在留邦人向け安全の手引き 在ホノルル日本国総領事館
在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
安全の手引き
在ホノルル日本国総領事館
I はじめに
ハワイ州は、殺人事件や強盗事件など凶悪事件の発生に関しては、米本土の各州に比べ低い水準を保っています。しかしながら、窃盗事件や強姦事件などに関しては高い発生率を示しており、日本人観光客が被害にかかるケースも少なくありません。
日本の喧噪から離れ、心身共にリフレッシュするために南国情緒あふれるハワイを旅行先に選ばれた方が大勢いらっしゃると思いますが、楽しい思い出だけを日本に持って帰っていただくため、安全のための手引きをまとめましたので、ご一読いただきますようお願いいたします。
平成22年4月1日
II 防犯の手引き
| 1. |
防犯の基本的な心構え
安全確保の基本は、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」、及び「目立たない」の3つと言われています。「そんな大げさな!」と思われる方がほとんどだと思いますが、被害に遭われた方々の大半は、「まさか自分がこんな目に遭うとは思わなかった。」とおっしゃっています。不測の事態に巻き込まれることを避けるためには、危険を事前に「予防」することこそが最も大切で基本的な「危機管理」です。「備えあれば憂いなし」で、常に最悪の事態を想定し、日頃から物心両面の準備を行い万全の対策を講じるよう心がけてください。 |
| 2. |
最近の犯罪発生状況
| (1) |
自動車盗・車上ねらい
ビーチ、観光名所、ショッピングセンター等の駐車場から自動車が盗まれるケースや車内から金品が盗まれるケースが多発しています。特に、レンタカーは狙われやすく、駐車後わずかな時間で被害が発生していますので、短時間の駐車であっても、貴重品は絶対に車内に残さないようにしてください。 |
| (2) |
置き引き
ビーチ、ホテル、空港、ショッピングセンター、レストラン等では、目を離した隙にバッグ等の荷物が盗まれるケースが多発しています。貴重品や不必要な荷物は極力携帯しないようにするとともに、買い物等に気を取られて荷物を置き忘れることのないよう注意してください。 |
| (3) |
ひったくり
ワイキキ周辺の繁華街では、昼夜を問わず、ひったくり事件が発生しています。被害者のほとんどが女性で、中にはいきなり暴行を受けるケースがあり大変危険です。
ファッション性よりも安全性を重視し、ウエストポーチやショルダーバッグ等、ひったくり犯人が、「やり難いな。」と思うようなバッグ類を選んでください。 |
| (4) |
侵入盗
ホテル、コンドミニアム等での客室をねらった侵入盗事件が日常的に発生しています。高級ホテルといえども例外ではありませんので油断は禁物です。夜間就寝中に室内から金品が盗まれるケースもあり、一歩間違えば身体的被害に発展する可能性もあります。在室中は、必ずチェーンロックをし、外出時はオートロックを過信せず、貴重品はフロントに預けるなどの対策が必要です。 |
| (5) |
詐欺事件
人の良い日本人を当て込み、寄付名目で現金をだまし取る事件がワイキキ周辺で見られます。犯人達は日本人だけを狙い、警察が取り締まり難いように宗教や弱者支援などを題材に、巧みな話術で比較的高額な紙幣を堂々と要求しています。滞在期間の短い日本人観光客が告訴することはないとたかをくくっているのです。実体の分からない寄付の求めには安易に応じないようにしてください。 |
|
| 3. |
住居の安全対策
住居の選定には、地域の治安状況を慎重に見極めることが必要です。
| (1) |
一般的には次のような場所や物件は避ける。
| ○ |
道路にゴミが散らかっており、壁等に落書きが多いところ
|
| ○ |
昼間なのに大人が所在なげにたむろしているところ
|
| ○ |
庭の手入れが悪い家が多いところ
|
| ○ |
表通りから見えない、出入口が樹木に覆われているなど、外部からの死角が多い家
|
| ○ |
