/zairyu.pdf
)からもダウンロードでき、提出は郵送でもFAXでも可能です。また、インターネット(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/
)でも届け出ることができます。
なお、在留届提出後、転居など在留届の記載事項が変わったときや帰国するときには、必ず大使館にご連絡下さい。在留届の提出は、いわば外国で滞在する際の住民登録です。
(2)在留届があれば、より良い窓口サービスが受けられます
皆様が、大使館で旅券の切り替え、戸籍、国籍関係事務、各種の証明事務等の窓口サービスを受ける場合にも、あなたの在留届は利用されます。
在留届は提出して頂いた皆様のプライバシーを守るため、公表はしません。また、管理は厳重に行われています。
(イ)在留届を大使館に提出されていない方がある場合には、速やかに提出をお願いいたします。
(ロ)大使館から、緊急連絡網により必要な連絡を行いますので、転居、転勤、電話番号変更等の場合も、速やかに大使館領事班にご一報下さい。また、連絡網(別添2:イスラエル在留邦人緊急連絡網)に基づく緊急の連絡の伝達方法がご不明な場合は、大使館領事班にご確認下さい。
(ハ)緊急事態はいつ起こるか分かりません。そのような場合の家族間、企業内等での緊急連絡方法、集合場所について、予め決めておいて下さい。近隣地域の方同士で相談されるのも効果的と思います。また、通常から、極力お互いに所在を明確にするようにして下さい。本邦のご家族との連絡手段は、普段使用している電話のみならず、メールや特定の緊急連絡先など複数設定しておいて下さい。
(ニ)電話回線が使用できなくなった場合などは、NHK海外放送のネットワークをお借りして大使館から必要な連絡を行ったり、テルアビブ近郊(半径最大10㎞以内の地域)向け、大使館からFM放送(周波数88.2メガヘルツ、予備89.2メガヘルツ)を行うことがありますので、短波及びFM放送の受信が可能なラジオを準備することをお勧めします。
NHK海外放送(Radio Japan)中東・北アフリカ向けの周波数は、以下のホームページをご参照ください。(※ 居住する場所周辺の地形等により受信状態に差があります。)
FAXサービス:+81-3-3820-1200 情報番号26000を入力して、スタートボタンを押して下さい。
Radio Japan Online(インターネットで18言語のニュースや情報番組がいつでもお聞きになれます。)
(イ)旅券、現金、着替え等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるように予めまとめて保管しておいて下さい。
(ロ)緊急時には一定期間自宅での待機をお勧めすることもありますので、水、非常用食糧、医薬品、燃料等を最低限準備しておいて下さい。
(ハ)準備しておくべき物については別添3:チェックリストを参考にして下さい。
何よりも、平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることの無いように、注意して下さい。
(イ)緊急事態が発生し、又は発生するおそれがある場合に、大使館は、皆様の安全を確保するために、情報収集、情勢判断及び方針策定を行い、緊急連絡網を通じて随時お伝えします。
(ロ)また、(大使館からの連絡は、連絡網による通報を基本としますが、)必要に応じてNHK海外放送により連絡を行いますので、これも受信できるようにしておいて下さい。
(ハ)上記(イ)や(ロ)と平行して、当地や外国の報道、衛星放送テレビ等の視聴により、各自の情報収集にも心がけて下さい。
(イ)各地の現場の状況で、邦人社会で共有することが望ましい可能性のある点(例えば道路の通行不能、当局による立入禁止区域の設定等)は、随時、大使館に通報をお願いします。
(ロ)自分や自分の家族、又は他の日本人の生命・身体・財産に危害が及び、又は及ぶおそれがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を大使館に報告して下さい。
(ハ)お互いに助け合って対応に当たることも必要になります。大使館から、皆様に様々な助力をお願いすることもあり得ますので、その時にはぜひよろしくご協力をお願いいたします。
(イ)状況に応じ、各自または派遣企業等の判断により、あるいは大使館の勧めにより、自発的に帰国や第三国への出国を行う場合には、その旨を必ず大使館へ通報して下さい。大使館への連絡が困難である場合には、出国先の日本大使館、又は日本の外務省海外邦人安全課への通報をお願いいたします。
(ロ)外務省渡航情報のうち、「退避を勧告します」または「渡航の延期をお勧めします(事情の許す方は、安全な場所への避難をお勧めします)」が発出された場合には、一般商業便の航空機が運行している間に、それを利用して、それぞれ、早急にまたは事情の許す限り速やかに、国外へ退避して下さい。
なお、一般商業便の運行が停止した場合、あるいは座席の確保が著しく困難となった場合等には、大使館に連絡をお願いいたします。(このような場合には、チャーター便(片道エコノミー正規料金の支払いが必要となります。)や、状況によっては陸路のルートを利用した退避を検討することが必要となってくることもあり得ます。仮に、大使館のアレンジによる退避が可能な場合には、大使館より必要な指示を行う場合があります。)
(ハ)事態が切迫し、大使館から退避又は避難のための集結をお願いする場合には、大使館から随時緊急連絡網にて指定する場所に集結して下さい。大使館にて同集合場所から国外退避への交通手段をアレンジすることもあり得ます。
以上、当国において皆様が安全な生活を確保する上で、最低限知って頂きたいポイントをご説明しましたが、安全に関しては常に十分ということはありません。
当国の治安情勢はイスラエルとパレスチナや周辺国との関係に左右されることが多いため、常に最新の安全に関する情報を把握されることをお勧めします。
大使館では、皆様が安全かつ快適に生活されるよう支援しています。何かご質問等がある場合は、遠慮なく大使館(領事班)までご連絡下さい。
当地での緊急時の心構え等につきましては、イスラエル民間防衛軍(Home Front Command)のホームページ(http://www.oref.org.il/
)(英語)もご参照下さい。
代表:03-6957292
FAX(領事班):03-6960340
ホームページ:http://www.israel.emb-japan.go.jp/![]()
メールアドレス:ryouji@TL.mofa.go.jp