夜間、周辺の照明が十分でない家
|
|
| (2) |
住居を借りるときには次の点等に注意する。
| ○ |
過去の治安関連事件発生の有無
|
| ○ |
介在する不動産業者や家主の信頼性
|
| ○ |
他の入居者の状況(アパート等)
|
| ○ |
ガードマン、管理人等駐在の有無
|
| ○ |
玄関・ガレージ等の出入規制状況(アパート等)
|
| ○ |
玄関扉や通用扉の施錠設備(一軒家)
|
| ○ |
警報装置の有無
|
|
|
| 4. |
犯罪加害者にならないために
特に家庭内での下記の出来事に注意しましょう。日米の文化の違いは理由になりません。
| (1) |
夫婦げんか
日本では、「夫婦げんかは犬も食わない」と言われますが、当地では、例え夫婦げんかであっても暴力を振るった場合、ドメスティック・バイオレンスとして警察に逮捕されるなど厳重に処罰されます。暴力に至らなくても悪意の無視や怒鳴りつけたりすることも犯罪視されることがあります。 |
| (2) |
児童虐待
子供に対する暴力は、例えしつけのつもりであっても警察に逮捕されるなど厳重に処分されることがあります。児童を自宅、ホテル、自動車内などに置き去りにしたりしても同様です。 |
| (3) |
薬物事犯
当地においても薬物事犯は枚挙にいとまがありません。長く生活していると、周囲の人が大麻を吸引しているのを目にしたり、パーティー等で周囲の人から勧められたりすることがあるかもしれませんが、当然のことながら大麻の吸引は違法です。安易な気持ちで薬物に手を染めることがないよう、自らを律することが大事です。 |
|
| 5. |
交通事情と事故対策
| (1) |
交通事情
一説によると、「ハワイの自動車の速度は全米一遅い」そうですが、事実はともかく、確かにスピードは控えめで、朝夕のラッシュ時であっても皆さん優雅に運転していらっしゃいます。そういった意味からは、旅行者でも比較的安心して運転できるかと思いますが、合図を出さずに曲がったり、突然道路の真ん中で止まったりするドライバーも散見されますので、それなりの注意が必要です。 |
| (2) |
運転に必要な書類(免許証)
当地において自動車を運転するためには、基本的にハワイ州発行の自動車運転免許証が必要です。日本の運転免許証を書き換える制度等はありませんので、各試験場において英語での学科試験・実技試験を受けて合格する必要があります。
入国後1年以内であれば、日本の有効な自動車運転免許証、パスポートを携帯の上運転することができますので、観光客の方々はこの制度を利用してレンタカーを借りて運転することができます。国際運転免許証はその国の免許証の翻訳という解釈ですから、国際運転免許証だけでの運転は認められていません。一方で、日本の運転免許証はアメリカの警察官には難解で、免許証を提示したにもかかわらず無免許運転の扱いを受けたケースもありますので、併せて国際運転免許証を携行することを強くお勧めします。 |
| (3) |
交通違反について
警察官が交通違反を現認すると日本同様切符処理等によって取り締まりをしますが、横断歩行者妨害の取り締まりが非常に厳しく行われており、切符処理されます。
歩行者であっても、信号を守らなかったり、横断歩道以外の場所を横断したりすると切符を切られます。ちなみに、横断歩道以外を横断した場合の罰金は130ドルです。お友達と二人で渡ったら260ドル。ご家族4人で渡ったら・・・。ディナーをキャンセルしなければならないかもしれませんね。
また、飲酒運転に関しても厳しく取り締まりが行われており、ホノルル市警では、昨年末から、試験的に飲酒運転で逮捕されたドライバーの顔写真をホームページで公開しています。取り締まりの基準(体内のアルコール量)は、日本とほぼ同じです。「アメリカでは酔っぱらってさえいなければ運転しても良い」と誤った認識をお持ちの方いらっしゃいませんか?日本でもアメリカでも「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな。」です。 |
| (4) |
パトカーと緊急自動車
日本のパトカーは屋根に赤灯を乗せていますが、ハワイのパトカーは青灯です。青灯を点灯させたパトカーが後方に来た場合には、路肩に寄せて止まらなければなりません。日本のようにサイレンを鳴らしたりマイクで路肩に寄るよう指示したりすることはまれで、気づかずに走り続けて逃走と見なされたケースがあります。正規のパトカーならまだしも、財政難を埋めるため、警察官個人の車の屋根に青灯を乗せたものも相当数公用に使用されており、初めての方には分かり難いかもしれませんので注意する必要があります。
ホノルル市中心街では救急車、消防車等の緊急車両がサイレンを鳴らして走り回っています。パトカー同様、緊急車両が近づいてきたら、早めに路肩に寄せるなどして進路を譲らなければなりません。 |
|
| 6. |
誘拐・テロ対策
| (1) |
誘拐対策
当地においては、邦人を対象とした身の代金目的誘拐事件等は発生しておりません。ただし、暴行目的で女性を連れ去る事件が発生していますので絶対に油断は禁物です。
○ 万一誘拐に遭遇したら
| ・ |
犯人を挑発しない。 |
| ・ |
救出されることを信じて冷静に行動する。 |
| ・ |
相手に家族、友人、会社のことを話さない。 |
| ・ |
可能であれば、連行途中の道筋、道路や建物の特徴、移動時間、方向、距離等を記憶しておくほか、臭い、物音を含む外界の動きに注意を払う。 |
| ・ |
犯人とある種の相互理解の雰囲気を作ると有利になる。 |
|
| (2) |
テロ事件
2001年9月11日の同時多発テロ事件を機に、米国はテロへの警戒を強化しましたが、昨年12月にはデルタ機爆破未遂事件が発生するなど、今後米国で同じようなテロ事件が発生するかは不透明ですが、十分な注意をもって生活することが重要です。なお、同時多発テロ事件の際は、ハワイにおいても多くの旅行者が足止めされ、所持金が底をついて苦労された方も大勢いらっしゃいました。このような事態に備え、複数のクレジットカードを所持し、いざというときは日本のご家族・知人等から入金を受けられるようにしておくことも大切です。 |
|
| 7. |
緊急連絡先
| ○ |
警察・消防 911
|
| ○ |
在ホノルル日本国総領事館
1742 Nuuanu Avenue, Honolulu
Hawaii 96817, USA
TEL (808)543-3111
電話については夜間、休日等も24時間対応しています。
|
|
III 在留邦人用緊急事態対処マニュアル
| 1. |
平素の準備と心構え
| (1) |
連絡体制の整備
| (イ) |
在留届(変更届)の提出の励行
在留届は、在留邦人の皆さんの安全対策のための基礎資料となるものですので、届出内容は実態に則した正確なものであることが必要です。在ホノルル日本国総領事館では、長期滞在(3ヶ月以上)の目的でハワイ州に来られた方々に在留届の提出をお願いしています。 |
| (ロ) |
緊急連絡先の確認
引越等で住所や電話番号等に変更があった場合には、速やかに当館に御連絡下さい。 |
| (ハ) |
身近な人との密接な連絡
緊急事態はいつ起こるとも限りません。そのような場合に備え予め家族間、企業内での緊急連絡方法を決めておいてください。また、お互いに所在を明確にしておくようにしてください。 |
|
| (2) |
緊急時携行品、非常用物資の準備等
| (イ) |
旅券等
旅券、現金、貴重品、クレジットカード等最低限必要なものはいつでも持ち出せるよう、予めまとめて保管しておいてください。
緊急事態が発生すると、生活必需品を含めあらゆる物価の高騰が予想されます。場合によっては国外脱出のための資金の必要が生じます。このような事態に備え、最低1ヶ月程度は生活できる程度の現金を手元に用意しておくことをお勧めします。 |
| (ロ) |
緊急時携行品の準備
移動(国外脱出を含む。)を必要とする場合に備え、次のようなものを普段から準備し、小型のバッグやリュックサック等、移動に便利な鞄に詰めておくことが大切です。
| ○ |
衣類
・ 衣 類~行動しやすく、寒暑に耐えられ、華美にわたらないもの
・ 履 物~履き慣れた、丈夫で行動しやすいもの
・ その他~帽子、軍手等 |
| ○ |
食料品等
・ 食料品~乾パン、缶詰、レトルト食品その他の保存食品
・ 飲料水~ミネラル・ウォーター、水筒
・ その他~簡易料理器具、缶切、割箸、プラスティック製食器等 |
| ○ |
その他
短波ラジオ、懐中電灯(予備電池)、ローソク、ライター、常服薬、救急医薬品、タオル、ティッシュ、生理用品、毛布等 |
|
| (ハ) |
備蓄
緊急時には、一定期間自宅での待機を余儀なくされることも予想されますので、非常用食料、医薬品、燃料等を最低限10日分くらいは備蓄しておいてください。 |
| (ニ) |
自動車の整備
いざという時にいつでも利用できるよう、自動車は常に点検整備を怠らないとともに、ガソリンの残量にも常に気をつけてください。 |
|
|
| 2. |
緊急時の行動
| (1) |
心構え
緊急事態が発生し、または発生する虞がある場合には、在ホノルル日本国総領事館では在留邦人の保護に万全を期すため、必要な情報の収集、情勢判断及び対策の策定を行い、必要に応じて随時在留邦人の方々に各種情報を通報します。不測の事態が発生した場合は、努めて平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に惑わされることのないようご注意ください。 |
| (2) |
情勢の把握
緊急事態発生の際には、現地、海外報道、衛星放送テレビ等から幅広く情報収集を行うよう各自で心掛けてください。
| ○ |
日本語ラジオ放送
KZOOラジオ 1210AM |
|
| (3) |
大規模災害用緊急一斉通報
緊急事態等の際には、ハワイ州内の在留邦人宛に、当館から電子メールにて情報配信いたします。当館に在留届を提出されている方で、Emailアドレスを記入している方は自動的に登録されるシステムとなっています。 |
| (4) |
全米・カナダ邦人安否確認システム
| (イ) |
システムの概要
2006年、外務省は全米(ハワイ、グアム、サイパン、プエルトリコ、米領バージニア諸島を含む。)及びカナダを対象に、緊急事態発生時における「全米・カナダ邦人安否確認システム」の運用を開始しました。大規模な事件・事故や自然災害などの緊急事態が発生したとき、次の番号に電話をかけ、被災者はメッセージを残し、家族等はそのメッセージを聞くことによって安否や所在を確認することができます。
1-866-903-2674
1-866-904-2647
1-866-905-2647 |
全米・カナダからは通話料無料
その他の地域からは米国までの
通話料有料 |
| 1-718-313-9150 |
通話料有料 |
上記番号は、緊急事態発生時のみ稼働します。平常時は利用できません。
回線が混雑し、無料回線がつながりにくいときは、有料回線を使用してください。
|
| (ロ) |
メッセージの利用方法
| (a) |
メッセージを録音する方法(全米・カナダからのみ)
上記番号に電話をかけ、音声案内に従い、パスワードとしてあなたの電話番号(海外または日本の自宅の電話番号)及びあなたの生年月日をプッシュボタンで入力し、あなたの氏名と安否・所在に関するメッセージ(30秒以内)を声で録音します。 |
| (b) |
メッセージを再生する方法(日本、全米・カナダ、諸外国どこからでも可能)
上記番号に電話をかけ、音声案内に従い、パスワードとして被災者の電話番号及び生年月日をプッシュボタンで入力すれば、被災者によって録音されたメッセージを再生することができます。 |
|
|
|
Ⅳ おわりに
在ホノルル日本国総領事館では、ハワイ州に滞在する皆様の安全の確保のため、常に情報の収集と緊急事態に備えての準備を行っています。本手引きは、ハワイ州に在留する邦人の皆様や短期滞在を目的として訪れる方々が、安全に生活あるいは滞在するために必要な心構えや注意事項を取りまとめたものです。今後とも皆様からのご意見・ご指摘を頂きながら、本手引きを更に充実させていきたいと考えます。
|
ページの先頭へ戻る
<< 安全の手引き INDEX